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遠州南瓜

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静岡県西部にある遠州地方は、以前から南瓜が作られていた。現在は輸入南瓜に押され、殆ど作られていない。ここは冬場に好天気、高照量に恵まれ、土壌もいいので花卉類、葉菜類、根菜類などブランド品が多い。また、東西に大消費地を控えていることも、とても有利。

 

従って、積極的に面積拡大や設備投資した農家の経営は安定している。しかし、限られた面積の農家は後継者が育たず、年齢的に限界が来ている。

ブランド品と言えども、日本社会の変化には抗せず、環境は厳しさを増している。

 

今後、耕作放棄地の増加が予想されるが、これらを集約し、ビジネスとして農業が成り立つ可能性はあるのか・・・今年から検証を始めた。

 

需要縮小社会では、設備投資するとリスクが高くなるので、撤退がしやすい露地、しかも労力配分のしやすいトンネル南瓜からスタートした。

 

Yさん夫妻は水耕葉菜類が主力だか、この分野は今後も企業参入が続くと思われ、競争力は限られる。美味しい南瓜は直売を含めて安定した需要があり、少しずつ、販路を開拓して行けば成功の可能性はある。成功する条件は「ぶっちぎり」の美味しさ!・・・。

 

FBダイジェスト版⑬中山間地でも勝てる米作り(3)結果編

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写真は927日に撮影した新開発「一発側条肥料」施用区の稲穂。1悍に何と平均160粒、最大180粒付いている。慣行区は約140粒、一見して明らかな差が分かる!

前日の台風の影響で穂の重みで上部は曲がったが、軸はしっかりしており収穫にはあまり影響はない。案内してくれた社員Kさんの話では、この辺は気温、水温共に低いので「こしひかり」で反当7俵が目標。実施した田圃は何処もこの位の粒数が付いており、しかも大粒。少なくとも1俵以上は増収確実という。近隣農家ではこの稲穂が評判になっており、最終収量が楽しみだと表情は明るかった。例年よりも大幅に収量が多く、乾燥が間に合わず、コンバインが立ち往生していると笑っていた。

FBダイジェスト版⑫中山間地でも勝てる米作り(2)栽培編

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「省力」「良食味」「高収量」「低コスト」自ら課した厳しい条件設定をどう実現するか・・・言うは易し行うは難し。気象災害も多いし、天気に恵まれなければ結果は出ない。しかし、自然の恵の範囲で、最高レベルを達成出来ればいいと割り切る。

   栽培方式

中山間地は水温、気温が低く、栽培期間や日照が限られるから、伝統的な移植(田植)しかない。直撒きは選択外。収量を上げてコスト削減を目指す、

   栽培レベル

JAS有機、特別栽培、GAPなど付加価値を付ける考え方もある。しかし販売先の求める条件は美味しくてリースナブル価格・・・これを満たせばいい。企業経営だから理想を掲げても確実に安定した品質の米が収穫できなければ無意味

。『原点』、放棄地再興から考えれば機械化、化学肥料、農薬併用で当初掲げた4項目を達成できれば十分である。化学肥料は肥効を改良して少量にとどめ、農薬は涼地なので元来散布量は少ない。状況に合わせて減農薬を図ればいい。

   品種

良食味品種「こしひかり」に統一。

   土作りと施肥

成功の鍵を握る最大ポイント。「省力」「良食味」「高収量」「低コスト」・・・・いずれも国、県、民間の研究機関が長年取り組んでいるテーマ。研究者でもない我々に更にパフォーマンスを上げる余地はあるのか・・・長年、現場で培った経験、五感を頼りに挑戦が始まった。

 

作業は代掻きまでは慣行に準じた。冷涼地の施肥は通常、元肥と側条2工程。省力化のため田植え同時側条施肥1回で完了できる肥料を開発した。異論は覚悟だが側条1発肥料が成功すれば省力化、コスト削減は一歩前進する。ただし、施肥量が多い品種は、田植え機の改造が必要。

 

「良食味」「高収量」実現は、肥効バランスとミネラルの働きが大きいと考え、ミネラルを「側条一発肥料」に組み込んだ。

 

北海道、飛騨で3年間、実証試験を行い、今季、飛騨A社で水稲全面積(約15ha)を栽培した。田圃の枚数は約200枚に及び、土壌条件は千差万別。このバラバラな条件で平均反収が何俵上げられるかが成否の分かれ目・・・「良食味」は過去の試験で実証済みで、米の納品先からこの設計で栽培する様に要請されている。

FBダイジェスト版⑪中山間地でも勝てる米作り(1)販売編

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非効率な中山間地で採算の採れる米作りが可能なのか・・・殆どの関係者は首を傾ける。確かに、大規模農家でさえ厳しいから従来の考えでは失敗する確率は高い。国の政策は大規模生産者育成に向かっているがこれを逆手に制度資金を活用し、栽培から販売まで一気通貫型の米作りが可能ではないか・・・

飛騨の農業会社A社は従来の枠組みをリセットし、白紙から効率的な米作りを始めた。

 

■販売から組み立てる

米はJAのドル箱。減反、転作も絡んで生産者が商系に出荷す事はそれ程簡単ではない。陰に陽にプレッシャーがかかり本格的に取り組むには大袈裟に言えば「村八分」を覚悟しなければならない。JA出荷は外観(粒)重視、食味は品種評価重点でそれほど価格に反映されない。ブランド米以外は「良食味」を売り物にするとJA出荷は選択外とならざるを得ない。

乾燥、脱粒、選粒など製品(玄米)にするまでの工程はJAの設備を使ってきた。自分の作業スケジュールで最適管理するためには、自前の設備が必要。コツコツ設備して、現在では1粒毎に変色米や異物を取り除く色彩選別機を含めて一気通貫で処理できる体制を整えた。自社設備でコスト削減が進み、「改善」が自由に出来る様になった。

 

注文に応じて精米し、新鮮で美味しい米が出荷できる体制が整った。次は販売先の開拓・・・吐き立ての米を食べてもらうため、回転の良い中食(弁当屋チェーン)、外食(レストラン)に狙いを絞った。彼らは食のプロ、特に米は重要食材、食味の安定した産直米は話が早い。個人販売とは異なり、数量がまとまり、価格も相場に左右されにくい。美味しい米を出荷している限り、確実にリピートが期待できる。

個人客け今後益々家庭でご飯を炊かない時代になり、消費量が減るので選択外。

FBダイジェスト版⑩京野菜・南国興産(株)工場視察

6月にパリの大手食材卸会社B社長が来日、京都大原の京野菜と宮崎の肥料工場にご案内した。B社長には4月のブルゴーニュ・ヌヴェール農園別荘で大変お世話になった。

今回の来日は、築地魚市場、大阪の出汁、京野菜がテーマ。食品加工残渣処理についても関心があり、スケジュールを1日延長して視察した。

◆旬菜市場

京野菜の直売場。地元消費者、料理人、観光客などで賑わう。

京野菜の直売場-1 京野菜の直売場-2

京都は勿論、パリのシェフ達にも知られている和食料理人、中東久雄氏とツーショット。

和食料理人中東久雄氏と

◆大原の生産者

中山間地にある大原には約100戸の農家があり、7戸が新規就農者。海外から研修に来ている外国人もいる。耕地は限られるので水田を転作して野菜を作っている、稲藁などを使ったマルチなど伝承的な農業が行われている。

京都大原の生産者-1 京都大原の生産者-2
京都大原の生産者たちと
京野菜料理店

◆京野菜料理店

集落に、本場の京野菜を食べさせてくれる店があり、昼食はここにご案内した。古民家を改装した店で、食事はとても美味しく、日本家屋特有の居心地良さがある。

◆柴葉漬け

昔ながらの製法の柴葉漬け

(昔ながらの製法)

柴葉漬け用紫蘇畑

(紫蘇畑)
赤紫蘇は4系統あり、この店では一番色と香りの良い品種を選抜して使っている。

◆歓迎会ディナー

市内のホテルレストランで盛り上がった。

パリの大手食材卸会社B社長歓迎会ディナー

◆南国興産(株)視察

畜産の専門家であるB社長は、畜産はもとより南国興産の食品加工残渣発酵技術に強い関心を寄せていた。

南国興産(株)視察
南国興産(株)視察(肥料原料の雑魚)

(肥料原料の雑魚)

南国興産(株)視察(動物処理残渣)

(動物処理残渣)

南国興産(株)視察(食品加工残渣の発酵槽)

(食品加工残渣の発酵槽)

(鶏糞燃焼プラント)
宮崎、鹿児島は日本有数の養鶏地帯で、毎日大量の鶏糞が発生する。鶏糞を燃焼させて肥料と電力を作っている。

南国興産(株)視察(鶏糞燃焼プラント)

FBダイジェスト版⑨ 「サヴィオレ」トマト(まとめ)

サヴィオレのトマト栽培

「サヴィオレ」訪問は農業を「地域振興」と「企業的」視点で総合的に組み立てて成功した点で、とても参考になった。産業が農業に限られる地域で色々試みられるが長続きする例は限られる。サヴィオレは多様な技術と知恵を盛り込み、地域一丸となって30年かけて基盤を築いてきた。強力なH技術長のリーダーシップと生産者の愚直な努力に深い感銘を受けた。

日本の生産者は、国、行政、組織ばかり頼るのでは無く、自分達で考え、工夫し、組み立て、リスクを取ってもチャレンジする努力を始めなければならない。国、行政、組織はそのサポート役でよい。

 

地域一体となって、「考える生産者」が育ってくれば、地域に活力が湧いてくる。それが求心力となって雇用を生み、若い人達が集まり定住する可能性も出てくる。

そんなチャレンジを四国で5月から始める。考えているだけでは何も進まない。今、求められているのは、「日本のサヴィオレ」モデル。 若い生産者はTPPなど政治に振り回されること無く、自分達の農業をどう創るか考え、チャレンジしなければならない。

FBダイジェスト版⑧ 「サヴィオレ」トマト(H技術長に聞く)

サヴィオレ トマト(H技術長に聞く)

◆何故養液栽培なのか・・・

味にこだわるフランス人が何故、ココピート養液栽培なのか?・・・
H技術長は「美味しい」や「美しい」という基準は個人差があり、絶対ではない。時代と共に変化するから品種も毎年入れ替える。年35品種栽培し、マーケットに提案している。養液栽培に統一したのは省力、大規模栽培、品質均一化、安定生産、コスト競争力など総合的に検討して得た結論。食味は最も大切な要素で、サヴィオレのトマトは「美味しい!」と胸を張る。
ランジス流通基地でもおいしいトマトはと聞くと「サヴィオレ」と答えるからフランスでは最も美味しいトマトであることは間違いない。

日本の生産者も消費者も関心のある点は「フランスのトマトは美味しいの・・・」。
H技術長も日本人がサヴィオレのトマトをどう評価するか興味があるはずだ。彼は最高ブランドを育てたカリスマ。こちらもトマト味の多様性、微妙さは心得ているつもりだから軽々しくは言えない。
率直に言えば、やはり「養液栽培」の味」は拭えない。さっぱり系・・・
日本の一般的消費者が好むコクのある味ではない。ドレッシングで自分のオリジナル味を追求するフランス人は糖度重視の日本のトマトは?。日本の消費者が求めるそ丸かじりでコクがあって美味しいニーズとは少し違う。しかし最近、日本でも薄味のトマトが主流になりつつあり好みの味を付けて食べることに慣れてきたので抵抗感は感じないかも知れない。

夏秋トマトをココピート養液栽培にチャレンジした生産者が数人いたが、糖度はともかく、食味が良くないと数年で撤退した。養液を研究して食味を改善する余地はあるが、現在は「土培地」を使う「養液土耕」が普及し、食味は大幅に改善している。

FBダイジェスト版⑦ 「サヴィオレ」トマト(概略)

FBダイジェスト版⑥の動画でポイントは理解して頂けたと思うが、補足して書く。

◆所在地プレスト市

「サヴィオレ」はフランス西部、大西洋に突き出たブルターニュ半島中部に位置するプレスト市にある。約30年前に創立、地域活性化策として国費が投入され、フランス最大のトマト産地となった。約150戸の生産者で組織され、トマトを中心にイチゴも栽培している。

日本最北端稚内市より更に緯度が高く、樺太中部あたりの緯度。暖流が北上する大西洋に面し、年間を通じて温暖。冬期でも零下3℃以下にはならない。ただし、ガスが発生しやすく、通年、曇天が多く、必ずしもトマトの適地とは考えにくい。海風を受けて夏の気温が上がりにくく、冬は暖かいのでエネルギーコストが安いメリットがある。

飛行機からプレスト市を望む

◆巨大なガラス温室

施設は採光と断熱効率を重視して、高さ5~6mもある巨大なガラス温室。1辺の長さは200m以上、1棟5?規模のハウスもあり、トマト工場の様相・・・総面積は350?超。日本ではこれだけまとまった産地はない。主力メンバーの1戸当たり栽培面積は5~7?。病害虫の侵入を防ぐため、クリーンルーム並みのセキュリティーが施されている。安全性を担保するためすべての生産者が「GーGAP」を取得している。

