• いい野菜.comのトップページ
  • 私たちについて
  • 土の食養生
  • 作物別実例
  • 農業資材
  • 作物・生産者情報
  • 農業経営実例
ブログ

FBダイジェスト版⑬中山間地でも勝てる米作り(3)結果編

 P9270374.JPG

写真は927日に撮影した新開発「一発側条肥料」施用区の稲穂。1悍に何と平均160粒、最大180粒付いている。慣行区は約140粒、一見して明らかな差が分かる!

前日の台風の影響で穂の重みで上部は曲がったが、軸はしっかりしており収穫にはあまり影響はない。案内してくれた社員Kさんの話では、この辺は気温、水温共に低いので「こしひかり」で反当7俵が目標。実施した田圃は何処もこの位の粒数が付いており、しかも大粒。少なくとも1俵以上は増収確実という。近隣農家ではこの稲穂が評判になっており、最終収量が楽しみだと表情は明るかった。例年よりも大幅に収量が多く、乾燥が間に合わず、コンバインが立ち往生していると笑っていた。

FBダイジェスト版⑫中山間地でも勝てる米作り(2)栽培編

 P9270371.JPG

「省力」「良食味」「高収量」「低コスト」自ら課した厳しい条件設定をどう実現するか・・・言うは易し行うは難し。気象災害も多いし、天気に恵まれなければ結果は出ない。しかし、自然の恵の範囲で、最高レベルを達成出来ればいいと割り切る。

   栽培方式

中山間地は水温、気温が低く、栽培期間や日照が限られるから、伝統的な移植(田植)しかない。直撒きは選択外。収量を上げてコスト削減を目指す、

   栽培レベル

JAS有機、特別栽培、GAPなど付加価値を付ける考え方もある。しかし販売先の求める条件は美味しくてリースナブル価格・・・これを満たせばいい。企業経営だから理想を掲げても確実に安定した品質の米が収穫できなければ無意味

。『原点』、放棄地再興から考えれば機械化、化学肥料、農薬併用で当初掲げた4項目を達成できれば十分である。化学肥料は肥効を改良して少量にとどめ、農薬は涼地なので元来散布量は少ない。状況に合わせて減農薬を図ればいい。

   品種

良食味品種「こしひかり」に統一。

   土作りと施肥

成功の鍵を握る最大ポイント。「省力」「良食味」「高収量」「低コスト」・・・・いずれも国、県、民間の研究機関が長年取り組んでいるテーマ。研究者でもない我々に更にパフォーマンスを上げる余地はあるのか・・・長年、現場で培った経験、五感を頼りに挑戦が始まった。

 

作業は代掻きまでは慣行に準じた。冷涼地の施肥は通常、元肥と側条2工程。省力化のため田植え同時側条施肥1回で完了できる肥料を開発した。異論は覚悟だが側条1発肥料が成功すれば省力化、コスト削減は一歩前進する。ただし、施肥量が多い品種は、田植え機の改造が必要。

 

「良食味」「高収量」実現は、肥効バランスとミネラルの働きが大きいと考え、ミネラルを「側条一発肥料」に組み込んだ。

 

北海道、飛騨で3年間、実証試験を行い、今季、飛騨A社で水稲全面積(約15ha)を栽培した。田圃の枚数は約200枚に及び、土壌条件は千差万別。このバラバラな条件で平均反収が何俵上げられるかが成否の分かれ目・・・「良食味」は過去の試験で実証済みで、米の納品先からこの設計で栽培する様に要請されている。

FBダイジェスト版⑩京野菜・南国興産(株)工場視察

6月にパリの大手食材卸会社B社長が来日、京都大原の京野菜と宮崎の肥料工場にご案内した。B社長には4月のブルゴーニュ・ヌヴェール農園別荘で大変お世話になった。

今回の来日は、築地魚市場、大阪の出汁、京野菜がテーマ。食品加工残渣処理についても関心があり、スケジュールを1日延長して視察した。

◆旬菜市場

京野菜の直売場。地元消費者、料理人、観光客などで賑わう。

京野菜の直売場-1 京野菜の直売場-2

京都は勿論、パリのシェフ達にも知られている和食料理人、中東久雄氏とツーショット。

和食料理人中東久雄氏と

◆大原の生産者

中山間地にある大原には約100戸の農家があり、7戸が新規就農者。海外から研修に来ている外国人もいる。耕地は限られるので水田を転作して野菜を作っている、稲藁などを使ったマルチなど伝承的な農業が行われている。

京都大原の生産者-1 京都大原の生産者-2
京都大原の生産者たちと
京野菜料理店

◆京野菜料理店

集落に、本場の京野菜を食べさせてくれる店があり、昼食はここにご案内した。古民家を改装した店で、食事はとても美味しく、日本家屋特有の居心地良さがある。

◆柴葉漬け

昔ながらの製法の柴葉漬け

(昔ながらの製法)

柴葉漬け用紫蘇畑

(紫蘇畑)
赤紫蘇は4系統あり、この店では一番色と香りの良い品種を選抜して使っている。

◆歓迎会ディナー

市内のホテルレストランで盛り上がった。

パリの大手食材卸会社B社長歓迎会ディナー

◆南国興産(株)視察

畜産の専門家であるB社長は、畜産はもとより南国興産の食品加工残渣発酵技術に強い関心を寄せていた。

南国興産(株)視察
南国興産(株)視察(肥料原料の雑魚)

(肥料原料の雑魚)

南国興産(株)視察(動物処理残渣)

(動物処理残渣)

南国興産(株)視察(食品加工残渣の発酵槽)

(食品加工残渣の発酵槽)

(鶏糞燃焼プラント)
宮崎、鹿児島は日本有数の養鶏地帯で、毎日大量の鶏糞が発生する。鶏糞を燃焼させて肥料と電力を作っている。

南国興産(株)視察(鶏糞燃焼プラント)

FBダイジェスト版⑤2013/4/21 パリのオイスターバー

「食」で欠かせないのが生牡蠣。パリのオイスターバーは有名だが最近、日本でも増えているらしい。友人A子さんが大阪から本場のオイスター・バー」を覗きに来た男性・井川大輔さんと会うというのでご一緒した。
彼は昨年、大阪で1号店を開業、現在2店舗。息子さんも巻き込んでチェーン展開を狙っている。関空から格安航空券でドバイ経由で来たばかりと言うがパリは初めて。今夜1泊してすぐに帰るという慌ただしさ・・・兎に角、パワフル!

(こじんまりした店)

パリのオイスターバー外観

(オードブル)
シンプルだがとても美味しい!店の棚に瓶、缶詰のオードブルが沢山用意されており、必要ならばそれを注文する合理的なシステム。ここは美味しい生牡蠣をいかにリーズナブル価格で提供するかがコンセプト。席は8席程度・・・

パリのオイスターバーオードブル

フランス人の好む牡蠣はこの程度のサイズ。確かにとても美味しい!

パリのオイスターバーのオイスター

彼は40歳中盤だが、エネルギーに満ち溢れている。今時、珍しい男だ。本場の牡蠣を食べながら彼の「オイスターバー」に賭ける情熱を聞いた。

パリのオイスターバーで

FBダイジェスト版④ブルゴーニュの農園別荘ー2(2013/4/20)

世界最高三つ星レストランの食材サプライヤーを目指すB社長の農園構想は、壮大且つ緻密である。昨夜、話はみっちり聞いたが、今日は農園で体感;;;
朝食を済ませて、早速案内して頂き、現場を見ながら彼の目指しているモノを詳しく聞いた。

世界最高三つ星レストランの食材サプライヤーを目指すB社長と

◆シェフ目線

彼は50歳前半、名門国立パリ農業大学院で畜産を学び、畜産会社に勤めた後、ランジスに来て社長になった。経歴からみれば野菜作りのプロではない。素晴らしいのは「ユーザーは何を求めているか・・・」というビジネスの原点を心得ている点である。往々にして農家は「オレのモノは美味しい!」自負心に陥りやすい。彼は食べて頂いた評価を最も知り得る立場にあるシェフ目線で考える。

野菜を作る前にシェフ達から情報を集め、栽培コンセプトを「自然農法」と決めた。兎に角、すべて自然農法で試作し随時、シェフ達に農園に来て頂き現物を見て料理を考えて頂く・・・

◆一気通貫

シェフという指揮者を中心に「畑~厨房~テーブルまで一気通貫」の考え方だ。
畑になぜ従来の生産者が登場しないのかと言えば「高級レストランは多品種少量、しかも極上品を求められる。需給も不安定で、求められる要素の流れも速い。リスクが大きく、その割にリターンが大きいとは言えないから委託は難しい」と言う。彼は自社で自らリスクを背負って思い通りに取り組む道を選んだ様だ。

◆農園を歩いて料理を考える

厨房とシェフ達の宿泊施設

母屋の前にあるこの建物の中ではすでに、厨房とシェフ達の宿泊施設の工事が始まっていた。シェフ達に自由に農園を歩いてもらい、感じた野菜を収穫して、ここで自由に料理を考えて頂く・・・なんと素晴らしい考えだろうか。

◆需要を創る

ここで「基本」が出来たら一般にも開放したいという。彼の言葉の端々には、「本当に美味しい野菜を作り、調理を楽しんで食べてくれる消費者を育てたい」という思いが籠もる。目先では無く、着実な需要を創る「原点」からスタートしているのである。
今の日本の状況では難しいと思うが・・・

◆自然農法

フランスでは有機認証としてAB、BIOがあり、今後生産者が増えて行けば、将来的に付加価値が低下する懸念がある。そのため、農業の原点「自然農法」を基本にスタートした。化学肥料や農薬を使わないのは理解できるが、堆肥など何処までが自然農法なのかは不明。

B社長は木材(落葉樹)の間伐材をチップ化して販売している友人がおり、効率的に堆肥化する方法のアドバイスを求めた。ランジスで排出される食品加工残渣を使って発酵を早める方法を提案し、とても興味を持った。後日訪日した時に、当社の肥料を造っている工場を視察したいと言う。ただ、日本で言う自然農法とは一切何も持ち込まないというのが原則であるが・・・。

(自然林)
自然農法を維持するには生物の多様性を保つ必要がある。圃場脇には自然林が残されれ、緑肥や果樹類も植えられている。

ヌヴェール農園別荘自然林-1
ヌヴェール農園別荘自然林-2 ヌヴェール農園別荘自然林-3
ヌヴェール農園別荘溜め池

(溜め池)
地下に周囲の山々から流れ込む水脈があり、水源と水生動植物を育む池が用意されている。

ヌヴェール農園別荘鳥類を育む森林

(鳥類を育む森林)
隣接して昆虫を食べる鳥類や蝶を育む大木林もある。B社長は多様性を維持するには色々な丈の植物が必要という。理屈はともかく、良いと思うことはすべて取り入れるという。

(M農場長)
この自然農園(栽培面積約2?)を執り仕切っているのはM農場長。教師をしていただけあって、作物や土作りについてよく勉強されており、データーもきちんと整理されている。人柄もとても良い。
余談だが、ここの水道は硬水、洗髪すると髪がばさばさ。春の強風に煽られて髪はボサボサ・・・現地の人達は帽子を被っているのはそのためらしい。

ヌヴェール農園別荘M農場長

(土質)
元々牧場で草地だった所で、場所によって土質はバラバラ・・・生育が良くないという圃場をMさんに掘ってもらった。写真の様に10数cmで根が止まり、下に伸びていない。スコップで掘ってもらったが、固い粘土層で、耕土として機能していない。

ヌヴェール農園別荘土質-1 ヌヴェール農園別荘土質-2

粘土層の厚みは不明だが、サブソイラーを入れて盤を破るか、山土を客土して表土を厚くするか・・・・いずれも大仕事。結果が直ぐに出る訳でも無いので、取り敢えず、少ない表土で作物が育つ土作りをアドバイスした。いずれにしてもこれから時間をかけて、作物がキチンと採れる土作りが必須。土質の良い圃場もあるので作物の生育状況を見ながら何処に何を植えるか、輪作を考えながら作って行かねばならない。

(野菜の種類)
今の所、約50種類を試している。何が採算に乗るかは未知数だが、農園全体として採算が採れれば上出来だろう。看板という意味合いもあり採算はあまり気にしていない。道楽では出来ないが自分の楽しみ・・・とも言っていた。
今の時期は生育の早い葉菜類、ハーブ類が中心。定石通り混植が基本。
イチゴ、トマト、ナスなどの果菜類も課題。

ヌヴェール農園野菜栽培-1 ヌヴェール農園野菜栽培-2
ヌヴェール農園野菜栽培-3 ヌヴェール農園野菜栽培-4
ヌヴェール農園別荘不織布マルチ

今の所、ハウス栽培はしていないが、不織布マルチは一部試している。

ヌヴェール農園別荘麦わらと間伐材チップ

最も苦労するのが除草。麦わらと間伐材チップをマルチして防いでいる。

(M農場長のコメント)
今年で3年目だが、収量はともかく、品質的にはいいものが収穫できていると思う。土作りはこれからだが、時間がかかることは覚悟している。先ず、パフォーマンスを上げるにはここの条件に合った品種選択が最も大切と思う。種類ももう少し増やしたいので種苗会社から資料を取り寄せて検討中です。しかし、気候の振れが大きいので3年位作らないと結論が出ませんね・・・。

FBダイジェスト版④ブルゴーニュの農園別荘ー1(2013/4/19)

1月にパリの食材研究会を主催したDERAS社のB社長からお招きを頂き、ブルゴーニュ・ヌヴェールにある農園別荘を訪ねた。
彼の会社は三つ星レストランなどに最高級の食材を納めているが、健康指向で野菜への関心が高まっている。しかし最高級クラスのお客様に提供出来る野菜は限られる。野菜は鮮度が大切なので、レストランが自家農園や契約農園を持つケースが増えている。このままでは自分達のビジネスポジションが影響を受けると感じた彼は、自社農園でシェフ達のイメージに合う野菜を作ろうと決意した。B社長は2年前にブルゴーニュに家屋付き農園を手に入れ、「自然農法」で野菜を作り始めた。
フランスの農家はあちこち訪ねたが、泊めて頂いた事は無い。数年前、バスクの友人宅に1週間滞在したことはあるが、今回は待望の農園。フランス人がどの様な生活を楽しんでいるのかも興味があった。写真が盛り沢山になるが、彼の週末ライフの一端を紹介する。

◆ヌヴェール

パリから鉄道か車で約2時間南下、以前は炭鉱で栄えた街だが衰退、今は肉牛の肥育が盛ん。ルルドの聖女「べルナデッタ」ゆかりの修道院があり、縁日には世界のキリスト教徒が巡礼に訪れる聖地。約10年前、日本人修道女Y子さんを訪ねたことがある。
ノルマンディー方面から来る北の冷気と地中海の暖気が交差する地域で、天候はあまり良くない。穀物には適さず、草地。畜産が主力で牧場が多い。

ヌヴェール-1 ヌヴェール-2
ヌヴェール農園別荘

ヌヴェール駅に迎えに来てくれたBさんの車で20分余りで農園別荘に着いた。母屋を中心に倉庫と農機具』置き場がある。

ヌヴェール農園別荘母屋

母屋は200年以上前に建てられた二階建て木造造で、大きな部屋が8室以上もある。格部屋は快適な設備に改装してある。

ヌヴェール農園別荘ゲストルーム

泊めて頂いた二階のゲストルーム。巨大なバスルーム付き、広さは50平米以上、ベッドはとても寝心地が良く、高級ホテル並み。すべて木造で居心地が良く、スチーム、暖炉設備も完璧。

ヌヴェール農園別荘部屋からの眺め

部屋からは村の家並みや自然森、池が見渡せ、ゆったりくつろげる。

ヌヴェール農園別荘調理スペース

「食」を大切にするフランス人らしくキッチンは広い。ここは調理スペース、隣に家族やゲストと食事を楽しむダイニングルームがある。

ヌヴェール農園別荘電磁加熱器

調理はすべて電磁加熱。このユニットであらゆる加熱調理ができる。

ヌヴェール農園別荘ボイル専用器具

今が旬のホワイトアスパラは、ボイル専用器具が付いており、タイマーをセットしておくと美味しく煮上がる。

ヌヴェール農園別荘スモーク好きなフランス人

スモーク好きなフランス人は、薪暖炉を利用して魚貝、肉、野菜、パン・・・何でもアルミフォイルで包んでじっくり香りを付けて焼く。

ヌヴェール農園別荘メインディシュ用白身魚

青魚はあまり食べず、白身魚が高級魚。Bさんがランジスからとても高価な白身魚をメインディシュ用に持ってきてくれた。腹と身の回りにビッシリ香草を詰めて暖炉でじっくり焼き上げる。

ヌヴェール農園別荘イベリコ豚の生ハム

ワインのお供は、三つ星レストランに納めている「イベリコ豚の生ハム」 !彼は、商談に持ち込まれる色々な生ハムを試食しているが、未だ,これを超えるモノは無いという。食べ出したら美味しくて止まらない・・・

料理はBさんと麻子さん(通訳)の競演・・・彼はプロだが、フランスでは男性も積極的に調理に参加し、センスもいい人が多い。

ヌヴェール農園別荘料理はBさんと麻子さん(通訳)の競演
ヌヴェール農園別荘料理-1 ヌヴェール農園別荘料理-2
ヌヴェール農園別荘料理-3 ヌヴェール農園別荘料理-4

ファミリーとご一緒に和やかな昼食。マダムはバスク生まれで、私も1週間ほど滞在したことがあるので、生まれ故郷の話しで盛り上がった(右は農場長Mさん)

ヌヴェール農園別荘ファミリーと昼食
ヌヴェール農園別荘別格の味のチーズ

食後はBさんが厳選して出してくれたチーズ。別格の味!

