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これからのトレンド(6)パートナー、後継者

規模を拡大していく過程で課題になるのがパートナー作りである。稲作や畑作の様に殆どが機械化されている作物は問題は少ないが、果菜類や花卉類の様に手間がかかり、管理が収益を左右する作物は、パートナー作りがポイントとなる。、60歳を過ぎ、跡継ぎの目処が立っていない農家は実に多い。今後どうするか、判断を迫られる。水田や畑ならまだ土地を売れば気持ちの整理は付くが、大面積のハウスを持ち、設備や土作りに投資し、長年技術を磨いて、漸く安定した収益を上げられる様になった農家の思いは複雑である・・・

若くして規模拡大に成功した農業人も、パートナー作りに苦労している。今、必要なのはパート労働者よりも、会社で言えば、次世代を担う管理職、経営者候補である。

 

労働力不足は、外国人労働者(研修生)の規制緩和で何とか凌げているが、3年間という枠があり、毎年同じ人が来るとは限らないから管理を任せられる人材は育たない。

夫婦のどちらかが動けなくなったら、面積が多いと忽ちピンチに陥る。一時的には身内や近所同士で助け合うことも出来るが、年齢を重ねるに従い、プレッシャーが高まる。

 

施設の売却はスッキリするが、生活のこともあり、そうは簡単に割り切れない。農業に愛着があり、まだ働けるから出来れば自分も関わりながらパートナーを育て、バトンタッチの時期を探りたいと考える農家は多い。

パートナーを育てるにはある程度の余裕資金がないと厳しいが、現状は資金が貯められる経営状態の良い農家は限られる。

 

「資金」が足らなければ一般企業の様に法人化して出資者を募るか金融機関から借金することになるが、ここまで踏み込むと「家業」から「企業」経営の領域になる。どちらを選択するかはその人の考え方と能力による。外部資金を導入し、社員を雇用して事業を継続し、拡大する動きが盛んになれば、農業は今までと全く異なった展開となる。

 

敗戦で灰燼に帰した日本がこれだけ発展を遂げたのは、戦後の父ちゃん母ちゃんの「家業」から脱皮し、会社組織にして資金を調達し、設備投資し、従業員を雇用し、一致団結して国際競争に勝ち抜いてきたからである。

当時の零細企業経営者は最初から「売るモノ、作るモノ」があったわけではない。食うために必死になって売れるモノを開発し、販路を開き、持っている資産を差し出して資金を作った。そこは厳しい勝負の世界であり、多くの勝者と敗者が生まれた。戦いに敗れて裸一貫にになった経営者は枚挙にいとまがない。

 

今は、時代背景が異なるから、一概には言えないが、農業の状況は当時の「売れるモノが無い、作るモノが無い」「零細中小規模」「資金がない」と言うことはある意味で共通している。右往左往していても時間だけが過ぎ、問題は解決しない。座して衰退するよりも、先ずは富を生み出す「人材」と「資金」を調達できるチャレンジャーを広く発掘し、育てなければならない。残念ながら今の農家にのみ、それを期待することは無理である。

流れが少しでも出来てくれば、追従する人が出てくる可能性はある。

どん底に落とし込まれた震災地から、立業のニュースが伝わってくることは心強い。

ただ、農業の場合、農地の確保が課題だが、高齢化でいよいよ流動性が高まるタイミングにあり、強力な政策を期待したい。

 

以下、農家の実情を少し書く。プライバシーに配慮して詳しくは書かない。

 

   家族労働力がないと儲からない。

先日、ハウストマト2㌶を栽培しているKさんと農業の企業化について意見交換した。ここは販売部門はメンバーが集まり法人化しているが、栽培は個人単位の経営である。Kさんは自前労働力は彼一人、作業はパートと外国人労働者に依存している。外国人労働者は年間雇用を希望するため、トマトが終了したら菌床椎茸を栽培して年間雇用している。昨年はトマト類が高騰し、菌床椎茸も高値が続いたので、たっぷり稼いだ?・・・と聞いたら「決算してみたら思っていたほど残らなかった。昨年みたいな高値の年に、本来は貯金が出来ないと、安値の年が苦しくなる。内容を分析してみたが、ミニトマトも菌床椎茸も、人件費の割合が高いから、うちみたいに全部雇用労働で経営していたら、人件費に消えて残らないよ・・・

同じ作物を作っている仲間のNさんは家族労働が主体だから、人件費の支払いが少なく、面積が少ないけど儲かった。

自分はサラリーマンからこの道に飛び込んだ。農業を企業化して若い人達に夢を持たせようとチャレンジしてきた。しかい、人を雇用して拡大したら儲からないことを実感した・・・雇う事を前提にした農業は、相当付加価値の高い作物を作らないと採算が採れない。外国人労働者の賃金は日本人と同一になり、今後、雇用条件などハードルが高くなって行く。付加価値と技術の向上は不可欠だね・・・トマトはフルーツトマトを主体にする。