サヴィオレのガラス温室で サヴィオレのガラス温室
サヴィオレのココピート培地

◆ココピート培地

土は使用せず、写真の圧縮ココピートを溝にセットして潅水すると膨らんで培地になる。穴の部分に苗を定植して液肥を流して育てる(養液栽培)。培地使用後は堆肥としてリサイクルしている。

見事に肥大したトマト

◆見事な肥大

最適な環境制御により生育はとても良い。

トマトの保温設備

◆保温

低温期は温湯放熱パイプを樹の近くに通して保温する。パイプには約60℃の温湯が流れている。

トマトの環境制御

◆最適制御

広大な温室を均一な条件に保つため、各所にセンサーが配置してある。

サヴィオレのトマトの品種

◆品種

写真が一番人気のトマト。サヴィオレは多様なニーズに応えるため、サイズは大玉、中玉、三二。品種、果肉色(赤、オレンジ、黄、バイオレット、黒など)合わせて35種類を栽培している。毎年、世界中から150~200品種を取り寄せ、継続試験している。栽培条件が一定しているので品質格差が解りやすい。

◆巨大なトマトの樹

樹は高さ4m以上にもなり、上段は脚立付車で収穫する。通路に収穫車用レールが敷かれているハウスもある。

サヴィオレのトマトの樹
サヴィオレのトマトの選果

◆選果

フランスの消費者は形状、サイズは細かなことは言わないと言う認識でいたが、動画にあるように厳しくチェックして出荷している。品種や仕向先によるが個性的な形状のトマトを喜ぶ消費者もおり、無選別バラ詰めも見かける。

サヴィオレのトマトの輸送

◆輸送

出荷はコンテナもあるが、基本は段ボール箱。環境保全のため鉄道も使われているが基本はトレーラー輸送。

◆熱源はバイオマス

イタリア、スペインと言うトマト大国に挟まれて、どう競争力を高めるか徹底的に研究した。多額な設備投資を回収するには周年栽培が不可避のため、低温期に安価な熱源確保が決め手になる。結論は、熱源には環境保全も含めて「バイオマス」。
間伐材や木材廃棄物をチップに加工し、給湯ボイラーで燃焼させている。給湯温度は70℃。コンピューター制御で24時間全自動運転。

サヴィオレのトマト栽培の熱源はバイオマス-1 サヴィオレのトマト栽培の熱源はバイオマス-2
サヴィオレのトマト栽培の熱源はバイオマス-3

◆労働者

7?の温室を経営する若手農業人Sさん(27)に日常生活を聞いた。彼は金曜日午後から(土)(日)まで週2日半休み。トマトはドンドン成長するがどうするの・・・と聞いたら「全く問題ない」という。フランスは週40時間労働、スタッフのローテーションはこの範囲でキチンと組まれているから、彼がいなくても問題ないという。コントロールされた環境で生育するから、土耕に比べて生育がブレにくい様だ。

プレスト市は軍港を基盤とした軍需産業都市。第二次世界大戦や東西冷戦終結後、平和の時代になって雇用が減った。そのため、後継者、雇用労働者には困らないと話していた。休日は何をしているの・・・と聞いたら「魚釣りしかないかな・・・」と笑っていた。

サヴィオレのトマト生産者

FBダイジェスト版⑥ フランス最大のトマト生産者団体「サヴィオレ」

日本で最も堅調な消費が続いている野菜が「トマト」、企業参入のターゲットにもなっている.。フランストマトの近況を調べるため、パリ在住服部麻子さんに、視察可能な農場を探してもらった。しかし忙しい時期に入り、色よい返事はもらえなかった。出発間近になって許可を頂いたのは駄目元で打診したフランス最大のトマト生産団体「サヴィオレ」。ホテルまで迎えに来て頂いた創始者の一人技術長Hさんは「あなた方は幸運ですよ。通常、紹介もない一個人を私が案内することはありません。国内外から視察の申し込みが多数ありますが、殆どお断りしています。技術を持ってゆかれるリスクがありますからね・・・あなたは日本人だから安心してご案内します」ととても親切に案内してくれた。。

■「サヴィオレ」の動画

(フランス語だが概略が理解出来る)

 

今回の訪問は事前の情報収集を行わず、白紙の状態でぶらりと出掛けた。そこで見たモノは数日前に訪ねたブルゴーニュの自然農法とは真逆の世界・・・「養液栽培」。

培地はヤシガラ繊維、肥料は化学肥料液肥、自然界と遮蔽したガラス温室・・・味や香りに煩いフランスだから当然基本は土耕という言う予測は完全に外れた。ワイン、チーズ、生ハム・・・事細かな講釈を好むフランス人が「食」の基本である土を捨て効率重視の「養液栽培」・・・余りにも釈然としない。

(しかし、それは日本に住んでいる私が勝手に思っていた事である。EU統合という経済激変の中で、地域が生き残るためにHさんと言うカリスマを中心に冷静に戦略を練り30年間愚直に産地を育ててきたた結果が、フランス最大のトマト生産者に成長したのである。

 

FBダイジェスト版⑤2013/4/21 パリのオイスターバー

「食」で欠かせないのが生牡蠣。パリのオイスターバーは有名だが最近、日本でも増えているらしい。友人A子さんが大阪から本場のオイスター・バー」を覗きに来た男性・井川大輔さんと会うというのでご一緒した。
彼は昨年、大阪で1号店を開業、現在2店舗。息子さんも巻き込んでチェーン展開を狙っている。関空から格安航空券でドバイ経由で来たばかりと言うがパリは初めて。今夜1泊してすぐに帰るという慌ただしさ・・・兎に角、パワフル!

(こじんまりした店)

パリのオイスターバー外観

(オードブル)
シンプルだがとても美味しい!店の棚に瓶、缶詰のオードブルが沢山用意されており、必要ならばそれを注文する合理的なシステム。ここは美味しい生牡蠣をいかにリーズナブル価格で提供するかがコンセプト。席は8席程度・・・

パリのオイスターバーオードブル

フランス人の好む牡蠣はこの程度のサイズ。確かにとても美味しい!

パリのオイスターバーのオイスター

彼は40歳中盤だが、エネルギーに満ち溢れている。今時、珍しい男だ。本場の牡蠣を食べながら彼の「オイスターバー」に賭ける情熱を聞いた。

パリのオイスターバーで

FBダイジェスト版④ブルゴーニュの農園別荘ー2(2013/4/20)

世界最高三つ星レストランの食材サプライヤーを目指すB社長の農園構想は、壮大且つ緻密である。昨夜、話はみっちり聞いたが、今日は農園で体感;;;
朝食を済ませて、早速案内して頂き、現場を見ながら彼の目指しているモノを詳しく聞いた。

世界最高三つ星レストランの食材サプライヤーを目指すB社長と

◆シェフ目線

彼は50歳前半、名門国立パリ農業大学院で畜産を学び、畜産会社に勤めた後、ランジスに来て社長になった。経歴からみれば野菜作りのプロではない。素晴らしいのは「ユーザーは何を求めているか・・・」というビジネスの原点を心得ている点である。往々にして農家は「オレのモノは美味しい!」自負心に陥りやすい。彼は食べて頂いた評価を最も知り得る立場にあるシェフ目線で考える。

野菜を作る前にシェフ達から情報を集め、栽培コンセプトを「自然農法」と決めた。兎に角、すべて自然農法で試作し随時、シェフ達に農園に来て頂き現物を見て料理を考えて頂く・・・

◆一気通貫

シェフという指揮者を中心に「畑~厨房~テーブルまで一気通貫」の考え方だ。
畑になぜ従来の生産者が登場しないのかと言えば「高級レストランは多品種少量、しかも極上品を求められる。需給も不安定で、求められる要素の流れも速い。リスクが大きく、その割にリターンが大きいとは言えないから委託は難しい」と言う。彼は自社で自らリスクを背負って思い通りに取り組む道を選んだ様だ。

◆農園を歩いて料理を考える

厨房とシェフ達の宿泊施設

母屋の前にあるこの建物の中ではすでに、厨房とシェフ達の宿泊施設の工事が始まっていた。シェフ達に自由に農園を歩いてもらい、感じた野菜を収穫して、ここで自由に料理を考えて頂く・・・なんと素晴らしい考えだろうか。

◆需要を創る

ここで「基本」が出来たら一般にも開放したいという。彼の言葉の端々には、「本当に美味しい野菜を作り、調理を楽しんで食べてくれる消費者を育てたい」という思いが籠もる。目先では無く、着実な需要を創る「原点」からスタートしているのである。
今の日本の状況では難しいと思うが・・・

◆自然農法

フランスでは有機認証としてAB、BIOがあり、今後生産者が増えて行けば、将来的に付加価値が低下する懸念がある。そのため、農業の原点「自然農法」を基本にスタートした。化学肥料や農薬を使わないのは理解できるが、堆肥など何処までが自然農法なのかは不明。

B社長は木材(落葉樹)の間伐材をチップ化して販売している友人がおり、効率的に堆肥化する方法のアドバイスを求めた。ランジスで排出される食品加工残渣を使って発酵を早める方法を提案し、とても興味を持った。後日訪日した時に、当社の肥料を造っている工場を視察したいと言う。ただ、日本で言う自然農法とは一切何も持ち込まないというのが原則であるが・・・。

(自然林)
自然農法を維持するには生物の多様性を保つ必要がある。圃場脇には自然林が残されれ、緑肥や果樹類も植えられている。

ヌヴェール農園別荘自然林-1
ヌヴェール農園別荘自然林-2 ヌヴェール農園別荘自然林-3
ヌヴェール農園別荘溜め池

(溜め池)
地下に周囲の山々から流れ込む水脈があり、水源と水生動植物を育む池が用意されている。

ヌヴェール農園別荘鳥類を育む森林

(鳥類を育む森林)
隣接して昆虫を食べる鳥類や蝶を育む大木林もある。B社長は多様性を維持するには色々な丈の植物が必要という。理屈はともかく、良いと思うことはすべて取り入れるという。

(M農場長)
この自然農園(栽培面積約2?)を執り仕切っているのはM農場長。教師をしていただけあって、作物や土作りについてよく勉強されており、データーもきちんと整理されている。人柄もとても良い。
余談だが、ここの水道は硬水、洗髪すると髪がばさばさ。春の強風に煽られて髪はボサボサ・・・現地の人達は帽子を被っているのはそのためらしい。

ヌヴェール農園別荘M農場長

(土質)
元々牧場で草地だった所で、場所によって土質はバラバラ・・・生育が良くないという圃場をMさんに掘ってもらった。写真の様に10数cmで根が止まり、下に伸びていない。スコップで掘ってもらったが、固い粘土層で、耕土として機能していない。

ヌヴェール農園別荘土質-1 ヌヴェール農園別荘土質-2

粘土層の厚みは不明だが、サブソイラーを入れて盤を破るか、山土を客土して表土を厚くするか・・・・いずれも大仕事。結果が直ぐに出る訳でも無いので、取り敢えず、少ない表土で作物が育つ土作りをアドバイスした。いずれにしてもこれから時間をかけて、作物がキチンと採れる土作りが必須。土質の良い圃場もあるので作物の生育状況を見ながら何処に何を植えるか、輪作を考えながら作って行かねばならない。

(野菜の種類)
今の所、約50種類を試している。何が採算に乗るかは未知数だが、農園全体として採算が採れれば上出来だろう。看板という意味合いもあり採算はあまり気にしていない。道楽では出来ないが自分の楽しみ・・・とも言っていた。
今の時期は生育の早い葉菜類、ハーブ類が中心。定石通り混植が基本。
イチゴ、トマト、ナスなどの果菜類も課題。

ヌヴェール農園野菜栽培-1 ヌヴェール農園野菜栽培-2
ヌヴェール農園野菜栽培-3 ヌヴェール農園野菜栽培-4
ヌヴェール農園別荘不織布マルチ

今の所、ハウス栽培はしていないが、不織布マルチは一部試している。

ヌヴェール農園別荘麦わらと間伐材チップ

最も苦労するのが除草。麦わらと間伐材チップをマルチして防いでいる。

(M農場長のコメント)
今年で3年目だが、収量はともかく、品質的にはいいものが収穫できていると思う。土作りはこれからだが、時間がかかることは覚悟している。先ず、パフォーマンスを上げるにはここの条件に合った品種選択が最も大切と思う。種類ももう少し増やしたいので種苗会社から資料を取り寄せて検討中です。しかし、気候の振れが大きいので3年位作らないと結論が出ませんね・・・。

FBダイジェスト版④ブルゴーニュの農園別荘ー1(2013/4/19)