ヌヴェール農園別荘デザート

デザートは籠盛りの中から好きなモノを選んで下さいという。至れり尽せり・・・好物のマンゴを頂いた。

ヌヴェール農園別荘女性村長

女性村長がご主人と訪ねてきた。マダムとツーショット。村長はやはり何となく風格があり、にこやかな顔が印象的・・・

FBダイジェスト版③2013/1/12 マルシェ・地ビール・直売量販店

フランス北部に生産者が出資し、運営している量販店があると聞き、早朝のTGVに乗り訪ねた。途中、アラスという世界遺産に登録された街に、大きなマルシェがあるというので途中下車。

◆アラス

アラス

パリ北駅からTGVで1時間超北上、9時過ぎ到着。緯度が高いので夜明けは遅く、空は薄暗く、地上はガスがかかっていた。視界は良くないが、それがかえって古都の幻想的な雰囲気を醸し出している。

アラスのマルシェ

(マルシェ)
街に3ヶ所あり、カラフルなテントが並んでいる。店の準備が始まり、お客さんがポツポツ増えてきた。底冷えがする・・・

アラスのマルシェの野菜、果物

野菜、果物
とても種類が多く、地場産かどうかは分からないが、北国にいるとは思えないほど、鮮度が良い。

アラスのマルシェの若手農業人

若手農業人
アラスで、クレソンを周年栽培しているというHさんは27歳。
村で最も若い農業人だという。
ここは水質が良いのでとても美味しいクレソンが出来ると自慢していた。
確かに香りが良く、独特な辛みがあって美味しかった。

アラスのマルシェのネギ

ネギ
新鮮なネギ(リーキ?)も美味しそうだった。

アラスの地ビール「Page24」

地ビール
北フランスは寒冷な気候で葡萄栽培には適さない。そのため麦を原料とするビール醸造が発達した。この地域に大小800ものビール工場があったというから凄い。 国際品評会でチャンピオンに輝いたことのある「Page24」を見学させて頂いた。

ここの自慢は高発酵熟成ビール「Page24」と白ビール。

アラスの地ビール「Page24」-1 アラスの地ビール「Page24」-2

お洒落なシニア紳士
地元の見学者と和気藹々でビールを試飲。彼らは元軍人とポリスマンの友人同士で日本の事を良くご存じだった。
さすがフランス紳士、試飲会と言えども、身なりはビシッと決めて来た。

アラスの地ビール「Page24」の試飲会
アラスの郷土料理

郷土料理
昼食はアラスの郷土料理。ここは馬鈴薯のブランド産地で他産地の約2倍。当然、美味しかった。逸品料理はチコリビール煮!チコリもビールも苦味があるので蜂蜜で抑えているのが美味しさの秘訣らしい。
牛肉はノルマンディー産と言っていたが、歯応えと味があって美味しかった。

冬の農村

冬の農村
レンタカーでリールに向かった。雪が少し舞うが積雪は無い。冬の荒涼とした畑が続く。作物は北海道とほぼ同じで、馬鈴薯、麦、ビート、野菜など・・・この品目で輪作体型を維持しているようだ。

生産者が運営する量販店

生産者が運営する量販店
最近開業した新業態の量販店。マスコミに取り上げられ注目を集め、繁盛している。生産者が運営しているため実質本意。建物や陳列棚に費用をかけていないが、生産履歴や販売処理システムは徹底的にIT化され「新鮮、安心、安全、安価」をコンセプトにしている。

ゆったりスペースの売り場

(ゆったりスペースの売り場)
カテゴリー別に区分けされ、通路も広くゆったり機敏で買い物ができる。

(新鮮で豊富な商品)
会員生産者から持ち込まれた野菜や果物は、殆ど段ボール箱やコンテナでバラ売りされている。収穫時間や輸送時間も管理されており鮮度は非常によい。ただ、荒選程度の選別が多く野菜によっては少し見栄えは劣る。料理に使うには全く問題は無い。

新鮮で豊富な商品-1
新鮮で豊富な商品-2 新鮮で豊富な商品-3

魚や肉は殆どパックされている。乳製品、卵、乾物、調味料、酒類、パン、総菜・・・あらゆる食品が並んでいる。

魚や肉は殆どパック-1 魚や肉は殆どパック-2
販売処理システム

(販売処理システム)
バラ売りは商品の近くにあるポリ袋に入れ計量器に乗せ、画面の商品にタッチすると、シールが出てくる。これを貼ってレジカウンターに持って行く。

解らなければスタッフがサポート

レジは自分でシールをセンサーに当てカード決済する。解らなければスタッフがサポートしてくれる

販売処理システム

メールアドレスを登録しておくと、買い物の明細やカテゴリー別購入金額などがサーから送信され、家計管理に役立つ。共働きの若い世代に好評という。

FBダイジェスト版②2013/1/11 プロヴァン

2011年に訪ねたブルゴーニュに隣接した村で村長をしているパトリスさんと友人ラシャさんがユネスコ世界遺産「プロヴァン」に店を開いたと聞き訪ねた。
この街は中世にシャンパーニュの市場町として栄え、現在は観光の街。中世の街並みがそのまま残っている。

プロヴァンに残る中世の街並み

◆村長のレストラン

パトリス村長は街角にレストランを開いた。彼は170㌶を経営する農家。フランスの首長や自治体議員は兼業が普通。
彼は「在来種の保護」や「村の景観保存」など精力的に活動している。今日もスケジュールが混んでいた様だが、お会いする時間を作ってくれた。

パトリス村長のレストラン パトリス村長と

◆ラシャさんのチーズ屋

テレビ局ディレクターをしていたラシャさんは、退職して奥さんとお洒落なチーズ屋さんを開いた。
農家から美味しいチーズやシャンパン、ワインを仕入れて販売している。
お土産にとチーズを4種類切って頂いた。日本では高くて気軽に食べられないクラスの美味しいチーズだった。

ラシャさんのチーズ屋 ラシャさん

Facebook ダイジェスト版①1月11日(金)

平成25年1月から、当サイトブログをFacebookに移しました。FBは一定期間が経過すると過去の投稿が閲覧出来なくなるので、「食・農業関連記事」を抜粋して当サイトブログに再アップします。

◆パリ・レストラン・コンサルタント協会

夕方、パリ・レストラン・コンサルタント協会を表敬訪問。会長のNさんに協会の役割などをを聞いた。
この協会は主に個人レストランのオーナ^ー、シェフ、食材関係者、調理器具や食器、調理服、レストラン関係出版社などレストランに関わる人達が加盟している。
協会で認定した商品が店頭に並べられ、管理している。
買い取りではなく、売れたら一定の手数料を支払うシステム。生産者直売なので。三つ星レストランで使われている高級食材も安く入手出来、人気が高いという。
ただし、殆ど瓶、缶詰、ドライ製品などの貯蔵品。

パリ・レストラン・コンサルタント協会 パリ・レストラン・コンサルタント協会会長のNさん

◆食材勉強会

パリにある世界最大級食品流通基地「ランジス」については昨年、詳細をレポートした。

今夜は三つ星レストランなど高級食品卸会社「DERAS」社
http://www.ledelas.fr/ledelas.php#!Vue=defaultPage
にシェフ達約30名が参加して食材の勉強会。D社はランジス食品流通基地内で肉、魚、野菜、乳製品、穀物、調味料・・・約15.000種類の食品を扱っている最大手。広大な建物全体が冷蔵施設で、世界中から送られてきた商品が所狭しと並んでいる。
D社の強みは多様なネットワークで集めた豊富な食材と24時間対応。つまり、レストランで必要な商品は少量でもいつでもここですべてが揃う。
オルリー空港が近いので国内、EU内はもとより、世界に対応可能である。

高級食品卸会社「DERAS」社
パリの生鮮品は袋かトレイでパック

野菜は生鮮、冷凍、ピューレなど使用目的に応じてすべて揃う。生鮮品は袋かトレイでパックしてあり、鮮度保持もしっかり管理されている。

パリ食材勉強会

勉強会は皆さんがリラックスしていた。ここはまさに職人の領域、みんなが仲間の雰囲気。食用花を取り扱っているという参加者に「日本には食用の花はどんなモノがありの・・・」と聞かれた。独自の食用花は菊、穂紫蘇くらいしか思い当たらず、多くは西洋から伝えられたモノと説明した。

パリ食材勉強会でオードブルの盛り合わせ メインディシュの鴨肉のロースト

シェフ達の集まりだから食事は付きもの。写真はオードブルの盛り合わせ。厳選したという白ワインを頂いたがとても美味しかった。メインディシュは鴨肉のロースト、デザートも出て、満腹・・・兎に角、フランス人は大食漢。

M&Aで好調続く南九州の冷凍、業務用野菜

PB054021.JPG10月下旬に宮崎、熊本の野菜産地を歩いてきた。今春、葉タバコ(約300㌶)減反転作政策の事を書いたが、政策転換が契機となり、南九州の農業は改革が進んでいる。どう変わったかと言えば葉タバコからホウレン草を核とした冷凍野菜が急増している。転作奨励資金として反当約20万円が支給されたことも刺激になった。転作に対応して農家、農業法人の統合が急ピッチで進んでいる。冷凍施設は少なくとも数億円の資金が必要とされ、資金調達力の限られる中小生産者では取り組めない。そのため吸収合併(MA)が進んでいる。日本では先祖代々の土地に執着する国民性や法整備の遅れで経営統合、農地拡大が遅れていたが、南九州では地域にもよるが堰を切った様に一気に進行している。農地が売りや貸しに出されると資金力、経営力のある法人が一斉に手を上げるという。高齢化や経営不振に喘ぐ個人農家や法人を買収する構図が以前では考えられないほど日常化している。10数年前から大規模化政策により、各地で農業法人が立ち上がったが、当時とは経営環境はすっかり変わり、既に淘汰の時代に入った。

 

南九州で冷凍ホウレン草を栽培している法人は既に1社当たり100㌶規模に成長し、現在大手8社体制にまで統合が進んでいる。ホウレン草の他、輪作として小松菜、莢インゲン、枝豆、ブロッコリー、里芋なども増えている。冷凍ホウレン草は以前、北海道が主産地だったが、平成年代に入り安価な中国産に押され衰退した。その後、中国産野菜の残留農薬問題が発生、安全指向が高まって一部は国産に回帰した。関東地域などでも部分的に産地が増えたが、コスト高で伸び悩み、昨年の原発事故で激減した。

南九州は、大規模化でコスト削減に成功し、業務用野菜(惣菜)の需要増、安全性と品質向上、大手商社との販売連携などの追い風を受けて、現在は需要に追いつかない状態と言う。中国などの輸入が年間2万㌧以上あるが、国産品のシェアは10%程度と低く、更にコスト削減が進めばシェア奪還の余地は充分ある。

 

最近、量販店やコンビニで目立ってきたのは里芋、南瓜、サツマイモなどの少量真空パック調理済み野菜(画像参照)。冷蔵庫で一ヶ月程度の保存が可能で、電子レンジや熱湯加熱して直ぐに食べられる。個食や利便性を重視する消費者が増える中で、青果販売は苦戦を強いられており、市場出荷者はこれらの動向に注意が必要である。以前は、この手の商品はあまり美味しいとは言えなかったが、最近の商品は味にこだわっているモノが多く、商品アイテムも増えている。消費が縮小している魚も漁協と量販店が組んで、味付け調理済み商品の開発、販売に注力しているから、野菜も負けてはいられない。

 

冷凍、業務用野菜と言え「美味しくて安全な野菜」をコンセプトにし、「特別栽培」で作る業者が徐々に増えている。供給者として高品質生産は勿論、病害虫の発生や収量の安定確保を考えれば、特別栽培で作るメリットがあると言う。大規模生産になると資材調達の交渉力が強まり、有機入り配合(有機窒素比率51%超)でもかなり割安な水準になる。葉菜類は穏やか肥効の有機併用施肥をして、10月から4月上旬頃迄の低温期に栽培で病害虫の発生を抑え、特別栽培基準をクリヤーしている。

今後、安定成長が期待される業務用や一般家庭用惣菜分野の調達先は、野菜の種類によるが市場を経由しない生産者直接取引が主流になる。以前は相場が下がれば業務、加工筋が買い支えていたが、その必要性は失われつつある。不作で足らなければ暴騰、豊作で過剰になれば暴落の図式が益々頻発する恐れがある。

南九州で市場出荷をメインとした中小生産者に淘汰の荒波が押し寄せているのはデフレ経済の他、上記の複合した社会変化が絡み合って起きているためだ。

商社は業務用だけではなく、当然青果と組み合わせた販売網の構築を考えているから、動向に注意する必要がある。

 

胡瓜、ピーマンを中心とする宮崎のハウス果菜類は、冬春の異常低温と燃料高等により大きなダメージを受けた。特に栽培温度が高いピーマンは厳冬期の相場は高騰したが春になり気温が上昇しら暴落のパターンが今年も繰り返された。1袋(150㌘)10円等という捨て値もあったと生産者が嘆いていた。燃料を惜しみなく焚いてタイミング良く出荷して儲けた農家もいたが、多くはコスト高での減収という。

一躍ブランド品にのし上がった宮崎マンゴーは、燃料高と景気低迷の煽りをまともに受けて、以前の熱気は冷めた・・・・

 

