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「スーパー最終戦争」 ⑧高付加価値農業の期待と課題

中流から中の下階層に移行する社会では当然、低価格品が求められる。対応できなければ海外農産物に市場を奪われる可能性がある。

一般品、高付加価値農業のどちらを選択したら良いかは生産者の「経営資源」により異なる。一般品生産の大多数JA出荷者や大規模生産者は低コスト大量物流の傘下に入り、安定した販売先確保を優先すべきである。需要減少の中で更に自由貿易で海外農産物と戦うには、先行して販路を押さえ、情報を取り入込みながら速やかに対応して行くことが不可欠である。

数量確保と安定供給力が劣る一般品個人生産者は早めに統合して農業法人、出荷組合(グループ)を組織し、生産、物流両面で効率を上げ競争力を強化しなければならない。

個性的高付加価値農業に転進する場合は、事前に栽培、販売両面から十分検討し、競争力があることを確認してから取り組まないと、途中で方針がぐらつき成功に結びつかない倍がある。

今後、日本農業が世界を相手に戦える分野は「個性的高付加価値農業」である。目先ではなく、じっくり腰を据えて多角的に検討して取り組みたい。

 

伝統野菜など「美味しい野菜」の品目開発、定義付け、規格化と販路サポートを目指しているNPO創立者A氏が昨年理事長を退任され、メールを頂いた。A氏によれば創立当初(十数年前)に販路として想定していた量販店や外食企業を取り巻く環境が激変してしまい、建前はともかく、流通側の本音が「価格最優先」に切り替わり、テーマへの関心が薄れてしまったと書いている。初期のセミナーには量販店、外食、物流関係企業が多数出席し関心の高さが窺えたが、最近ではこの分野の人達は殆ど姿を見せない。この傾向は流通業界の中でも特に「味」にこだわってきたた大手小売業Sホールディングスカリスマ経営者が「時代は価格優先に変化した」とのコメントと連動している。

「美味しい野菜」の需要拡大に期待して集まった関係者は10年の歳月を経て変質した消費環境に無力感が漂う・・・・

 

安価、大量販売を基本とする量販店や外食企業の多くが、「美味しい」よりも「安い」を優先する中で、今後、伝統野菜や高付加価値農産物分野をどう組み立て直すかが問われる。

地方都市を中心に「地産地消」の流れが起こり、朝市(マルシェ)、直売場、食のイベントなどが盛んになっている。しかし、大多数の消費者、大規模専業農家は縁が薄く、経済的インパクトは極めて限定的である。

 

消費地で「食」の崩壊が進行していることは度々取り上げられている。農水省の統計によれば一人当たりの年間野菜消費量は昭和50年の約111kgから右肩下がりで最近は93kgと約16%も減少している。高齢化が進み、食と健康の情報が満ち溢れている日本で野菜摂取の重要性は十分を認識されている筈だが、消費の実態はお寒い限りである・・・

家庭で調理する時間がない、面倒だからと取り敢えず外食、簡易食、惣菜、弁当、野菜ジュース、サプリメント・・・に需要が移っている。

利便性重視社会は最早、止められない。「美味しい野菜」「簡単に食べられる」二つセットの切り口で考えないと消費者はついてこない。。「美味しいモノを作れば・・・」と関係者が考えている程、現実は甘くはないだろう。

量販店のコストカットで商品説明の出来る店員は殆ど見かけられなくなってから久しい。価格最優先になっている環境では「美味しい野菜」の提案は難しい。料理番組やネットなど情報源はあるが、本当に美味しい野菜料理の材料入手手段は限られる。

究極はやはり「人間の伝達力」である。一時「野菜のソムリエ」が話題になったが、活躍場所は今の所少ない。今年は異常気象で価格が高いが、平年価格では販促に人件費(マネキン)をかけたら採算が採れない。しかし、敢えてマネキン販売に踏み込み、「美味しくて、簡単調理のミニ青梗菜」で新規顧客を開拓した取引先がある。

 

ミニ青梗菜は特別目新しい野菜ではない。店頭に置いても目的客以外は買い物カゴに入れない。当然、売り上げは固定化し伸びない。この商品のポイントは「簡単調理!美味しい黄緑野菜」。マネキンが店頭で約30秒熱湯ボイルし、試食させる。「手軽さ、美味しさ、黄緑野菜=健康」イメージが受けて新規顧客を掘り起こしている。客層は若年~お年寄りまで幅広いという。

1店舗の試験販売から始めたが、野菜の売り上げが低迷する中で着実な販売増が社内のネットワーク(パソコン)上で注目され、当初関心を示さなかった店からも次々とマネキンの派遣要請があり、リピーター顧客が育っている。

当初、美味しいから絶対売れると読んでいたが実際は苦戦、試行錯誤の連続で、この方法に辿り着くまで約4年の歳月が流れた。気が付けば昔、ブランド南瓜を育てたモデルに戻っただけのこと・・・この商品は周年で販売しているから、マネキン代は一時的なコスト「高くはない・・・」と言う。

一例を書いたが、従来のコストカット思考では何処まで行っても価格競争だけ。ツケは流通から生産者、業界全体に回り、利が残らず活気を失う。

「安い」だけでは世界競争には勝てないから生産~流通関係者の連携した知恵が試されている。

 

産地については別途書く。

 

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