1月にパリの食材研究会を主催したDERAS社のB社長からお招きを頂き、ブルゴーニュ・ヌヴェールにある農園別荘を訪ねた。
彼の会社は三つ星レストランなどに最高級の食材を納めているが、健康指向で野菜への関心が高まっている。しかし最高級クラスのお客様に提供出来る野菜は限られる。野菜は鮮度が大切なので、レストランが自家農園や契約農園を持つケースが増えている。このままでは自分達のビジネスポジションが影響を受けると感じた彼は、自社農園でシェフ達のイメージに合う野菜を作ろうと決意した。B社長は2年前にブルゴーニュに家屋付き農園を手に入れ、「自然農法」で野菜を作り始めた。
フランスの農家はあちこち訪ねたが、泊めて頂いた事は無い。数年前、バスクの友人宅に1週間滞在したことはあるが、今回は待望の農園。フランス人がどの様な生活を楽しんでいるのかも興味があった。写真が盛り沢山になるが、彼の週末ライフの一端を紹介する。

◆ヌヴェール

パリから鉄道か車で約2時間南下、以前は炭鉱で栄えた街だが衰退、今は肉牛の肥育が盛ん。ルルドの聖女「べルナデッタ」ゆかりの修道院があり、縁日には世界のキリスト教徒が巡礼に訪れる聖地。約10年前、日本人修道女Y子さんを訪ねたことがある。
ノルマンディー方面から来る北の冷気と地中海の暖気が交差する地域で、天候はあまり良くない。穀物には適さず、草地。畜産が主力で牧場が多い。

ヌヴェール-1 ヌヴェール-2
ヌヴェール農園別荘

ヌヴェール駅に迎えに来てくれたBさんの車で20分余りで農園別荘に着いた。母屋を中心に倉庫と農機具』置き場がある。

ヌヴェール農園別荘母屋

母屋は200年以上前に建てられた二階建て木造造で、大きな部屋が8室以上もある。格部屋は快適な設備に改装してある。

ヌヴェール農園別荘ゲストルーム

泊めて頂いた二階のゲストルーム。巨大なバスルーム付き、広さは50平米以上、ベッドはとても寝心地が良く、高級ホテル並み。すべて木造で居心地が良く、スチーム、暖炉設備も完璧。

ヌヴェール農園別荘部屋からの眺め

部屋からは村の家並みや自然森、池が見渡せ、ゆったりくつろげる。

ヌヴェール農園別荘調理スペース

「食」を大切にするフランス人らしくキッチンは広い。ここは調理スペース、隣に家族やゲストと食事を楽しむダイニングルームがある。

ヌヴェール農園別荘電磁加熱器

調理はすべて電磁加熱。このユニットであらゆる加熱調理ができる。

ヌヴェール農園別荘ボイル専用器具

今が旬のホワイトアスパラは、ボイル専用器具が付いており、タイマーをセットしておくと美味しく煮上がる。

ヌヴェール農園別荘スモーク好きなフランス人

スモーク好きなフランス人は、薪暖炉を利用して魚貝、肉、野菜、パン・・・何でもアルミフォイルで包んでじっくり香りを付けて焼く。

ヌヴェール農園別荘メインディシュ用白身魚

青魚はあまり食べず、白身魚が高級魚。Bさんがランジスからとても高価な白身魚をメインディシュ用に持ってきてくれた。腹と身の回りにビッシリ香草を詰めて暖炉でじっくり焼き上げる。

ヌヴェール農園別荘イベリコ豚の生ハム

ワインのお供は、三つ星レストランに納めている「イベリコ豚の生ハム」 !彼は、商談に持ち込まれる色々な生ハムを試食しているが、未だ,これを超えるモノは無いという。食べ出したら美味しくて止まらない・・・

料理はBさんと麻子さん(通訳)の競演・・・彼はプロだが、フランスでは男性も積極的に調理に参加し、センスもいい人が多い。

ヌヴェール農園別荘料理はBさんと麻子さん(通訳)の競演
ヌヴェール農園別荘料理-1 ヌヴェール農園別荘料理-2
ヌヴェール農園別荘料理-3 ヌヴェール農園別荘料理-4

ファミリーとご一緒に和やかな昼食。マダムはバスク生まれで、私も1週間ほど滞在したことがあるので、生まれ故郷の話しで盛り上がった(右は農場長Mさん)

ヌヴェール農園別荘ファミリーと昼食
ヌヴェール農園別荘別格の味のチーズ

食後はBさんが厳選して出してくれたチーズ。別格の味!

ヌヴェール農園別荘デザート

デザートは籠盛りの中から好きなモノを選んで下さいという。至れり尽せり・・・好物のマンゴを頂いた。

ヌヴェール農園別荘女性村長

女性村長がご主人と訪ねてきた。マダムとツーショット。村長はやはり何となく風格があり、にこやかな顔が印象的・・・

FBダイジェスト版③2013/1/12 マルシェ・地ビール・直売量販店

フランス北部に生産者が出資し、運営している量販店があると聞き、早朝のTGVに乗り訪ねた。途中、アラスという世界遺産に登録された街に、大きなマルシェがあるというので途中下車。

◆アラス

アラス

パリ北駅からTGVで1時間超北上、9時過ぎ到着。緯度が高いので夜明けは遅く、空は薄暗く、地上はガスがかかっていた。視界は良くないが、それがかえって古都の幻想的な雰囲気を醸し出している。

アラスのマルシェ

(マルシェ)
街に3ヶ所あり、カラフルなテントが並んでいる。店の準備が始まり、お客さんがポツポツ増えてきた。底冷えがする・・・

アラスのマルシェの野菜、果物

野菜、果物
とても種類が多く、地場産かどうかは分からないが、北国にいるとは思えないほど、鮮度が良い。

アラスのマルシェの若手農業人

若手農業人
アラスで、クレソンを周年栽培しているというHさんは27歳。
村で最も若い農業人だという。
ここは水質が良いのでとても美味しいクレソンが出来ると自慢していた。
確かに香りが良く、独特な辛みがあって美味しかった。

アラスのマルシェのネギ

ネギ
新鮮なネギ(リーキ?)も美味しそうだった。

アラスの地ビール「Page24」

地ビール
北フランスは寒冷な気候で葡萄栽培には適さない。そのため麦を原料とするビール醸造が発達した。この地域に大小800ものビール工場があったというから凄い。 国際品評会でチャンピオンに輝いたことのある「Page24」を見学させて頂いた。

ここの自慢は高発酵熟成ビール「Page24」と白ビール。

アラスの地ビール「Page24」-1 アラスの地ビール「Page24」-2

お洒落なシニア紳士
地元の見学者と和気藹々でビールを試飲。彼らは元軍人とポリスマンの友人同士で日本の事を良くご存じだった。
さすがフランス紳士、試飲会と言えども、身なりはビシッと決めて来た。

アラスの地ビール「Page24」の試飲会
アラスの郷土料理

郷土料理
昼食はアラスの郷土料理。ここは馬鈴薯のブランド産地で他産地の約2倍。当然、美味しかった。逸品料理はチコリビール煮!チコリもビールも苦味があるので蜂蜜で抑えているのが美味しさの秘訣らしい。
牛肉はノルマンディー産と言っていたが、歯応えと味があって美味しかった。

冬の農村

冬の農村
レンタカーでリールに向かった。雪が少し舞うが積雪は無い。冬の荒涼とした畑が続く。作物は北海道とほぼ同じで、馬鈴薯、麦、ビート、野菜など・・・この品目で輪作体型を維持しているようだ。

生産者が運営する量販店

生産者が運営する量販店
最近開業した新業態の量販店。マスコミに取り上げられ注目を集め、繁盛している。生産者が運営しているため実質本意。建物や陳列棚に費用をかけていないが、生産履歴や販売処理システムは徹底的にIT化され「新鮮、安心、安全、安価」をコンセプトにしている。

ゆったりスペースの売り場

(ゆったりスペースの売り場)
カテゴリー別に区分けされ、通路も広くゆったり機敏で買い物ができる。

(新鮮で豊富な商品)
会員生産者から持ち込まれた野菜や果物は、殆ど段ボール箱やコンテナでバラ売りされている。収穫時間や輸送時間も管理されており鮮度は非常によい。ただ、荒選程度の選別が多く野菜によっては少し見栄えは劣る。料理に使うには全く問題は無い。

新鮮で豊富な商品-1
新鮮で豊富な商品-2 新鮮で豊富な商品-3

魚や肉は殆どパックされている。乳製品、卵、乾物、調味料、酒類、パン、総菜・・・あらゆる食品が並んでいる。

魚や肉は殆どパック-1 魚や肉は殆どパック-2
販売処理システム

(販売処理システム)
バラ売りは商品の近くにあるポリ袋に入れ計量器に乗せ、画面の商品にタッチすると、シールが出てくる。これを貼ってレジカウンターに持って行く。

解らなければスタッフがサポート

レジは自分でシールをセンサーに当てカード決済する。解らなければスタッフがサポートしてくれる

販売処理システム

メールアドレスを登録しておくと、買い物の明細やカテゴリー別購入金額などがサーから送信され、家計管理に役立つ。共働きの若い世代に好評という。

FBダイジェスト版②2013/1/11 プロヴァン

2011年に訪ねたブルゴーニュに隣接した村で村長をしているパトリスさんと友人ラシャさんがユネスコ世界遺産「プロヴァン」に店を開いたと聞き訪ねた。
この街は中世にシャンパーニュの市場町として栄え、現在は観光の街。中世の街並みがそのまま残っている。

プロヴァンに残る中世の街並み

◆村長のレストラン

パトリス村長は街角にレストランを開いた。彼は170㌶を経営する農家。フランスの首長や自治体議員は兼業が普通。
彼は「在来種の保護」や「村の景観保存」など精力的に活動している。今日もスケジュールが混んでいた様だが、お会いする時間を作ってくれた。

パトリス村長のレストラン パトリス村長と

◆ラシャさんのチーズ屋

テレビ局ディレクターをしていたラシャさんは、退職して奥さんとお洒落なチーズ屋さんを開いた。
農家から美味しいチーズやシャンパン、ワインを仕入れて販売している。
お土産にとチーズを4種類切って頂いた。日本では高くて気軽に食べられないクラスの美味しいチーズだった。

ラシャさんのチーズ屋 ラシャさん

Facebook ダイジェスト版①1月11日(金)

平成25年1月から、当サイトブログをFacebookに移しました。FBは一定期間が経過すると過去の投稿が閲覧出来なくなるので、「食・農業関連記事」を抜粋して当サイトブログに再アップします。

◆パリ・レストラン・コンサルタント協会

夕方、パリ・レストラン・コンサルタント協会を表敬訪問。会長のNさんに協会の役割などをを聞いた。
この協会は主に個人レストランのオーナ^ー、シェフ、食材関係者、調理器具や食器、調理服、レストラン関係出版社などレストランに関わる人達が加盟している。
協会で認定した商品が店頭に並べられ、管理している。
買い取りではなく、売れたら一定の手数料を支払うシステム。生産者直売なので。三つ星レストランで使われている高級食材も安く入手出来、人気が高いという。
ただし、殆ど瓶、缶詰、ドライ製品などの貯蔵品。

パリ・レストラン・コンサルタント協会 パリ・レストラン・コンサルタント協会会長のNさん

◆食材勉強会

パリにある世界最大級食品流通基地「ランジス」については昨年、詳細をレポートした。

今夜は三つ星レストランなど高級食品卸会社「DERAS」社
http://www.ledelas.fr/ledelas.php#!Vue=defaultPage
にシェフ達約30名が参加して食材の勉強会。D社はランジス食品流通基地内で肉、魚、野菜、乳製品、穀物、調味料・・・約15.000種類の食品を扱っている最大手。広大な建物全体が冷蔵施設で、世界中から送られてきた商品が所狭しと並んでいる。
D社の強みは多様なネットワークで集めた豊富な食材と24時間対応。つまり、レストランで必要な商品は少量でもいつでもここですべてが揃う。
オルリー空港が近いので国内、EU内はもとより、世界に対応可能である。

高級食品卸会社「DERAS」社
パリの生鮮品は袋かトレイでパック

野菜は生鮮、冷凍、ピューレなど使用目的に応じてすべて揃う。生鮮品は袋かトレイでパックしてあり、鮮度保持もしっかり管理されている。

パリ食材勉強会

勉強会は皆さんがリラックスしていた。ここはまさに職人の領域、みんなが仲間の雰囲気。食用花を取り扱っているという参加者に「日本には食用の花はどんなモノがありの・・・」と聞かれた。独自の食用花は菊、穂紫蘇くらいしか思い当たらず、多くは西洋から伝えられたモノと説明した。

パリ食材勉強会でオードブルの盛り合わせ メインディシュの鴨肉のロースト

シェフ達の集まりだから食事は付きもの。写真はオードブルの盛り合わせ。厳選したという白ワインを頂いたがとても美味しかった。メインディシュは鴨肉のロースト、デザートも出て、満腹・・・兎に角、フランス人は大食漢。

夏秋果菜類定植後の管理

夏秋野菜は通常4~5月に定植する。今年も天候が安定せず、管理に苦労している農家が多い。北海道では異常低温が続いており、今朝、南部のトマト農家からの電話によれば氷が張ったという。しかし、葉さえ凍らせなければ心配は要らない。地温が上がってくれば根は活発に伸び始めるから大丈夫、焦らず時を待とう。

