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ホーム > ブログ > 中国河南省「農業と食」見聞録(3) 大規模化進むハウス園芸

中国河南省「農業と食」見聞録(3) 大規模化進むハウス園芸

河南省農業局の話しでは現在36万棟、0.2㌶平均で7.6万㌶(メロン、スイカを除く)の農業用ハウスがある。主に胡瓜、トマト類、ピーマン、青梗菜、イチゴ、花卉などが作られている。当地のハウスは10㌃あたり平均625.000円の設備費がかかる。国の支援策が手厚いため、急速に増えた。
沿海部の都市化によって農地が失われ、それを補う目的と、穀物中心の低所得農業から高付加価値農業への転換を目指して、ハウス栽培が盛んになった。バラバラに多種類の作物を作らず、日本の指定産地事業の様に特定品目大産地政策が進んでいる。
この地域は大規模な農業会社が多数立ち上がり、大きな変化を遂げている。その早さは、日本と比較すれ在来線と新幹線ほどの違いがある。農業会社を5社訪ねたが、いずれも周囲が麦畑で、従来の穀物農業からの転換であることが窺える。

ハウス

ハウスは単棟、連棟各種有る。標準的な面積は単棟1ムー(0.66反)で、何十棟も立ち並ぶ姿は壮観である。ハウス所有面積は1社あたり1.5~2.0㌶という。
育苗ハウスを除いて殆ど無加温。春先は夜間の冷え込みが厳しいので、保温対策は随所に工夫が見られる。
気温が下がる前に稻藁で編んだコモで屋根を覆い保温、朝方巻き上げる。大変手間がかかるので、最近は簡易巻き上げ機が普及し始めた。
コモの保温効果は大きく、3℃も違いがでると言う。
耐用年数は2年くらいで、使用後は堆肥になる。プラスチック保温シートもあるが、価格が高いのであまり普及していない。

ブロックや煉瓦、土壁

ハウスの北側は保温と畜熱のため、ブロックや煉瓦、土壁で作られ更に外側は分厚く土盛りしてある。
天井部と南面だけがビニールフィルムで覆われており、入り口も煉瓦やブロック壁で作られ、熱が逃げないように狭いトンネルから出入りする。保温には万全を期している。
この方式は河南省が発祥地だと言うが、山東省や浙江省など沿海部で早く普及してしまったと農業局F氏は苦笑していた。
広大な農地と豊かな労働力がある中国だから可能な省エネル策だが、これを見る度に日本ももっと省エネの工夫をすべきと思う。

物置兼作業小屋

各棟の出入り口毎に物置兼作業小屋が付いていて、昼食や休憩場所など多目的に使われている。日本とは異なり、住宅と遠く離れた場所に建てられているからだ。

竹製の補強材

鉄材が高価なためパイプは細く肉薄。強度を補うため内部は竹製の補強材で組み上げられている。
現状はまだ鉄材よりも竹や手間賃の方が安い。

ハウス天井

天井は竹竿などで解放でき、十分な換気が可能である。
必要に応じて圃場に太陽光線や雨水が当てられるのは好都合。

井戸

潅水はハウス脇に掘った井戸から汲み上げる。
この会社は人手があるのですべて手作業の様だ。

農場責任者Aさん

【農場責任者Aさんの話】

2月定植で6月頃まで胡瓜を作り、抑制トマトに植え替える。連作を避けるため、このパターンは維持している。胡瓜は天津胡瓜で、非常においしい。
中国で言う「無公害野菜」つまり日本の特別栽培に似た取り組みをしている。肥料は鶏糞堆肥と化成肥料の組み合わせ。農薬は殆ど使わない。
通常、反当換算で鶏糞堆肥20~30㎡、N-P-K化成成分量で10kg程度を元肥として使う。鶏糞堆肥は1㎡300円程度で手に入る。追肥は通期で20回位、葉面散布を行う。
収量は時期により異なるが、無加温のこのハウス(約50㌃)で2日に1回収穫で2000~2500kg/回程度という(反当換算400~500kg)
何処で聞いても病害虫は少ないという。日照量が多く、空気が乾燥している、連作を避け、施肥量が少ない、人手があるので日常的に病害虫予防目的の葉面散布(種類は多い)を行っているなどが理由として考えられる。