 

   地方は人材不足、視野を全国に広げるべきだ。

先日、お会いしたHさん(40歳前半)は主力作物としてメロン(3.5㌶)を作っている。7年くらい前、売り先を手間のかかる個人客から通販会社にシフトした。取引先と情報交換を重ねながら、馬鈴薯、トウキビ、アスパラガスなど、とびきり美味しい農産物を順次ギフト向けに商品化した。海産物などの取り扱いも手掛けて売り上げが急増。数年前、資本増強して有限会社から株式会社に変更した。作業現場はパート30数名を雇用、事務関係も今の所、問題は無い。取引が拡大するに従って自分だけでは処理しきれず、右腕となるパートナーが必要になってきた。地元の高校やハローワークに求人を出してはいるが選択肢が限られ、採用しても定着しない。

事業環境に恵まれ、技術力、販売力もあり、経営は安定、事業拡大の余地も充分あるが、パートナー不在で数年足踏み状態である。

 

長年地方に住んでいると、地元の情報しか無く、優秀なパートナーを広い視野で探すことが出来ない。取引にネットは活用しているが、人の事となると田舎人は敷居が高く、踏み込めないという。都会人も田舎生活には不安があり、希望者は限られる。

「住めば都」田舎には田舎の良さがある。日本の何処に行っても主要都市は航空路で結ばれ、空港からは道路や交通機関で結ばれている。今後、LCC(低料金航空会社)の路線拡充で、距離感が無くなってくることを考えれば、この様な、地方の成長企業で活躍するのも選択肢かと思う。

 

   軌道に乗ったが、次の課題・・・

ブランドメロン(12.000坪)を作るMさんは、若い若いと思っていたが、いつの間にか還暦を迎え、後継者を作ることが課題となってきた。天候に振り回されながらも技術力とブランド力で大崩れはなく、経営は順調である。4年前から外国人研修生を受け入れ、課題であって労働力は今の所問題は無い。しかし、自分の体力と気力の減退はこれから少しずつ進む。栽培面積が広いので時期になると早朝から管理に振り回される。手入れ次第で出来、不出来の差がはっきり分かれるが、ブランドメロンの魔力にとりつかれ、今の所、面積を減らすことは考えていない。

夫婦揃って元気、外国人研修生もよく働いてくれるので、当面は大丈夫だが、技術的に難しい品種で直ぐにはバトンタッチは出来ない。ぼつぼつ後継者候補に目星を付けないとね・・・と話していた。

これが、今までの中で一番難しい課題かも知れない・・・

 

   新規就農研修生を育てたが・・・

ハウス3900坪(花卉、メロン、軟白ネギなど)を作っているKさんは古希を迎えた。面倒見が良い事もあって、十数年前から新規就農研修生を受け入れ、人材を育ててきた。しかし、毎年天候災害やトラブルに見舞われ、自分の後継者を育てるタイミングを逃してきた。二所帯が生活して行くには中途半端な面積だという認識もあり、積極的に動けない。時々、アバウトな計算をしてみるが、結論は「うーん・・・難しいね」。現状はパート4~5人雇い、経費を払ったら、余り残らない。もっとも、Kさんは「人生は楽しむ」と言う哲学を持っていて、毎年、秋にはパートさんを引き連れて九州や本州方面に慰安旅行に出掛ける。「まあ、引き継いでくれる人が現れればラッキーだが、今の若い人と自分達の考えには相当差があるから、無理しない方がお互いに幸せかもね・・・」と笑って話す。後継者作りは厳しいかも知れない。

 

   農家の集まりではなく、若い社員を育てる

12㌶、野菜5㌶、ハウス2.100坪を経営する農業会社のC社長は、当初、型どおり農家を集めて法人化した。しかし、数年、取り組んでみたが、それぞれの意見が合わず、4年前、限界を感じて思い切って解散した。翌年から若手社員を1年1人ずつ育成し、今年は4人目になった。作物別に播種から収穫まで全部責任を持たせ、失敗覚悟で育てている。収穫までの全ステージを任せることでトラブルの原因が何処にあったのか自分で解析でき、毎年、成長している。年に何回か現地に出向いて彼らと酒を呑むが、一様に今までの仕事より農業は張り合いがあって楽しいという。

事情があって辞めた社員もいるが、Cさんの方針は若い社員達に支持されて、先行きが楽しみである。

 

 

 

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