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ホーム > ブログ > j自由貿易への道 ⑤米・・・北海道は良食味品種と温暖化で追い風?

j自由貿易への道 ⑤米・・・北海道は良食味品種と温暖化で追い風?

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北海道は日本を代表する米産地であり、生産量は新潟県と首位を争う。

従来は冷涼地故、冷害を恐れて耐寒性品種が主流で、良食味系統の開発が遅れていた。典型的な大量生産、質より量の産地であった。一昔前になるが粘りが少なく、冷えるとボロボロする道産米で握った寿司には閉口した思い出がある。その後、道府県単位の流通が自由化され、本州の美味しい米が使われる様になり、美味しくはなったが・・・

今でも食べ慣れているボロボロする道産米方が好きだという道産子が残ってはいる。

過剰米が恒常化し、減反が強化されるに従い、良食味米の開発、普及が一気に進んだ。気候も温暖化傾向が定着し、今や道産米は数量だけではなく品質、価格面でも競争力を強めている。「きらら397」から「ほしのゆめ」「ななつぼし」「おぼろずき」「ふくりんこ」最近では「ゆめぴりか」など次々と登場し、低コストを武器に本州のブランド米を脅かしている。

 

先日、空知と後志の生産者から新品種「ゆめぴりか」を送って頂いた。ラジオ番組で「新潟こしひかり」を超えると評されていたので、早速、土鍋で炊いて試食した。炊き上がると台所に美味しいご飯の香りが充満し、食味、食感とも感動モノであった。もう一つの特長は冷や飯を電子レンジで温め直しても食味が落ちない。食通が集まる寿司屋に評価を依頼してみたが、板長から寿司米としても最高級の品質と太鼓判を押された。自店でも是非使いたいというので生産者Tさんに問い合わせてみたら「自家米程度しか・・・」と言うので訳を尋ねたら、種籾が余り手に入らないので、大規模には作れないと言う。供給が十分でないので、ネットでも簡単には入手できない。

「ご飯食い」の友人達に試食品を送ったが、一様に高い評価を頂いた。道内を歩いていて「新潟こしひかり」など本州ブランドを超える美味しい米に出会わなかったが「ゆめぴりか」は好みもあるが傑作と言っていい。ただし、土壌や気候、管理技術により食味は異なる。Tさんは有機質肥料を併用して作っているが、北海道でこれだけ美味しい米が作れるなら、アジア圏へ輸出する道も開ける。

 

北海道で米農家に聞いてみた。

■渡島支庁・水田10㌶超のSさん(30歳代)

TPP

農家の集まりがあってTPPの話が一寸出たが、本質的に理解していないから話は盛り上がらない。余り関心がないね・・・

。組織で「反対」を叫べば「そうだな・・・」と追従する程度の話。補助金や助成金の話になると盛り上がる・・・楽して儲かる話には誰でもすぐに飛び付く(笑い)

自分としては将来の日本を考えればTPPは当然の選択だと思う。何もしなかったら没落するだけ。自由化を前提に自分達で努力する余地はまだ沢山あるが、他力本願の農家が多いのは残念。

 

(1戸当たり水田面積)

バラバラだが平均5㌶位だと思う。この程度の規模では、昔の資材価格と米価ならやり方はあるが、TPPは別にしても、現状でも経営はきつい。当地はハウスとの複合経営だからまだ救われるが・・・高齢化もいよいよ限界に来ているから、早く統合を進めて1戸30㌶規模の大型化、効率化を目指さないと国際競争に勝てない。所得保障は農地の貸し剥がしを助長するから、?だね・・・

 

(品種)

道南農試で育成した良食味米「ふくりんこ」がここの気候に合っている。2/3は「ふくりんこ」を植えているが残りは「きらら397」。ノンアレルギー米として一定の需要があり、収量も取れるのでブレンドや加工用としての需要もある。

 

(収量)

