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夏秋野菜の見通し(産地編)

来週はもう夏至である。

ハウス夏秋果菜産地は収穫が始まる。春先の低温、日照不足で生育が遅れ、原発事故による東北産地の供給減観測で、北海道や本州高冷地産地は、被災地農家の心情を思いながらも期待感は強い。原発事故の影響は未だ見通しが立たず、放射性物質の汚染拡大によっては供給不安定を予測する向きもある。一方、販売関係者は産地状況と、野菜全体の消費減を睨みながら今夏は全く見通しがつかないと頭を抱える。

5月下旬から北海道~九州産地と消費地を歩いてきたので、現地で聞いた話を書く。

 

(トマト)

北海道は昨年の希に見る異常高温とゲリラ豪雨で収量は散々な結果であった。高温のため、着果数が少なく、糖度も乗らず、お盆を過ぎた頃、急に草勢が落ちて2030%減収した産地も多い。特に長期多段収穫の産地は大幅減収となった。その中で太平洋、日本海沿岸の抑制産地は、収量減も限定的で、後半の高値で潤った。ミニトマトでは反収500600万円の産地も出た。

 

2011年作の夏秋トマト作付け面積は、災害地周辺県は把握できないが、全般的に大きな変化はない。生産者の高齢化や労働力減少で限界に来ている産地が多い。異常気象多発でお金が取れず、全国的に増反意欲は無い。

栽培と販売環境変化で大玉トマトは品種の変化が起きている。安定出荷、収量重視か糖度、食味重視か・・・産地の品種選択は二極化している。ブランド産地、北海道平取町(供選)は「桃太郎」「ハウス桃太郎」「桃太郎エイト」最近では葉カビ抵抗性の「ギフト」が増えた。桃太郎系は変わらない。長沼など空知も「CFファイト」「ファイト」で変化はない。JA担当者は桃太郎系統が作り慣れているし、食味的に他の品種には変えられないと言う。変化が出ているのは平取を除いた太平洋、日本海沿岸の抑主力制産地。むかわ町は今年は安定して収量の取れる「りんか」が8割を占め、函館周辺、知内町も「りんか」が増えている。ただ、地熱利用で周年栽培の森町は、促成CFファイト、抑制は「れいよう」が適しているという。日本海側の余市は「麗夏」、仁木では「マイロック」など個選グループがある。作り慣れた「桃太郎系」の生産者も健在で、「麗夏」に変えてみたが「桃太郎系」と管理が異なるので作り辛いと元に戻した農家もいる。「麗夏」を作っている出荷組合は、土作りで草勢をキチンと管理し、少し色目を付けて出荷すれば高糖度、良食味で収量、歩留まりが格段に良いと話す。固い品種なので量販店にも歓迎されていると胸を張る。奈井江を中心に高糖度フルーツトマトを作るグループは「T-93」が主力。仁木、ニセコでは昨年から「贅沢」に取り組み、今年は2㌶植え付けた。名前の珍しさもあって引き合いは強いという。青森県(日本海側)では従来の「エイト」から約半分が「ギフト」に変わった。出荷先のリクエストと作り慣れている「桃太郎系」は変わらない。

関東高冷地(供選)は伝統的に「ハウス桃太郎」「エイト」の産地が多いが、量販店のオリジナル商品として「昔味トマト」や関東を拠点とする中堅種苗会社の品種も作られている。出荷量日本一を誇る岐阜県飛騨、高山(供選)の「エイト」は未だ健在である。一部地域では黄化葉巻対策品種が試作されていろ。当地は冷涼が特長であったが、近年、高温化が進み、従来の「エイト」では安定生産が厳しくなってきたと指摘する人もいる。黄化葉巻感染リスクが高まっておりも品種の転換期に差し掛かっている。将来的には食味を犠牲にしても安定生産が可能な「もえか」「りんか」系も選択肢としている生産者もいる。

各地で「りんか」系トマトが増えている背景には、夏の高温期でも比較的作りやすく、秀品率、収量が高い点にある。品種評価は消費者、流通、生産者みら三者の視点で決まるが、それぞれ大きな変化が起きている。

消費者は「食味優先」か「価格優先」の二極化だが、一般的には収入減で「価格優先」傾向が強まっている。この傾向に連動して流通も「価格と安定供給優先」が進み、生産者もそれに対応して、「組織化か大規模化で収量優先」が進む。

