• いい野菜.comのトップページ
  • 私たちについて
  • 土の食養生
  • 作物別実例
  • 農業資材
  • 作物・生産者情報
  • 農業経営実例
ブログ
ホーム > ブログ > 在来種保護に取り組むNPO「ココペリ」 (5)未来に向けて

在来種保護に取り組むNPO「ココペリ」 (5)未来に向けて

P4252175.JPG■自然循環型農業実実現のためには、在来種普及の他、どの様な事が重要ですか?・・・

『私たちはこれまでに何百何千という品種の作物を絶滅させてしまいました。フランス国立農業研究所(INRA)ではまだ沢山の在来種が保護されている様です。インドではつい最近まで、古くから伝わる非常に多彩な稲の品種が保存されていました。それらの生産現場を見ると農薬などは一切使わず、すべて自然界にある素材のみを利用した農法です。近代化した農業よりも優れた収量を上げることができていたのです。ところが、近代種と技術を利用する様になってから、病虫害が多発するようになり、収量も大幅に下がってしまいました。世界大戦後、農業の機械化が進み、巨大なトラクターやコンバインなどが生産現場に導入される様になりました。機械で作業を合理化するために、米、麦、トウモロコシ、豆類、その他穀物類は、ある一定の高さに揃えて育つ必要があります。新しい穀物品種は農業の機械化にメリットのある形質が優先されています。在来品種穀物の中には、背丈が11.5mになるものもありました。この様な在来種の穀物を食べ続けていれば、先程お話したグルテンアレルギーなどを引き起こす確率は少なかった筈です。しかしこれらは機械化に適しないという理由で次第に栽培されなくなりましたす』

 

■日本でも同じです。風で倒れにくく、コンバインで刈り取りがし易い軸太の、短桿品種に改良されてきました。

結局、欧州連合は自家採種作物を増やしたくないということですか?その理由は?・・・

『生産者や消費者のメリットと言うよりも、大企業が自分達の持っている種を効率的に販売するために政治勢力と手を組んだ結果だと思います。かって、農民が種を自家採種していた時代には、収穫した中から必要なだけ自家用に使って、余剰分を販売に回したり近所と交換し合ったりしていました。それが、これからは自分達の収穫分に対して税金を支払う様に義務着けられるというのですよ・・・。種子の交換が法的に禁止されるのです。その規約に反対するため、私たちは以前、農家の人たちと一緒に麦の種が入った袋を持参して、ストライキに参加したことがあります。しかし、その袋は種を交換し合ってはいけないと主張する人達の手でビリビリに破られてしまいました・・・』

 

■推測ですが、採種を法律の下で管理し、大きなメリットを受ける人達がいるのでしょう。法的に保護されていれば競争原理が働らきません。在来種の自家採種が増えれば、彼らの利益は縮小してしまいますね。ただ、採種は種子感染を防ぐため厳格な防除管理の下で行われなければなりませんから、ある程度の規制は必要だと思います。

日本の生産者は、種子は作るよりも買った方が便利なので購入する人が大部分です。殆どハイブリット種ですから購入するしか選択肢はありません。フランスは一生産者の使用量が桁違いに大きいでしょうから、自家採取が定着したら採種業界は死活問題でしょう・・・。

しかし、全面的に自家採種を取り締まる法律があるということは驚きです。日本にはまだその様な法律はありません。在来種が使われていた時代には穀物から野菜まで、自家採取が行われていましたし、現在でも違法ではありません。。

日本では今、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に参加して、欧州連合の様に加盟国間で各分野のルールを統一しようという議論が活発化しています。仮にTPPに加盟した場合、アメリカや、豪州、南米の参加国から、同様のルールを要求される可能性は否定できません。しかし遺伝子組み換え作物の受け入れは絶対に拒否すべきです。種子の押しつけなど論外です。

日本ではまだまだ情報公開が不十分で、、政治の不透明さが目立ちます。つい最近、農水省から遺伝子組み換え作物と、それを販売する海外企業の国内事業参入について一般市民の意見を求める書類が、有機農業の発展運動に関わっていた大学講師の友人から送られてきました。ただし、私のところに書類が届いてのは、すでに農水省への書類提出期限が過ぎた後だったです(笑い)

『フランスでも同じですよ・・・一般市民に意見を問うていては通りそうもない法案は、国民の多数がバカンスを楽しんでいる間に審議を済ませ、さっさと通してしまいます。つまり誰も知らない、知られないう間に通してしまいます』

 

『田舎から都会への人口流出と農業者の減少は、世界に共通して見られる問題です。これは経済的、社会的な現象で、農民が減ると種子を育てる農民も減る・・・したがって種子の供給源を大規模企業に委ねざるを得なくなってきています。しかし、現代人は毎日工業生産化した生気のない食べ物を食べて生きているのです。しかもそれを、電子レンジで温めて!』

 