熊本のハウストマトはシルバーリーフ(黄化葉巻病)の対策の仕方で収益に大きな差が出た。いち早く、抵抗性品種に切り替えた生産者は、資材高(主に燃料)の影響は受けたが、それ以上に相場高の恩恵があった。大玉トマトで反収700800万円という生産者も出た様だ。この状態が今期も続くかどうかは、天候次第(産地業者の話)

生協などと契約で食味や安全性を重視して栽培しているグループの中には、異常な市況高を見せられて困惑している。しかし、トマト以外にこれと言った作物は見当たらず、当地でも栽培面積は増えているので、天候により暴落の危険はある。相場はその時の需給関係でしかない。自分が消費者に何を提供してお金を頂くか、冷静に判断したい。

 

 

エスカルゴ牧場から日本へのメッセージ

フランスのエスカルゴ農家

フランス料理と言えばフォアグラ、トリュフ、エスカルが頭に浮かぶ。エスカルゴは日本人は余り口にしないがフランス人と食事をすると、オードブルとして注文する。身の部分を加熱してニンニクとパセリのみじん切りを練り込んだバターを乗せて出てくる。フランスでは最高級のご馳走である。
友人Gさんの案内でパリ郊外にある養殖家Mさんを訪ねた。彼は以前、パリの高級ブランド店に勤めていたそうで、日本人に親しみを感じていた様だ。エスカルゴの話が始まると彼の目が輝き、講釈は留まることを知らなかった。

◆エスカルゴの家

エスカルゴの家-1
エスカルゴの家-2

◆エスカルゴは巻き貝の一種で、乾燥する環境では活動できない。雑草が生え適度に湿度が保たれている場所に、木製の餌場を置き、その上部に日光を遮るための板木を三角屋根状に乗せて、温度変化が少なく風通しの良い環境を作る。潅水は常時、欠かせないから、良質な井戸水が用意出来る場所が適する。

エスカルゴの家-3

◆飼育場から逃げ出さないように、高さ40cmくらいのブロック塀で囲み、屋根を乗せ、更に微弱な電流を流した電牧線(中央部)を張ってある。これで脱走はほぼ防げる。

エスカルゴの家-4

◆幼虫は春に専門業者から買う。食用の種類は地域により異なるが、味はやはり本場のブルゴーニュ種が美味しい。
餌は石灰、大豆、トウモロコシの粉を置き、撒水しておくと、夜に食べに来る。
エスカルゴ1kg育てるのに1.2~1.4kgの餌が必要。80%が水分だが、餌代は1000匹当たり10ユーロ(約1000円)、1匹1円程度かかる。5月に幼虫を入れて秋の出荷時に一匹当たり3.5~4円で売れる。

エスカルゴ農家の家

◆彼は退職してから一時、タクシーの運転手をしていた。三つ星レストランの送迎をしていた折、エスカルゴ料理が非常に高価である事を知り、自分も養殖してみようと、ここに2.5㌶の農場を買った。
スタート時の計算では3000㎡で13㌧の出荷を見込んでいたが、実際はたった3㌧・・・(笑い)
国内に養殖家は数百戸程度あるが、大手で3~4㌶規模、年間出荷量100㌧超。この規模を目指して5年間、試行錯誤してみたが、出荷量は期待していたほど増えなかった。今後、技術の向上を見込んでも、到底採算に乗る目処は立たないと悟った。

エスカルゴ農家の動物

◆元々生き物が好きで始めたので、ここでやめる訳にはいかない。1000㎡に縮小して、この規模で今までの経験を生かして継続できる道筋を探った。農場で馬や兎、地鶏、ハリネズミなど飼って子供達の遊び場として解放し、自宅でエスカルゴ教室を開いた。これが関係者の間で話題になり、今では行政府から教育予算を頂ける様になった(笑い)

◆最初、何故、大きな見込み違いをしたか・・・
技術の未熟さもあるが、農産物の市場開放という重要な事があまり頭に無かった。当時は輸入品の事など考えていなかった。しかし、今ではトルコ、ウクライナ、ポーランドなど周辺国から安い加工品が大量に流入し、国産品はじり貧状態。
エスカルゴは加熱して一旦、殻から外して内臓を切り取り、身の部分を塩で揉んで滑りや臭みを取り調理する。人件費の高いフランスでは原料よりも加工賃が高くつく。一般のレストランや家庭では直ぐに調理できない。しかも安価な輸入品に人気が移りつつある。ニンニク、パセリを練り込んだバターも全部セットになってオーブンで焼くだけで食べられる・・・味に差があるとは言え、国産品の地盤沈下は止めようにもない。

日本もTPPなど自由貿易推進で農産物の更なる市場開放を求められると聞いている。しかし、絶対、受け入れてはいけないよ!先進国の中小農家は市場開放されたら途上国の安い農産物に占領され生きて行けなくなる・・・。日本の皆さんにこの事を伝えて下さい。

【コメント】

Mさんのエスカルゴに対する愛情、知識、子供達に伝えようとする情熱はただ者ではない。習性、生殖、天敵などエスカルゴが厳しい生存競争の中で命をつなぐ現実を、理屈だけでなく、標本や身体を使って総合的に教える様は、達人の境地!

今回、大統領選の真っ直中で、自由主義路線継続のサルコジ氏と中道左派路線への転換を主張するオランド氏が国論を二分して戦った。結果はオランド氏の勝利に終わった。ユーロ危機など色々な要因はあるが、EU統合で弱肉強食、格差社会が進んで、その歪みが表面化している結果と言える。特に労働力依存型中小弱者は低賃金の周辺国との競争に敗れ、生活への影響が明確化している。

今回お会いした方々の多くは、日本は安易に自由貿易、市場開放に踏み込むとフランスの轍を踏むのではと懸念していた。フランスは農業国であるから競争力の弱い農業者は確かにそういう見方になる。日本は最早、現状の農業を守っても産業競争力が弱体化し、国力が衰退したら結果的に農業も守れない。社会変化で経営難に陥った企業がリストラを断行している様に、すべてを守るのではなく取捨選択し、競争力のある部分を伸ばして再生につなげなければならない。

フランスのオーガニック農家を訪ねて(3)南仏モンペリエ

フランスのオーガニック農家といっしょに

NPOココペリを訪ねた翌日、モンペリエの大学と連携してオーガニックの産直支援研究をしているK女史(左から2人目)に案内して頂き、地元のオーガニック農家を訪ねた。K女史は陽気なラテン系マダムで4人の母親。こちらと会話しながらパソコンと向き合い別の仕事をしているスーパーウーマンだ。右側が当園オーナーマダムFさん。実直そうな人柄で質問に丁寧に答えてくれた。

オーガニック農家の圃場 オーガニック農家の鶏

◆経営面積は?
『ビニールハウス25㌃、露地で1.2㌶作っています。スタッフは自分を含めて3人ですが、忙しい時期は近所の人に応援してもらいます』

◆作っている野菜は?
『殆ど産直ですから種類が多くないとお客さんが限られてしまいます。季節ごとにキャベツ、玉葱、馬鈴薯、人参、トマト、茄子、胡瓜、ピーマン、ホウレン草、レタス・・・など、年間40~50種類作っています。八百屋さんに並んでいる物は殆ど作っていますよ』

◆全部オーガニックですか?
『そうです。化学肥料も化学農薬も使っていません。土作りは地鶏を飼って出た鶏糞を発酵させた肥料、落ち葉と近くの畜産農家から出る厩肥を切り返して発酵させた堆肥だけです』
『オーガニックで一番労力のかかるのは草取りです。全部手で取りますが夏は次から次へと生えてくるので雑草退治に追われます。プラスチックフィルムマルチは環境への配慮から使いません』

◆日本のオーガニック農家は害虫対策で苦労していますが?
K女史『ここでも色々な害虫がいます。特にアブラムシの発生が多いです。ハーブなどとの混植や輪作が基本ですが、それだけでは防ぎきれません。作物と害虫名が判れば大学の研究室で蓄積したノウハウで対応策を提供しています。天敵昆虫や植物抽出エキスがかなり有効です。自然界では完璧は無理ですが・・・それ程困る様な大発生はありません』

◆アジアではニーム(インドセンダン)が使われていますがフランスでは?
『名前は知っていますが、ここでは使われていません。地場で調達できる資材が基本ですから』

◆オーガニック(AB)認証(は難しいですか?
『申請するとお役人が来て簡単なチェックがありますが、何回も来るわけではありません。オーガニック農家は非常に少ないですから定期的にチェックするのは効率が悪く、コスト的に不可能です。登録料は年間100ユーロですから・・・。毎日、農場の近くにある直売場に消費者が買いに来ますから、むしろ彼らにチェックされていると言ってもいいでしょう。産直のオーガニックは理屈ではなく人と人との信頼関係で成り立っている面が強いです。顔の見えない不特定多数、大量生産販売とは異なります』

◆販売は?
『この辺は地中海に面した観光地で、夏には大勢のバカンス客で賑わいます。レストランや各地にある直売場で全部売り切れてしまい、毎年、品不足状態です。オーガニック農家は少なくとも半径10km以内にはありませんから、傷んでいなければ屑物でも売れてしまいます。慣行品のように取れ過ぎて捨てた経験はありません(笑い)』
『販売価格はほぼ通期同一価格で売っています。平均すれば慣行の野菜と比べて変わらないでしょう。私達の直売場に安さを求めて来店するお客さんは余りいないと思います。リピーターを増やしてロス無く売り切ることが経営的に最も大切です』

◆経営は順調ですか?
『自分で価格を付け、多品種、売り切り型ですから大型農機具や冷蔵、貯蔵施設は不要で、償却費はあまりかかりません。種子代はともかく、肥料や農薬など生産資材費も、慣行農業と比べたら格段に安いです。殆どが手間賃ですからお陰様で経営は順調です』
『これからもっと仲間を増やそうと募集を始めました。パートナー2人で当園で研修してもらい、自信がついたら自分達で独立すればいいのです。農業は一人では大変ですから、基本は二人です。男女の組み合わせは如何様でも構いません』

オーガニック農家の直売場

(直売場)
シーズンオフのため表戸は閉まっていたが、夏は大変賑わうと言う。
ここだけではなく各地に直売場があり、配達している。

オーガニック農家の葉菜類

(葉菜類)
シーズンを通して鮮度の良い葉菜類が並び、安全性が高いので人気商品。

オーガニック農家の土付き人参

(土付き人参)
フランスでも基礎野菜の一つである人参は、土付きで貯蔵し、長期間供給している。オーガニックのため、傷みにくい。

オーガニック農家のリンゴ

(リンゴ)

オーガニック農家の地鶏タマゴ

(地鶏タマゴ)
放し飼いで美味しく、鮮度も良いので人気商品!

オーガニック農家のハーブティー

(ハーブティー)
ドライ、瓶入りハーブオイル、エッセンスなど・・・香りを楽しむフランス人には欠かせない。

オーガニック農家のジュース、ジャム、ケチャップ

(加工品)
ジュース、ジャム、ケチャップなどが並んでいる。

モンペリエ近郊を結ぶローカル線

(モンペリエ近郊を結ぶローカル線)
利便性は良いとは言えないが、お洒落なデザインの車両は鉄道ファンならずとも乗ってみたくなる。

南フランス(プロヴァンス、コートダジュール)のランチ

(ランチ)
駅前のレストランで昼食をとった。
南フランス(プロヴァンス、コートダジュール)の料理はパリなど北部と異なり、野菜、モツァレラチーズ、オリーブオイルをベースにしたイタリアンが多い。パスタの上に新鮮な野菜がたっぷり盛られ、ヘルシーでとても美味しい。

フランスの回転寿司

(回転寿司)
モンペリエ市内に「回転寿司」と日本語で書かれた行灯があり、?を感じつつ店に入った。
カウンターは日本でもお馴染みの楕円形ベルトコンベアー方式。カウンターには座らず、テーブル席に座った。メニューは日本の居酒屋ランクで、焼き魚(サンマ?)、ホウレン草の白和え、豆腐、インゲン豆、しめ鯖、蛸、マグロなどの刺身。まずまずの味であった。ワインは何処で呑んでも安くてレベルが高い。

【コメント】

南フランスは北部や東、中部の大規模農業地帯とは異なり比較的中、小規模の農地が見受けられる。ワインなども数量より個性を重視した生産者が多いと言われている。野菜畑は殆ど見かけない。
K女史はオーガニック農産物の流通支援NPOを運営しているが、フランスにはこの様な農業支援NPOが多い。K女史によれば活動資金は企業や有志の寄付金、大学の研究費で賄われているが、最近は経済停滞で資金が集まりにくくなっているという。しかし、各分野の民間NPOの専門家が積極的に支援活動を展開していることは流石、農業国フランスである。Fさんの様な自立した生産者が育てば、農業に別な価値観を持った人達が集まり、新しい農業コミュニティーが誕生するかも知れない。
フランスでも仕事のない人達が増えており、希望者は多いらしい。しかし定着するかどうかは日本と同様に微妙な問題だが、K女史の様な頼りになる人材が日本でも育つことを是非期待したい。

当地の成功キーワードは「バカンス客」の取り込みであり、日本も海外観光客を含めて考えたい。

競争力高まるトルコの農業(2) 食について

イスタンブールに4泊したが1月と4月は雨期で毎日雨が続いた。
残念ながらお目当ての農産物や屋台が並ぶバザール(市場))は見ることが出来なかった。ガイド本に華々しく載っていたバザールは、近代的なヨーロッパ風アーケード街に整備され、イメージしていたシシカバブーの臭いが漂うイスラム風情とは大きく異なっていた。アーケード店内はヨーロッパ製品も多く、本来のトルコが少し薄い様に感じた。
ガイドのTさんに聞いたら、ここはヨーロッパの南端、ヨーロッパ系の人達が多いからね・・・・と答えた。しかし、色彩や模様を見れば確かにイスラムの国トルコである。

イスタンブールアーケード街

イスラム教徒が多いが政教分離が進んでいて、お祈りの時間になると、何処からとも無く屋外スピーカーからコーランが流れてくる程度で、テレビで見るようにひざまずいてお祈りする姿は見かけない。服装などもイスラムの衣装をまとった人は稀である。。アーケード街は服飾、宝飾貴金属、土産物店が並び、食関係の店は周辺地域に移動したという。

イスタンブールのテント張りのお店の野菜

Tさんは、この雨続きでは露店は出てこないでしょうと言っていた。テント張りの店を覗いてみたが、人参、玉葱、馬鈴薯、南瓜、リンゴなどの果実が並んでいる程度で、特別興味を引く農産物は見当たらなかった。

【トルコ料理レストラン】

古来から東西文化の接点として発展してきたイスタンブールは、豊かな食文化があると聞いていたので早速、レストランを訪ねた。

トルコ料理レストラン店内

◆この店は世界遺産モスク近くにあり、眼下に湾が見渡せる見晴らしの良いレストランである。

場所柄、観光客の利用が多いと言う。

トルコ料理オードブル

◆オードブル

茄子、南瓜、インゲン豆、トマト、玉葱、胡瓜、ホウレン草など主に野菜を使った料理が15種類位あり、好みの料理を選ぶ。

オードブルは通常、肉や魚貝、乳製品など動物質が多いが、こんなに野菜料理が多い店は珍しい。

トルコ料理オードブル盛り付け

◆指定した料理を取り皿に盛り付けてくれる。

味付けはオリーブオイル、トマト、塩、香辛料がベース。刺激的な辛みや香りは少なく、上品で美味しい。

トルコ料理オードブルで使っていた茄子

◆茄子料理が絶品だったので、どんな種類の茄子を使っているのか尋ねたら、調理場から現物を持ってきてくれた。

日本の長茄子とほぼ同じ形だが、茄子の風味、甘みがあり、格別、美味しく感じた。

トルコ料理サラダ1 トルコ料理サラダ2

◆サラダに使われている葉菜類は葉肉が厚く、しっかりした味わいがある。

地中海、エーゲ海沿岸で作られている野菜は、潮風と輝く太陽を浴びて育つので特別、美味しいという。

トルコ料理魚貝類1

◆魚貝類

ワゴンに乗せて運ばれた魚を見て注文する。

地中海やエーゲ海で獲れた新鮮な魚介類は種類が豊富で見るからに美味しそうだ!

