• いい野菜.comのトップページ
  • 私たちについて
  • 土の食養生
  • 作物別実例
  • 農業資材
  • 作物・生産者情報
  • 農業経営実例
ブログ
ホーム > ブログ > 再び有機農業を考える(1)

再び有機農業を考える(1)

I■mg_0074.jpg今更、有機農業を否定する人はいないと思うが、日本の実情はあまり活気がない。

722日(日)の日経新聞に「稼ぐ農業、中国で改革」と題した特集が出ていた。上海市浦東国際空港近くに3年間の歳月と約32億円の資金を投じ、有機栽培農場約100㌶を整備、2009年から営業を始めた企業の例が紹介されていた。近隣に住む富裕層を対象に季節ごとに約30種類の有機野菜を宅配している。上海市以外にも顧客が広がり、現在、1万件を超え、同様のビジネスが北京市などにも進出が予定されているという。有機野菜100㌶・・・日本的感覚では?が付くが、中国の現状から考えれば生産も需要も現実の話しである。

中国の有機農業については、10数年前に福建省、浙江省、雲南省などの農業公司、昨年4月には黄河中流域河南省鄭州市の記事を書いた。中国の有機農産物基準は日本と若干異なり「無公害野菜」「緑色野菜などと呼ばれている。一般的に有機を看板にした農業公司で作られているものは無公害野菜と呼ばれる化学肥料や農薬の使用をなるべく控えて栽培した農産物が多い。鄭州市周辺では有機肥料として鶏糞を使用し、有機窒素成分率で概ね30%位と言っていた。化学肥料は元肥も追肥(液肥)も価格の安い尿素を主体に使用していた。日照量が多いので硝酸塩の残留、食味の低下は少ない。防除は防虫ネット、植物由来の葉面散布材を使い、高日照で乾燥期が長いため、日本より農薬の使用量は少ない。[中国の野菜は農薬まみれで危ない」という風評が付きまとうが、毒性が強く残効性が長い農薬が使われていたことは確かだ。しかし、次々と立ち上がっている上記の様な新世代経営者が率いる農業公司は、旧来のイメージを払拭し、畜産、農業、バイオマスを組み合わせて完全リサイクル型有機農業が基本である。無公害野菜ではなく「緑色野菜」と呼ばれる日本で言う有機野菜である。但し「緑色野菜」にもAとかAAの格付けがあり、基準はっきりしている様だが、現場で農薬の話になると歯切れが良くない。一般農民は農薬使用の歴史が浅く、知識が不足している事もある。しかし新世代経営者は知識レベルが高く、残留農薬検査もしているから、安全性は以前より高まっていると言える。

■画像・・・ハウスも露地も防虫ネットが普及、殺虫剤の使用は少ない(福建省で撮影)

 

日本でも一時期、同様な畜産、農業、リサイクルを一体化した有機農業が各地で立ち上がったが、残念ながら数は限定的。単純に言えば従来型の畜産も農業も現状では利益が上げにくく、まして有機となれば除草などの管理に人件費が嵩み、病害虫リスクも高いので採算的に厳しい。長年続しているデフレ経済が農産物価格を抑え、収益性の低い農業の動きを鈍くしている。大規模化できる地域は限られ、大規模化しても手作業が多く人件費削減は限られ経営が難しい。中小が統合してもメリットが出しにくい。

現在成功しているのは、地道に直売客を育ててきた生産者である。マスメディアに乗った商品や産地は一時的、短命である。

先日、ある講演会の懇親会で安全で特別美味しい牛乳やヨーグルトを生産販売している北海道の酪農家(250頭飼育)Tさんにお会いした。口コミやマスコミで有名になりデパート、通販、生協、量販店・・・などから注文が殺到したが、お断りしているという。理由は食べ物はどんなに美味しくても飽きが来るから、従来の固定客を大切にし、食べたい時に食べたい量だけ買って頂くのが長続きの秘訣だと話していた。こんなに売れるからと設備投資をした時がピークになると笑っていた。

彼は、飲料水に酵素を添加し、糞尿は殆ど無臭、バイオマスでメタンガスを採取し、堆肥は草地に使う完全リサイクル型の酪農を実践している。

 

6月に3回にわたってフランスのオーガニック(有機)農家の訪問記事を書いた。共通しているのは自分達で販路を開拓していることである。顧客作りは地域に合わせて様々だが、特にノルマンディーのハローウィン農場は立派なホームページを作り、パリ商圏で幅広い客層作りに努力している。

http://www.fermedubec.com/

 

しかし、フランスは宅配インフラ構築が遅れており、地域外からの流入が少なく、地産地消型が育て易い。

中国はネット販売が急成長しており、宅配便の整備も着々と進んでいる。富裕層を中心に利便性と安心、安全の担保された有機農業ビジネスが更に勢いを増すかも知れない。

 

日本政府が農産物輸出1兆円のお題目を唱えている間に、ライバル達はサッサと追い抜いて進化している。。政策資金は出ているが、相変わらず規制や紐付きが多く、明確な事業理念を持ったチャレンジャーも育ちにくい・・・

日本は長い間、安全は当たり前、」タダ・・・という認識が続いてきた。有機農業に消費者は賛同するが、それに見合う対価を払う必要がある。普通に販売されている商品でも比較的安全性は高いから、それで十分という消費者が多い事も確かである。しかし、原発事故が教えているように、目先は安いが将来コストを考えると高くつくと言うのが現在の化学農業かもしれない。

 

 

◆コメントする





サイト管理者|日本マックランド株式会社
メール相談はこちらからどうぞ!|農産物の栽培・生産方法から流通、販売に至るまであなたの真剣なご相談歓迎します。