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これからの課題 ①社会変化にどう対応する?

125日から10日間、北海道内を廻り、生産者や流通関係者と意見交換してきた。多面的、複雑な変化の中でも取り敢えず自分のポジションを確保している人、足元がぐらついて先行き不透明な人、何も考えていない人・・・様々である。しかし、多くの人達は現状も将来も厳しいと認識している。ただ、従来経験したことのない未体験ゾーンで、何を目指し、何から始めたら良いか解らないと言う。解らない時は現状維持が無難と動かない人が大多数だ。長い間、それなりに豊かで安全な生活が保障されてきたため、厳しい未来はイメージできない、考えたくない世代が主流になってきたから当然だと思う。既に現実は日本が得意としてきた産業分野の競争力が急低下している。昨年末まで円高だったこともあるが、中国、韓国、台湾など競合国の追い上げはますます厳しく、この先は予断を許さない。特に若年失業者が増え、あろう事か貧困率は先進国中、上位となり、従来の経済優等生の面影は薄れている。慢性的な財政赤字、大震災や原発事故の処理も背負って行かねばならない。この様な急激な経済、社会変化の中では現状認識と分析、流れの方向性を早急に再チェックし、組み立て直さねばならない。認識が甘いのか、逃避なのか、生活で目一杯なのか・・・事情は様々だと思うが、兎に角、対応への「気力」「腰の重さ」が気になる。

日本農業の将来を決めると言われるTPP論議がまた始まる。いずれにしても人間は生物・・・自然界の掟で最終的に弱いモノは淘汰される。「世の流れ」を的確に掴み、「茨の道」を希望と信念を持ち、上に上に向かって力強く歩みたい。日本人は優秀な民族、以前の様にみんなで努力すれば輝きを取り戻せる!

 

今日本で起きている変化で、農業にとって最大インパクトは「需要減」と「供給減」の綱引きである。

最近、流通関係者が指摘するのは「モノが動かない・・・」である。価格が安くても高くても青果物は動きが鈍いという。量販店の食品売り上げ高もパッとしない。デフレ、不景気も原因としているが、最大の懸念は「少子高齢化」による需要減。少子高齢化は構造的な問題で、当面解決策は見当たらない。供給側としては経営戦略上最も重視しなくてはならない課題だ。農産物が売れなくなったり、農家が減って作付が減少したり、無くなったりした例が増えている。

北海道南部A町は、以前から大根の大産地で、最盛期には300㌶超あった。平成5年の歴史的大暴騰を境に徐々に減り続け、昨年は1/4以下70㌶。農家の本音は採算が厳しいので他の作物に転換したいが、供選施設の償却が終わっていないためやめられないと言う。企業ならば採算が採れなければ設備売却か廃棄だがJA組織では決断が難しい。市場への相場出荷だから赤字が確定している訳ではないが、需要減で安値が定着しており、高値を期待しつつ償却のため作っている。他の産地も大同小異。

大産地が衰退する一方で、元気なのは直売場。種苗会社が色々な珍しい品種を開発し、販売に力を入れている。販売量は限られるが、形状の珍しいモノ、赤、青、黒など量販店では余り見かけない大根も売れている。辛み大根や煮物など調理の仕方に合わせた品種も支持されている。大量生産して安く売る時代から、個性化して適量販売する時代に変わってきた。

 

主要野菜の一つ南瓜も消費環境の変化で需要減が定着しつつある。黄緑野菜として人気は衰えていないが、1回に食べる量が大幅に減っている。惣菜などの加工品で食べる割合が多くなり、店頭で青果として売れる量は減少が激しい。以前の1/2カットから1/4カットになりもう1/8でも間に合うご時世だ。先日、北海道北部で南瓜を作っているHさんが「南瓜の時代もいよいよ終わりだね・・・」と電話してきた。彼は有機野菜野菜の流通業もしているが、露地野菜の荷動きが落ち異変を感じ、原因を探るため今冬は消費地に出向いて、売り場を廻っている。彼の話では南瓜は既にスライスパック売りに移行開始中。5cmくらいのスライス南瓜にそのまま衣を付けて天麩羅、フライパンで焼き物、電子レンジ加熱で簡単に食べられる。最近は果肉や果皮が固い栗系が主流になったため、家庭の包丁ではカットできないため、人気上昇中で定着しそうだと言う。重量計算すると1パック当たり51/16カット位。1/4カットの1/4となるから販売良は大激減・・・・これでは飯が食えないと自嘲していた。

南瓜に限らず、すべての野菜が同じ道を歩んでいる。

 

高級メロンの産地夕張は、ギフト需要の低迷と生産者の高齢化が進み、最盛期の230戸から昨年は131戸に減少した。このまま需要低迷が続くと100戸大台割が懸念される。販売関係者に回復策を問うてみたが、気候変動で品質や出荷量のブレが大きく、日持ちの悪さは宿命的問題、ギフト宅配から抜けられない。全国的に知名度が高いので拡販の余地はあるが、長年、商権が確立しており、新規開拓は動き辛い。一部、輸出もトライしているが、数量は限定的だ。メロン自体が需要縮小トレンドに入っているから、回生は厳しい。

一方、夕張系品種で市場を通さずギフト会社直売ルートを開拓した北海道南部のT社は元気だ。リーマンショックで注文が減り、一時減反したが、昨年は注文が回復、今年から再び増反する。T社長は、毎年仕事が一段落する2月上旬から全国主要業者を訪問し、情報を集める。マーケットの微少なシグナルも見逃さず、メロン以外に多くのヒット商品を育ててきた。彼は「おいしいモノを作っていれば業者が喜んで育ててくれる。勿論、大量生産して値頃感を出さないと売れないけどね・・・」と話す。

昨年、豊作で暴落した馬鈴薯だが、彼は毎年1215㌶作っている。ギフト商品に仕上げて1月末には完売してしまったという。他に安い芋がゴロゴロしていても彼の男爵芋は格別に美味しいため、通販でリピーターが付く。通販、ネット、宅配インフラの進化などで流通環境や消費者意識が変化している。

Tさんの話を若手友人に話したら、彼は昨年農家と連携してこだわりスイートコーンを作り、IT企業と組んでネット販売した所、1本300円で飛ぶように売れたという。「美味しいモノはネット市場が正しく評価してくれる!」と販売に確信を深めている。我々が気が付かない間に社会変化が進み、市場環境が変化している。

スマホの爆発的な普及が世の中を変え始めている。ジッとしていると従来の市場が奪われる可能性がある・・・

 

 

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