• いい野菜.comのトップページ
  • 私たちについて
  • 土の食養生
  • 作物別実例
  • 農業資材
  • 作物・生産者情報
  • 農業経営実例
ブログ
ホーム > ブログ > M&Aで好調続く南九州の冷凍、業務用野菜

M&Aで好調続く南九州の冷凍、業務用野菜

PB054021.JPG10月下旬に宮崎、熊本の野菜産地を歩いてきた。今春、葉タバコ(約300㌶)減反転作政策の事を書いたが、政策転換が契機となり、南九州の農業は改革が進んでいる。どう変わったかと言えば葉タバコからホウレン草を核とした冷凍野菜が急増している。転作奨励資金として反当約20万円が支給されたことも刺激になった。転作に対応して農家、農業法人の統合が急ピッチで進んでいる。冷凍施設は少なくとも数億円の資金が必要とされ、資金調達力の限られる中小生産者では取り組めない。そのため吸収合併(MA)が進んでいる。日本では先祖代々の土地に執着する国民性や法整備の遅れで経営統合、農地拡大が遅れていたが、南九州では地域にもよるが堰を切った様に一気に進行している。農地が売りや貸しに出されると資金力、経営力のある法人が一斉に手を上げるという。高齢化や経営不振に喘ぐ個人農家や法人を買収する構図が以前では考えられないほど日常化している。10数年前から大規模化政策により、各地で農業法人が立ち上がったが、当時とは経営環境はすっかり変わり、既に淘汰の時代に入った。

 

南九州で冷凍ホウレン草を栽培している法人は既に1社当たり100㌶規模に成長し、現在大手8社体制にまで統合が進んでいる。ホウレン草の他、輪作として小松菜、莢インゲン、枝豆、ブロッコリー、里芋なども増えている。冷凍ホウレン草は以前、北海道が主産地だったが、平成年代に入り安価な中国産に押され衰退した。その後、中国産野菜の残留農薬問題が発生、安全指向が高まって一部は国産に回帰した。関東地域などでも部分的に産地が増えたが、コスト高で伸び悩み、昨年の原発事故で激減した。

南九州は、大規模化でコスト削減に成功し、業務用野菜(惣菜)の需要増、安全性と品質向上、大手商社との販売連携などの追い風を受けて、現在は需要に追いつかない状態と言う。中国などの輸入が年間2万㌧以上あるが、国産品のシェアは10%程度と低く、更にコスト削減が進めばシェア奪還の余地は充分ある。

 

最近、量販店やコンビニで目立ってきたのは里芋、南瓜、サツマイモなどの少量真空パック調理済み野菜(画像参照)。冷蔵庫で一ヶ月程度の保存が可能で、電子レンジや熱湯加熱して直ぐに食べられる。個食や利便性を重視する消費者が増える中で、青果販売は苦戦を強いられており、市場出荷者はこれらの動向に注意が必要である。以前は、この手の商品はあまり美味しいとは言えなかったが、最近の商品は味にこだわっているモノが多く、商品アイテムも増えている。消費が縮小している魚も漁協と量販店が組んで、味付け調理済み商品の開発、販売に注力しているから、野菜も負けてはいられない。

 

冷凍、業務用野菜と言え「美味しくて安全な野菜」をコンセプトにし、「特別栽培」で作る業者が徐々に増えている。供給者として高品質生産は勿論、病害虫の発生や収量の安定確保を考えれば、特別栽培で作るメリットがあると言う。大規模生産になると資材調達の交渉力が強まり、有機入り配合(有機窒素比率51%超)でもかなり割安な水準になる。葉菜類は穏やか肥効の有機併用施肥をして、10月から4月上旬頃迄の低温期に栽培で病害虫の発生を抑え、特別栽培基準をクリヤーしている。

今後、安定成長が期待される業務用や一般家庭用惣菜分野の調達先は、野菜の種類によるが市場を経由しない生産者直接取引が主流になる。以前は相場が下がれば業務、加工筋が買い支えていたが、その必要性は失われつつある。不作で足らなければ暴騰、豊作で過剰になれば暴落の図式が益々頻発する恐れがある。

南九州で市場出荷をメインとした中小生産者に淘汰の荒波が押し寄せているのはデフレ経済の他、上記の複合した社会変化が絡み合って起きているためだ。

商社は業務用だけではなく、当然青果と組み合わせた販売網の構築を考えているから、動向に注意する必要がある。

 

胡瓜、ピーマンを中心とする宮崎のハウス果菜類は、冬春の異常低温と燃料高等により大きなダメージを受けた。特に栽培温度が高いピーマンは厳冬期の相場は高騰したが春になり気温が上昇しら暴落のパターンが今年も繰り返された。1袋(150㌘)10円等という捨て値もあったと生産者が嘆いていた。燃料を惜しみなく焚いてタイミング良く出荷して儲けた農家もいたが、多くはコスト高での減収という。

一躍ブランド品にのし上がった宮崎マンゴーは、燃料高と景気低迷の煽りをまともに受けて、以前の熱気は冷めた・・・・

 

熊本のハウストマトはシルバーリーフ(黄化葉巻病)の対策の仕方で収益に大きな差が出た。いち早く、抵抗性品種に切り替えた生産者は、資材高(主に燃料)の影響は受けたが、それ以上に相場高の恩恵があった。大玉トマトで反収700800万円という生産者も出た様だ。この状態が今期も続くかどうかは、天候次第(産地業者の話)

生協などと契約で食味や安全性を重視して栽培しているグループの中には、異常な市況高を見せられて困惑している。しかし、トマト以外にこれと言った作物は見当たらず、当地でも栽培面積は増えているので、天候により暴落の危険はある。相場はその時の需給関係でしかない。自分が消費者に何を提供してお金を頂くか、冷静に判断したい。

 

 

◆コメントする





サイト管理者|日本マックランド株式会社
メール相談はこちらからどうぞ!|農産物の栽培・生産方法から流通、販売に至るまであなたの真剣なご相談歓迎します。