低温、低日照対策|果菜類

低温、低日照を乗り切る対策

作物は、一般的に気温や日照量が落ちてくると生育が鈍り、肥料や水を与えても夏の様に反応しなくなります。特に栄養成長(草勢)と生殖成長(果実肥大)のバランスを保ちながら生育している果菜類は影響が大きくなります。
トマト、胡瓜、ピーマンなど冬季栽培になにか良い方法があるでしょうか・・・・
原因別に4つの対策を考えてみました。

①日照の減少対策(電照)

愛媛県で大葉の周年栽培をしているKグループは、長年、冬季の収量減少に悩んでいました。試行錯誤の結果、冬でも成長を持続させる効率の高い「電照方法」を見つけ、現在では年間驚異的な収量を上げています。特に価格の跳ね上がる低日照期に安定した収量が上がることは経営上、大きなメリットとなっています。
この成功を基に果菜類など色々な作物に応用してみた結果、同様な結論を得ました。
つまり、低温、低日照期は生育の基本である栄養成長を如何に確保するかで結果が決まるということです!この時期に必要なものは肥料よりも先ず、光合成に必須な有効波長光線と温度です。

<方法>

  1. ハウスの天井近くに特殊蛍光灯(40ワット)を約5m間隔に1個取り付けるだけです。この特殊蛍光管は光合成を最も高効率で行う波長エネルギー帯に近い光線を放射します。器具は光が拡散しやすい2灯式を使い、管球は1本だけで十分です。通常の白色蛍光管では光合成の波長エネルギー帯が異なるので効果が余りありません。植物成長用または食肉展示用管球が適します。
  2. 点灯時間は夏至の日長時間からその時期の日長時間を引いた時間が目安です。通常、暗くなってから3~4時間程度点灯すれば良く、タイマーを付けておけば自動化できます。電気代は照射時間が短いので余りかかりません。
  3. 温度条件等により効果が異なりますので部分的に点灯し、生育差を比較して下さい。

②温度対策

  1. 燃料費削減対策として深夜電力を使うエコヒーター(太陽くん)の設置も選択肢です。(詳細は別紙)
    加温費が安上がりで、給油などメンテナンスが省け、排気や騒音の心配もありません。原油が高騰した時はメリットがありますが、下落している今はお奨めいたしません。
  2. 北海道など寒さが厳しい地域では、二重張り空気断熱方式が有効です。
  3. 天井循環ファンも省エネルギー効果があります。葉カビ病対策にも好適です。

③吸水・吸肥

作物は水分(養分)を根から重力に逆らい浸透圧を利用して成長点に向けて運んでいます。この作業を補助するためハウス内を減圧すると吸肥促進に効果が期待できます。
低温期はハウスを閉め切りますので減圧が可能となります。

ハウス内の気密性を良くして、換気用ファンを1個取り付け排気します。
夜明け前の早朝、2時間程度、減圧します。減圧により根の吸水、吸肥活動が高まり、夜明けと共に光合成がスタートし葉が立ってきます。
但し、温度管理の問題もあるので、時期には注意が必要です。

④根張り・施肥

地温が下ると根の活力が低下し、吸肥力が落ちてきます。
下記を参考にして可能な対策を実施しましょう。

  • 温潅水
    厳冬期に最も注意すべきことは、低温潅水による根へのストレスダメージです。これを解消するだけで格段の生育メリットが出ます。
    ◎実施例・・・風呂用プロパンガス湯沸器を設置し、出水口を潅水パイプに接続、潅水温度を21~25℃位に調整して下さい。潅水量や間隔は従来通りです。
    ◎注意点・・・湿度が上がる場合がありますので病気の発生に注意して下さい。
  • ニュー・グルメ・フィッシュ(1週間毎)
    低温期でも吸収されやすい魚由来アミノ酸(窒素:6%)が養分補給をサポートします。
  • ミネラルバランス
    希有元素を含む速効性ミネラルが、健全生育をサポートします。

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