写真の魚は今が旬だというので、切り身にしてオーブンで焼いてもらうことにした。

トルコ料理魚貝類2

◆網目を付けて焼き上げた白身魚。

トルコ料理魚貝類3

◆イカのオリーブオイル揚げもカリッと揚がって美味しい!

トルコ料理魚貝類4

◆海老のオーブン焼きも味わい深い・・・

レモンは布にくるんであり、絞りやすい。

トルコ料理ビーフステーキ

◆ビーフステーキ

脂肪分が少なく、さっぱりした味わい。

鶏肉のメニューはあるが、羊は日常的に食べているためか少ない。豚肉は勿論無い。

トルコ料理デザート1 トルコ料理デザート2

◆デザート

ナッツ類、果実類、ドライフルーツ、イチゴ、蜂蜜などデザートの材料に事欠かない。

種類が豊富で甘党は顔がほころぶ。甘味は蜂蜜を使った物が多いので好き嫌いの評価は分かれる。

トルコ紅茶(チャイ)

◆トルコ紅茶(チャイ)

日常的に飲まれているチャイは、透明な茶褐色の紅茶。美しい色を楽しむために陶磁器ではなく、ガラスかクリスタル製のカップが使われる。

茶葉は温暖な黒海沿岸地方で約400年前から栽培されており、生活に欠かせない飲み物だ。

【和食レストラン】

イスタンブール和食レストラン

◆宿泊したホテルに「京都」という和食レストランがあった。店内は広くゆったりしていて、寿司カウンターも用意されている。

トルコ人のスタッフは和服姿で、日本の雰囲気はそれなりに感じさせ、落ち着いて食事ができた。

メニューは「にぎり寿司定食」「ちらし寿司定食」「天麩羅定食」などの他、うどん類もある。

単品では枝豆、冷や奴、ホウレン草の白和え、刺身、天麩羅など日本の和食屋と変わらない。ただし、食材に限りがあり、現地人の好みに合わせているため、味はそれなりである。日本酒は勿論置いている。

来店客に日本人は見かけず、旅行者や現地人と思われ、結構、繁盛していたから日本食の人気ぶりが窺えた。

【コメント】

海が近いので魚介類が豊富で、「日本の食」と大きな違いはない。調味料も現在では日本で入手出来るモノが殆どで、味付けも特に違和感は感じない。まさしくグローバル化

これからのトレンド(10)社会変化と売り方 ③番外編

ダイヤ魚画像1.JPGどの業界も大資本が参入すると、底引き網を引いた漁場の様に、お客)をごっそり持って行かれる。資金力の限られる中小零細は、大手が参入できない分野や売り方を考えなければならない。

 

国内農業は完全自由化に移行すれば、安価な農産物が流入し、国内農業が更に衰退するという議論がある。しかし、国内で生産する農産物については農地の売買規制に守られて、他産業の様に国内外資本が参入する可能性は低い。参入してもハイリスク、ローリターンの実情では、投資メリットは無いだろう。外国人や企業が農業に参入?・・・というニュースも流れるが、農業で収益を上げる目的よりも自社原料の調達や別な思惑がある例が多い。自由経済下では何が起こるか予測できないが、流れが速いから常に社会変化に注意したい。

 

技術革新や社会変化で新規資本が参入し、深刻なダメージを受けた業界は数多い。その一つに寿司屋がある。

バブル全盛期の頃、当市(東京都東村山市)寿司商業組合に37店が加盟していた。現在残っているのは僅か7店(80%減)しかない。

原因は色々あるが、最も影響が大きかったのは回転寿司である。握りのロボット化でチェーン展開が容易になり、食材の大量安価仕入れが可能になった。寿司屋とは全く異なるビジネスモデルが誕生した。ファミレス、ハンバーガー、牛丼、ラーメン、軽食、珈琲-・・・あらゆる飲食業がチェーン化、株式上場し、資金を集めて更に成長した。一方、職人の手に頼っていた寿司屋は出遅れた。主食材である魚の安価、安定仕入れが難しく、繊細な日本人の味覚や食感のこだわりもあり、精々、暖簾分け程度のチェーン化しか進まなかった。

 

1990年代に寿司ロボットが普及し始めて様相は一変した。現在は回転寿司、宅配寿司、コンビニ、スーパー、デパートにまで寿司と名の付く商品がひしめき合っている。ある地方都市の老舗経営者は「うちは回転寿司とはネタが違う・・・味の分かる客はいずれ戻るさ」とタカをくくっていた。しかし、周辺に回転寿司が進出し、客が急減。値下げなどで対抗したが及ばず、次々閉店に追い込まれていった。鮮度勝負の商売は回転が止まると加速度的に客足が落ち、立て直しが難しい。私も寿司が好きで出張先で食べ歩いたが、凋落の早さは全国に共通していた。

 

技術革新、経営革新によって寿司単価が下がり、従来型寿司屋のビジネスモデルが通用しなくなってしまった。握り方やネタの講釈が通じる客が次第に減る中で、職人対握りロボットの勝敗は決まったも同然である。日本の自動車産業が一時、世界を席巻したのは、ロボット化による人件費削減、部品在庫を持たない合理的経営(カンバン方式)と言われている。寿司屋業界にも同じ革新が起こったのである。

 

単価が下がり、誰でも気軽に寿司を食べられる時代になって、マーケットは飛躍的に拡大した。その流れを受けて食材仕入れ等のコスト削減が加速した。まぐろ、鯛、ハマチ、カンパチなどの養殖や冷凍技術が格段に進歩し、調達先は海外に広がった。今まで寿司ネタに使わなかった魚や食材が登場し、アイディアを競う時代になった。

 

ロボット技術は日進月歩で、例えば海苔巻きロボットは、専用の長尺海苔ロールをセットすれば高速でロスなく巻き寿司が出来る。無洗米をそのまま自動炊飯器で炊き、調合された酢と合わせてシャリを作り、ロボットで成形、ネタを乗せ完成。ネタを切る職人1人いれば、特別な技術は不要、パートで充分という。シャリ米は基本食材だが、コストを念頭に、旨み、粘りなど各産地米の個性を生かしたブレンド技術が収益を支えているという話しもある。

ノウハウの蓄積とロボットの進化で握り加減も職人技に近づいている。数年前、パリのホテルラウンジでオードブルに握り寿司が出た。日本から送られた冷凍ロボット寿司を解凍したものだが、結構美味しかった。先週訪ねたパリ市内には寿司屋(和食屋)が増え、スーパーでは冷凍寿司が売られている。南フランスのモンペリエ市の飲食街に回転寿司があり、フランス人がベルトコンベアーの前に座り、寿司を楽しんでいた。技術革新や社会変化でモノや文化の伝搬速度は我々の認識を超えている・・・

 

回転寿司や宅配寿司に客を奪われた従来型寿司屋は生き残りをかけて様々な取り組みをしている。

寿司は日本人に馴染みが深く、中でも職人が握る寿司は贅沢なご馳走である。ロボットが限りなく進化しても握り寿司はモノと言うよりも文化であり、寿司屋が絶えることは無い。回転寿司は気軽に食べに行く大衆レストラン、寿司屋は多面的なサービスを提供する贅沢な空間」に変化している。客はカウンターに座り、職人がプライドを賭けて仕入れた旬の魚を目前に並べ、部位や調理法、ワサビの好みなど細かな注文に応じ、最高の味を演出する。手の届く範囲、約6人がサービスの限度と言われる対面販売である。天然魚は季節や天候によって価格が大きく変動するから、時価が普通だった。価格を聞くのは野暮、一般的にはお客と店の信頼関係で成り立っていた。

低成長経済が定着し、こだわりを持つ客が減り、価格優先客が増えている。寿司屋は手作りが基本、量産して価格を下げることはできない。モノやサービスの価値が分かる客に的を絞り込むことが大切。これは大量生産出来ない小規模農業にも共通している。

 

東京都東村山市にある「ダイヤ寿司」は創業40数年、カウンター6席、椅子6席、2階に会席用12席のこじんまりした店である。新青梅街道に面し、周囲に飲食店が立ち並んでいる訳でもなく、駅から乗降客が流れてくる立地でもない。まさしく「味」で勝負である。席数が少ないため景気の良かった頃は予約しないと座れなかった。周辺は住宅が多く、出前も繁盛していた。

ところが、2000年代に入り、周辺に回転寿司や宅配寿司が進出し、度重なる金融ショックによる景気後退、住民の高齢化など外部環境の変化も加わり、頻繁に通っていた常連客がポツリポツリと姿を消し、出前も減った。同業者が減り、一部は流れてくること期待したが、現実は甘くは無かった。客全体が雪崩が起きた様に新しいビジネスモデル、回転寿司や宅配寿司、他の安価な外食に向かってしまった。

しかし、こだわり客も残っているからここでこだわりを捨てるとお客は益々減り、長年築いてきた信用(財産)は回復困難になる。

店のスタッフはベテラン店長と二代目若手経営者Kさん、パート1人。この3人で如何に顧客満足度を高めリピーターを増やし、売り上げを伸ばすかの取り組みが始まった。

 

1.  価格の明示

以前の寿司屋は価格を表示しない店が大半だったが、客席から見やすい位置に表示した。これでお客は安心して注文できる。本日のおすすめ料理もメニューを作り、価格の透明化を図った。商売として当然だが、寿司屋は長年の習慣で勘定の透明化が遅れていた。

2.  ランチ

寿司屋のランチは一般化しているが、夜の売り上げ減をカバーするために始めた店が多い。夜の価格とのバランス、地域事情、内容など価格付けが難しい。

ちらし、炙り鉄火丼、穴子丼などもあるが、人気は握り寿司セット(税込み1.000円)。

■野菜サラダ

 新鮮な旬の野菜5種類をミックス、オリジナル和風味噌味仕立て。包丁手切りで美味しい。

■味噌椀

 魚のアラや海老の頭を天日干しにした出汁を地味噌仕立。群馬産野菜のけんちん汁の時もある。

■お新香

 胡瓜、カブ、茄子、ハヤトウリ(秋限定)など自家製糠漬け。

■握り寿司

 マグロ、鯛、鮃、スズキなど白身、海老、小鰭(こはだ)しめ鯖など青魚、穴子、いくら、卵焼き、芽ネギ・・・店長お任せで合計7貫。 鉄火巻き、カッパ巻き各1巻の豪華版。

■デザート

 珈琲付き

 

価格が安いランチは往々にして手抜きが多いが、味噌椀や野菜サラダにも職人魂が込められ評価は高い。土地柄、昼食1000円はきついが、ネットを見て来店する客も増えている。収益は?だが、夜の客寄せにつながっている様だ。持ち帰り巻き寿司や稲荷寿司もチャレンジしたが、1パック300円が限度。評判は良かったが忙しいだけで利益は上がらず中断。この分野はスーパーやコンビニの得意領域。味で頑張っても差別化が難しい。

 

3.  販促活動

顧客獲得のため、商店街(商工会)、食材メーカーなどとのイベント、スタンプ、マイ箸袋割引などきめ細かな販促活動をしている。日常的な人間関係が大切、努力は欠かせない。

 

4.  日本酒にこだわり、集客力向上

寿司を美味しく食べて頂くには美味しい日本酒が欠かせない。

金融ショック以降、客層に大きな変化が出た。不動産、土建、建築、商店主など主力だった接待関係の客が減り、最近はこだわりを求めて来店する個人客が増えている。コンピューター(IT)関係者が多く、地元だけではなく遠方の客もおり、ネットから情報を得て来店している。キーワード「おいしい日本酒」は戦力になる。

二代目Kさんは日本酒利き酒師、根っからの呑兵衛。各地の酒蔵から限定酒を手に入れ、リーズナブル価格で提供している。メジャーな酒も揃えてはいるが、「売り」はそこらでは呑めない「レアモノ」! お試し小グラス(100㍉㍑)から飲め、いろいろな種類が楽しめる。

 

蔵元の若旦那衆(後継者)が勉強のため試作した酒もある。仕込量が少ないから、運が良ければ呑める。採算無視で米を磨き、手間をかけて醸造している酒が多く、、杜氏の心意気が香りや旨みに伝わってくる。

私は発泡活性酒(にごり酒系)のファンで、開栓ガス抜きに30分もかかる元気モノに出会うこともある。地元酒蔵「金婚」の活性酒「あや」(季節限定)はお気に入りで勝手に「東村山のドンペリ」と呼んで愛飲している。生ビールは「上撰」、瓶は「ハートランド」、焼酎も各種用意され、「百年の孤独」もある。近頃、寿司屋でワインを置く店が増えているが、寿司に合うカルフォルニアワインを得意としている。

これだけ書けば呑兵衛達が集まってくるのも理解して頂けるだろう。中途半端なランクではなくオリジナルのこだわりレアモノを厳選し、値頃感のある価格で提供している。

「うちの店は寿司屋ではなく飲み屋になってしまった・・・」と店長は笑う。

 

5.  客層の変化で伝統の江戸前+創作料理

接待客が減り、身銭を切って本当に美味しい酒や料理を楽しみにくる個人、夫婦、家族連れが増え、以前の男性客中心から女性客が増えている。

女性客は健康指向で栄養バランス、特に野菜を気にする。イタリアンの定着で寿司一辺倒では女性客の支持を得られい。本来の寿司屋には野菜と言えば干瓢、胡瓜、端モノくらいしかない。メニューも精々海鮮サラダが一般的だ。しかし、水気が多い生野菜は寿司に合わない。和食で出てくる野菜は煮物、煮浸し、酢の物、和え物、天麩羅など火を通している。海鮮サラダは定番化しているからこの店にも勿論あるが、野菜料理のお奨めにタジン鍋がある。いわゆる野菜の蒸し煮。海老とギンヒカリ(群馬ブランドの鱒)が出汁として入る。水や調味料は一切使わず、土鍋で野菜(キャベツ、白菜、茸類、ズッキーニ、ネギ等)の水分を飛ばし本来の旨みを凝縮する。これをポン酢かお好みでオリーブオイル、塩、胡椒で頂く。刺身を使う寿司は温野菜が合う。生姜、お新香、端モノをつつけば野菜は十分取れ、栄耀バランス満点となる。

 

若い人向けにはカルフォルニアロール、アボガド巻き、牛刺、馬刺し握りなどがある。ただ、肉類の刺身は焼き肉店の食中毒事件以来、自粛している。

伝統の刺身がイタメシブームでカルパッチョになり、寿司飯を使ったソースドリアが登場し、お客の変化に合わせて二代目Kさんの創作料理が続々誕生している。お客の評価はかなり高い。

 

6.  究極の決め手はやはり魚!

