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これからのトレンド(4) 規模拡大と所得保障

日本の農業を論じる際に、最初に出てくる言葉が規模拡大、法人化(企業化)である。規模拡大と農家の安定経営については、政策的に手が打たれ、特に後継者のいる農家には手厚い政策が打たれた。しかし、品目別に見れば機械化して大規模経営が可能な水稲、畑作、畜産、重量野菜が主力である。

 

先日、十勝の生産者を回ってきた。所得保障のお蔭もあり、経営は上向いている。畑作と加工野菜120㌶を作っているNさんは今後も徐々に野菜にシフトして、収益改善を図りる。、資材価格の高騰に備えるためという。今の所、野菜は牛蒡が主力だが、要望があれば加工白菜も作る。

今年の目玉は輸出が安定している長芋。政府が平成25年度までに農産物輸出目標1兆円を掲げており、世界的な日本食ブームで有力な輸出作物と言える。輸出量の多い台湾でもJA帯広川西で1100㌧程度。各国のニーズにあった用途開拓が進めば、伸ばせる余地はありそうだ。機械化、量産が可能な作物だけに農家の期待は大きい。

Nさんは今年からスタートするが、6㌶を植え付ける。長芋は初年度、種芋と資材代が凄くかかる。「種芋代は初年度は仕方ないけど、2年目からは自家採取できる。ポールやネットはリタイヤした農家から集めるので、コストの心配はしていない。

 

ここは燐酸吸収係数が高く、燐酸が効きにくい土壌が多い。特に根菜類はこの傾向が強く、JAや商系の一般的な成分ではパフォーマンスが良くない。Nさんはその対策として8年くらい前からミネラルPKを併用して収量を上げてきた。今年はコストの安いエキスパートPK(海上コンテナ単位販売)が発売されたのでこちらに切り替える。牛蒡、小麦などにも使っている(反当30kg

 

牛蒡のC品を使って「牛蒡茶」の製造販売も始めた。作り方は簡単、スライサーで2㍉くらいの厚さにスライスして乾燥させ、ホーローまたはステンレス鍋で煎って香味を付ける。金をかけて販売すると手取りが少なくなるので宣伝もしないが。直売場や口コミでお客が増えている。薬ではないが便秘や血糖値の高い人がリピーターになるという。

 

十勝の農業法人H社は馬鈴薯(メークイン)が主力だったが、消費が低迷、牛蒡、人参、玉葱、ブロッコリー、南瓜など露地野菜を増やした。特別栽培にもチャレンジしたが、昔と異なり思うような価格で販売できなくなり、整理した。十勝の強みは大量、低コスト生産。基本に戻って、大量生産可能なキャベツに目を付け、商社と業務用野菜を契約し、収入の安定化を図っている。昨年、10㌶作り、反収9㌧を上げた。今年は増反する計画という。栽培は殆ど機械化され、青果用と異なり規格も煩くないので、十勝人の気質にあっているという。

 

所得保障についてベテラン農家に意見を聞いたら、「農家が堕落するだけ・・・」と斬り捨てた。「息子達は大金が入ったので、集まると機械の更新の話しをしているたしい・・・」「もっと将来に備えて、暇な冬場に国内や海外の農業を見てくるとか・・・経営の勉強をするとか・・・金の使い道は色々ある筈だ」

上記の様な話しはあちこちで聞いた。勿論、補償金をもらって助かっている人も多いと思うが、親父さん達の心の中は「何か間違っている・・・」という認識が読み取れた。

 

海外から見れば圧倒的に競争力の低い穀物は、好むと好まざるとに関わらず、縮小への道を歩まねばならないだろう。農家の生活を保障するために所得保障は世界ルールとして認められているが、産業や国民の活力が衰退して行く中で、莫大な補償金を支払い続けるのは大きなリスクである。補償金により農業が活性化すれば問題は杞憂に終わるが、今回、歩いた感じでは、残念ながら期待している効果は限定的と思わざるを得ない。

今の日本に必要なのは次世代を切り開くアイディアと人材の育成である。政府が農業現場にお金を出せば農業が栄えると考え実行したのはもう過去の遺物である。世界的な気候変動、資源枯渇、経済摩擦などグローバルな要素を折りコンで農業を再検討できる人材の育成にもっと資金を振り向けるべきである。

予算が豊富だった頃は少しはその様な政策が行われた覚えもあるが、日本人の縄張り、閉鎖社会では芽吹くことは無かった。

 

しかし、これからは今まで支えてきた世代が良くも悪くも急減して行く。残念ながら次世代を担う強いリーダーが不足している。これは生産現場だけではなく、すべてである。組織も人間も萎縮し目先だけで考える。

豊かになった日本の社会がそうさせていると思うが「安心、安全」第一。リスクをとるチャレンジ精神の大幅欠場である。上場企業を目指す学生が2/3を越える時代、それぞれの考えは解らないが「安心、安全」なのであろう。

中国、韓国など急成長しる新興国に対侍してゆくためには「安心、安全」などという消極的な考えでは国も個人も明るい未来はない。

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