とは言ってもスタートが遅れると通期の収量が気にかかる。地上部の条件、つまり日照や気温が無い時の作物は地上部が動くと危険だから上にはあまり動かない。その代り、日照や気温が回復した時に備え、根に養分を蓄える。この働きを助けのは栄養分と言うよりも作物の活力を高める「酵素」がいい。条件のよい時は何もしなくても差が目立たないが、条件が悪くなった時に差が出るのが作物だ。収穫期間は限られているから、悪条件の時にダメージを如何に少なくするかが安定して収量を上げるポイントになる。

(生育遅れ時のお勧め資材)

根張り促進、低温、日照不足

●葉面散布・・・ネマコートS(パパイヤ酵素)5001000

http://www.e-yasai.com/materials/nema_s.pdf

●灌水・・・・・ハイパー酵素 反当4~5㍑

http://www.e-yasai.com/materials/kouso.pdf

 

これからの課題 ⑤販路

どんなに品質の良い農産物を作っても再生産価格以上で安定して売れる販路を確保しないと安定経営は出来ない。家族でコツコツ経営する場合は収入が落ちても、やり繰りは出来る。しかしパートを雇用し、ハウス、農機など高額な設備投資を伴う経営に移行している生産者は、計算できる販路を確保していないと博打経営になる。農産物価格は宿命的な面があるが、震災や異常気象の影響で相場は乱高下を繰り返している。品目や時期にもよるが、この数年、市況は高値傾向の感がある。昨年も想定以上に相場が高騰した時期があり、大手量販店に納入している仲卸は、値決めしていたため高額の損失を被ったという話しも多かった。近頃、惣菜、外食、給食など業務用野菜の納入業者は大規模生産者と契約して安定供給を目指している。不足すれば市場調達、過剰になれば市場売りの構図が定着し、一層、相場を不安定にしている。市場とJAはタイアップして需給の調整に努めてはいるが、所詮、天候次第、調整はうまく行かない。

 
毎年、暮れから2月にかけて、市場や量販店納入業者が産地を廻る。当然、昨年不足して高値を付けた野菜を欲しがる話になる。JAも農家も解りやすい単純明快な話だから乗りやすい。根拠は乏しいがさりとて論理的に説明できる話は無い。あるとすれば製品の販売単価が決まって、仕入れの部品単価が決まる業務用だけだ。大規模生産者は信頼できる業者の商談ならば乗るが、アバウトな業界だから納品時期や数量は双方成り行きになる。自分の都合の良い方に解釈するから思惑通りには行かない。最初からドカンと取り組むとリスクが高いから、数年かけて栽培~貯蔵を含めて安定供給の研究をしないと長続きしない。大手量販店向けは数量と価格重視、大規模生産者(農業法人)、JAなど市場出荷者のジャンルだ。成り行き出荷だから終わってみなければ損得計算は出来ない。長年、この方式で経営してきたベテラン層は相場のスリル、魔力もあり、抜けられない。しかし、子供や家族を背負う若手農業人には先行き不安が付きまとう。
 
努力して市場でブランド品になり、品質重視の買い手がついた個人出荷者の価格はブレが少ない。北海道余市町のトマト専業生産者Aさん(主に市場出荷)は、毎年平均4,400万円台を売り上げている。どんな年でも最終売り上げは±300万円位で納まると言う。暴落しても彼のトマトは味で評価する消費者が付いているから相場にあまり関係なく売れる。Aさんは相場を気にすることなく黙々と市場に出荷している。余裕を持って、管理、栽培しているから収量も安定している。正にトマトの名人である。
トマトだけではなく、他の作物も同じ事が言えるが、差別化の難しい作物や天候の影響を強く受ける露地野菜は安定価格は厳しい。
 
一般品を安定価格で販売するには事前に値決めしておくか自分で直接売る場合を除くと、難しい。量販店は特殊なケースを除いて相場で動くから安定価格は難しい。値決めが可能なのは、相場が下がっても通常の価格で買ってもらえるこだわり商品か特別割安な商品だ。
一昨年秋から試験的にチャレンジしている百貨店やこだわり小売店での対面販売は、徐々に成果が出始めてきた。通常、コンテナやトラック輸送が常識でな南瓜、馬鈴薯、人参など重量野菜も取り組み始めたが、手応えを感じている。勿論、割高になる運賃を吸収できる商品力がポイントになる。安くても並べておいただけでは必要な量しか売れない時代が来ている。積極的にお客に提案し、売り込む努力をしないと消費は下がる一方である。
携帯端末の普及が消費者行動に大きなインパクトを与え、量販店やコンビニの宅配参入も流通に変化を与え始めている。社会変化が速いから販路をもう一度再チェックしたい。

ここれからの課題④ 中小こだわり生産者の懸念材料

大規模化する南九州の農業会社については以前に書いたが、中小規模生産者が対抗できる選択肢としてこだわり高付加価値農産物がある。しかし最近、注目しておかなければならない動きがある。

「食の安全と持続可能な生産管理」」を目指すグローバル ギャップ(G- GAP)認証を取得して、世界に通用する国際安全基準農産物を作る会社(ネットワーク)が立ち上がり、販売を始めた。今の所、農家を束ねたネットワーク型が多いが、将来的には統合して一つの企業体に進化する可能性がある。日本では高付加価値農産物は安全認証と管理コスト(手間)がかかり、足踏み状態だ。課題の安定供給と値頃感の両立が実現できれば需要が拡大する可能性がある。企業化が進めば色々な能力を持った人材を集めることが可能になり、技術革新やコスト削減、販路拡大なども進めやすい。従来の枠組みに捕らわれない全く新しい農業の組み立てが期待できる。

 

先日、九州で根菜類を中心にこの取り組みを進めている会社と情報交換させて頂いた。今の所、特別栽培人参(G-GAP取得)30㌶が基盤だが、牛蒡、大根、里芋など周年出荷を目指している。人参は良食味品種を使い糖度約10度、デパートの対面販売などでも売れ行き好調という。価格は年間固定を基本としているが、農場でパック詰めしており、20kg単位で小口発送可能で小口小売店の利便性も良い。今後の展開に要注目である。

同様に宮崎の特別栽培ホウレン草も同じモデルで注目したい。今冬は度重なる寒波のため草丈の伸びが悪く、品薄の時期があった。その点。宮崎は冬でも日照時間が長く温暖なため、関東などと比べて生育が早く、安定している。堆肥だけの化学肥料不使用栽培で、良食味品種を使い食味も優れている。冷蔵庫で20日以上貯蔵してみたが、品質の低下はあまりなかった。200㌘パックJANコード入りで宅配便単位で店単位で直送可能で利便性は良い。こだわり品小ロット生産者はこれらの動向に注意したい。

 

 

これからの課題 ②コストインフレ対策

政権が変わって大胆な「デフレ脱却」政策に転換、更なる金融緩和で「円」がバラ撒かれる。リーマンショックを受けて、米国を始めEU、中国など経済主要国が景気浮揚策で金利を引き下げ、大量に自国通貨を刷った。日本は1985年以来、ずっと低金利政策が続いており、もう引き下げ余地は乏しい。しかしこれで世界中に通貨が溢れる事になり、再び投機資金が動き始めた。投資家は通貨が下がり資産が目減りするリスクを回避するため金、原油、株式、穀物、非鉄金属・・・などモノ(商品)に替える。比較的安全な資産とされる日本国債で運用していた投資家は売りに転じ、基軸通貨ドルやユーロに換金して「モノ」に替えている。この動きが加速して急激に円安が進み、1ドル70円台→93円、1ユーロ90円台→125円(2月中旬)と12ヶ月の間に約30%も円安が進んだ。輸入業者は半年分位は為替予約し、在庫もある程度持っているので即、値上げという事にはならないが、既に値上げの予告が来始めた。原油価格は1バレル85㌦台から95㌦台に上昇し、円安とのダブルパンでガソリン価格は1㍑153円台に乗せてきた。まさしく、原材料、コストインフレの幕開けである。ただ、鉄鋼など一部の商品は中国で新工場の稼働が始まり、供給過剰の懸念もあると言われている。また、世界景気が上向かなければ実需が伴わないので、一時的な上昇に終わる可能性も残る。日本は当面、長期デフレが続いてきた反動でインフレに振れる可能性が高い。

 

需要が伸びている社会では値上げは比較的通りやすいが、年金生活者が増えている所得縮小社会では食品の値上げは難しい・・・春闘で現役サラリーマンの賃金がインフレ分に見合うだけ上がれば問題は少ないが、円安で潤う一部輸出企業はともかく、国内産業は価格転嫁が厳しい。安易な値上げは結果として更に需要減に直結するリスクもある。歴史的に考えれば資金を持つ強者は儲けるチャンス到来だが、資金の乏しい弱者は、その犠牲になりかねない。6月の参議院選挙が終わると、値上げラッシュに見舞われる可能性がある。コストインフレに今から備えたい。

 

(低付加価値農産物)

化学肥料、農薬、包材、運賃・・・すべてが上昇要因。これらは販売価格に占める割合が高いから値上げが追いつかないと苦しい。特効薬はないが可能な対策から取り組もう。

■自然力を活用する。

自然循環型農業を見直し、化学肥料や農薬の依存度を下げる。従来型農業は化石燃料を原料として省力化し、規模拡大してきたが、一旦、単位面積当たりの収益性をチェックしてみたい。有機と化学資材の併用を自分なりに再検討し、小面積でも構わないから実践してみることをお奨めする。今後の消費者ニーズ、社会変化を考えれば、この方向を目指す時期に来ている。技術が進歩し、コストも下がっているから取り組みの選択肢は広がっている。

(参考)

http://www.e-yasai.com/blog/post-83.html

 

http://www.e-yasai.com/materials/rakuto.pdf

■安価に調達できる仕入れ方法を見直す。

生産資材の仕入れはモノの「価格」だけではなく、「情報価値」も重要。両者を総合して価格→価値判断をしたい。現在はネットで幅広く情報を入手出来るから、仕入れ先を再検討してみたい。。地方では利便性、支払い条件も重要な要素だから、自分に合う方法で選択すればいい。近頃、グループでコンテナ単位でまとめ買いする生産者が増えている。物流経費削減効果がかなり高いから、ある程度まとまった数量を購入する生産者には有効な対策である。

(参考)

http://www.e-yasai.com/materials/container_sale.pdf

■資材を有効利用しているか再チェックする。

肥料でも農薬でも不足すると収量に影響する。その年の天候によっても効果が異なるから本来は作物の状態を見ながら追肥するのが望ましい。大面積では省力面ではマイナスだが、収量増など総合的に考えればメリットがあるかも知れない。重要なのは保肥力を高めて安定肥効を維持し、気候変動などのストレスを受けても作物のダメージをなるべく少なくする事だ。ミネラルの補給も重要なポイントであり、あれこれ使わずシンプルに1資材で対応したい。

(参考)

http://www.e-yasai.com/materials/m-cat01/mer-10.html

 

http://www.e-yasai.com/materials/expert_pk.pdf

 

http://www.e-yasai.com/materials/toyama_sekkai.pdf

■収量を上げてコストを下げる。

コスト対効果の高い葉面散布剤を使う。作物の反収によって使えるコストが決まるが、農家が使いやすい散布コストは10㌃当たり1回100円台、3回散布でそれなりの効果が見える資材だ。

 

(高付加価値農産物)

一般的に販売価格に占める資材費の割合が低いので、コストインフレの影響は限定的だ。資材費をかけても品質や収量の向上に重点を置きたい。世界競争に勝利できる強い農業を目指せるのはこの分野だ。

 

これからの課題 ①社会変化にどう対応する?

125日から10日間、北海道内を廻り、生産者や流通関係者と意見交換してきた。多面的、複雑な変化の中でも取り敢えず自分のポジションを確保している人、足元がぐらついて先行き不透明な人、何も考えていない人・・・様々である。しかし、多くの人達は現状も将来も厳しいと認識している。ただ、従来経験したことのない未体験ゾーンで、何を目指し、何から始めたら良いか解らないと言う。解らない時は現状維持が無難と動かない人が大多数だ。長い間、それなりに豊かで安全な生活が保障されてきたため、厳しい未来はイメージできない、考えたくない世代が主流になってきたから当然だと思う。既に現実は日本が得意としてきた産業分野の競争力が急低下している。昨年末まで円高だったこともあるが、中国、韓国、台湾など競合国の追い上げはますます厳しく、この先は予断を許さない。特に若年失業者が増え、あろう事か貧困率は先進国中、上位となり、従来の経済優等生の面影は薄れている。慢性的な財政赤字、大震災や原発事故の処理も背負って行かねばならない。この様な急激な経済、社会変化の中では現状認識と分析、流れの方向性を早急に再チェックし、組み立て直さねばならない。認識が甘いのか、逃避なのか、生活で目一杯なのか・・・事情は様々だと思うが、兎に角、対応への「気力」「腰の重さ」が気になる。

日本農業の将来を決めると言われるTPP論議がまた始まる。いずれにしても人間は生物・・・自然界の掟で最終的に弱いモノは淘汰される。「世の流れ」を的確に掴み、「茨の道」を希望と信念を持ち、上に上に向かって力強く歩みたい。日本人は優秀な民族、以前の様にみんなで努力すれば輝きを取り戻せる!

