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フランスのオーガニック農家を訪ねて(3)南仏モンペリエ

フランスのオーガニック農家といっしょに

NPOココペリを訪ねた翌日、モンペリエの大学と連携してオーガニックの産直支援研究をしているK女史(左から2人目)に案内して頂き、地元のオーガニック農家を訪ねた。K女史は陽気なラテン系マダムで4人の母親。こちらと会話しながらパソコンと向き合い別の仕事をしているスーパーウーマンだ。右側が当園オーナーマダムFさん。実直そうな人柄で質問に丁寧に答えてくれた。

オーガニック農家の圃場 オーガニック農家の鶏

◆経営面積は?
『ビニールハウス25㌃、露地で1.2㌶作っています。スタッフは自分を含めて3人ですが、忙しい時期は近所の人に応援してもらいます』

◆作っている野菜は?
『殆ど産直ですから種類が多くないとお客さんが限られてしまいます。季節ごとにキャベツ、玉葱、馬鈴薯、人参、トマト、茄子、胡瓜、ピーマン、ホウレン草、レタス・・・など、年間40~50種類作っています。八百屋さんに並んでいる物は殆ど作っていますよ』

◆全部オーガニックですか?
『そうです。化学肥料も化学農薬も使っていません。土作りは地鶏を飼って出た鶏糞を発酵させた肥料、落ち葉と近くの畜産農家から出る厩肥を切り返して発酵させた堆肥だけです』
『オーガニックで一番労力のかかるのは草取りです。全部手で取りますが夏は次から次へと生えてくるので雑草退治に追われます。プラスチックフィルムマルチは環境への配慮から使いません』

◆日本のオーガニック農家は害虫対策で苦労していますが?
K女史『ここでも色々な害虫がいます。特にアブラムシの発生が多いです。ハーブなどとの混植や輪作が基本ですが、それだけでは防ぎきれません。作物と害虫名が判れば大学の研究室で蓄積したノウハウで対応策を提供しています。天敵昆虫や植物抽出エキスがかなり有効です。自然界では完璧は無理ですが・・・それ程困る様な大発生はありません』

◆アジアではニーム(インドセンダン)が使われていますがフランスでは?
『名前は知っていますが、ここでは使われていません。地場で調達できる資材が基本ですから』

◆オーガニック(AB)認証(は難しいですか?
『申請するとお役人が来て簡単なチェックがありますが、何回も来るわけではありません。オーガニック農家は非常に少ないですから定期的にチェックするのは効率が悪く、コスト的に不可能です。登録料は年間100ユーロですから・・・。毎日、農場の近くにある直売場に消費者が買いに来ますから、むしろ彼らにチェックされていると言ってもいいでしょう。産直のオーガニックは理屈ではなく人と人との信頼関係で成り立っている面が強いです。顔の見えない不特定多数、大量生産販売とは異なります』

◆販売は?
『この辺は地中海に面した観光地で、夏には大勢のバカンス客で賑わいます。レストランや各地にある直売場で全部売り切れてしまい、毎年、品不足状態です。オーガニック農家は少なくとも半径10km以内にはありませんから、傷んでいなければ屑物でも売れてしまいます。慣行品のように取れ過ぎて捨てた経験はありません(笑い)』
『販売価格はほぼ通期同一価格で売っています。平均すれば慣行の野菜と比べて変わらないでしょう。私達の直売場に安さを求めて来店するお客さんは余りいないと思います。リピーターを増やしてロス無く売り切ることが経営的に最も大切です』

◆経営は順調ですか?
『自分で価格を付け、多品種、売り切り型ですから大型農機具や冷蔵、貯蔵施設は不要で、償却費はあまりかかりません。種子代はともかく、肥料や農薬など生産資材費も、慣行農業と比べたら格段に安いです。殆どが手間賃ですからお陰様で経営は順調です』
『これからもっと仲間を増やそうと募集を始めました。パートナー2人で当園で研修してもらい、自信がついたら自分達で独立すればいいのです。農業は一人では大変ですから、基本は二人です。男女の組み合わせは如何様でも構いません』

オーガニック農家の直売場

(直売場)
シーズンオフのため表戸は閉まっていたが、夏は大変賑わうと言う。
ここだけではなく各地に直売場があり、配達している。

オーガニック農家の葉菜類

(葉菜類)
シーズンを通して鮮度の良い葉菜類が並び、安全性が高いので人気商品。

オーガニック農家の土付き人参

(土付き人参)
フランスでも基礎野菜の一つである人参は、土付きで貯蔵し、長期間供給している。オーガニックのため、傷みにくい。

オーガニック農家のリンゴ

(リンゴ)

オーガニック農家の地鶏タマゴ

(地鶏タマゴ)
放し飼いで美味しく、鮮度も良いので人気商品!

オーガニック農家のハーブティー

(ハーブティー)
ドライ、瓶入りハーブオイル、エッセンスなど・・・香りを楽しむフランス人には欠かせない。

オーガニック農家のジュース、ジャム、ケチャップ

(加工品)
ジュース、ジャム、ケチャップなどが並んでいる。

モンペリエ近郊を結ぶローカル線

(モンペリエ近郊を結ぶローカル線)
利便性は良いとは言えないが、お洒落なデザインの車両は鉄道ファンならずとも乗ってみたくなる。

南フランス(プロヴァンス、コートダジュール)のランチ

(ランチ)
駅前のレストランで昼食をとった。
南フランス(プロヴァンス、コートダジュール)の料理はパリなど北部と異なり、野菜、モツァレラチーズ、オリーブオイルをベースにしたイタリアンが多い。パスタの上に新鮮な野菜がたっぷり盛られ、ヘルシーでとても美味しい。

フランスの回転寿司

(回転寿司)
モンペリエ市内に「回転寿司」と日本語で書かれた行灯があり、?を感じつつ店に入った。
カウンターは日本でもお馴染みの楕円形ベルトコンベアー方式。カウンターには座らず、テーブル席に座った。メニューは日本の居酒屋ランクで、焼き魚(サンマ?)、ホウレン草の白和え、豆腐、インゲン豆、しめ鯖、蛸、マグロなどの刺身。まずまずの味であった。ワインは何処で呑んでも安くてレベルが高い。

【コメント】

南フランスは北部や東、中部の大規模農業地帯とは異なり比較的中、小規模の農地が見受けられる。ワインなども数量より個性を重視した生産者が多いと言われている。野菜畑は殆ど見かけない。
K女史はオーガニック農産物の流通支援NPOを運営しているが、フランスにはこの様な農業支援NPOが多い。K女史によれば活動資金は企業や有志の寄付金、大学の研究費で賄われているが、最近は経済停滞で資金が集まりにくくなっているという。しかし、各分野の民間NPOの専門家が積極的に支援活動を展開していることは流石、農業国フランスである。Fさんの様な自立した生産者が育てば、農業に別な価値観を持った人達が集まり、新しい農業コミュニティーが誕生するかも知れない。
フランスでも仕事のない人達が増えており、希望者は多いらしい。しかし定着するかどうかは日本と同様に微妙な問題だが、K女史の様な頼りになる人材が日本でも育つことを是非期待したい。

当地の成功キーワードは「バカンス客」の取り込みであり、日本も海外観光客を含めて考えたい。

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