時流に合わせてメニューの目先を変えても、お客は魚の質に回帰する。。

寿司屋はシャリと魚で勝負するのが本流である。この店の立地は郊外住宅地、庶民の街であるから自ずと単価に限界がある。都心の高級寿司屋の様に高価な食材は仕入れられない。

寿司屋のカンバン商品はマグロ。これを外すと評価が厳しくなる。ベテラン店長の吟味は厳しいが、自信を持って買い付けても、天然魚だから微妙なバラツキがでるという。だから、たまに?の時もある。他店では味わえない絶品の時もあるからマグロを食べるならこの店と決めている。マグロは本当に難しい・・・

鯛、鮃、鰤、カンパチ、鰯、イカ、蛸、穴子、しめ鯖、ウニ、赤貝、タイラガイ・・・旬の魚が並ぶ。特筆すべきは江戸前の流れを継ぐ調理品。タレ付き穴子、煮イカ、茹で蛸、コハダ、鯖などの締めモノ、鯛、鮃、鱸(スズキ)など昆布締め・・・納得の味が揃っている。

鰹食いには米屋に特注して取り寄せた稲藁で燻したタタキ!  いずれも職人の妥協を許さない逸品である。

 

魚は築地で仕入れたブランド品。調理にこだわりがあるとは言え、お金さえ払えば他の店で食べられる。

更に磨きをかけるため、二代目Kさんが探し当てた究極の魚は漁師直送品。新潟県村上市で底引き網漁船の漁師と懇意になり、網にかかった魚の画像を船上からスマートホンで送信してくれる。魚種は海底魚、クロソイ、クロムツ、コチ類、カサゴ、ホウボウ、メバル、アイナメ・・・など、庶民の口には滅多に入らない高級魚だ。これを発泡スチロール箱に入れ帰港したらクール宅配便で送ってくれる。市場も仲卸も経由しない漁場からの一気通貫。早朝網にかかった魚は翌日のネタに間に合う。活魚のいけす輸送を別にすればこれ以上の鮮度、贅沢は無い。締めて1日程度寝かせた方が味が乗る魚もあるから、最高の食べ頃となる。

送られてきた画像を見ながら魚種、形などにより料理を考え、「本日のおすすめ料理」としてメニューを作る。鮮度がいいため基本は刺身だが、魚によっては鍋、煮付け、焼き魚、昆布締め、酢味噌、なめろうなど最適な料理を決める。魚に精通している店長は、皮や肝などの部位を余すところ無く旨味を引き出し、お客を堪能させてくれる。

 

こう書くと随分高いだろうな・・・と思うかも知れない。

しかし、ここは庶民の街、いろいろ工夫してリーズナブル価格に抑えている。寿司は1貫単位で注文でき、料理も1品税込み840円が標準。このランクの店では口に出来ないおいしいお酒と魚が揃い、コストパフォーマンスは良い。ネットで本日のおすすめ料理を掲示しているので呑兵衛や食いしん坊の常連客が通ってくる。

魚は海が荒れると漁が出来ない。網を入れても獲れない事もある。残念ながらいつも旨い魚との出会いがあるとは限らない・・・

(ダイヤ寿司ホームページ)

http://homepage2.nifty.com/daiyazusi/

 

【結論】

ついつい長く書いてしまったが、小規模農家でも自分の持っている経営資源と知恵を生かせば、楽しい農業が出来る可能性はある。政策に大きく左右されやすい大規模農業を羨むことは全くない。自分のオリジナルを磨く事を心掛けたい。

 

 

 

フランス「農と食」(5) 「ドンペリの里」ランスを訪ねて

「ドンペリの里」ランス

フランスの農業を語るにはやはりワインについて書かねばならない。
フランスワイン生産量はイタリアに次いで世界第2位で重要な輸出産業である。しかし、葡萄の栽培や販売面で大きな変化が起きている。主要産地として西北部のボルドー、東部のブルゴーニュなどが知られているが、葡萄は水捌けと日当たりの良い南段斜面で昼夜の寒暖差が大きい場所が適地とされる。ところが、地球の温暖化で南部の地中海方面は高温障害リスクが高まり、適地では無くなってきたとの指摘がある。気象学者の予測では、2050年頃には平均気温が2℃以上上昇するというから、高品質ワインを標榜するフランスにとっては大問題である。一方、販売面では新大陸(オーストラリア、ニュージーランド、南米、北米)で安価で美味しいワインが台頭し、中ランク以下の産地は競合し、厳しい。若者のビール指向でワイン離れが進み、一人当たりの消費量は右肩下がり、この50年で半減している。ダブルパンチを受けて競争力の弱い低品質産地は高品質品種への改稙や減反が進められている。

しかし、フランスはワイン王国!高級品は健在である。中でも「シャンパン」(発泡ワイン)は、フランス独自のブランド(AOC:原産地呼称統制法)で保護されている。イタリアの「スプマンテ」、ドイツの「ゼクト」、スペインの「カヴァ」なども発泡ワインであるが、知名度、ブランド力において到底、世界に及ばない。
最近、日本でも美味しいシャンパンが店頭に並ぶようになったがワインと比べれば相当高価である。以前は高嶺の花。庶民の結婚式などで乾杯に使われたシャンパンはお世辞にも美味しいとは言えず・・・今、思えば全く別物、「シャンパンもどき」だった可能性が高い。本物のシャンパンは確かに美味しい。

ドン・ペリーニヨン

高級シャンパンが注目され始めたのはバブル絶頂期。銀座のクラブや高級レストランで成金紳士や芸能人が1本20万、30万、いや尾ひれが付いて50万とかいう「ドンペリ」(ドン・ペリーニヨン)が登場してからだ。殆どの日本人は「ドンペリ」???であった。今でこそテレビなどマスコミに登場する機会が多いから庶民にも知られるようになった。しかし、実際に口にした人は極少数だろう。特別なプレミアムが付は別にして、赤ワインは「ロマネコンティー」、シャンパンは「ドンペリ」が最高級品と称されている。
価格はピンキリだが地元ランスで€126、ミュンヘンで€138、パリで€170の値札が付いていた。

【ランス】

ランス・ノートルダム大聖堂

「ドンペリ」の里はフランス北東部シャンパーニュの中心地、ランスにある。話しのタネに世界的な銘酒を育んでいる現場を訪ねなければなるまい。
ランスは歴史的にも重要な街で、有名な「ランス・ノートルダム大聖堂」や、フランスで活躍した著名な日本人画家、藤田嗣治画伯の眠る協会(礼拝堂)がある。パリからシャンパン街道と呼ばれている高速道路で2時間弱、鉄道で45分程度で行ける。シャンパン富豪達の邸宅や三つ星レストラン、五つ星ホテルなどもあり、如何にもリッチな雰囲気が漂う。
大聖堂広場前にはシャンパン専門店があり、ビンテージ2002年の銘柄が並んでいた。蘊蓄を語られたら、好き者は財布が空になる。

シャンパン博物館

【シャンパン博物館】

1743年に創業したモエ・エ・シャンドン社が経営するシャンパン博物館。ここでシャンパンの由来や製造、発酵、熟成などの講釈が聞ける。1500エーカー(600㌶)もの葡萄畑を所有し、毎年200万ケース以上のシャンパンを出荷している。

発酵タンク

【発酵タンク】

玄関を入ると巨大な発酵タンク(展示用)が目に飛び込む。
収穫された葡萄は搾られてタンクで一次発酵させ、シロップ(砂糖)、炭酸ガスなどと共に瓶に詰められ二次発酵させる。
普通のシャンパンは色々な年の原料が混ぜられるが「ドンペリ」はビンテージ年ワインに限定して作られる。

熟成地下室

【熟成地下室】

エレベーターで40~50m降りると、連結型電気自動車が待っていて、貯蔵庫を案内してくれた。ここは石灰岩の岩盤を格子状に洞窟が掘られ、年間を通じて室温と湿度が一定に保たれている。ここで7~8年間じっくり眠りにつく。

葡萄畑

【葡萄畑】

シャンパンは白葡萄シャルドネ種、黒葡萄ピノ・ノワール種など8品種をブレンドして作る。

この会社では1500エーカー(600㌶)の葡萄畑を持つ。

円熟の香りと味は円熟した樹から・・・

【円熟の香りと味は円熟した樹から・・・】

ワイン用葡萄は樹が若くては良い味や香りが出ないとされる。一般的に石灰岩土壌、ミネラル分が豊富で肥沃でない土壌が適する。品種にもよるが本来の特徴は数十年生にならないと出ないと言われている。
この株は何十年生か解らないが世界最高級品を作る樹にふさわしい。貫禄がある。

キュヴェベルエポック

【キュヴェベルエポック】

シャンパンは「ドンペリ」が一番美味しいかどうかは、色々飲んでいる訳ではないから解らない。左の画像は1811年に創立されたペリエルジェ社の2002年ヴィンテージである。アネモネをモチーフとしたデザインで中身もボトルも芸術的な逸品である。このヴィンテージ年の様子を同梱冊子から引用させて頂く。人間の技よりも、自然の技であることを記している

2002年、それはコントラストのある豊かな年
「シャンパーニュ造りにおいては、その気候条件が大いに影響しています。2002年もその例に漏れてはいません。温暖な春から割合に湿度の高かった8月にかけて、この年もブドウの生育に必要なものが自然環境から与えられます。さらに9月は乾燥し、日中は太陽が照り、また、夜温は冷え込みがありました。つまりこのコントラストが、素晴らしいブドウができるために理想的な方程式なのです」

藤田嗣治画伯のフジタ礼拝堂

【藤田嗣治画伯のフジタ礼拝堂】

ランスに行ったら立ち寄りたいのがレオナール・フジタの礼拝堂である。藤田嗣治は1886年生まれ、パリで活躍した著名な画家。フランスに帰化し、本人の遺志により、このランス礼拝堂に埋葬されている。

五つ星ホテル

【五つ星ホテル】

シャンパン富豪が沢山住むこの街は「ドンペリ」を飲むにふさわしい三つ星レストランや高級ホテルがある。
ここは五つ星を持つホテル。宿泊するだけで最低€800(ツイン1室)は覚悟しなくてはいけない。夕食、朝食を含めたら€1200以上(約15万円)は飛ぶ。
我々にはガーデンカフェで喉を潤すのが精一杯の贅沢だ。
友人の口利きで、特別にレストランやバー、ゲストルームを見せて頂いた。仮に宿泊するチャンスがあっても私には落ち着いて時を過ごせそうにない・・・

フランス「農と食」(3) パリ東部穀倉地帯を訪ねて

パリ東部穀倉地帯

フランスに行っても個人農家を訪ねる機会はなかなか無い。(2)で書いた日本人農家Yさんは当時パリに住んでいた知人に紹介して頂いたが、典型的なフランス人農家にお会いしてみたいと考えていた。その土地に生まれ、育ち、そして農業を続けている土着農家にである。
「どんな環境」?「どんな考え」?「どんな農業」?「どんな生活」?・・・直接会って聞いてみたい。この思いを1月に訪仏した折り、案内して頂いた留学生H/A子さんに伝えておいた。
3月上旬、A子さんから「知り合いの村長さんのお宅で『どぶろく』を造る事になったので一緒に行きましょう!村長は170㌶の農地を持ち、小麦などを作っているから、いろいろお話しが聞けると思います」。願ったり叶ったり!チャンス到来である。
5月1日(日)、車でパリを出発、広大な農地が広がるシャンパン街道を東進、昼前に村長宅に着いた。

パリ東部穀倉地帯麦畑1 パリ東部穀倉地帯2

【大型農業】

回りは殆ど麦畑(画像上)・・・所々に菜種畑(画像左)と土が露出した圃場が見える。畝が作ってあるからホワイトアスパラ?かも知れない。
村長宅はここで代々農業を営んでいる名門。村の発展と環境問題に特別関心が深い。
作物は殆ど麦、トウモロコシ、菜種で170㌶経営している。政策的に保護されているので、生活は皆さん豊かだ。しかし、村長は「このままではいけない」と考えている。何故ならば、現状はもう機械化も収量増も限界に近い。メインの小麦は品質向上で収入増が期待できるか尋ねたら、品質価格差は余りない。天候により左右されるので難しいと答えた。収量平均は1㌶7㌧で北海道平均よりは多い。パリ近郊の地力のある土地では9~10㌧取れる所もあるという。これ以上収量を追究すると、残留硝酸窒素や病害虫多発による農薬汚染など環境リスクが高まる。遺伝子組み換え品種導入を別にすれば、現状の収量で、環境負荷は限界に近いだろう。
フランスの大型農業の将来については1月に訪ねたF教授のインタビューで指摘されておられたように、穀物農業は新興国との競争が厳しくなる。私の推測であるが、村長は村の将来像を描きつつ、大型農業一本槍から複数の道を模索し始めた様に見えた。冗談とも本気とも聞こえたが、日本から珍しい野菜のタネを持ってきて、自分の土地で作ってみないかと度々話していた。売る方はパリに知り合いのシェフが沢山いるから心配ないと・・・
流石、村長!チャレンジ精神旺盛である。当方も興味ある話である。

自家製マスタード

【マスタード】

今、取り組んでいるのは自家製「マスタード」の製造、販売だ。2週間に1回、2.000個作って販売している。こだわりを聞いたらビネガー(酢)にあるという。自家栽培のからしの実と、村で採取した蜂蜜を発酵させて作ったビネガーを和える。奥行きのある味で、日本で販売されているマスタード(西洋からし)とは異なる。パリには老舗のマスタード専門店があり、フランス料理には重要な香辛料である。肉料理にお洒落なスプーンやミニカップに添えられて出る。

住宅

【住宅】

壁面にはツタが這わされ、風格のある佇まい。

旧自宅ダイニング1

【旧自宅ダイニング】

フランス人は古いモノに価値を見出し、大切に保存している。村長は古い建物や景観の保存運動に、熱心に取り組んでいる。
フランス人好みの濃いローズ色の壁面は良き時代の雰囲気を漂わせる。
先代達はここでシャンパンやワインを飲みながら、充実した時間を過ごしたのだろう・・・

旧自宅ダイニング2

緯度の高いパリ周辺は冬が長く、底冷えして寒さが厳しい。
大きな薪暖炉が設えられている。

旧自宅ダイニング3

年代物の絵やグラスが並ぶ。

村長

【ビールバー】

村長は若い頃から大のビール党らしい。ヨーロッパ中から名品を買い集め、近所の人達を相手にこのカウンターでビールバーを開いていた。
「こんな風にね・・・」とボーズ。

どぶろく1

【どぶろく】

A子さんの提案で村長とフランス産「どぶろく」を仕込んだ。勿論、フランスには米麹は無いから、島根県出雲の酒蔵から取り寄せて送った。気温が上がると美味しい「どぶろく」が造れないので室温の安定した地下室で仕込みした。
瓶は運良く、地下室で見つけたと言う。昔、豚の塩漬けに使っていた瓶らしい。

どぶろく2

予想以上に香り豊かで切れ味の良い「どぶろく」に仕上がった。
村長は3日位前が飲み頃だったかも・・・と言っていたが、充分に満足できる出来映えであった。

キッチン

【キッチン】

招かれた友人達が思い思いに食材を持ち寄ってパーティーの準備が始まった。男性達も参加して、お喋りを楽しみながら料理を作っていた。

料理

【料理】

今が旬のホワイトアスパラ、魚介類を使ったあっさりイタリアン系?料理、サラダなど・・・塩味が少しきついが、ハーブやスパイスの使い方は流石センスがいい!

ガーデンテラス

【ガーデンテラス】

お洒落で別荘の雰囲気!

