
全国的に野菜の直売場が増え、首都圏周辺では量販店の売り上げに多少影響しているという話もある。早くから店内に産直野菜コーナーを設け、生産者の取り込みを図って、成功している量販店もある。高速道路の土、日割引や消費者の安全、節約指向も追い風になって個人をはじめJA、道の駅、その他自治体が運営する施設など、直売場人気は衰えていない。旅行社とタイアップして観光バスのコースに組み込み、ツアー客を丸ごと取り込んで成功している直売場もある。
先日、日本で最大級と言われている平成19年春に開業した福岡県糸島市にある直売場『伊都菜彩』を訪ねてみた。糸島市は
訪ねた日は連休前の土曜日夕方、既に来場者のピークは過ぎていたため、広大な駐車場は空いていた。案内してくれたYさんの話では(土)(日)15時頃までは駐車場所確保に苦労する程、混雑するという。建物正面左側は花木鉢物や洋蘭など園芸品売り場になっており、家族や友達と飲み物や軽食を楽しめるスペースが用意されている。中央から右側にかけて地元産野菜、果物、肉類、魚、生花など所狭しと並べられ、売り場面積は1.270㎡もある。
野菜や果実は量販店と同じようにパックして売られているが、通常は市場に出せない規格外品が多いという。しかし、今年は野菜が不作で高いので並ぶ数量が限られ、早目に売り切れてしまう。
魚売り場では2ヶ所ある漁港から朝方揚がった新鮮な魚貝類が並べられ、食欲をそそる。希望に応じて20人近くいる漁協のスタッフが刺身や切り身に下してくれるから、丸ごと一匹買っても安心という。鮮度が良くて安いから福岡方面から買い付けに来る飲食店関係者も多いという。肉類も糸島牛の産地だけに割安。
地元産生鮮品、加工品、総菜に限定しているため、消費者から鮮度、安心感、割安感が評価され、支持されている。販売、金銭管理はJAが行っており、生産者は手間がかからず、経営改善に役立っていることは確かだ。
全国的に直売場は近隣の住民は勿論、ゴルフ場や観光地帰りの客、リタイヤした中高年層がドライブ方々美味しくて安価な野菜の買い出しに来ていることは間違いない。満足度の高い店には固定客が付き、米、野菜、漬け物、自家製味噌まで、まとめ買いして帰る人もいるという。乱立気味だが、対面販売等の工夫次第でこの分野はまだまだ伸びる可能性がある。
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