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ホーム > ブログ > 「スーパー最終戦争」 ⑤欧米勢の目論見と日本社会の現実

「スーパー最終戦争」 ⑤欧米勢の目論見と日本社会の現実

日本に低所得者層が増えると巨大資本の大量生産、低価格商品が競争力を増す。品質、外観、サービスに煩い日本の消費者が低価格品にシフトせざるを得ない現実は彼らにはチャンスと映る。

ただ、欧米勢と言っても資本の話で、商品を作るのは「世界最安値」地域」、必ずしも自国とは限らない。売る場所に国境はなく、投資先、利益を求めて資金が世界を駆け巡る。。日本の小売業大手セブン・アイHは中国を中心にアジア圏に進出し、既に1万5.000店を展開している。8月の国内量販店売上高は、猛暑の追い風を受けても下げ止まらず、失業率が高止まりする欧米同様、新興国、アジアに成長を求めざるを得ない

欧米から見れば、日本は消費が下降線を辿っているとはいえ世界に冠たる消費大国。展開次第ではまだまだ利益を稼ぐ余地があると映る。円高で、彼らに心地よい追い風が吹いている。

 

消費地の現実

世界の小売業が日本に進出していることは、地方に住む農家は実感に乏しい。他人事と思えるかも知れない。東京都下に住む私でさえ頭では理解できても、自分の生活にどう関わってくるかはピンとこない。

しかし、よく周りを見れば変化は着々と起きている。近所にある西友は看板をウォルマート(米国)に書き換える日も近い。280円弁当など得意とする低価格路線が好調で不振が続いた業績はこの不況で上向きに転じ、業界の注目を集めている。以前の西友は「完熟屋」「食の幸」ブランドなど、野菜を含めて魅力的な食材が並んでいた。しかし、郊外住宅地として発展したこの街は、年金生活者や所得減で住宅ローンが重荷のサラリーマン世帯が増え、こだわり商品が次第に姿を消した。野菜など生鮮売り場は縮小され、惣菜や加工品が増えたのは言うまでもない。年中無休、食品売り場24時間営業、つまり365日昼夜を問わず休まない店と化した。「余分なモノ?は置かず、回転の良い安価な売れ筋商品に絞る」企業として当然だが、業績向上最優先が支配する・・・

 

聞いた話では客の多くはその日の予算内で計算しながら買い物カゴに入れレジに並ぶ。店内滞在時間15分程度の早業だ。客の楽しみはお買い得商品を見付けることくらいか?・・・

 

 

 

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」と言う諺がある。過去の経験をしっかり見つめ、目先に流されることなく、将来に向けて何が大切かじっくり考え行動したい。それが将来起こるかも知れない経済や食糧危機に対する最大の防御だ。

 

 

多国籍食品

大手量販店で販売している一部の商品は、ネットで栽培履歴、トレサビリティーが確認できるが、アクセスする人は1%未満、公開している事に意味があると大手量販バイヤーから聞いた。

忙しい時代に利便性に優れた加工調理品が伸びているが、一体、原材料が何処で作られているのか調べてみた。冷凍加工調理品「エビドリア」の材料原産地表示(下記)を見て一瞬「エー!」と目を疑った。

 

僅か200㌘程度の食品にこれだけ多国籍食材が使われている現実は、自動車や家電など工業製品と同じである。低コスト追求で「世界最安値」地域から部品を調達し、大量生産する構図が食品にも常態化している。我々が意識しない、気が付かない間に企業の「世界最安値」戦略に組み込まれている。主食の米に限らずあらゆる食材の足元がこういう形で浸蝕されているのだ。

これは一部の格安外食レストランチェーンにも共通する。

 

世界の巨大小売業が参戦する「スーパー最終戦争」で日本の社会に何が残るのであろうか・・・

中国、タイ、ブルガリア、マケドニア、ハンガリー、カナダ、オーストラリア、マレーシア、ブラジル、パプアニューギニア、フィリピン、ニュージーランドなど海外12ヶ国の原材料が使われている。日本産は濃縮乳、食塩、発酵調味料、ナチュラルチーズ、玉葱と表示されている。

秋たけなわ、「食のイベント」が各地で盛んなのは心強い。日本の食文化」を一つ一つ子供達に伝える努力が「日本の食と農」を守る。政治や学校教育だけに任せるのではなく、先ずは日常の食生活から見直そう。立派な政策、教育論を展開しても、土台が腐っていては何の足しにもならない。

戦後、GHQ(米国占領軍)主導で食生活改善運動が実施され、輸入農畜産物が急増し、日本人の体格は格段に向上した。安い農産物を輸入したお蔭で農村の労働力を工業製品生産に振り向け、日本が得た経済的利益は大きかった。反面、洋食化が行き過ぎ、高カロリー食が原因で肥満や成人病が増え、国内農業が衰退したデメリットも指摘されている。初期はアメリカ農産物だったが、現在は世界中の農産物が国内に溢れる。一方、巨大穀物メジャーに操られ、数年前には日本は手も足も出ない穀物暴騰を経験した。

先日、神奈川県三浦半島にある公立中学校の先生から「食育」など現場の様子をお聞きした。しかし、食育などを語るには程遠い現実があるように思えた。彼の話では子供より親、特に母親の「子供溺愛」にどう対応するかが一番の課題と指摘した。以前からそう言う話は聞いてはいたが私の想定を超えていた。両親が離婚している生徒は約3人に1人、経済的にも精神的にもかなり不安定な教育環境である。全国でも離婚率上位の北海道でこの話をしたら「農家は1/3。サラリーマンは1/2に近い」と指摘された。数値的な裏付けはないが、多くの離婚世帯の生活、教育環境は相当厳しいと推測される。こういう人達は「世界最安値」食材を好むと好まないとに関わらず選択するしかない。

以前は量販店でも買い物が結構楽しかった。旬の魚菜が並び、種類も多く、店であれこれ会話しながら商品を選らんだ。子供達もその中で自然と食への関心を培った。学校で「食育」の時間などなかったが、教わらなくても生活の中で身に付けた。しかし、今の子供や親達にはその様な時間的ゆとりは無い。利便性、経済性、合理性だけの無味乾燥な環境になってしまった。人間として大切な「ゆとり」をいつの間にか失った。

商品棚には高品質や個性を語るポップなどは殆ど無い。大量生産された食品が主力となり、整然と並べられている。ビールなどの飲料はどこがどう違うのか判断に困るほど種類が多い。買い物目線が価格重視なのでお買い得を強調するポップ以外は不要だ。高品質、個性的商品を求める客はここには来ない。

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