ランチパーティー

【ランチパーティー】

いよいよランチパーティーが始まった。先ず、型通りシャンパンが抜かれ『乾杯!』。すぐ隣がシャンパンの産地、シャンパーニュで兎に角美味しい。
絶好の天気、楽しい雰囲気も加わってあっと言う間にボトルが空く・・・シャンパン、白、赤と続いて、宴たけなわ。
残念ながら私はフランス語が解らないが、皆さん相当なお喋り好きだ。
柔道愛好家Jさんは「フランス人はみんなお腹が出ているが、僕はこんなにスマートだ!」とシャツ脱いで肉体美を自慢していた。皆さん、気さくで愉快な人達だ。

フランスチーズ

【チーズ】

フランスは食事が終盤に近づくとチーズが用意される。
この日もチーズの仕事をしているというMさんが十数種類のチーズを持ってきた。大変美味しいが、満腹に近く、あまり食べ慣れていないので彼らの様に沢山は食べられない。ナイフで適当な大きさに切って、ワインを楽しむのが流儀だ。
チーズの種類によってワインの味わいが微妙に変わる。

フランス人の子ども

【躾け】

奥さんやお子さん達も一緒に来たが、別のテーブルで食事をしていた。フランス人は躾けが厳しく、子供達が電車内や食事中に大声を出したり、走ったりすると直ぐ注意される。何処に行っても静かでマナーがいい。
レディーファーストは当然徹底しているが、ついつい日本流の地がでてしまい、恥ずかしい思いをする。
子供は色白でお洒落。お人形さんのように可愛い。

【コメント】

短い時間ではあったが、フランス農家の生活の一端を知ることが出来た。日本の農村と比べれば、他人の事は余り気にせず、マイペース派が多い。都会人と比べ実直で素朴なことは日本人と変わらない。ゴルフ場は沢山あるが、パチンコ屋や温泉施設など庶民の娯楽施設は見かけない。フランス人の娯楽は映画で、映画のTV番組は早朝から深夜まで非常に多い。高速道路、鉄道など交通インフラはよく整備されている。買い物、旅行などは何処にでも気軽に行けるが、自宅で気の合う仲間が集まって気ままに料理を作り飲むのが日常の楽しみ方なのだろう。昔の日本もこういう風景が見られた。今は便利になりすぎて居酒屋や焼き肉チェーンなどがあちこちに出来、「自宅で・・・」と言うのは敬遠される。高齢化や個人主義の高まりで農家の集まりが減っているが、お互いにもう少しコミュニケーションの機会を作り、刺激し合って意欲を高めたい。

フランス「農と食」(1) パリのマルシェ

フランスの「農と食」については日本にも参考になることが多いので度々紹介している。仕事の都合で、訪ねる時期がいつも正月明けだが、今年もTPP問題を絡めて関係者に取材し、ブログに書いた。しかし、肝心の圃場は、この時期は地中海沿岸を除いて荒涼とした冬景色で、現場の様子は見ることが出来ない。店頭の野菜は馬鈴薯や玉葱、人参など貯蔵品、地中海、アドリア海方面からの輸送品が多い。今回は、作物が生育し始めた5月の連休を挟んで、パリを起点に各地を訪ねた。

早朝、シャルルドゴール空港に到着、そのまま市内の友人宅に向かい、朝食を作って食べることにした。
先ずは買い物である。パリは朝早くからマルシェ(朝市)が開かれ、数々の食材や惣菜が並び、食べモノには不自由しない。勿論、カフェに入れば日本で言う「モーニングセット」がある。クロワッサンとトースト、オレンジジュース、紅茶か珈琲が付いて12.5ユーロ位(チップ込み1.500円)で高い。ホテルの朝食は18~20ユーロは覚悟しなければならない。紅茶は何処の店もティーパックでイマイチ。珈琲は美味しく、オレンジジュースはフレッシュ、搾りたてが多い。クロワッサンは当然美味しく、トースト付け合わせのバターやジャム(小瓶入り)も手抜きはない。

屋内マルシェ

【屋内マルシェ】

パリ市庁舎近くに大きな建物の中に入っている常設マルシェがある。付近は高級住宅街で、売られている商品レベルは高い。屋外広場にはテント張りの店も出ている。
EUは環境問題に真剣に取り組んでいるからご覧のように照明は日本と比べて薄暗い。

露天マルシェ

【露天マルシェ】

決められた曜日に歩道の両側で開かれるマルシェ。
この日は日曜日で、500m以上続く店は買い物客でごった返していた。アフリカ、中東、東欧、北欧・・・多様な文化圏の人達が暮らし、見慣れない珍しい食材も並んでいる。

低所得層向けの衣類や日用品

食料品の他、低所得層向けの衣類や日用品も並ぶ。
世界のブランド店が連なる中心街との落差が、この国の格差社会を伝えている。

青果店

【青果店】

屋内マルシェ内には青果店が花屋を含めて10店くらい営業している。日常食べる野菜は、殆ど揃う。

生野菜

生野菜はイタリアンというイメージが強いが、フランスでも健康指向で、サラダ野菜を沢山食べる様になった。春野菜のシーズンで品名はフランス語で解らないが、葉菜類が多種類並んでいる。販売は1株単位だ。
オリーブオイルをベースに塩、胡椒、チーズ、ハーブなどを使ってオリジナルのドレッシングを作って食べる。
調味料はそれぞれ種類が多く、作る人の腕が問われる。

葉菜類1 葉菜類2 葉菜類3 葉菜類4 葉菜類5 葉菜類6

名称は思い出せないが非常に美味しい。
店のマダムに聞いたら自家農園で栽培しているという。農園を見せて頂く時間が無かったので、栽培法を尋ねたら「砂栽培」でオリジナルの肥料で育てていると言う。
砂に含まれるミネラル分とアミノ酸肥料が独特の食味を実現している様だ。

レッドラディッシュ

赤カブ(レッドラディッシュ)は料理の彩りによく使われる。甘味があって美味しい。色も美しい。

サラダ玉葱

最近の売れ筋商品「サラダ玉葱」
機能性成分が豊富で、生で簡単に食べられ、美味しいのが人気らしい。辛みは少ない。
日本には大玉はあるが小玉は?

チコリ

チコリは欠かせないサラダ野菜。サンドイッチや煮込みなどにも使われる。ベルギー産が有名。

トマト1

トマトは生食でも食べるが、加熱調理が主流。
中玉、ミニ系が多く、日本の様に見栄えは良くない。
そのまま食べると糖度の高いトマトを食べ慣れた日本人には?・・・加熱調理すると美味しい。

トマト2

房取りトマトも多い。

トマト3 トマト4

色々な品種が売られている。

ピーマン

ピーマンもバラ売り。

ブラウンマッシュルーム ホワイトマッシュルーム

マッシュルームなどキノコ類はフレンチでよく使われている食材。ブラウン(左)とホワイト(左下)の2種類があり、日本で売られているモノより大きい。

ホワイトアスパラ

ホワイトアスパラはフランス人が好んで食べる食材で今が旬。
日本の物より太くて立派なだが、表皮は紫外線に当たって少し紫色(アントシアニン)が出ている。消費者は日本人のように外観にはあまりこだわらない。こちらではアスパラガスと言えばホワイト。
計り売りで、日本の様に束ねて売っている店は少ない。。

グリーンアスパラガス

グリーンアスパラガスも軸太で短い。

サヤインゲン

サヤインゲンは料理の付け合わせによく使う。

グリーンピース

グリーンピースは5月が旬で、色々な料理に使われる。
ここでは日本の様に?いた物は見当たらない。

長ネギ?

長ネギ?

ローズマリーなどハーブ類

ローズマリーなどハーブ類はよく使われている。フレッシュ、乾燥、粉末にした物など種類が非常に多く、専門店がある。オーブン焼き、煮込み、ハーブティーなど用途は広い。

ニンニク

ニンニクは地域により多少種類が異なるが、重要な香味野菜。

じゃがいも
エシャロット

エシャロット

人参

ヨーロッパで作られている人参は殆どこのナンテス型で小型。
千切りしてサラダや湯通しして食べるが、甘みがあって食味は良い。

果実店

【果実店】

1個か計り売り。
今の時期は収穫の秋でを迎えた南アフリカ産が多い。
マンゴはとても美味しく、デザートとして良く食べられている。

果実類は最もグローバル化が進んでいる農産物で、嗜好の差はあるが、先進国は何処も同じ様な種類が並んでいる。
主要な果実は大量生産した工業製品と同じで世界を駆け巡る。

果実1 果実2 果実4 果実5 果実6 果実7 果実8 果実9
イチゴ

イチゴは糖度と酸味バランスが良く、美味しい。
デザートによく使われる人気果実。

オリーブの果実

オリーブの果実(塩、酢漬け)はフランス料理に欠かせない。

花屋

【花屋】

商品が未入荷で撮影できないため、マダムの笑顔で・・・
マルシェの人達はみなさん愛想が良く、仲良しだ。

肉店1 肉店2

【肉店】

豚、鶏、牛、羊などがある。生肉よりもサラミ、ソーセージ、生ハム、コンビーフなどの加工品が多い。
日本ではコンビーフと言えば缶詰だが、ここでは自家製のコンビーフ。試食させてくれたが実に美味しい!
自慢の商品らしい・・・

チーズ店1 チーズ店2

【チーズ店】

美味しいワインに美味しいチーズは最高!
フランス人からチーズを取り上げたら生活できない?
牛乳、山羊、水牛乳など各産地から集まった100種類位のチーズが並ぶ。

パン店1 パン店2 パン店3

【パン店】

フランスパン、ドライフルーツやチーズパン、クロワッサン、パイ、タルトなど流石にパン文化の国だ。

10数年前からフランス、イタリア、スペイン、ドイツ、オーストリアなどEU各都市のマルシェ(朝市)を訪ねてきた。イタリアやスペインなどの地方都市はともかく、主要都市で売られ日常的に食べられている農産物はグローバル化、共通化が進んでいる。日本でも既に海外の農産物がブランド品を含めて多数上陸し、手軽に買える。日本ほど多様な食文化を持つ国は世界でも珍しいかも知れない。
今回は市民が気軽に日常の買い物をするマルシェを訪ねたが、パリには高級スーパーが沢山あり、また「ベルサイユ宮殿」近くにある旧貴族が暮らす街には、格別高級な食材が揃う市場があり、この記事は以前に少し書いた。
次回はこの格別高級な食材を作り、売る店を訪ねてみたい。

中国河南省「農業と食」見聞録(5) 豊かな食文化

中国人はどの地域に行ってもよく飲み、よく食べ、食事を大切にしている。
一口に中華料理と言っても、地域により独自の料理がある。分類の仕方は色々あるが。日本では、西は四川、北は北京、東は上海、南は広東料理と分類するのが解りやすい。河南省は歴史上、都が置かれた都市が多い。中でも鄭州は東西南北に通じる交通の要衝であった。四川、北京、山東、上海(浙江省)など周辺地域からの往来が盛んで、多様な食文化が融合して、独自の河南料理が生まれた。

河南料理

【魚料理】

内陸のため、魚は地元産(黄河水系)川魚が多く新鮮。丸ごと油で揚げた料理はご馳走品。頭部を招待客に向けて出し、みんなで小皿に取って食べる。魚の名前は馴染みが無いので覚えていないが、蛙料理もあった。ウナギ料理は好んで食べられている。

 

【肉料理】

豚肉が多く、羊、山羊、鳩、鶏、最近は高価な牛肉も比較的気軽に食べられている。冷凍品が少ないので臭みがなく、おいしい。
夕食会に招待して頂いたR社長の兄上が、洛陽最高の山羊肉を買って来てくれた。沖縄の山羊汁を想像して「やばい!」と思ったが、全く臭みがなく、非常に美味しく、あっと言う間にテーブルから消えた。。山羊は種類が多いらしく、新疆ウイグル自治区の草原にいる羊に近い種類だと言う。
世界遺産「少林寺」のある街に山羊鍋に麺を入れて食べる名物料理がある。恐る恐る食べ始めたが、美味しくて軽く食べ切った。肉や具野菜が新鮮で、麺も美味しい。スープにコクがあり、辛かったが山羊の臭みは全く感じられない。

【大豆料理】

何処に行っても出てくるのが大豆料理。湯葉料理は種類が多く、河南料理の代表的なメニュー。日本の湯葉より少しキメが荒い感じがするが、豆の品質が良いのでどこで食べてもハズレは無い。湯葉巻や揚げ物が多い。
豆腐は麻婆豆腐をはじめ、料理の種類が多い。豆腐自体が固く、内容が濃くて美味しい。

【野菜料理】

野菜料理は豊富にある。葉菜類は青梗菜をはじめ、香菜、ほうれん草など各種青菜類、ニラ、白菜、レタス、もやし、長ネギ・・・種類が多い。果菜類は胡瓜、トマト、茄子、ピーマン、パプリカ、南瓜・・・日本とあまり変わらない。今は鹿児島周辺でしか食べられない「ヘチマ料理」は目を引く。加熱調理が中心の中国だが、生野菜も随分、食べられるようになってきた。日系企業のコンビニやレストランチェーン、居酒屋などの進出、訪日観光客の増加などが、中国食文化のグローバル化を後押ししている様だ。

【主食】

米と小麦だが、トウモロコシや雑穀も併用して食べている。米は白飯より炒飯や粥で食べるが、何処で食べても美味しい。ホテルの朝食は数種類以上の粥が用意されており、稗や粟など雑穀を混ぜて炊いた粥が美味しい。雑穀は量販店でも多種類売られており、健康維持に好んで食べられている。同じホテルに7泊し、朝食に雑穀粥を食べていたが、髪の毛に艶が出て、少し黒くなってきた。帰国後、家人が気付き、鏡を見てビックリした。通訳のCさんにどの様な食材が使われていたのかホテルに問い合わせてもらった。特別な材料は使っていないという回答であったが、毎日食べていた河南料理自体に血行をよくする薬膳的な食材が使われていたのかも知れない。
中国では髪の毛は「血余」と呼び、全身を巡って最後に余った血液が髪の毛に使われると考えられている。育毛剤でも効果が出てくるのは少なくとも3週間くらいかかると思うが、僅か1週間で目に見える効果があったのは注目に値する。
日本でも「長命食」など雑穀類や昆布を組み合わせた健康維持食品が売られている。「長命食」については自分で実験したが、黒髪効果は素晴らしい。

【味付け】

薬膳的な調味食材を用い、多くの料理は画像の様に茶褐色系が多く、日本の中華料理のイメージとは異なる。説明不能だが河南料理独特の風味がある。唐辛子を多用した辛い料理も多いが、北京料理のように油っぽさはない。中華料理と言っても馴染みの薄い味付けだが、私には違和感はなかった。