出荷時間

出荷時間になると農民達が軽トラックや荷車付きバイクに積んで集まってくる。
立派な出荷場が整備されている会社もあるが、この会社は露天で行っていた。降雨が少ないので、問題はない様だ。

段ボール箱が高価

段ボール箱が高価なので、日本の様に包装にコストをかけない。荒選してポリ袋に入れ、段ボール箱に満杯詰めし、ポリバンドで縛ってトラックに乗せ出荷する。
この会社はマカオの業者と契約しているようだ。季節により多少価格は変動するが、経営が成り立つ価格で取引されている。
余分なコストをかけない点は徹底している。

ハウスの一角に計量機

ハウスの一角に計量機があり、担当者が伝票を切っていた。日本の出荷組合のような雰囲気であるが、設備は質素である。
ここで日々の技術相談、情報交換が行われる。

トマト

【トマト】

トマトは中国でも人気が高く、消費が多い。大玉、ミニトマトが多く、ミニトマトはデザートとしても使われている。イタリア系の品種が多く、果肉は固い。一般的に日本の様に糖度は高くない。

■ハウス2.0㌶を経営しているH社長の話
①病害虫は・・・
胡瓜は気温の低い春~初夏に作るので、特別問題は無い。トマトはウィルス(黄化葉巻病)が発生して困っている。昨年は半分くらいが感染して、収量が激減した。ネットや捕虫テープで対応しているが効果は薄いね。これから収穫シーズンに入るが、心配だね・・・
②土壌病は・・・
今の所、心配ない。

③経営上の問題点は・・・
規模を拡大したら、以前のように儲からないね・・・(笑い)
販売価格は契約で安定しているが、資材費や人件費が上がっている。特に深刻なのは人件費の高騰。面積が多いので作業員を沢山雇用している。市内の建設ブームで人が集まらない。3年前は1日50元(750円)で来てくれたが、今は70元でも来ない。一般の建設労働者は100元以上が相場だから、うちもその位出さないと来ないね・・・。100元(1.500円)も払っていたら採算が採れないよ。
④対策は・・・
中国はインフレで毎年、資材費や人件費が上がって行くが、食べ物はスライドして上がらない。仕方ないから一般企業のように、合理化して生産性を上げるしかない。
肥料や葉面散布材などに投資して、確実に収益が上がる技術が欲しい。トマトでこんな病気が出ていては儲からないよね・・・(苦笑)
⑤他の作物は・・・
セルリ、長ネギ、青梗菜、ほうれん草などを作っている。セルリ、長ネギは移植。葉物はタネをバラ撒きして、大きくなった株を間引き収穫する。手間仕事で人件費に食われるから、大規模には出来ない。

イチゴ畑

【イチゴ】

人気商品で栽培意欲は強い。日本品種のような大玉、高糖度品種はまだ普及していない。現在栽培されている品種は、輸送や日持ちに重点を置いた四季成り系の固い品種が多い。
知人に依頼して大連(遼寧省)の市場に入荷しているイチゴを調べてもらった。最近、中国産品種でも日本種と交配したと思われる高品質大玉イチゴが出始めているという。(品種名は未確認)。
中国も所得が向上し、食の洋風化が進んでいるので、イチゴの需要は伸びそうだ。

イチゴ

現状は味も見栄えもまだ日本には及ばない。

ズッキーニ畑

【ズッキーニ】

まとまった産地はない。

ピーマン畑

【ピーマン】

ポピュラーな野菜で色々な種類が作られている。

花卉類

【花卉類】

中国人は花好きで、観葉植物を含めて、全国的に栽培されている。タイやベトナム方面からの輸入も多い。特にバラや胡蝶蘭に人気がある。
ここの会社では試作程度の規模。

ナツメドライフルーツ

【果樹類】

ナツメは河南省特産の果実で、ブランド品である。
通常、天日乾燥し、そのままドライフルーツとして食べる。
薬効成分があると言われ、薬膳料理や粥、菓子などにも使われている。
樹木は木工製品に使われている。

ナツメドライフルーツ

ナツメは少し長い丸果形で、独特の風味があり、甘酸っぱい味がする。

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