 

今日本で起きている変化で、農業にとって最大インパクトは「需要減」と「供給減」の綱引きである。

最近、流通関係者が指摘するのは「モノが動かない・・・」である。価格が安くても高くても青果物は動きが鈍いという。量販店の食品売り上げ高もパッとしない。デフレ、不景気も原因としているが、最大の懸念は「少子高齢化」による需要減。少子高齢化は構造的な問題で、当面解決策は見当たらない。供給側としては経営戦略上最も重視しなくてはならない課題だ。農産物が売れなくなったり、農家が減って作付が減少したり、無くなったりした例が増えている。

北海道南部A町は、以前から大根の大産地で、最盛期には300㌶超あった。平成5年の歴史的大暴騰を境に徐々に減り続け、昨年は1/4以下70㌶。農家の本音は採算が厳しいので他の作物に転換したいが、供選施設の償却が終わっていないためやめられないと言う。企業ならば採算が採れなければ設備売却か廃棄だがJA組織では決断が難しい。市場への相場出荷だから赤字が確定している訳ではないが、需要減で安値が定着しており、高値を期待しつつ償却のため作っている。他の産地も大同小異。

大産地が衰退する一方で、元気なのは直売場。種苗会社が色々な珍しい品種を開発し、販売に力を入れている。販売量は限られるが、形状の珍しいモノ、赤、青、黒など量販店では余り見かけない大根も売れている。辛み大根や煮物など調理の仕方に合わせた品種も支持されている。大量生産して安く売る時代から、個性化して適量販売する時代に変わってきた。

 

主要野菜の一つ南瓜も消費環境の変化で需要減が定着しつつある。黄緑野菜として人気は衰えていないが、1回に食べる量が大幅に減っている。惣菜などの加工品で食べる割合が多くなり、店頭で青果として売れる量は減少が激しい。以前の1/2カットから1/4カットになりもう1/8でも間に合うご時世だ。先日、北海道北部で南瓜を作っているHさんが「南瓜の時代もいよいよ終わりだね・・・」と電話してきた。彼は有機野菜野菜の流通業もしているが、露地野菜の荷動きが落ち異変を感じ、原因を探るため今冬は消費地に出向いて、売り場を廻っている。彼の話では南瓜は既にスライスパック売りに移行開始中。5cmくらいのスライス南瓜にそのまま衣を付けて天麩羅、フライパンで焼き物、電子レンジ加熱で簡単に食べられる。最近は果肉や果皮が固い栗系が主流になったため、家庭の包丁ではカットできないため、人気上昇中で定着しそうだと言う。重量計算すると1パック当たり51/16カット位。1/4カットの1/4となるから販売良は大激減・・・・これでは飯が食えないと自嘲していた。

南瓜に限らず、すべての野菜が同じ道を歩んでいる。

 

高級メロンの産地夕張は、ギフト需要の低迷と生産者の高齢化が進み、最盛期の230戸から昨年は131戸に減少した。このまま需要低迷が続くと100戸大台割が懸念される。販売関係者に回復策を問うてみたが、気候変動で品質や出荷量のブレが大きく、日持ちの悪さは宿命的問題、ギフト宅配から抜けられない。全国的に知名度が高いので拡販の余地はあるが、長年、商権が確立しており、新規開拓は動き辛い。一部、輸出もトライしているが、数量は限定的だ。メロン自体が需要縮小トレンドに入っているから、回生は厳しい。

一方、夕張系品種で市場を通さずギフト会社直売ルートを開拓した北海道南部のT社は元気だ。リーマンショックで注文が減り、一時減反したが、昨年は注文が回復、今年から再び増反する。T社長は、毎年仕事が一段落する2月上旬から全国主要業者を訪問し、情報を集める。マーケットの微少なシグナルも見逃さず、メロン以外に多くのヒット商品を育ててきた。彼は「おいしいモノを作っていれば業者が喜んで育ててくれる。勿論、大量生産して値頃感を出さないと売れないけどね・・・」と話す。

昨年、豊作で暴落した馬鈴薯だが、彼は毎年1215㌶作っている。ギフト商品に仕上げて1月末には完売してしまったという。他に安い芋がゴロゴロしていても彼の男爵芋は格別に美味しいため、通販でリピーターが付く。通販、ネット、宅配インフラの進化などで流通環境や消費者意識が変化している。

Tさんの話を若手友人に話したら、彼は昨年農家と連携してこだわりスイートコーンを作り、IT企業と組んでネット販売した所、1本300円で飛ぶように売れたという。「美味しいモノはネット市場が正しく評価してくれる!」と販売に確信を深めている。我々が気が付かない間に社会変化が進み、市場環境が変化している。

スマホの爆発的な普及が世の中を変え始めている。ジッとしていると従来の市場が奪われる可能性がある・・・

 

 

(2013)作物別 資材の使い方ポイント

 

今年もそろそろ春の準備が始まった。昨年はハウスはともかく、露地野菜は全般的に厳しい結果に終わった。「何を作ったらよいのか・・・」農家の迷いは尽きないが、自然の恵みで農業をしている以上、何を作っても当たり外れは付きものでいくら考えても結論は出てこない。あるとすれば、消費者が「美味しい!また食べたい」と感じて頂けるモノを作ればいい。「美味しい農産物」を作ることが基本中の基本である。残念ながらこの基本が、育種や栽培法の段階から耐病性や収量性など生産者の利益中心に傾き、消費を冷やしている面がある。需要縮小時代に入り、「食べ物の価値・魅力」を高め、お金を使って頂ける様に努力しなければならない。そのようなコンセプトで栽培している生産者の経営は比較的安定している。

 

「おいしい農産物」を作るポイントは、言うまでもなく「品種」「土作り」「管理」である!

 

果菜類

■土作り(反当)

多種多様な養分と菌体を含んだ基本2資材で簡単土作り、施肥!

★根づくり名人・・・基準10袋(抑制等短期栽培は減量可)

★スーパーランド673または743・・・6~10

原則として、堆肥、他の資材は不要。特別不足している成分はミネラルP2~3袋併用する。

 

■葉面散布

「★ネマコートS(多機能総合管理資材)

育苗時から収穫終了前まで約1週間毎に1000倍液を葉面散布します。

酵素の力で植物生理を活性化し、強力な発根、花芽充実、開花、着果、肥大、成熟などが順調に進みます。日照不足、病害虫発生などストレスがかかった場合は500倍で散布します。

通期定期散布は、安定生産資材として高い評価を頂いております。コストは1000倍希釈液1㍑当たり2.6円位で、農薬に混合可能です。

毎年トラブルが発生しやすい方は、是非、お試し下さい。

 

★タマノビール

メロン、スイカ、胡瓜、茄子、ピーマン、イチゴなどの果実肥大に500倍液で葉面散布します。

特に、日照不足時の肥大サポートにおすすめします。葉菜類にも公的です。

 

アマミアップ[AM55

メロン、スイカ、イチゴ、トマトなどの糖度改善サポートに使われているイオン化カルシウム資材。

 

■追肥潅水

★フィッシュソリブルS

窒素6%の動物性有機。

★いそしおにがり

苦土、石灰、加里、その他微量要素を含む潅水資材

 

 

露地野菜

■土作り(反当)

★畑のおかず(464)

品質向上と地力維持に反当5袋基準に散布し、化学肥料を併用します。

★ミネラルPK・エキスパートPK

硫安や尿素などの窒素単肥と組み合わせて、高品質、低コスト栽培が可能です。

 

■葉面散布

★海藻元気

人参など除草剤に1000倍で混用(ダメージ軽減)

 

水稲・麦ほか穀物類

★ミネラルPK・エキスパートPK

反当2~3袋を施用します。品質や収量の改善が期待できます。

 

詳細はお問い合わせください。

 

2012年の総括

PC245238.JPG 2012年も間もなく幕を閉じる。今年の総括をしてみた。

12月上旬~中旬に忘年会を兼ねて北海道、岐阜、山梨を歩いてきた。全体として米はまずます良かった。西南暖地の果菜類は年初の異常低温で大幅減収、秋作は異常高温に見舞われ出荷遅れ、品質、作柄共に良くない。暮れの最需要期になっても状況は回復せず、スイカ、メロンなど贈答用商品は品質が上がらず市場から返品が相次いだという(現地関係者の話)。

高冷地、北日本の夏秋野菜はハウス、露地共に高温で乱調、特に露地は豊作貧乏の様相。気候のブレが大きすぎて、どちらに転んでも極端な作柄になった。たまたま作運の良かった農家はにこやかだったが、全体的には厳しい生産者が多い。所得保障で一息ついた大規模農家はともかく、中小の懐具合は寂しい。

 

■気候変動は、解決策はないから個々の対応策で凌いで行くしかない。

天候はいつも異常という認識が必要で、その都度、的確な対応策をマスターした農家は「ピンチがチャンス」に変わる。トレンド的に今夏も異常高温に見舞われる事はある程度予測できた。その中で高温対策を実施した農家としなかった農家では、最終的に大きな収益差が出た。農業に「大丈夫だろう・・・」は通用しない。特にハウス栽培は資材投資が大きいから、天候や病害虫リスクは徹底的に予測し、対応策を準備しておかなければ安定生産は出来ない。コスト対効果の兼ね合いもあるから先ずは基本的な土作り、温度、水管理を見直す。この3点がしっかり出来ていないと、進歩しない。

予測できたのに、手を抜いて天候の責にする農家は後を断たない。このタイプはいつまでも同じ失敗を繰り返す。結果には必ず原因があり、それを素直に受け止めて一つ一つ自分の技術を磨いてクリアーして行けば収益は向上する。農家は一人よがりになり易いが、いろいろな人から意見を聞き,多角的に検討してみたい。マーケットは必要な時に品質の安定した商品を安定出荷できる生産者を求めている。気候変動に振り回された1年だったが、技術向上を目指して日々努力して行けば、飯は食べられる。

 

■加速する社会変化。

どの業界も創造的思考でチャレンジしている人達はピンチがチャンス」となる。農業経営は天候、相場に大きく左右されるからついつい目先で動きやすい。しかし、自分の信念、軸足がしっかりしていないと考えがブレて次の手が正確に打てない。この状態では永久に天気、相場、人任せ、丸投げ状態。結果だけを見て儲かったとか損したとかの話になる。これでは博打経営である。価格は需給関係で決まるからある程度仕方ない。しかし、何故、そうなったのか・・・底流に潜む要素の分析は殆どしない。流通関係者も忙しいからその場限り・・・入荷が多いとか少ないとか、景気が良いとか悪いとか、暑いとか寒いとか、雨が降ったとか風が吹いとか・・・で片づける。日常をミクロで見ればその通りだが、マクロ的には大きなうねりが生じている可能性がある。その事はあまり関心が無い。まさにその場の需給が支配する世界だ。それはそれで成り立ってきた社会だから抜けられない。IT社会が定着して情報、資金、物の流れが格段に速くなり、すべての価値が短命化している。従来型思考で組み立てていると、いつの間にかポジションが変わってしまう。農産物は大当たりする場面があり、方向性(トレンド)への対応が遅れやすい。

 

儲からない原因を相場、流通、果ては政治など自分の意志ではどうにもならない部分に持って行き、自ら動かず、毎年他人任せを決め込む人達が多い。

しかし、世界的規模で経済、金融、政治が動き、とりわけ日本は大きな社会変化期に入っている。最大の変化は人口構成のウェートの高い団塊世代の高齢化により、消費急減である。人口減少と食べる量の減少が同時に起こり、リタイヤ世代の収入減が追い打ちをかける。再来年には消費増税も追い打ちをかける。

昨日、十勝の農業会社社長Tさんと電話で話した。ビート、小麦を減反して野菜の大規模栽培に希望を託してきた。しかし、主力の馬鈴薯、玉葱が暴落、年末で今期作に見切りをつけて、組み立て直さねば・・・と話していた。彼は還暦を迎えたが、「夫婦とも昼はうどん、晩飯も以前のように沢山食べられず、軽い物になる。都会の人達は、自分達以上に食べられなくなるよな~・・・完全に消費の流れが細くなってしまったね。正月明けに若い連中を集めて知恵を搾ろうと思っているが、危機意識が薄いから空回りだろうね」と自嘲気味に話していた。長年続いてきた大規模化政策も、海外競争力は殆ど向上せず、机上の計算とは逆に若手農業人の闘争心、競争心を削いでしまった感がある。

これは農業だけではなく、日本全体の大きな問題と言える。

(画像)歳末の人出で賑わう銀座

 

 

 