【酒】

中国の宴席は「乾杯」の繰り返しで、アルコールに弱い日本人が閉口したという話しは多い。実際に中国人は底抜けの酒好きである。最初から「酒は医者から止められている・・・」とはっきり宣言しないと大変なことになる。しかし、ここは中国。遠来の客は「友人」として盛大にもてなすことが伝統。多少無理をしても、これに応えないわけにはいかない。
河南省で飲まれている酒は、主に「白酒」でアルコール分は40度を超す。これをグラスに注いで「乾杯」して飲み干すのが礼儀。現在は半分くらい残しても良いルールになったと言うがそれにしても度々の乾杯は恐ろしい。スタートはビールで誤魔化していたが、段々盛り上がってくると相手に合わせて勝負に出なければ本当の友人になれない?・・・。白酒よりアルコール分の低い「紹興酒」(18度位)で勘弁してもらおうと聞いたら、ここではあまり飲まれていないらしく用意が無いという。しかし、いつの間にか瓶入りの紹興酒がどっさり用意され、30cmもある大きなドンブリ鉢に、ぬる燗を付けてテーブルに置かれた。酒飲みゲームの始まりである。
先ず、勝負する二人がグラスに並々酒を注ぎ、互いに見せ合う。「中国式ジャンケン」(出すと同時に二人の合計数を言い、当てた方が勝ち)があちこちで始まった。本来は負けた方はグラスを飲み干さねばなければならないが今夜は半分ルール。
途中で日本ではどんな遊びがあるのかと聞かれ、高知の「はしけん」を紹介した。後半は日本ルールで大いに盛り上がった。小生は15回戦までと区切って遊んだが、10勝5敗で切り抜けた。
日本もバブル景気華やかな頃、「○○盛り」や「△△△酒」など今思えばえげつないお座敷遊びが流行った。中国にも伝搬したらしいが、間もなく当局に禁止されたという。兎に角、中国人のエネルギーが盛り場にも溢れている。

巨大レストラン

【巨大レストラン】

宴会好きの中国には、会議や結婚式で大勢の招待客に対応できる巨大なレストランがある。
この庭園レストランは、鉄パイプ構造、太陽光線の通る屋根で覆われ、建物内で植物が育つ環境に設計されている。
建物全体が巨大な植物園と言って良い。

巨大レストラン広い通路

内部は広い通路を挟んで、すべて観葉植物で仕切られた個室になっている。

巨大レストラン個室

個室のテーブルには花が飾られ、専用トイレが付いている。他室の客と顔を合わすことなく、ゆっくり食事が楽しめる。部屋数はざっと100室位はある。

巨大レストラン厨房と客室を結ぶ廊下

厨房は客室から50m位離れた巨大専用棟が2棟ある。画像は厨房と客室を結ぶ廊下でここを通って客室に運ばれる。

巨大レストラン,スケート靴を履いたスタッフ

厨房で作られた料理は、冷めないよう直ちに配膳車に載せられ、スケート靴を履いたスタッフによって、フルスピードで客室に運ばれる。
「サービス」が劣る」と言われていた中国だが、すでにここまで進化している。
但し、このサービスは日本人には馴染まないエンターテイメント=米国流だと思うが・・・

中国茶館

【中国茶館】

中国には珈琲はあるが日本人のように日常的には飲まない。伝統的にお茶文化で、お喋りしたり、静かに一服する場所として中国茶館がある。
個室が主流で、料金は高いがゆっくり静けさと中国茶が楽しめる。

中国茶館専任スタッフ

中国国内、台湾の厳選された銘茶が揃っていて、専任スタッフが伝統作法に則って、入れてくれる。
お腹が空いたら別階で、軽い河南料理が楽しめる。こういう場所でのんびり時を過ごすのも悪くはない・・・
古都にはよき文化を楽しむ場所がある。

【イタリアンレストラン】

本場の味と言うよりも中国人の味覚に合うようにアレンジしてある。中国人は食にこだわるので、チャイナ風イタリアンも結構いける。

【量販店】

都市開発が進んで庶民の買い物市場が閉鎖され、日常の買い物は量販店に移っている。店内は撮影禁止だから画像は無い。
住宅街近くにある台湾資本の量販店を覗いて見た。ハンバーガーなどファーストフード店がテナントに入っているのは日本と変わらない。売り場の規模と商品の種類、量の豊富さは、様変わりしている。バラ売りが多く、高級品から低価格品まで幅広い品揃えをしている。遠くの産地から運ばれてくる野菜も多く、日本と同様に旬が薄れてきた。価格は十年前と比べて随分高くなってきた。じわじわインフレが進行していることが窺える。
中国人がよく通う足マッサージも、80元=1.200円になり、10年で2倍近くになっている。

中国河南省「農業と食」見聞録(4)  活気ある農関連業界

農業資材展示会1

【展示会】

農業が上昇トレンドを続ける中、それを支える資材業界も活気がある。日本も成長期には、各地で農業資材や農機具展示会が盛んに開かれていたが、近頃は、めっきり数が減った。
たまたま、鄭州市内で定期的に開かれている肥料展示会があるというので出掛けてみた。
広大なイベント会場には屋内、野外を含めて数百社のブースがあり、見学者で大変な賑わいであった。
ざっと見た所、化成複合か発酵鶏糞入り有機化成が多い。日本企業と製造や販売提携している会社もあり、売り込みは熱を帯びていた。

農業資材展示会2

会場では爆竹が鳴らされ、ブラスバンドが派手にドンチャン、ドンチャン。次から次へと民族衣装をまとったモデルさん達が登場し、各社のプラカードを持って練り歩いていた。
中国は派手なイベント大好き民族。展示会=お祭といった雰囲気で、「国の勢い」を象徴していた。

農業資材街

【農業資材街】

郊外には大通りを挟んで農業資材専門店が立ち並ぶ地区がある。ここに来れば農業に必要な資材や情報が手に入る。
日本は殆ど総合店化しているが、ここは肥料、農薬(葉面散布材を含む)、種苗、ハウス資材等専門店化している。

肥料店

【肥料店】

複合肥料を中心に多種類の肥料が積まれている。売れ筋は化成複合肥料(15-15-15)。
単肥は尿素、硫安、硝安、過石、硫酸加里など日本でもお馴染みの肥料が売られている。参考に尿素の店頭販売価格を聞いたが、50kg入りで1.500円(30円/kg)

有機20%の有機化成肥料

ハウス用では有機20%の有機化成(15-15-10)が売れ筋という。
店頭価格は40kg入り約1.800円(45円/kg)
日本基準で考えると上記保証成分で有機質20%は難しい。有機表示基準が異なると思うので内容について聞いてみたが明確な回答は得られなかった。農民は今の所、このクラスで満足しているのだろう。

農薬店

【農薬店】

農薬、潅水、葉面散布材など固形肥料以外の資材を販売している。
葉面散布材の種類は多く、次から次へと新製品が登場、商品寿命は短いようだ。
農民は目に見える効果が確認出来れば使い続けるが、良く解らない場合はクレームが付く場合があると言う。効果が出るかどうかは色々な条件が絡むので気軽に奨められないという。
義理人情社会だから、クレームが付けば将来の取引を考えて、説明に納得が得られない時は返品、返金に応じるのが商習慣という。
一般農民は基本的な土作りよりも、楽でコストの安い「魔法?の葉面散布剤」を求めているのは日本とあまり変わらない。

葉面散布材

画像は葉面散布材の売れ筋商品。
国内、海外を問わず、この分野への参入はにぎやかだ。目を引いたのはEU(特にドイツ)製品。合弁企業が現地の状況に合わせてきめ細かく対応している。
ハウス栽培では殆どが背負い式の手動噴霧器で、15㍑タンクに対応した原液を小分け包装している。いわゆる「バカチョン式」で濃度など計算しなくても誰でも散布できる。

種苗店

【種苗店】

この店は家族経営で、昔の日本の種屋さんと同じ雰囲気。タネ以外の商品は置いていない。
信用第一の商売にふさわしい、いかにも人柄の良さそうなご夫婦が、丁寧に対応してくれた。

種苗店胡瓜

この店の売れ筋商品は胡瓜とサヤインゲン。
大産地で、播種シーズンになると莫大な数量が動くという。

中国河南省「農業と食」見聞録(3) 大規模化進むハウス園芸

河南省農業局の話しでは現在36万棟、0.2㌶平均で7.6万㌶(メロン、スイカを除く)の農業用ハウスがある。主に胡瓜、トマト類、ピーマン、青梗菜、イチゴ、花卉などが作られている。当地のハウスは10㌃あたり平均625.000円の設備費がかかる。国の支援策が手厚いため、急速に増えた。
沿海部の都市化によって農地が失われ、それを補う目的と、穀物中心の低所得農業から高付加価値農業への転換を目指して、ハウス栽培が盛んになった。バラバラに多種類の作物を作らず、日本の指定産地事業の様に特定品目大産地政策が進んでいる。
この地域は大規模な農業会社が多数立ち上がり、大きな変化を遂げている。その早さは、日本と比較すれ在来線と新幹線ほどの違いがある。農業会社を5社訪ねたが、いずれも周囲が麦畑で、従来の穀物農業からの転換であることが窺える。

ハウス

ハウスは単棟、連棟各種有る。標準的な面積は単棟1ムー(0.66反)で、何十棟も立ち並ぶ姿は壮観である。ハウス所有面積は1社あたり1.5~2.0㌶という。
育苗ハウスを除いて殆ど無加温。春先は夜間の冷え込みが厳しいので、保温対策は随所に工夫が見られる。
気温が下がる前に稻藁で編んだコモで屋根を覆い保温、朝方巻き上げる。大変手間がかかるので、最近は簡易巻き上げ機が普及し始めた。
コモの保温効果は大きく、3℃も違いがでると言う。
耐用年数は2年くらいで、使用後は堆肥になる。プラスチック保温シートもあるが、価格が高いのであまり普及していない。

ブロックや煉瓦、土壁

ハウスの北側は保温と畜熱のため、ブロックや煉瓦、土壁で作られ更に外側は分厚く土盛りしてある。
天井部と南面だけがビニールフィルムで覆われており、入り口も煉瓦やブロック壁で作られ、熱が逃げないように狭いトンネルから出入りする。保温には万全を期している。
この方式は河南省が発祥地だと言うが、山東省や浙江省など沿海部で早く普及してしまったと農業局F氏は苦笑していた。
広大な農地と豊かな労働力がある中国だから可能な省エネル策だが、これを見る度に日本ももっと省エネの工夫をすべきと思う。

物置兼作業小屋

各棟の出入り口毎に物置兼作業小屋が付いていて、昼食や休憩場所など多目的に使われている。日本とは異なり、住宅と遠く離れた場所に建てられているからだ。

竹製の補強材

鉄材が高価なためパイプは細く肉薄。強度を補うため内部は竹製の補強材で組み上げられている。
現状はまだ鉄材よりも竹や手間賃の方が安い。

ハウス天井

天井は竹竿などで解放でき、十分な換気が可能である。
必要に応じて圃場に太陽光線や雨水が当てられるのは好都合。

井戸

潅水はハウス脇に掘った井戸から汲み上げる。
この会社は人手があるのですべて手作業の様だ。

農場責任者Aさん

【農場責任者Aさんの話】

2月定植で6月頃まで胡瓜を作り、抑制トマトに植え替える。連作を避けるため、このパターンは維持している。胡瓜は天津胡瓜で、非常においしい。
中国で言う「無公害野菜」つまり日本の特別栽培に似た取り組みをしている。肥料は鶏糞堆肥と化成肥料の組み合わせ。農薬は殆ど使わない。
通常、反当換算で鶏糞堆肥20~30㎡、N-P-K化成成分量で10kg程度を元肥として使う。鶏糞堆肥は1㎡300円程度で手に入る。追肥は通期で20回位、葉面散布を行う。
収量は時期により異なるが、無加温のこのハウス(約50㌃)で2日に1回収穫で2000~2500kg/回程度という(反当換算400~500kg)
何処で聞いても病害虫は少ないという。日照量が多く、空気が乾燥している、連作を避け、施肥量が少ない、人手があるので日常的に病害虫予防目的の葉面散布(種類は多い)を行っているなどが理由として考えられる。

出荷時間

出荷時間になると農民達が軽トラックや荷車付きバイクに積んで集まってくる。
立派な出荷場が整備されている会社もあるが、この会社は露天で行っていた。降雨が少ないので、問題はない様だ。

段ボール箱が高価

段ボール箱が高価なので、日本の様に包装にコストをかけない。荒選してポリ袋に入れ、段ボール箱に満杯詰めし、ポリバンドで縛ってトラックに乗せ出荷する。
この会社はマカオの業者と契約しているようだ。季節により多少価格は変動するが、経営が成り立つ価格で取引されている。
余分なコストをかけない点は徹底している。

ハウスの一角に計量機

ハウスの一角に計量機があり、担当者が伝票を切っていた。日本の出荷組合のような雰囲気であるが、設備は質素である。
ここで日々の技術相談、情報交換が行われる。

トマト

【トマト】

トマトは中国でも人気が高く、消費が多い。大玉、ミニトマトが多く、ミニトマトはデザートとしても使われている。イタリア系の品種が多く、果肉は固い。一般的に日本の様に糖度は高くない。

■ハウス2.0㌶を経営しているH社長の話
①病害虫は・・・
胡瓜は気温の低い春~初夏に作るので、特別問題は無い。トマトはウィルス(黄化葉巻病)が発生して困っている。昨年は半分くらいが感染して、収量が激減した。ネットや捕虫テープで対応しているが効果は薄いね。これから収穫シーズンに入るが、心配だね・・・
②土壌病は・・・
今の所、心配ない。

③経営上の問題点は・・・
規模を拡大したら、以前のように儲からないね・・・(笑い)
販売価格は契約で安定しているが、資材費や人件費が上がっている。特に深刻なのは人件費の高騰。面積が多いので作業員を沢山雇用している。市内の建設ブームで人が集まらない。3年前は1日50元(750円)で来てくれたが、今は70元でも来ない。一般の建設労働者は100元以上が相場だから、うちもその位出さないと来ないね・・・。100元(1.500円)も払っていたら採算が採れないよ。
④対策は・・・
中国はインフレで毎年、資材費や人件費が上がって行くが、食べ物はスライドして上がらない。仕方ないから一般企業のように、合理化して生産性を上げるしかない。
肥料や葉面散布材などに投資して、確実に収益が上がる技術が欲しい。トマトでこんな病気が出ていては儲からないよね・・・(苦笑)
⑤他の作物は・・・
セルリ、長ネギ、青梗菜、ほうれん草などを作っている。セルリ、長ネギは移植。葉物はタネをバラ撒きして、大きくなった株を間引き収穫する。手間仕事で人件費に食われるから、大規模には出来ない。

イチゴ畑

【イチゴ】

人気商品で栽培意欲は強い。日本品種のような大玉、高糖度品種はまだ普及していない。現在栽培されている品種は、輸送や日持ちに重点を置いた四季成り系の固い品種が多い。
知人に依頼して大連(遼寧省)の市場に入荷しているイチゴを調べてもらった。最近、中国産品種でも日本種と交配したと思われる高品質大玉イチゴが出始めているという。(品種名は未確認)。
中国も所得が向上し、食の洋風化が進んでいるので、イチゴの需要は伸びそうだ。

イチゴ

現状は味も見栄えもまだ日本には及ばない。

ズッキーニ畑

【ズッキーニ】

まとまった産地はない。

ピーマン畑

【ピーマン】

ポピュラーな野菜で色々な種類が作られている。

花卉類

【花卉類】

中国人は花好きで、観葉植物を含めて、全国的に栽培されている。タイやベトナム方面からの輸入も多い。特にバラや胡蝶蘭に人気がある。
ここの会社では試作程度の規模。

ナツメドライフルーツ

【果樹類】

ナツメは河南省特産の果実で、ブランド品である。
通常、天日乾燥し、そのままドライフルーツとして食べる。
薬効成分があると言われ、薬膳料理や粥、菓子などにも使われている。
樹木は木工製品に使われている。

ナツメドライフルーツ

ナツメは少し長い丸果形で、独特の風味があり、甘酸っぱい味がする。

中国河南省「農業と食」見聞録(2) 穀物

今回訪問した河南省は黄河中流域にあり、黄河文明(約4.000年前)発祥の地で、中国最大の省人口約1億人を擁する。省都鄭州市は人口約340万人、近代的なオフィスビルや住宅群が林立する。製造工場は少ないが、伝統的な農業と最先端IIT産業が同居する。