一般的に良食味米は収量が落ちる。当地では通常7俵台・・・しかし、収量が落ちては多少加算金があっても作る側のメリットが少ない。自分は「ふくりんこ」で従来品種以上の収量を目標にしている。色々試しているが今の所、ミネラルPK20kgを幼穂形成期10日くらい前に追肥するのが一番コストパフォーマンスが高い。2010年産で平均反収8.2俵あったから来年は全面積に使う。粒の付き方や充実具合を観察していると施用時期や施用量が解ってくると思うから、もう少し研究すれば平均反収9.5俵前後は見えてくる。ここは「やませ」が吹く年があるから言い切れないが、育苗から手抜かり無く進めれば可能性はある。当地の名人は2010年産平均8.5俵、蛋白値6.6

 

■渡島支庁・水田30㌶超Mさん(50歳台)

TPP

賛成はしないが仕方ないね・・・殆ど米一本で食っているから、自由化されても耐えうる策は打ってきた。ただ、米価が何処まで下がるかは色々な要因が絡むので予測はできない。世界に流れに遅れない様に頑張るしかない。

 

(対策)

農機具を効率的に償却する適正規模30㌶を少し超えて作っている。資材の一部は卸業者から直接仕入れ、農機具は自分で整備可能な部分はメーカーから部品を取り寄せ、暇な時期に交換している。ただ、古くなり過ぎるとシーズン中のトラブルが恐いから限度はある。トラックはこまめに整備して使っているから、メータが3回りもしている。稲作農家はこの位シビアでないと・・・(笑い)

生協や学校給食向け特栽米も作っている。飯米需要はまだ減るから、以前から商社と多収穫米(加工用)を試作している。取り敢えず12俵が目標で、米価下落を補えればと思っている。

 

■上川支庁・水田10Nさん

TPP

みんな反対だと言っている。それ以前の話だが、政策がコロコロ替わり、理解できない人が殆どだ。行政、JAの担当者に聞いてもよく解らない点もある。まあ、暮れになって農協が組勘(組合勘定)決算して「ああ、そうですか」と印鑑押して終わる。高齢者が増えているから、殆ど農協任せ「おんぶにだっこ」。難しいことを言っても仕方ない。

 

(経営面積)

上川支庁でも地区により異なるが、道北で平均8㌶位、大手は25㌶超の人もいる。畑作で30㌶位かな。

 

(品種)

塩狩峠(旭川市北方)を境に北は気温が低いから、「きらら397」が主流。「ななつぼし」「ほしのゆめ」も多少ある。飯米の過剰で商社が加工米「大地の星」を契約栽培した。峠より南は良食味米「ゆめぴりか」が主流、「ななつぼし」「あやひめ」などもある。旭川周辺は道内でも有数の米産地で食味も高く評価されている。

 

(経営状態)

品種と場所によるが、平均反収7.58俵台。秋の仮払い9.000/俵、暮れに1.000円追加払いがあったが組勘の精算(穴埋め)が終わると1.000円バックという話だから、9.000円。最終、どんな計算になるのかは数年かけて売り切ってみないと誰も解らない。商系はきららを9.000円で買ったが、実勢価格は所得保障分を引いて6.500円位だから赤字になるとぼやいていた。

加工米「大地の星」は商社が春に10.500円で契約した。12俵位取れるので農家は喜んでいたが、契約数量しか引き取らず、余った分はきららと同じ扱いい。多分、来年はきららと同じ単価になるだろう。

まあ、1万円どころか9.000円割れの時代が来てしまったから経営は四苦八苦・・・深く考えたくないというのが農家の心情かな。

 

(今後の展望)

借金があって転業も廃業も出来ないから、ひたすらコス削減トしかない。昭和20年代迄あった乾田直播きに再チャレンジしてみようという動きがある。当時でも33.5俵取っていたから、温暖化と技術の進歩で加工米なら56俵超は取れるだろう。田植機の移植部分を取り外して簡単な播種機を取り付ければいい。これから益々田圃が余ってくるから精密なことを考えるより、粗放で大面積カバーする方向だと思う。ただ、平坦地で1枚の面積が大きい所でないと無理だけどね。中途半端な面積では所得保障しても、経費に食われて経営できなくなる。国の財政状況では先行きは危ういな・・・

逆に時流に合った努力をしている人は経営が良くなる可能性はあるが、全員は残れない・・・

 

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