消費減、豊作で低迷する重量野菜

 PA063692.JPGのサムネール画像北海道三大野菜と言われている南瓜、馬鈴薯、玉葱の相場が、秋早くから低迷している。人参、大根、キャベツなど他の重量秋野菜も軒並み安い。11月下旬になり漸く冷え込んできたが、今の所回復の兆しは見えない。

道南、羊蹄山麓は夏秋重量野菜の大産地だが、近年希に見る苦境に陥っている。銘産の馬鈴薯は好天に恵まれ、収量は平年作よりやや多い。但し、L玉中心で商品化率が高く出荷量は多いと予想されている。南瓜、大根、人参の収量は平年並だったが、市況は厳しい・・・

渡島で南瓜8㌶を作っているAさんは、JA10月仕切り精算が10kg当たり平均200300円程度と言っていた。富良野の南瓜生産者Tさんは、「支払いがあればまだマシ・・・採算割れでバック(徴収)の恐れもあるよ」と自嘲気味に話していた。

天災が原因で大幅減収した場合はJA共済で少しは補填されるが市況安に対応策は無い。

 

貯蔵(冬至)南瓜の産地和寒、剣淵、士別など道北各地も同様な状況で、荷動きは鈍い。在庫を抱えているJASや特別栽培品も値崩れが始まっている(流通関係者)

何故、南瓜の価格低迷が続いているのか・・・・量販店のバイヤーに聞いてみた。

「確かに豊作も原因の一つ。巷では910月が異常に暑かったため、主婦が煮炊きする野菜の購入を控えたとも言われている。しかし、リーマンショック後から販売が鈍っている。南瓜は電子レンジで加熱して食べる人が増え、暑くて煮炊きしないという説は説得力に欠ける・・・」「南瓜は黄緑野菜として人気が高いが、美味しい南瓜が少量あれば十分と言う消費者が増えている。1/4カット以下で値頃感を出して売る店が増えているから販売量が減っても仕方が無いでしょう」「大型農業法人は量販店とと契約しているから豊作の年は余剰分が市場に投げられる。それも相場が崩れる原因」と指摘する。

片田舎にある量販店3店舗に納品している業者Nさんは「南瓜は1/4カットでも多すぎると言う消費者が増えた。当社はスライスして袋入りで売っている。お年寄り世帯が増えているから、電子レンジで加熱して直ぐに食べられる野菜でないと売れなくなる・・・。安くないと売れないから原料は規格外品。野菜と言うより手間賃を売っているようなモノだね」

 

馬鈴薯は秋の平均気温が高かったため、発芽が始まり出荷停止になった生産者も出ている。品種にもよるが通常は2~3月頃までは発芽しないが、11月に発芽すると言うことは異常事態。

玉葱は全体的に作柄は良かった。相場は低迷予想が出ているが、馬鈴薯と同様に発芽が早まると、春先は高騰の可能性もある。玉葱生産者はここ数年、市況高に恵まれ収量がそこそこあった生産者は多少余裕があるが、大半の経営は厳しいという。

 

先日、流通超激戦地と言われている中京地区の高級量販店を覗いてみた。顔写真入りの特別栽培やJAS有機野菜が並んでいた。外観、品質、サイズも厳選されているが、価格はそれ程高くはない。周辺にはディスカウント量販店が多いが、最近、また大手量販店が進出したという。

消費減少トレンドの中で生き残りを賭けた流通企業の果てしなき戦いが続いている。価格競争は限界に来ており『特売』の文字もインパクトが薄れている。

今後も消費量減少が更に進む。それを前提に生産者も流通も知恵を出さねばならない。

 

(画像)本当に美味しい南瓜の需要は安定している。都内の百貨店で9月に中旬に100㌘当たり105円で売られていた。

 

 

M&Aで好調続く南九州の冷凍、業務用野菜

PB054021.JPG10月下旬に宮崎、熊本の野菜産地を歩いてきた。今春、葉タバコ(約300㌶)減反転作政策の事を書いたが、政策転換が契機となり、南九州の農業は改革が進んでいる。どう変わったかと言えば葉タバコからホウレン草を核とした冷凍野菜が急増している。転作奨励資金として反当約20万円が支給されたことも刺激になった。転作に対応して農家、農業法人の統合が急ピッチで進んでいる。冷凍施設は少なくとも数億円の資金が必要とされ、資金調達力の限られる中小生産者では取り組めない。そのため吸収合併(MA)が進んでいる。日本では先祖代々の土地に執着する国民性や法整備の遅れで経営統合、農地拡大が遅れていたが、南九州では地域にもよるが堰を切った様に一気に進行している。農地が売りや貸しに出されると資金力、経営力のある法人が一斉に手を上げるという。高齢化や経営不振に喘ぐ個人農家や法人を買収する構図が以前では考えられないほど日常化している。10数年前から大規模化政策により、各地で農業法人が立ち上がったが、当時とは経営環境はすっかり変わり、既に淘汰の時代に入った。

 

南九州で冷凍ホウレン草を栽培している法人は既に1社当たり100㌶規模に成長し、現在大手8社体制にまで統合が進んでいる。ホウレン草の他、輪作として小松菜、莢インゲン、枝豆、ブロッコリー、里芋なども増えている。冷凍ホウレン草は以前、北海道が主産地だったが、平成年代に入り安価な中国産に押され衰退した。その後、中国産野菜の残留農薬問題が発生、安全指向が高まって一部は国産に回帰した。関東地域などでも部分的に産地が増えたが、コスト高で伸び悩み、昨年の原発事故で激減した。

南九州は、大規模化でコスト削減に成功し、業務用野菜(惣菜)の需要増、安全性と品質向上、大手商社との販売連携などの追い風を受けて、現在は需要に追いつかない状態と言う。中国などの輸入が年間2万㌧以上あるが、国産品のシェアは10%程度と低く、更にコスト削減が進めばシェア奪還の余地は充分ある。

 

最近、量販店やコンビニで目立ってきたのは里芋、南瓜、サツマイモなどの少量真空パック調理済み野菜(画像参照)。冷蔵庫で一ヶ月程度の保存が可能で、電子レンジや熱湯加熱して直ぐに食べられる。個食や利便性を重視する消費者が増える中で、青果販売は苦戦を強いられており、市場出荷者はこれらの動向に注意が必要である。以前は、この手の商品はあまり美味しいとは言えなかったが、最近の商品は味にこだわっているモノが多く、商品アイテムも増えている。消費が縮小している魚も漁協と量販店が組んで、味付け調理済み商品の開発、販売に注力しているから、野菜も負けてはいられない。

 

冷凍、業務用野菜と言え「美味しくて安全な野菜」をコンセプトにし、「特別栽培」で作る業者が徐々に増えている。供給者として高品質生産は勿論、病害虫の発生や収量の安定確保を考えれば、特別栽培で作るメリットがあると言う。大規模生産になると資材調達の交渉力が強まり、有機入り配合(有機窒素比率51%超)でもかなり割安な水準になる。葉菜類は穏やか肥効の有機併用施肥をして、10月から4月上旬頃迄の低温期に栽培で病害虫の発生を抑え、特別栽培基準をクリヤーしている。

今後、安定成長が期待される業務用や一般家庭用惣菜分野の調達先は、野菜の種類によるが市場を経由しない生産者直接取引が主流になる。以前は相場が下がれば業務、加工筋が買い支えていたが、その必要性は失われつつある。不作で足らなければ暴騰、豊作で過剰になれば暴落の図式が益々頻発する恐れがある。

南九州で市場出荷をメインとした中小生産者に淘汰の荒波が押し寄せているのはデフレ経済の他、上記の複合した社会変化が絡み合って起きているためだ。

商社は業務用だけではなく、当然青果と組み合わせた販売網の構築を考えているから、動向に注意する必要がある。

 

胡瓜、ピーマンを中心とする宮崎のハウス果菜類は、冬春の異常低温と燃料高等により大きなダメージを受けた。特に栽培温度が高いピーマンは厳冬期の相場は高騰したが春になり気温が上昇しら暴落のパターンが今年も繰り返された。1袋(150㌘)10円等という捨て値もあったと生産者が嘆いていた。燃料を惜しみなく焚いてタイミング良く出荷して儲けた農家もいたが、多くはコスト高での減収という。

一躍ブランド品にのし上がった宮崎マンゴーは、燃料高と景気低迷の煽りをまともに受けて、以前の熱気は冷めた・・・・

 

熊本のハウストマトはシルバーリーフ(黄化葉巻病)の対策の仕方で収益に大きな差が出た。いち早く、抵抗性品種に切り替えた生産者は、資材高(主に燃料)の影響は受けたが、それ以上に相場高の恩恵があった。大玉トマトで反収700800万円という生産者も出た様だ。この状態が今期も続くかどうかは、天候次第(産地業者の話)

生協などと契約で食味や安全性を重視して栽培しているグループの中には、異常な市況高を見せられて困惑している。しかし、トマト以外にこれと言った作物は見当たらず、当地でも栽培面積は増えているので、天候により暴落の危険はある。相場はその時の需給関係でしかない。自分が消費者に何を提供してお金を頂くか、冷静に判断したい。

 

 

再び有機農業を考える(8)経営改善へ道

 

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なるべく有機主体の農業に切り替えたいと考えている農家は少なくない。しかし何とか取れている間は腰が重たい。「コストがかかる・・・」「収量が心配・・・」「供選、市場出荷ではメリットが無い・・・」いろいろな指摘がある。化学合成資材中心では何処かでツケが回ってくるが、中途半端に有機を使ってもコスト対効果が見えてこない。しかし、気が付かない間に地力を失い、収量、品質低下が進み、連作障害が顕在化する例は多い。異常気象や価格低迷を受け、経営が厳しくなると消極的になり悪循環にりやすい。度々書いているが、生産者は農産物メーカーであり、なにはともあれ売れる品質、売れる価格(再生産価格)で確実に収穫することが前提になる。これを継続的に実現するために、有機主体農業の活用がある。

 

 

(改善例)

今春、北海道南部で経営改革に取り組むFさんから、「知り合いGさんがハウスホウレン草の連作障害で困っている・・・」との電話を受け、早速、現地を訪ねた。

(1)        栽培経過

Gさんはホウレン草を始めてから今年で25年、45㌃のハウスで年間44.5回転で連作を続けている。既に通算100連作を越えるハウスもある。10年数前に訪ねたことがあるが、当時はまだ順風満帆の時期で順調に取れていた。各地から視察者が相次ぎ、品質、収量共に自信満々であった。今考えればその頃がピークに近く、その後次第に生育のバラツキや土壌病(立ち枯れ、イチョウ病)がポツリ、ポツリと出始めたらしい。土作りは町営堆肥場から出る堆肥と、化成肥料を使ってきた。十数年、ずっと順調に取れてきたため、多少病気発生やや収量減があっても「天気の関係かな・・・」と余り深刻には考えなかった。たまたま農業新聞で土壌消毒で土壌病に成果を上げている産地の記事を読んみ、早速、岩手県と岐阜県の夏秋作先進産地を視察してきた。現地で素晴らしいホウレン草を見せられ、自分達も早速、土壌消毒を取り入れた。期待した通り、気になっていた立ち枯れは止まった。雑草も生えず、草取りは殆ど不要となった。しかし、毎年土壌消毒を続けて行くうちに、土と作物に異変を感じ始めた。土に弾力が無くなりサラサラ状態になり、潅水すると以前のようにスッと浸み込まず、水道が出来てしまう。乾燥しやすく、成長力が弱く、葉肉が薄く、株張りが良くない。当然、収量は落ちてきた・・・表土30cm下は耕盤層が形成され、カチカチになっている。ホウレン草を抜いてみると本来は直根がスッと長く伸びるが、耕盤層で生育が止まり、肥料濃度障害で根が褐変している。土の老化現象の始まりであり、根本的な再生策を実施しないと解決しない状況だ。しかし、気になるのはコスト対効果。しかもGさんは70歳を越えており、今後、どの位農業を続けられるか解らない・・・・

彼は「ハウスは25年間も化学肥料主体で使い続けてきたから、土にはもう栄養分が残っていない。一応、堆肥や土改材は入れていから何とかなると思いながら毎年同じパターンでタネを蒔いてきた。しかし、土壌消毒を始めて無菌化し、全く土壌の税体系が変わってしまった。

「百姓はモノが取れなくなると終わりだね・・・やり甲斐、生き甲斐も薄れてきた」と言う。

しかしこのまま終わるのは悔いが残る。自分のプライドを賭けて、以前の葉に生き生きした元気なホウレン草を作って、スッキリして幕を下ろしたい。必要なお金は用意した。簡単ではないことは承知しているが出来る限り短期間に元の土に戻してもらいたい・・・出来ますか?

