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在来種保護に取り組むNPO「ココペリ」 (1)理念と活動

P4252177.JPGのサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像科学技術が進歩するほど対極にある原点が見直される。その一つが有機農業(オーガニック)である。

一口に有機農業と言っても福岡正信氏が提唱した自然農法、JAS有機、化学肥料と化学農薬不使用栽培など様々ある。

有機農業を論じる前に、種も環境破壊源になり得るという主張がある。バイオ技術は日進月歩、既に地球上には遺伝子組み換え(GMS)作物が作られ、流通している。人間の欲望は果てしなく膨らみ、止まらない。この行為が是か非かは、各界から様々な論議が行われているが、結論は当分出そうにもない。仮に遺伝的影響有りと実証されても時既に遅し、元に戻れない。安全神話が崩壊し、深刻な環境汚染を引き起こした原発事故も記憶に新しい。現時点ではGMS農産物に直接的な被害は表面化していないが、将来的リスクはゼロではない。これを機にもう一度、種について考え直す時期に来ているのかも知れない。

 

GMSやハイブリット交配種子が環境や人体に与える影響を懸念して、自然交配種子(在来種)の保護、普及活動をしているNPOが南フランスにあると、パリ在住A子さんから昨年聞いた。どの様な理念で活動し、どんな種子があるのか興味があったので4月下旬、モンペリエ市近郊にある「ココペリ」を訪ねた。パリからTGV3時間余り、ニームで在来線に乗り換えアレスに着いた。地中海岸から少し内陸に位置し、のんびりした南フランスの農村という風情であった。

応対して頂いた理事長K氏に早速、インタビューした。

(通訳・編集) 服部麻子氏

 

■ココペリの由来と理念、活動は?・・・

〈ココペリとは、アメリカインディアン伝説に登場する精霊です。背中のコブに蓄えていた種は、笛の管を通って地面に撒かれ、やがてその土地に豊穣がもたらされると伝えられています。

私達のココペリの名前もその精霊に由来するものです。20年ほど前から遺伝子組み換え、ハイブリッド(FI交配) 種子と農薬の使用を阻止するための活動を続けています。基本的には野菜や穀物類などの在来種、あるいは古くからある品種の種子を有機栽培で育て、野菜等のプロ、アマチュア生産者への利用を促し、品種の多様性を維持する活動をしています。私達が保持している品種は合計約1700種で、その数はフランス国内、ヨーロッパで最も豊富だと言われています。

世界中には何千、何万、数えきれない種類の種子が存在し、その中には絶滅が危惧されているものも多数存在します。ハイブリッドや遺伝子組み換えなどの技術を駆使して開発された品種は、毎年安定した品質の種を自家採取することが不可能です。従って栽培者は毎シーズン、種を購入し続けなくてはなりません。それにかかるコストは決して安いとは言えません。

植物の品種は本来、個体群同士が自然交配した結果生み出されたものです。人間が恣意的に植物の遺伝子を操作することは、ありえない話でした。欧州、日本に限らず、世界中の農民達は、作物の種子は自ら育て、あるいは隣人と交換して使うものでした。代々育まれてきた品種の中には、非常に古くから存在するものが沢山あります。

ところが近年、農場の大規模化を進めるフランスでは、新しい品種の植物を開発した者に特許権を与える制度を作りました。私達ココペリは今、「欧州理事会が使用認可を出した品種カタログに登録されていない在来種の種子を販売している」と厳しい批判を受けています。

しかし、私達が祖先から受け継いてきた在来種であっても、合法的利用するには欧州が管理するカタログへの登録が義務付けられるのです。しかも依頼者は一品種登録する毎に巨額な審査料を支払わなければならない、そんな法律はおかしいと思いませんか?植物は、たとえ新しい品種であっても自然界からの贈り物であることに変わりなく、決して人間の個人私有物となるべきではありません。どう考えても不条理な法律には従う必要はない、というのが私達の方針です〉

 

■具体的には?・・・

〈私達が扱う種子は用途に応じて、販売用とコレクション用のどちらかのカテゴリーに分類されています。販売用はすべて、約15人いるココペリ専属のプロフェッショナルな栽培者が本部から無料で種を受け取って、丹念に育てています。一方、コレクション用は種子の代父母栽培プロジェクトの一環として、園芸アマチュアの人たちの手で育てられます。これらは販売用にはならず、会員の間で交換されるもので、品種の保護を目的としています。代父母としてココペリからの認可を受けた会員は、各自が栽培、採種したコレクション用の種子をココペリに寄付します。これらは毎年、3㎏入り200箱分の小包に仕分けられ、種子不足に悩む世界中の貧しい人達に、NGOやアソシエーションを通して無料で送り届けられています〉

 

■在来種を気候風土の全く異なる地域で栽培することはココペリの理念と矛盾しないですか?・・・

〈植物は自分が育つ気候風土に適応しようとしますから矛盾しません。それは一見、複雑な問題ですけどね・・・

南フランスで発見された在来種の野菜が、植物自らが持つ環境適応能力を発揮して北フランスでも非常によく育つ様になるといった事例はよく見受けられます。ワイン栽培の理論と一緒で、野菜も地質や気候の特徴、テロワール(風土)から影響を受けて育ちます。例えばこの地方で黒い実をつけるトマトを北フランスで育てた場合、若干実の色が変ってくる可能性があるのは、ごく自然な現象です。この活動を続けている中で、海岸線に近いフランス南西部に位置するジロンド地方の在来種である人参が標高1000mを超える山間地でも立派に育つと判明したことがあります。同じ品種の人参が特徴の異なる土地と気候に対する適応能力を持っていたのです〉

 

■日本では優れた形質の野菜を作るため交配ではなく、母根選抜といって、品質の良い個体を選抜して種子採取を繰り返す方法があります。ココペリでも行っていますか?・・・

〈はい。

毎年、約1700種類の種子を栽培していますが、15人もの生産者に依頼しているのは、できるだけ多くの品種を栽培できる様にするためです。気候や天災、病気等などで収穫量が極端に減ってしまうのを避ける意味もあります。1人の生産者に約50種類の唐辛子(ピーマン)の種を育てていただいた折にも、ネットなどを利用して各々の品種を完全に隔離した状態で栽培してもらっています〉

 

 

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