「食味」の基準も購買層世代の交代で、中高年と若年世代では「糖度」「酸度」「食感」(肉質)「うま味」(アミノ酸)「機能性成分」など価値観の捉え方が変わってきた。味が薄くてもサラダドレッシングをかけて食べるから安ければ構わないと言う消費者も増えている。料理が苦手だからゼリー質の多い柔らかいトマトは敬遠する主婦層も増えた。反対に子供の頃、かぶりついて食べたトマトの味が脳裏に残る中高年層は、固くて味の薄いトマトは?と言う。

味に煩い売り場を持つ伝統的ブランド産地は従来の「食べ慣れた食味」にこだわり、新興産地は作り易く日持ちの良い品種で収量を上げ、安定収益を目指す。中小個選産地は品種の他、土作りや水切りなど栽培管理を工夫して「高糖度、良食味」で高付加価値を追究し、独自の販路を開拓している。

ミニトマトでは、ブランド産地仁木は「キャロルセブン」を軸に「キャロルテン」「アイコ」、余市は「アイコ」「トマトベリー」、空知、富良野は「ちか」「008」「アイコ」、静内は「キャロルテン」が主軸。高温化対策として抑制は「054」を試験している。・・・異常高温下でも品質、収量共に他品種より安定していてのが「アイコ」。今年は他の品種から乗り換えた生産者が増えた。

34年前から独自の形状と高糖度で注目されていた「トマトベリー」は、通期で安定した糖度維持が難しい。飛び付いた生産者の多くが脱落した。契約や直売など小面積生産者は健在。余市のHさんは草勢管理と摘果で通期で糖度12度を保ち、今年もハウス4棟(約1反歩)栽培している。手間はかかるがキチンと管理すればこのミニトマト一番糖度が乗り美味しいという。

 

(メロン、スイカ)

ギフト需要中心の北海道メロンは、震災ショック懸念で、今の所盛り上がりを欠いている。指標となる夕張メロンの初競りご祝儀価格が昨年の2玉入り150万円から100万円にガウンした。スタートは順調だったが、日照不足で花芽形成が不良の時期があり、現在は小玉傾向という。相場は例年並みで、生産者はホッとしている。主要産地の作付面積は微減と推定されている。スイカメロンは、需要が縮小傾向で、面積が拡大する要素は無い。大幅に縮小する気配も今の所見当たらない。夕張メロン大手生産者Kさんは、品質の良いメロンが出せればまだまだ将来は明るいと意気込んでいる。青森県日本海側産地も大きな変化はない。

 

(露地野菜)

昨年は希に見る不作で価格は異常に高かったが、作付面積は増える状況には無い。中小生産者が現状維持か面積縮小に向かい、大規模生産者が増反の傾向が続いてきたが、天候リスク増大で潮目に来ている。十勝の大規模生産者は所得保障の恩恵を受け、野菜を作るチャンスが来ている。従来の馬鈴薯、小麦、ビート、豆類の畑作4品を軸に、スイートコーン、キャベツ、大根、人参、南瓜、ブロッコリー、牛蒡、長いも、長ネギなど大規模化している。

南瓜は栗系品種への転換が進んで来たが、今年から変化の兆しが出ている。数年続いている異常気象で着果性に劣る栗系品種が大幅に収量を落とし、敬遠され始めた。最低でも反収2トンが計算できる「えびす」が見直されている。収量の上がる「えびす」が低価格指向の消費者、量販店ニーズにマッチしている様だ。

玉葱、馬鈴薯は植え付けが大幅に遅れた。出始めは高値が予想されたが、6月に入って気温が上がり、生育遅れを取り戻している。貯蔵産地はまだこれからで、見通しは立たない。種芋不足で面積減が囁かれていたが、これからの天候次第だ。玉葱の作付けは大幅な変化は無い。

 

昨年の品不足と震災の影響を受けて、市場や業者、量販店関係者が例年になく産地回りし、数量確保に動いている。業務用や冷凍野菜、缶茶葉生産などで安定経営基盤を築いた九州の農業法人A社は、露地野菜を増やし、注文増に備えている。大規模生産者はタネや肥料、農薬などの資材費が中小生産者と比べて安く、出荷ロットも大きいので業務用向けも対応可能で、安値リスクに強い。

 

 

コメント(1)

前略、何時もお世話になっております。㈱サンパワーの新谷です。
先日(7月24日)社長にお会いしてから一ヵ月たちました。忙しい中、時間を割いていただき有難うございました。
最近やっと、空きハウス(2200坪)が見つかり、栽培に向けて準備を進めているところです。これから忙しくなります。何かとご相談願うことが起きてくると思います。今後とも、長い付き合いをお願いできればと存じます。
まずは、近況報告まで
                   早々

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