 

消極的な農家が増える中でGさんの「夢よもう一度」の決断に動かされ、問診と土の状態を調査しながら対応策を考えた。投入資金、コスト対効果は問題無いが、労力、設備(農機具)などで出来る事、出来ないことがあるから近所仲間と一緒に考えることにした。

 

【結論】 短期間に成果を出すため、多種多様な養分と菌体を含む肥料を使って栽培しながら土を発酵させるため、下記の方法を実行する。

(ハウス1棟80坪当たり)

   耕盤層を部分的でも良いから破る(但し、地層による)

   土作りは省力化のため堆肥散布は入れない。

   1作目は下記資材を全面散布し土と混和し、潅水して発酵させる。

■根づくり名人・・・3袋(60kg)、

■スーパーランド(743)・・・3袋(60kg

■ミネラルPK・・・1袋(20kg) 燐酸、加里過剰圃場は不要)

(低温期にスタートする場合は、化学肥料を20kg程度併用する)

 

   1週間寝かせて播種する。

   潅水時にハイパー酵素1㍑を混合して散布し、初期生育期から発根を促す(通期3回程度)

   病害虫忌避と葉肉を厚くするため、ネマコートS1000倍液を1週間間隔で葉面散布する。

 

上記の栽培基準で4月からスタートした。

5月に入りFさんから「今までとは全く異なる草姿だが大丈夫ですかと電話してきた。葉が広がらず天を向いて生育しているという。品種にもよるが一般的に健康な個体は天を目指して生育する。日照不足、水分や養分バランスが狂うと葉が広がり垂れてくる。力強く生育している作物は更に沢山の日照を得ようと立葉となる(画像参照)

 

気候の関係で収穫が少しずれたが、1作目から従来とは見違える程の株張り、葉肉となり、収量は20%以上増えた。ただ、未だ土が完全に回復していないため、部分的に生育のバラツキが出たが、期待していた以上の品質と収量に仕上がったので初回作で資材代が出たと喜んでいた。

2作目以降はスーパーランド(743)を2袋(40kg)だけ撒き、同様に栽培した。

毎年出るダニも見当たらず、病気も気にならなくなった。ダニは根が弱いと土壌からの水分吸収力が落ち、、樹液濃度が上昇し、ダニが付きやすくなる。根張りが良くなると充分吸水出来るので付きにくくなる。土壌病も根が活性化して根酸を充分分泌していれば感染しにくいが、化学肥料主体では菌相が貧しくなり防御力が低下して感染しやすくなる。

 

結果としてGさんは1年で好循環パターンに入り、品質、収量共に回復軌道に乗った。成功の秘訣は総合的な対策を立て、手を抜かず、確実に実行した点にある。本人の希望で具体的な数字は書かないが販売金額が急上昇し、コスト対効果が大幅に改善した事は言うまでもない。

 

 

再び有機農業を考える(7)これからの方向

 (画像)有機トマト・茨城県水戸市

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 一般的に有機農業と言われている栽培は幅が広い。自然農法、オーガニック、JAS有機、特別栽培、果ては身近にある厩肥を堆肥化し、ふんだんに使って有機と名乗る生産者もいる。JAS有機が無農薬で安全性が担保されていると思う消費者は多い。しかし先に書いたように実は状況により農薬の使用が認められており、無農薬を期待していた消費者は釈然としないだろう。一方、自然農法は近隣にある稻藁など作物残渣、枯れ草、落ち葉など、植物由来有機物を循環利用する事が基本であり、域外から資材を持ち込まないのが前提である。勿論、化学農薬や肥料は使用しないから理解しやすい。日本でも以前から取り組んでいる農家もいるが、1月に訪ねたパリ郊外の葉菜類農家はこれに近い。

 

 http://www.e-yasai.com/blog/post-75.html

 自然農法は気候に恵まれ、近隣に化学農法の農地が無く、豊かな自然に囲まれていることが前提であり、日本での適地は限られる。しかし、中山間地の小規模農業には適している。表示は化学肥料、化学農薬不使用栽培で、事前に圃場の残留農薬検査をしておけば、JAS有機よりレベルは高いと言える。肥料養分は限られるから収量は余り期待できないが、抗酸化物質などの機能成分は高いと専門化は指摘している。

 

さて、各種有機(生態系循環)農業に携わっている生産者や流通関係者に現状と今後の展開を聞いて見た。JAS有機を取得した生産者は今更、錦の御旗は降ろせないから初志貫徹組が大勢だ。新規参入組も、より高い付加価値を求めるからJAS有機を目指す事に変化は無い。しかし、青果販売の全体を見渡せばJAS有機インパクトは以前より後退している。特に気候変動で安定生産がままならない生産者の経営が厳しくなっているためだ。作物によるが、人参や大根、牛蒡、馬鈴薯、里芋、サツマイモなどの根菜類は収量の変動はあるものの、地下部収穫のため病害虫痕が目立ちにくくJAS有機でも比較的作りやすく、貯蔵して安定供給がしやすいため、撤退する農家は少ない。防除が難しい葉菜や果菜類は中小規模農家が多く、減収リスクが高まっているため、多種化に動いており、面積は増える状況にはない。。

特に高温化で難敵病害虫が増えている西南暖地のJAS,、栽培は厳しくなっている。南九州で特裁パセリを周年栽培していたグループは病害(うどん粉病)が蔓延し、安定供給が困難になったため特裁に見切りをつけた。熊本ではトマトの難敵害虫シルバーリーフの防除回数が増え、特栽を諦めた生産者も出ている。通常は特栽基準で栽培し、多発の場合は特栽カウントをオーバーするが必要最小限の農薬散布で凌いで、無表示(慣行栽培)で出荷する生産者も増えている。これらの生産者の多くは「食味」を売りにしているため、売り場(消費者)の理解は得られている様だ。しかし、コストを下げるために包材を一括大量発注しストックしているため、両刀使いは在庫負担が大きく、悩みのタネという。

 

量販店などと値決め契約している生産者は、気候変動の減収リスクが高まる中で、数年来、市況が堅調なため、中小生産者を中心に契約栽培に迷いが生じている。パートなど人件費比率の高い大規模生産者は、一部は値決めをしておかないと価格低迷が長期化した場合、経営リスクが高いので安定価格の売り先確保は欠かせない。特に冬期の低温、日照不足で減収が続き、燃料代や資材費の高騰に苦しむ九州のハウス生産者の迷いが続いている。

 

特栽はいつでも慣行に戻れるがJAS有機は続けないと認証がリセットされてしまうので、転向には相当な決断がいる。しかし近頃JAS認証を諦めて特栽に切り替え、経営を立て直した生産者も出ている。多くは出荷先との話し合いで転換しており、軸足は化学肥料、農薬不使用栽培に置いているから実質的に品質、安全性レベルに大差は無い。一番大切な事は生産者と消費者の話し合い、相互理解である。複雑な流通経路では意思疎通が難しいから、なるべく必要最小限度、シンプルな流通体系を目指したい。

 

販売側の環境変化としてこの数年、農産物の表示に対する監督機関の監視が厳しくなり、店側がトラブルを恐れて「特栽」表示」に消極的になりつつある。また、認証機関の認証が無いと「特別栽培」として扱わない店が増えてきた。農薬散布回数(カウント)をラベルに明記した商品もあるが、農薬知識の乏しい一般消費者は、1回でも使用していると購入をためらう傾向が見られる。一層のこと、解りやすい「食味」で勝負するから無表示(慣行栽培)で十分と考える現場担当者も増えた。

 

有機への取り組みはJAS有機や特別栽培だけではなく、慣行栽培でも一般化している。有機(堆肥)を入れなければ安定した品質や収量が期待出来ないという認識が広まっている。必要なのは目先の計算ではなく、栽培に係わるすべての要素を含めて中期的な視点でコスト対効果の検証である。

足踏みしている既存生産者を尻目に、宅配、加工、外食など新規ルートを開拓して大規模有機農業を目指すチャレンジャーが台頭している。海外生産でJAS認証を取得する動きも活発化しそうだ。色々な意味で踊り場に来ているから、今後の動向に注目したい。

 

再び有機農業を考える(6)病害虫防除

 

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(画像)JAS有機認証ミニトマト

一般的に有機農業を旗印にしていても、栽培の実態は「有機もどき」も多い。

国産農産物で公的に有機と名乗れる物はJAS有機認証に限られる。認証を得ていない農産物は有機で栽培しても「特別栽培」(化学肥料、化学農薬不使用表示)となる。

JAS有機栽培で最も難しいのは病害虫の防除であり、、対応方法は極めて限られる。防除資材の認定判断基準についてガイド本には以下の様に書いてある。

 

2.1. ほ場又は栽培場における有害動植物の防除目的で使用される資材(農薬(別表 2))の適合性判断基準

耕種的防除(※1)、物理的防除(※2)、生物的防除(※3)又はこれらを適切に組み合わせた方法のみにより有害動植物の防除を行うこと。ただし、農産物に重大な損害が生ずる危険が急迫している場合であって、耕種的防除、物理的防除、生物的防除又はこれらを適切に組み合わせた方法のみによってはほ場における有害動植物を効果的に防除することができない場合にあっては、別表2の農薬(組換えDNA技術を用いて製造されたものを除く。以下同じ。)に限り使用することができる

 

※1:作目及び品種の選定、作付け時期の調整、その他農作物の栽培管理の一環として通常行われる作業を有害動植物の発生を抑制することを意図して計画的に実施することにより、有害動植物の防除を行うことをいう。

※2:光、熱、音等を利用する方法、古紙に由来するマルチ(製造工程において化学的に合成された物質が添加されていないものに限る。)若しくはプラスチックマルチ(使用後に取り除くものに限る。)を使用する方法又は人力若しくは機械的な方法により有害動植物の防除を行うことをいう。

※3:病害の原因となる微生物の増殖を抑制する微生物、有害動植物を捕食する動物若しくは有害動植物が忌避する植物若しくは有害動植物の発生を抑制する効果を有する植物の導入又はその生育に適するような環境の整備により有害動植物の防除を行うことをいう。

以下、2.1.2及び2.1.3については、やむを得ない場合に使用する、防除資材についての評価基準として記載する。

 

詳細は省略する。病虫害が発生してしまったら、対応出来る資材は殆どないから、事前に耕種的方法での策が重要である。

 

JAS認証に詳しい農薬技術者Sさんからのメール。

『現実、JAS基準に基づく栽培をされておられる生産者の方々からの防除のご相談を受けても適切な対応ができない状況です』

『非常事態に特例的に登録農薬が使用できるとしても、そのときは既に遅く、散布タイミングを逃がしており、効果は期待できないと考えています。ニームオイルや漢方薬草エキス」も一切認証されませんから作物によってはJASはお手上げです・・・当地特産の玉葱は農薬散布回数が非常に多い(慣行25カウント程度)のでJAS有機の需要が高いですが、異常気象が定着してしまい、無理です。化学物質を含まないニームオイルや植物エキスの使用が可能な特裁レベルでないと経営的にリスクが高すぎます』

 

JAS認証農産物の栽培指導を行っているMさんの話。

『当地北海道北部にあり大豆、人参、玉葱、馬鈴薯、南瓜、アスパラ、トマトなどJAS有機認証で栽培している農家は少なくはない。元来、稲作中心の農家が多く、野菜の産地ではないので、冷涼な気候もあって病害虫の発生は何とかクリアーしてきた。しかし、温暖化でトラブルが多くなってきた。耕種的方法で対応不可な時に申請すれば使える農薬もあるが、病害虫拡大に合間に合わず、あまり意味がない。販売されている化学物質を含まない植物エキスはJAS認証されていないから、土作りによる自然農法を目指すしかないね。2年前から自分自身も1.5㌶の圃場で、化学肥料、農薬不使用栽培を始めたが、今の所、採算は採れていない・・・。JAS農家の中には、「病害虫が発生したら諦める」と達観している人もいる。資材に頼るのではなく、本来の自然の営みの中での収穫を目指す、いわゆる自然農法の考え方・・・私もその方向(笑い)』

 

■北海道中央部で約30年間、有機農業を続けているKさんの話。

『当地は中山間地の高台にあり、まとまった圃場は少なく、色々な野菜が作られている。風通しが良く、夏は平地より気温が2~3℃位、低い。若い頃は南瓜など露地野菜を作っていたが、価格が不安定なので思い切ってハイスを建て、ミニトマトの無化学肥料、無農薬栽培を始め、JAS認証を取得した。今も変わり者扱いだが、お陰様でハウス面積は3000坪になり、売り先に苦労したことはない。しかし、異常気象の多発で作柄は安定しているとは言えない。基本的に防除法は無いに等しいから土作りしかない。始めた頃は失敗ばかりで嘲笑されたが、最近は病害虫はあまり出ない。発生しない努力が大切だが、ひどくなったら早めに諦める(笑い)。諦めると言っても生活があるから、引き抜いたら直ぐに水菜を蒔く。収穫したらまた蒔くので結構な収入になる。勿論、、有機栽培だから引き合いは強い。自分が30年かけて学んだ事は、コツコツ土作りに励み、自然に逆らはないこと。この考えで子供を育て、後継者も出来た。曲がりなりにもここまでこれたのは、30年という時間と、この地の恵まれた自然環境のお蔭だと思う。苦労が多いから他人にはあまり勧められないね・・・(笑い)』

 

再び有機農業を考える(5)究極の省力、高品質を狙う!