■そういわれると困ったなあ・・・(笑い)

便利な生活に馴染んでしまっているから、今更、やめられないでしょう。電子レンジが私達に及ぼす具体的な害というのは、目には見えないですからね。

『もちろんそうですね。携帯電話の電磁波に関しても同じことが言えます。

問題が明るみに出るのは今でなく、将来です。何年か何十年後には電磁波の出る機器を使い続けてきた人達に、どの様な影響が出るか、例えば癌になる確率が高くなるとか・・・可能性は否定できないです』

 

『日本では昨年、原子力発電所の事故がありました。放射能の拡散も見逃せない問題です。福島原発で事故が起こったすぐ後から、ココペリではブログを通して日本の原発事故を取り巻く近況を頻繁に更新して伝えてきました。情報源は個人、原発関係の団体等です。事故当時、原発事故の状況に敏感だったフランス国内報道機関の動きが下火になった後も、私達、特に私の兄が中心となってブログの更新を根気よく続けました。しかし、周囲からの圧力と事態のあまりの悲惨さに落ち込んでしまい、もうこれ以上続けると病気になると思い、結局、昨年7月にブログは中止しました。放射能に関する詳細、且つ正しい情報を見つけるのが難しい状況が続いていたので、ブログを中止した後、多くの方々から「助かりました。ありがとうございました」とお礼の言葉をいただきました。言い換えてみれば、事故の真実を隠す情報機関が、それだけ多かったということです。

放射能汚染は実際、日本だけの問題ではありません。放射能雲は2025日間で地球をぐるりと一周します。雨が降れば、空気中にあった放射能も土壌まで降りてきます。こうして世界中が汚染の被害を蒙ったのです。特に土壌汚染の被害は、単に数年ではなく、何十、何百という年月を通して、汚染が続くことになるでしょう。土は、撒かれた種を育む。そしてその土が育てあげた種から育った食べ物が私たちの糧となるのです。そう考えると人間に被害が及ぶのは当然の話だと思います。

フランスは全世界で最も原子力発電技術に長け、且つその開発にも力を入れている国の一つです。一方で日本も原子力の発展にはこれまで非常に力を入れてきました。それに関連した産業も多く、そこから逃れられない人達からの圧力があったわけです』

 

■ところで、ココペリは日本の種子会社、あるいは種子保護に関わるアソシエーションとの交流はありますか?

『今のところ、コンタクトを取ったことは全くありません。自然農法を確立した福岡正信氏の名はフランスでも知られていて、私自身も興味を持っているのですが・・・彼の実績は素晴らしいと思っています。

京都には古い伝統的な種子のストックをしている会社があります。それが「種屋」の財産なのです。

INRA (フランス国立農業研究所)の様な研究機関は、ココペリが在来種の種子をストックしているのはありがたいことだ、と思っているようです。なぜかというと、私たちの持っている品種を購入したうえで、ハイブリッド種を新たに作り出す、という仕事をするからです。私達から見れば、本当に馬鹿げた話です。

ハイブリッド種や突然変異から生まれた種というのは、言い方は悪いですが、いわゆる人間でいう心身障害者のみを選択して養育するのと同じことだ、とある日本人の人から言われたことがあります。それでは、体に良い訳けはありませんとと・・・

私達はその様な状態の品種をベッキーユ(松葉杖)と呼んでいます。かって、自然界には私達が必要とするものはすべて揃っていました。自然は私たちに必要なものはすべて与えてくれていました。だから私たちは、食の安全、安心、消費者ニーズという言葉のもとに、次々と新しい品種を作り出してゆく現在の姿に疑問を持っているのです。

日本でもNPO法人などがあると思うので探してみます。

ココペリはこの在来種子の保護とその自由な活用の権利保護という問題に対してこれまで真剣に取り組んできたため、フランスだけでなく欧州、そして世界中に名が知れるようになってきています。農民達が大規模多国籍企業に依存したり、その結果借金に追われ続けたりすることなく、各自が独立した形で生産活動を続けられる姿を目指すため、最近では 国内のみでなく海外諸国でも、ココペリの種子生産ネットワークを築きはじめています。

今日の経済市場主義に翻弄され続ければ、金融危機のシステムと同様に、生産者の借金は膨らむばかりです。先に申しました様に、1930年以降、初めて改正されたFAOの定める国際食品規格(Codex Alimentarius)の影響は、1ヶ国のみではなく、世界中の国に影響を及ぼすものです。だからこそ反対運動を世界中に広めていく価値があるのです。

 

■長時間、大変有益なお話し有り難うございました。私たちも日本でココペリの活動をお手伝いできる事がありましたら是非、お力になりたいと思っています。

 

(終)

 

◆コメントする





サイト管理者|日本マックランド株式会社
メール相談はこちらからどうぞ!|農産物の栽培・生産方法から流通、販売に至るまであなたの真剣なご相談歓迎します。