• いい野菜.comのトップページ
  • 私たちについて
  • 土の食養生
  • 作物別実例
  • 農業資材
  • 作物・生産者情報
  • 農業経営実例
ブログ
ホーム > ブログ > これからのトレンド(7)中小規模農業

これからのトレンド(7)中小規模農業

大規模化、大量生産、大量販売でコストを下げ、競争力を高めて収益を上げる手法は、あらゆる分野で世界の主流となっている。農産物もその流れであり、その流通に至ってはは寡占化が進んで、10年前とはすっかり景色が変わってしまった。特徴のない中小小売業は整理され、大手も資本統合で巨大化して、価格支配力を強めた。小売店の統合が進んだ地方市場は買い手が寡占化して活気がない。デフレも作用して供給者(生産者)への価格圧力は止まりそうにもない。供給側(商社)は安定調達とコスト削減に迫られ、中小から大規模生産者への調達にシフトしている。しかし機械化の出来る重量野菜はともかく、人手のかる野菜は異常気象や農家のリタイア、面積縮小で供給減の懸念が台頭している。

先日訪ねた甲信地区で葉菜類(夏秋レタス、白菜)を栽培している農業会社F社長(40歳台)は、「近隣地域を見ても同年代は極少なく、60歳台後半が多くなってきた。今後、出荷量は黙っていても減る。その時に我々世代にチャンスが巡って来る。異常気象や相場の乱高下に耐えて5年位頑張れば、状況はガラリと変わる可能性がある。ただ、消費者のニーズが大きく変化しているから、従来型では駄目。マーケットに対応出来る様に栽培~加工~販売まで一気通貫型に組み替える。変化が大きいので設備投資のリスクがあるが、状況を見極めながら準備を始めた」と話していた。

何処を歩いても、積極的に攻める話しはあまり聞かれないが、着々準備を進めているチェレンジャーがいることは明るい材料である。

 

農産物の大規模生産は栽培面でも販売面でもリスクが高い。リスクヘッジは古くて新しい問題だが、最近は気象災害だけではなく、予期せぬ世界的経済ショック、巨大地震多発懸念など多様なリスクが高まっている。しかし、この種のリスクは回避できないから考えても仕方ない。

生産者レベルでは過剰品の加工などいろいろ試されてはいるが、青果物に特効薬はない。所得保障政策が将来も継続できれば多少なりともリスクヘッジは期待できる。この数年、異常気象や放射線禍で野菜の供給量が減り、需給が締まってはいる。しかし、需要は縮小トレンドであり、大規模生産者は常に需要動向に注意を払う必要がある。

 

値決めしていても、実際問題として売れ行きが悪ければ買い方は仕入れを控える。売り方は注文されてもモノが取れなければ出荷できない。事前値決め取引はそれなりの信頼関係が出来ないと難しい。安定した売り場を整備しながら、販売量に見合った規模拡大が望ましいが、収穫量に大きなブレが出ると買い方に理解がないと継続が難しい。

規模拡大して安定した収益を上げている青果用生産者は、種類は限られるが強いブランド力、販売力を持ったJA組合員か、高い技術力と安定した売り先を持っている生産者に限られる。

流通の寡占化が進むほど、供給力のある大規模生産者のポジションが高まり、中小規模生産者はその補完的なポジションとなり、過剰の場合は蚊帳の外に置かれてしまう。従って大規模生産者とは別のポジションを取らないと競争に負ける。

 

国内では売り場の要求に応えられる大規模生産者の数は限られ、大半は中小規模生産者である。JAが技術、販売力を持っている中規模産地は新規就農や後継就農者の参入により、急速に衰退する可能性は低い。中途半端な規模の地域は高齢化、人材不足でこのままでは衰退の道を歩む。今までUターン組の参入で小康状態にあった地域も65歳を迎えた団塊の世代をピークに、10年後にはUターン農家も相当減る。もっとも、年金の支給開始年齢が上がり、減額されたりすれば生活費の足しにと田舎に帰って百姓でもするかという人達が増える可能性もある。

先日浜松で、古希祝のクラス会があった。郊外で農地を持っているクラスメイトが結構いて、彼らは手厚い企業年金と所得保障金をもらいながら、農地を守っていた。技術や販売サポートは地域のJAや業者が支援している。専業農家には申し訳ないが、自分達は損をしない範囲でマイペースの農業が出来るから気楽だと話していた。都市近郊ではこれから急増するリタイア組(年金受給者)を活用した農業の取り組みも重要である。破綻間近と囁かれる年金を当てにしていては心許ない。受給額が減る分は、健康な人は自分の食い扶持の穴埋めを考えたい。ただ、農家の土地に対する愛着や、法整備の問題があるが、制度改正やNPOなどの活躍を期待したい。

 

過疎化した中山間地の小規模零細農業の対応は非常に難しい。

農業だけではなく国土や地域社会の保全とも密接に関わってくるから、政策レベルで考えないと解決は出来ない。本来は地域に密着しているJAの出番だが、残念ながらJAの経営も厳しく、大型合併で地域に精通した人材も育たず、全体的には期待できそうにもない。

 

 

◆コメントする





サイト管理者|日本マックランド株式会社
メール相談はこちらからどうぞ!|農産物の栽培・生産方法から流通、販売に至るまであなたの真剣なご相談歓迎します。