 

P9093100.JPG(画像)ペレット堆肥

 

有機栽培の基本となる堆肥を酵素を使って作る方法を前稿で述べた。JAS認証大規模栽培を目指す生産者は是非、参考にして頂きたい。海外でも有機農業は畜産との一体化で進んでいる。既に家畜を飼育していたり、堆肥発酵設備を持っている生産者は直ぐに取り組める。

 

しかし、これからスタートする生産者は厩肥の入手、手間、設備、場所(建屋)など投資が必要になる。特に中山間地などで圃場が分散している場合には慣れていない堆肥の運搬や散布の手間が重しとなる。色々なコストを計算すればペレット化した発酵堆肥を購入することも選択肢だ。

リサイクル法が施行されて、食品加工残渣や生ゴミ、家畜屎尿などの有機資源を堆肥化する取り組みが官民挙げて盛んになった。しかし、食品加工残渣を原料とした堆肥については食品添加物などが混入する可能性があるとしてJAS認証基準が強化され、認証されないケースが増えている。但し、ビール、大豆、珈琲、果実搾り滓など原料から製造工程まで化学物質が混入しない、閉鎖系工場で作られた堆肥は認証されている。実情の多くは各所から集められた種々の残渣原料を混合して発酵させる場合が多いから、認証されないケースも多い。これは食品の品質低下防止のため「エトキ」という酸化防止剤の使用が一般化しているためと言う。人糞など汚水処理場からでる屎尿堆肥も家庭のトイレで洗浄剤として化学薬品を使うケースが日常化しているため認証されない。家畜屎尿堆肥は多くの場合、認証飼料を与え、閉鎖系施設で飼育、排泄物を発酵、加工するので認証されやすい。

 

市販堆肥は内容も品質も玉石混合であるから、JAS認証を受ける場合は、十分原料や製造工程を確認する必要がある。実際問題として一般肥料に使われている魚粕、肉骨粉、骨粉、油粕などの中には加工段階で化学物質が使われている可能性もあり、JAS認証を取得した肥料を使わねばならない。。

堆肥は大量に入れないと効果が薄いと考える生産者もいるが、多すぎても少なすぎても問題がある。適量なレベルは日常的に微生物、小動物、作物への養分供給が順調に継続し、バランスの取れた食物連鎖が築かれれば良い。未熟堆肥が多すぎるとミミズなどの小動物が大発生し、それを餌にしてモグラが増え、更にそれを求めて動物が増え、畑地としての生物バランスが崩れる。

堆肥を大量に作り、あるいは買い、散布するのはコスト的にも労力的にも大変である。なるべく無駄なくシンプルに有機農業を実現出来ないかと取り組んでいるのが下記のJAS認証適合資材である。

 

少量の堆肥施用で高パフォーマンスを得るには、植物由来の高炭素原料、動物由来の高タンパク、高ミネラル原料を発酵させるのが良い。厳格なAS有機認証基準をクリヤーするため、工場の原料製造段階から一般品とは別工程としている。これらの化学的な処理を一切行っていない残渣原料を配合、発酵堆肥化したのが下記、ぼかし堆肥である。

 

JAS畑のおかず(353)

JAS有機認証用に開発した高蛋白、ミネラル含有堆肥。作物の健全生育に必要な多種多様な養分と菌体をバランス良く含んでいます。一般堆肥のように大量に施用する必要はなく、手間をかけずに短期間でパワフルな土作りをしたい方にお勧めです。品質、食味の向上にも高い評価を頂いております!

■分類

特殊肥料

■分析値

窒素  3%  燐酸  5%  加里  3

■使用原料

畜産加工残渣(豚、鶏の濃縮血液、内臓屑、羽毛屑、

植物加工残渣(珈琲抽出滓、ジュース搾り滓)、鶏糞、鶏糞燃焼灰

■形状・包装

ペレット加工または粉状・20kgポリ袋または1000kgフレコン

■反当施用量

300500kg

圃場の状況により施用量を増減して下さい。作物と施用量により、本品のみでも栽培できます。連用により、地力がついたら施用量は減らしても構いません。

 

 

エキスパート有機(684)

JAS畑のおかず(353)と併用すると果菜類、果樹類などに好適です。

http://www.e-yasai.com/materials/expert684.pdf

ナチュラルゼロ(843)

JAS畑のおかず(353)と併用すると葉菜類の元肥や各種追肥などに好適です。

http://www.e-yasai.com/materials/natural_0.pdf

 

省力化して低コストで競争力のある有機農業を実現するためには、気候風土を含めて多角的な検討が必要です。お気軽にご相談下さい。 

再び有機農業を考える(4)酵素堆肥の作り方

 

P6222652.JPG

(3)で記した家畜に酵素を飲用させる方法は省力的だが、近隣に家畜がいることが前提になる。本格的に有機農業に取り組むには家畜を飼育してその排泄物で農産物を育てるのがベストである。小規模なら可能だが、ある程度の規模で飼育するとなると人手もかかり。予期せぬトラブルも覚悟しなくてはならない。次善の策として直ぐに使える完熟に近い堆肥を購入するか、未熟堆肥(厩肥)を購入して再発酵させる。下記に厩肥の効率的再発酵で良質な酵素堆肥を作る方法を紹介する。

 

(注意)JAS認証有機を取得す場合は堆肥原料に化学物資が含まれていないことを十分確認するる

 

 

   仕込み

 

●堆肥原料は牛フン・鶏フン・豚フン・キノコ廃床・野菜クズ等地域の有機素材を利用する。

(酸化・腐敗の無い状態ですぐに仕込む)

●水分調整(55~60%)をする。

●固化した部分をほぐし、形状の適粒化を施す。

バイオ酵素Tを1?当り12?を適量に希釈して全体に噴霧する。

 (腐敗の状況により散布量を調整)
●可能であれば7日~10日エアレーションを実施する。

 

 

②1回目切り返し(710日後)

 

●堆肥コンディション(アンモニア臭気等)の確認をする。
●バイオ酵素Tの50~100倍希釈水の噴霧
●エアレーションの停止

 

 

③2回目切り返し(1530日後)

 

●堆肥コンディション(アンモニア臭気等)の確認をする。
●バイオ酵素Tの50~100倍希釈水の噴霧

 

 

④3回目以降切り返し

 

●堆肥コンディションの確認を実施しながら様子で切り返しを実施
●およそ2~3ヶ月で完成

 

 

 

 

 

 

再び有機農業を考える(3)低コスト土作り

P6222657.JPGのサムネール画像

(画像)NPOの酵素堆肥作り研修会

 

日本の様に高温多湿の気象条件で有機農業を組み立てるのは机上の計算通りには進まず、困難が多い。有機を指向する消費者は美味しい、栄養素が多い、環境の為とか言うよりも、安心、安全、つまり化学肥料や農薬を使わずに育てた完全有機栽培を望む。化学肥料や農薬のすべてが人体の健康に影響するか否かは論議が分かれるが、非合成で自然界の紫外線や微生物などで、短期分解、無害化する物質であれば人体や環境に殆ど影響しないと考えられる。

 

国内で法律的に有機が担保されているのはJAS有機認証を取得した農産物に限られる。

この規格を取得するには最低3年間の有機移行期間を必要とする。しかし、実際には土と地上に自然循環が戻り、農薬を使わず栽培できる様になるには5~10年かかる。この自然循環ができても数々のトラブルが待ち受けており一筋縄では行かない。しかし、有機指向消費者の多くがJAS認証有機を求めている以上、目指す事に異論はない。但しリスクの多い「勇気農業」となる点は覚悟がいる。

先ずは化学肥料、化学農薬不使用栽培から始め、3年間「特別栽培基準農産物」として販売する。いずれにしても、この期間に徹底的に土作りをして、農薬に依存しない栽培環境を作らねばならない。JAS有機認証は費用がかかるから、3年間経過した時点で採算性を検討して判断すれば良いが、栽培履歴は詳細に記録し、保存しておくことが重要である。

 

有機栽培を成功させるポイントは言うまでもなく「土作り」であり、種々の方法がある。基本的には良質堆肥作りである。畜産糞尿を堆肥化する方法は従来から行われているが、「良質堆肥」作りとなると『言うは易し行うは難し』である。畜産自体が大規模化し、特定地域に集中、移動が進んでいるため、近隣地域で厩肥の入手は昔ほど楽ではない。飼料の輸送コスト上昇や悪臭、蝿害、糞尿処理場など環境コストが嵩み、前途は厳しさが漂う。散在する畜産農家の悪臭、蝿害などを解決し、出てくる厩肥を効率的に堆肥化できれば、有機農業の低コスト化が実現出来、身近な存在になる可能性がある。

 

先日、長野県にあるNPO主催の「うんこツアー」なるものに参加した。まさしく「うんこ」糞尿処理の現場を巡るツアーである。参加者は臭気、蝿、糞尿処理問題に悩む養鶏、養豚、牛など家畜飼育農家、その厩肥を堆肥化して使っている農家、堆肥で栽培した米や野菜、果実を販売している業者など20数人。7月の開催で100回を数え、累計参加人数は3000人を超えたと言う。

最初、汚水処理場に行き、糞がプカプカ浮いて流れている地下室に案内された。通常なら悪臭で息もつけずアンモニアの刺激で目も明けていられない世界である。6年前に取り替えたという水路を塞ぐ鉄板製踏み板は全く腐食していない。糞尿発酵現場は何回か見学しているが、アンモニアが鉄と反応して腐食が激しいのが普通だ。N氏の説明によれば、自然界に膨大な数が存在する土着菌を酵素で活性化しているだけで、従来の様な特別な菌体は使用していないという。

次に酪農家、養鶏家を訪ねたが臭気は軽微で、驚いた事に蝿が殆どいなかった。腐敗菌が優勢になるとアンモニアが発生して悪臭源となり蝿のような昆虫が発生する。発酵土着菌が活性化すると腐敗しないで発酵分解が進むらしい。

素晴らしいのは飲用水または飼料に投与し、家畜体内から効率的な発酵が始まり、堆肥化が早く進む点である。この酵素を使えば、品質や飼料効率向上も期待できるから飼育農家と連携して低コストで効率的に良質堆肥を作る事が可能である。

家畜投与のほか、厩肥に混合したり、土壌に散布して発酵を促進する酵素もある。

 

この酵素は、有機農業を安価に展開する目的で設立されたNPO法人活動の一環として行われている。当社もこの主旨に賛同して、普及に協力している。

下記に、概略を記すので、詳細はお問い合わせ下さい。

 

『バイオ酵素の概略』

 

土作りの基本が良質な堆肥作りにある事は誰もが知っています。しかし、いざ作るとなると数々のハードルが待ち受け、質、量共に中途半端な取り組みになってしまいます。

競争力のある農産物の安定生産を目指すには、循環型有機農業への移行が求められています。身近にある有機資源を活用し、省力、効率的に堆肥化する目的で開発されたのが「バイオ酵素」です。

 

【バイオ酵素の特長】

■アルプスの天然水をベースに、植物の葉(松、笹、梅、枇杷、イチジク、栗、桃、柿)から抽出した酵素原液に糖蜜、おから、米糠などを混合、複合発酵技術で生成した有機100%の酵素です。

■従来の微生物発酵資材と基本的に異なるのは、人工的に培養した菌体を増殖するのではなく、住み着いている土着微生物を酵素で活性化させることです。土着微生物は環境に順応しており、他から持ち込まれた微生物より圧倒的に強く優勢で、菌体同士の拮抗作用が起こりにくく、効率的に発酵、分解が進みます。

■家畜飼料に添加する方法と、一般的な土壌散布の2種類があります。

 

バイオ酵素K

家畜飼育家と連携すると最も省力、効率的に良質堆肥を作ることができます。

特に悪臭や蝿害、排泄物処理に困っている飼育家との連携は、双方のコスト対効果を高め、大きなメリットがあります。

【使用方法】

■配合飼料1㌧当たり最初の3ヶ月はバイオ酵素K400cc、以降200ccを適宜希釈して与えます。

(コスト)最初の3ヶ月円/㌧、以降200/㌧程度

■養鶏(採卵)の場合は3ヶ月迄1万羽当たり400cc/日、以降200cc/日を飲料水に添加する。

(1万羽当たり本体コスト)最初の3ヶ月458/日、以降229/日程度)

 

【包装・価格】 20㍑入り22.890円(送料・税込み)

 

バイオ酵素T

圃場で堆肥化促進を行います。

【使用方法】

■堆肥や有機肥料を散布した後、バイオ酵素T原液反当20㍑を約500に希釈して散布し、直ちにロータリーをかけ土と混和します。生育途中の場合、反当原液20㍑を500倍で潅水します。

■連作障害が見受けられる場合は反当50100㍑に「いそしおにがり」20kgを併用し潅水します。

 

【包装・価格】 20㍑入り7.875円(送料・税込み)

 

 

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