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ホーム > ブログ > 自由貿易への道 ⑥米・・・中山間地、岐阜県飛騨地方

自由貿易への道 ⑥米・・・中山間地、岐阜県飛騨地方

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日本の農地は中山間地にも幅広く存在する。過疎や環境保全の話になると段々畑や棚田として登場する。

名古屋からJR東海道・高山線に乗り、岐阜から木曽川沿いに日本ラインと呼ばれる景勝地を抜け飛騨川を北上すると2時間半位で高山に着く。途中、名湯下呂温泉があり、両岸は山が迫り耕地は少ない。水田がボチボチ目に入るのは分水嶺を過ぎた高山付近からだ。飛騨の米産地は高山から日本海に注ぐ宮川が一旦少々広い流域を形成した飛騨古川(飛騨市)付近にある。

水が綺麗で夜温が適度に下がるため美味しい米が取れると言われている。川沿いの平坦地は整然と整備されている。ここ以外は山地が迫り、地形は複雑で、いわゆる段々畑、棚田の世界である。

水田10㌶を作っているKさんに飛騨米の状況を聞いた。

 

TPP

ここは農家数の減少や高齢化で、農業の存続が問われている。TPP以前の問題を抱えている。

(水田面積)

山間地を含めて全部集計すると飛騨管内で600㌶ある。小規模が多いから平均したら1戸2反以下だと思う。畑も少しあるが、今まではその程度で何とか生活してきた。

(品種と収量)

「こしひかり」が主流だが「ひとめぼれ」もある。

標高により積算気温が異なるから収量は場所による。標高500m程度までは反当8.5俵が目処、700mを超すと67.5俵位に落ちる。

(経営状態)

格差が大きすぎて何とも言えない・・・。

小規模農家は米では食べていけないから夏秋野菜(トマト、ほうれん草)に転換した。稲作農家も夏秋野菜で豊かな生活ができた時代になって、米を真剣に作らなくなった。減反、転作奨励金をもらいながら生活できたからね・・・。トマトやほうれん草が温暖化や連作障害で収量が減り、経費の高騰もあって手取金額は大幅に少なくなっている。2010年は相場が高かったが、収量は悲惨。所得保障制度になっても、小規模農家は生活の目処が立たない。高齢で農業が出来なくなっている人も増えている。

農地賃借の話があると、公民館に農家が殺到する状況。春に部落相談会を開いたら50人以上集まった。農家だけではなく、建設、サービス、工場関係者も仕事が無い・・・企業が次々撤退して行くから、雇用場所を作らないと共倒れになる。

 

自分は減反時代に逆行かも知れないが「米」で食う経営を目指している。夏秋トマトと長ネギの複合経営だが、「米」でも利益を出せる体制作りを考えている。その為、生産~販売まで総合的に組み立て直している。北海道みたいな大規模産地ならまだ楽かも知れないが、小規模中山間地で過疎化している地域での成功ノウハウも必要だ。

「米」は栽培面では天気次第の要素が大きい。自然の理に合わせて無理をしないで、安定した品質と収量を確保する技術を目指している。

試行錯誤してきたが、収益向上に一番効果があるのは、収穫後の乾燥~製品化~販売までのコスト削減。

飛騨は小規模農家が多いから、全部農協に丸投げになる。米価が高かった時代は何とか手取りがあったが、1俵1万円大台割れ時代が来て農家の手取りは急減している。減反で取り扱い数量が減っているJAの1俵当たり設備償却費や経費は当然高くなる。資材代も相当上がっているから、農家の取り分は減る一方・・・。

 

一通り自分でやってみようと思い「飛騨」ブランドを生かして直売先(個人や商社)を開拓した。

従来のままでは、設備を持っていないから一旦農協に納めて製品化(等級検査まで)し、買い戻して再販売しなければならない。手続きも面倒だし、対応も遅れ、コストも高くなる。今のマーケットに付いて行けない事が解った。

乾燥機は持っているが一番の問題は温暖化でカメムシが異常発生し食害粒を除去しなければ製品にならない。今年も大発生して農協の色選機が一時対応不能に陥った位だ。昨年、思い切って色選機を設備したので、お客様の指定納期に対応できた。今のマーケットは作る事から納品まで一気通貫で信用を頂かないと例え品質が良くても駄目・・・

 

(採算)

JAにも出荷しているが、直売が多いので平均しても販売単価は1俵14.000円超確保している。設備償却費はかかるが、農協に出すと4.0005.000円引かれるから年1.000俵近く出荷すれば1~2年で元が取れるね・・

お陰様で積極的に規模拡大している生産者には、政府の支援策が手厚いから、非常に助かっている。

 

(今後の課題)

飛騨に限らず農村は閉鎖社会だから、農家同志で組んでの改革が難しい。隣の高山は新規就農者が比較的成功しているが、土地利用型ではない。今求められているのは離農した農地の受け皿と、離農者の生活ケアだ。本来は行政の問題だが、同じ地域住民として何が出来るのかを考えてあげなければいけない。

廃耕するのではなく、我々みたいな会社が借り上げて何かを作り、所有者が出来る部分だけ管理してもらい、少しでも現金収入が入る仕組み作りだ。

米は反収が低いから小面積で分散していると採算に乗らないからサポートは限られる。仕事のない地元の土建業者などとタイアップして白ネギ等の野菜にチャレンジしている。一昨年から専任の若手社員を採用し、人材作りから始めている。2010年も一人新規採用し、育成中だ。基礎が固まるまでにはまだまだ時間がかかるね・・・

 

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