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美食と農業大国・フランス(1) 世界のトレンドはパリにある

日本にいてマスメディアの一方通行の情報から得られるのは、全体の一部でしかない。「百聞は一見にしかず」五感で感じて脳を活性化させ、奥に仕舞いこまれた情報や経験から新たな知恵が生まれる。

ヨーロッパは五感を強烈に刺激してくれる文化の宝庫である。
 
正月明けにオーストリー(ウィーン)とフランス(バスク地方)を訪ねた。1999年以来、同時多発テロと鳥インフルエンザ騒ぎのあった年を除いて、「ぶらり」とヨーロッパ歩き、食と音楽を楽しんでいる。
仕事の都合で、長旅が出来る時期は農家が休んでいる正月明けしかない。幸い飛行機もホテルも空いていて、格安で上質の旅が楽しめる。地中海側を除いて多くの地域は荒涼とした冬景色、場所によっては東京よりずっと寒い。目的が食、音楽、民族舞踏、美術品、建造物などその地の文化であるから気にならない。何でも旬というものがあるから、余裕が出来たら初夏や秋に訪ねてみたいという願望はあるが・・・
 
以前、e-yasai.comで、フランス、スペイン、イタリアなどの「食と農」について書いた。今回は先ず、ヨーロッパの拠点都市、パリから始める。
世界のトレンドは、地球上の情報が集まる都市で、時系列で観察すると理解しやすい。カリスマ主婦K女史が推薦する都市はパリ、ニューヨーク、上海だと何かに書いてあった。パリは地理的にヨーロッパの中心だが、ここは世界中から選び抜かれた上質なモノが集まる。大富豪、各界で成功した人達が居を構える華やかな街である。
富のトレンドは高級ホテルやブランド店の客筋を眺めていると見えてくる。
バブル崩壊と共に、飛ぶ鳥を落とす勢いだった日本の退潮が鮮明になり、銀行、証券など主要日系企業があっという間に撤退して行った。街を席巻していた日本人観光客に代わり、近頃はジワジワ中国人が勢いを増し、ホテルの中には室内を中国風に改装する動きもでてきた。2008年の資源バブルではロシア、中東系が羽振りをきかせ、オイルマネーが著名ホテルやブランドを買収し、話題となった。世界的骨董市「パリ蚤の市」で高額品を扱う店の上得意は日本人だったが、徐々に姿を消し、最近ではあまり相手にして貰えないらしい。一気に大金持ちとなったロシア、中東系に流れが移った(パリ在住友人の話)
しかし、翌年2010年は急変していた。前年に起きたリーマンショックの影響で、彼らは後退し、地力に勝る中国人がまた目立つ様になった。ブランド品免税店では日本人スタッフが消え、中国語を話す店員が増えている。ある著名ブランド店ベトナム系スタッフは「日本人は次々と商品を出させて『高い・・・』と言って買わないで帰る」「中国人は金額のことは気にせず、気に入れば高くてもボッンボン買う」
多少、誇張した話ではあろうが、これが「世界の街」パリで見聞きした日本人にはちょっと寂しい現実である。
 
フランスは親米派サルコジ大統領になり、規制緩和、グローバル化が加速している。その影響か食の世界に波及し、「伝統的なフランス」が薄らいでいる。
パリは個性的でプライドを持ったオーナー経営店が多く、覗くだけでも楽しい。何処にもあるチェーン店は似合わないと思っていた。しかし、10年位前、繁華街オペラ座通り近くに小さなスーパーマーケットが出来、その後次々と数が増え、昨年は新たに3店舗増えたと言う。老舗店が多い銀座に大手新興チェーン店が次々進出している事態と余り変わらない。
「テラス・カフェ」はパリの象徴的存在だが、10年位前に世界的カフェチェーンSがオペラ座通りに店を出した。珈琲に煩いパリジャンに受け入れられる筈が無いと思っていたが、瞬く間に店舗が増えている。先日聞いたラジオ番組で仏全国に3万店近くあった個人経営カフェが急減し、1/10に減っていると報じていた。全国的、特に都会でゆったり珈琲を飲める喫茶店が激減し、安直なスタンド珈琲チェーンが増えているのと同じ現象だ
主食であるパンも大手企業が進出し、次々と街のパン屋さんを廃業に追い込んでいる。パリの住宅街では美味しいパンの入手が難しくなったと友人が嘆いていた。
独自の文化と伝統を重んじ、プライド高きフランス人も、日本人と同様にグローバルスタンダードの波に呑み込まれている。
 
パリ中心部の食べ物屋さんは価格が高い。当然、三つ星レストランのピンから大衆レストランのキリまであるが、高級店はともかくキリに近くなると塩味がきつく濃厚すぎて一般的日本人の口には合わない。観光に行ってこの様な店で食事をしたら「美食の国?」である。当初は山勘でレストランに入っていたがハズレが多く、近頃はパリの友人の案内で都心から少し離れた住宅街にある中華料理やイタリアンに行く。調理人もスタッフも本国人が多いから、本格的な味が楽しめる。インテリアもサービスも本国の雰囲気が漂う。
フランスは移民が多いから、探せば色々な食文化が楽しめる。
オペラ座通り近くに日本人観光客が集まる一角がある。和食、ラーメン、讃岐うどんなど一般的な日本食はこの付近で間に合う。日本酒、焼酎、日本ブランドビールなども置いてあり、価格は高いが料理はまあまあ美味しい。札幌ラーメンと名乗る店もあり、数が増えたが味は?とのことで入ったことはない。経営しているのは中国人が多いという。
讃岐うどんは、店の日本人スタッフの話では冷凍ではなく毎日足で踏んで捏ねていると言っていたが、そのせいか腰があり、スープも合格。天麩羅、おでんなどの単品もお奨めで、地元フランス人客で繁盛している。こういう風景は日本人としてすごく嬉しい。
 
昼に和食を食べようと、数十年前開店した「OGURA」という店に入った。「あれっ!間違った?」驚いたのは中国風のインテリアとスタッフは中国人で「和の雰囲気」は全くない。しかし、メニューはトンカツ、焼き魚、お新香、味噌汁・・・安心した。客の多くはやはり地元フランス人が多く、安くて美味しかった。
長年頑張ってきた日本人創業者が高齢で店を手放した様だ。
 
フランス即「フランス料理」が頭に過ぎるが、日本と同様に「何でもあり」の状況だ。ただ、フランス本来のエッセンスが少しずつ変質していることは寂しい。

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