鄭州市内

【鄭州市内】

都市部では日本の高度成長期に起きた現象が随所に見られる。農村部からの人口流入で住宅不足は深刻、高層住宅建設ラッシュが続いている。急速な車社会移行で、朝夕の交通渋滞は慢性的。緩和のため地下鉄整備が急ピッチで進んでいる。車を持てない庶民の足はバイクだが、大気汚染を防ぐため殆ど電動式で、日本より普及が進んでいる。
年間を通じて晴天が多いが、上空は青空でも周囲は画像の様にどんよりスモッグがかかっている。特に春先は黄砂の影響が加わり視界は終日悪い。
鄭州空港に降り立った時、「こんな空気の汚れた所によく住んでいるな~」と思った。思い起こせば数十年前の日本も、都心や工業地帯では珍しい光景ではなかった。昨年まで日本に留学していた通訳Cさんは、「日本のきれいな空気が懐しい・・・」と話していた。中国が本気で環境問題に取り組む理由の一つに、この大気汚染にある。

穀倉地帯

【穀倉地帯】

河南省は黄河が運んだ肥沃な土壌で、麦、トウモロコシ、大豆など畑作(4.80万㌶)の他、稲作が大規模に行われている。
肥沃なため施肥量は少なく、小麦を例にとると窒素成分量で反当換算3~4kg程度と言う。ただし、収穫後、トウモロコシを蒔いて輪作し、土壌管理は万全だ。反収は450~600kgと言うから日本と大差ない。日照量があり、内陸で寒暖差が大きいため品質は中国でも上位にランクされている。
レストランで出てくる蒸しパン、麺類、小麦粉を使った料理など味があっておいしい。
至る所に広大な農地が広がり、風害を避けるため道路脇に防風林が整備されている。5月末~6月に小麦を収穫し、後作にトウモロコシを蒔く。

稲作

【稲作】

米も河南省では重要な作物。黄河を挟んで鄭州の対岸側にブランド米産地がある。時期的に圃場は見られなかった。東北部の黒竜江省等ではジャポニカ米が栽培され、一部は業務米として日本にも輸出されている。
冷涼な気候のため、農薬散布量が少なく、食味が高い評価を受けている。「日本の米と食べ比べて下さい」とR社長が空港まで米を届けてくれた。帰国後、早速、炊いて試食してみた。粒形は短粒で日本の米に近いがインディカ米の血筋が混じるためか独特の香りがある。白飯のまま食べると違和感がある。食味は良いので食べ慣れれば美味しい。炒飯や粥にすれば、粘りが少ないので日本米で作るより美味しい。
足裏マッサージで出会ったスタッフの実家が、市内の稲作専業農家で、経営面積等を聞いたら約2㌶と答えた。

黄河の恵み

【黄河の恵み】

黄河は総延長5464km、世界第4位の大河で、その流域は豊かな農業を支えている。上流、中流域の黄土地帯から流れ込む大量の土砂が堆積し、画像の鄭州大橋付近は地上20数m上を流れている。いわゆる天井川で、両岸を結ぶ大橋は10kmの長さがある。

花園口公園

近くに歴史上重要な「花園口公園」がある。案内してくれたCさんから日中戦争当地に起きた事件話しを聞いた。
1938年、日本軍の進撃を食い止めるため当時の国民党政府が堤防を爆破し、その後の大雨で大洪水が起こった。十数万人が犠牲になり、広大な田畑が水没、生活の糧を失った農民は大変苦しんだ。その後も、大雨でしばしば洪水に見舞われたが1947年、修復が完了し、上流に大規模な三門峽ダムが完成、して洪水の心配はなくなった。一方、経済発展で下流域では農・工業用水の需要が急増し、水不足が起こる様になった。当地は井戸を掘れば豊富な地下水が湧き出るので、水不足の心配は殆ど無い。
上流域は主に黄土と石灰岩でカルシウム分が多く、土質、水質はアルカリ性である。

中国河南省「農業と食」見聞録(1) まえがき

残留農薬野菜や餃子、粉ミルク事件などトラブルが多発した中国産食品に対する関心は薄れつつある。しかし、中国産と表示されていると消費者は身構え、不信感は消えていない。中国ではこの事件を契機に更に消費者の安全性に対する関心が高まり、富裕層を中心に日本産を選択する動きが出ていた。このチャンスを逃がすまいと食や農業関連業界は成長が期待できる東アジア圏へ販路開拓に乗り出した。ところが、東日本大震災に端を発した原発事故で、事態は一変してしまった。中国農産物が経験した止め様にもない風評被害が日本の農産物に襲いかかった。工業製品まで「日本製は危険」として、放射能検査を要求される事態が続いている。
原子炉事故は、炉心溶融という最悪の事態に達し、まだ事故の全容把握と解決策の見通しが立たず、今後も尾を引くことが懸念される。

需要が縮小する国内農産物の成長戦略が「高品質、高安全性」とすれば、この事故を契機に再検討が迫られる。とりわけ需給面で大きなインパクトを与える巨大市場、中国の動向は要注目であり、実情把握が欠かせない。
3月下旬、中国河南省の農業資材会社から招請を受け、現地を訪ねた。
初めて訪中した1996年頃は、安価な農産物への関心が高まり、業務用を中心に開発輸入が盛んになっていた。当時、中国政府は外貨獲得と農民の所得向上を図るため積極的に輸出拡大政策を打ち、対日輸出も急増していた。この頃から日本農業への影響が懸念され始めた。しかし、輸入量が急増する過程で、中国側の生産管理体制整備が追いつかず、安全性に関するトラブルが続発、「餃子」「粉ミルク」事件で信用失墜はピークに達した。中国産食品は一気に市場を失い、国産回帰が始まった。しかし、国内農業は労働力不足、生産性向上の課題は未解決で、「農業研修制度」という名の外国人労働者受け入れが加速、農業法人化、新規企業参入促進政策が打たれた。
現状は未完成ながら所得保障など経営安定化政策が始まり、各地に農業会社が立ち上がり、集約化、大規模化が進んでいる。一方、資材高騰、消費減少、異常気象多発など不安要因も顕在化、微妙なバランスの中で経営が成り立っている。

フランスの中山間地・有機(BIO)農家を訪ねて

フランスの農業が二極化していることは、Dr。F教授のインタビューでも指摘されていた。大規模生産者のイメージはほぼ描けたが、中山間地農業についてはワインや畜産品情報はあるが、生産者の実態はあまり知られていない。数年前からアルザス(東部)やバスク(西部)など中山間地を訪ねているが、意欲的に高付加価値農業に取り組んでいる生産者には巡り会えなかった。
1月中旬、農業大学院留学生H/A子さんの取り計らいで、パリの西方車で2時間弱の距離にあるノルマンディー地方の有有機(BIO)農家
Ferme biologique du Bec Hellouin
Charles HERVE-GRUYERさんを訪ねた。

【栽培面積】

■果樹類・・・約14㌶に100種類余の苗木を植えている。
■野菜など・・・約2㌶の農地で葉菜、果菜、根菜類など多種類を栽培している。

【病害虫】

自然循環生態系の中で作っているので生物の多様化が保たれ、虫害問題は殆どありません。
ただ、夏になると大西洋の湿気が上がってくるので、カビ類の病気が発生しやすくなります。
究極は自然農法を目指していますので、日本の故福岡正信氏や岡田茂吉氏などの考え方に関心があります。

【肥料】

国の支援がありますが、やはり農業は換金するまで時間がかかりますので大変です。自立するには一歩一歩の積み重ねが必要です。

以下、画像で紹介する(2011/1/13撮影)

【地形・環境】

地形・環境

周囲を小高い山で囲まれ、緑豊かな盆地の中にある。
緯度は北海道より高いが、冬でもそれ程寒くはない。1月というのに雪は無く、周囲は青々していた。

【村の中心地】

村の中心地

洒落たデザインの古い建物が昔の面影を伝えている。
人は殆ど歩いておらず、ひっそりしている。

【住宅】

住宅

殆どの屋根が麦藁葺きで苔むしている。冬、温かく夏は涼しいエコ住宅だ。この国では古いモノほど価値があるとされ、新しい建物は見当たらない。
華やかなパリと比べたら別世界である。
木質天然素材が多用されているためか、非常に居心地が良い。

【昼食】

昼食

昼間は忙しいので、お言葉に甘えて昼食をご馳走になりながら、お話しを伺った。

(ご夫妻の手作りメニュー)
■パン
天然酵母発酵、薪釜で焼き上げた自家製パン。表面の一部が黒く焦げていたが、ほのかに薪煙の香りがし、味、食感共にしっかりしていて美味しかった。
自慢の手作りジャムも美味に華を添えた。
■サラダ
BIOリーフミックス野菜にチーズ、香辛料入り自家製ドレッシング添え。メリハリのある味が素晴らしい。
■レンズ豆の煮込み
レンズ豆をワインやトマトなどとじっくり煮込んだコクのある逸品!
■赤ワイン
嬉しいことにこの国では昼食でもワインは付きもの。BIO自家製で非常に口当たりがよく、注がれるままにグビグビ・・・後は自分で好きなだけ飲んで下さいとボトルを手元に持ってきてくれた。フランス人は酒に関して特別気が利く(笑い)

【清流】

清流

農場内には山から清流が流れ込み、多様な生物を育んでいる。BIOの原点はここにある。
絵になる風景だ。

【薪小屋】

薪小屋

エコにこだわって、燃料は薪も使っている。
回りには豊かな森林があり、間伐材が豊富に出るのだろう。

【地鶏】

地鶏

園内の一部は柵を張って、地鶏や動物を放し飼いしている。贅沢な空間である。

【伝統的農機具】

伝統的農機具

畜力を使っていた時代の色々な農機具が保存されている。これは脱粒機?石車を馬か牛に引かせていたのだろうか・・古き時代がしのばれる。
子供達に何気なく見せて、農の歴史を学ばせている。

【食育】

食育

古い建物の内部を改装していた。恵まれた自然環境の中で「食と農」「自然」の大切さを親子で学ぶ場所を作っていた。
外から覗かせて頂いたがテーブルや椅子も天然木でお洒落。妥協を許さないC/Hさんの心意気が窺える。

【育苗ハウス】

育苗ハウス

生育期間の長い野菜は大型連棟ハウスで育苗してから定植する。
1月というのに、もう新芽が芽吹いていた。

【野菜圃場】

野菜圃場

1アールくらいに土手で区切られている。ここは効率化とは無縁の世界。
色々な野菜が仲良く育つ場所である。

【直売場】

南瓜、馬鈴薯、玉葱、エシャロット、蕪、人参、ニンニクなどが売られている。冬なので葉物類は少ない。
ジャム類、ビネガー類、蜂蜜などの加工品も多い。
秋には果実、木の実などが勢揃いし、賑わう。

直売場1 直売場2 直売場3 直売場4 直売場5 直売場6 直売場7 直売場8 直売場9 直売場10 直売場11 直売場12 直売場13 直売場14

(注)Ferme biologique du Bec Hellouinの詳細については下記URLを参照して下さい。
http://www.fermedubec.com/laFerme.htm

フランス語なので、日本語翻訳サイトhttp://www.excite.co.jp/world/を使うと便利です。

(コメント)

日本の有機農業は勇気農業と言われ、色々な意味でリスクが高い。新規就農者の中には理想に燃えて「有機」に走る人も多いが、経営的に成功している農家は限られる。先週、北海道のベテラン(20数年継続)JAS有機農家Sさんを訪ねたが、近年の異常気象で経営は厳しいと話していた。
厳しくとも、自分の信念や有機栽培という心地よい金看板を外すことが出来ず、頑張っている人も多い。

C/Hさんの農場を訪ねて感じたことは、周辺環境そのものが有機つまり自然で、人工的な手を加えて農業をしていない点である。小川は流れるままに曲がり、1枚の畑は小面積で形は統一されていない。昔、そのままに、人間と畜力で自然と向き合ってきた資産がそこにはある。ここが日本ならば多分、先ず小川をまっすぐに直しコンクリートで固め、耕地整理して農道を作り機械化を進め、農薬を多用して効率化を図っていたであろう。今頃は、自然という資産を使い果たし、化学物質の消耗戦農業になっていたのだろう。
同じノルマンディーでも山の向こうは広大な農地、産業化農業の代表的地域である。二極化が同居している。

C/Hさんの有機農業は、恵まれた自然環境だからこそ成り立つ。誰でも出来る訳ではないが、その取り組み方は徹底している。直売場は当然として、将来の顧客、リピーターを育てる努力は素晴らしい。
5歳の可愛いお嬢さんがいるが、子供からお年寄りまで「農」「食」「遊び」をテーマに、動物まで飼って「楽しさ」を提供していることには感服した。「BIO」という価値だけではなく「人間力」「感性」の価値を感じた。

ウィーンの朝市

ウィーンを首都とするオーストリーは東西冷戦終結後、中、東欧諸国のEU加盟が増え、経済圏が東側に拡大し、地理的に中心地に近くなった。総人口836万人(世界88位)ながら、一人当たりのGDPは世界10位で高い。音楽や観光の他、EU加盟によって、自動車産業などが盛んになり、国民の暮らしは豊かである。農林業戸数は19万戸と言われ、畑地と草地が半々で1戸当たりの平均耕作面積は19㌶、EU内では比較的小規模である。畑地作物は主食穀物と飼料穀物が殆どを占め、地形上、大規模化は限界があるため環境保全型高付加価値農業を育成している。冬は北海道と同じくらい寒いので、農業は出来ない。

20110218-1.jpg

オーストリー・リンツ付近の農村(1月6日撮影)

オーストリーの首都ウィーンはパリから飛行機で2時間の距離にある。過去にハプスブルグ帝国の中心地として栄え、人口168万人を擁する大都市である。歴史的にドイツ(バイエルン王国)の影響を受け、国民の大半はドイツ系、公用語はドイツ語である。ドイツ、フランス、イタリア、スロベニア、ハンガリー、スロバキア、チェコなどに囲まれ、食文化は多民族の影響を受けて多様である。

「食」を知るため、中心街オペラ座から歩いて行ける朝市を訪ねた。朝市と言っても午後まで開いており、店は100店舗位ある。野菜、果物、肉、魚、ドライ製品、パン、デザート、惣菜、調味料、紅茶・・・など食料品は豊富で、価格も安い。
以下、画像で紹介する。

通路を挟んで両側に店が並び、軒先に雨除けテントが張られている。冬は底冷えして寒いが、客はみんな防寒服を着ているので寒さは意に介さない様だ。

20110218-2.jpg 20110218-3.jpg

【野菜】

種類は非常に豊富で日本で売られている野菜とそれ程変わらない。1個単位か計り売りで、環境政策の徹底で、ゴミの元であるパック品は見かけない。
冬期は天候が悪く、気温が零度以下、土が凍る時期もあるため、野菜栽培は出来ない。生鮮野菜は温暖な地中海沿岸国(イタリア、南フランス、スペインなど)から運ばれてくるが、鮮度は良い。
許可を頂いて並べてある野菜を手当たり次第カメラに収めた。

20110218-4.jpg 20110218-5.jpg 20110218-6.jpg 20110218-7.jpg 20110218-8.jpg 20110218-9.jpg 20110218-10.jpg 20110218-11.jpg 20110218-12.jpg

【果実、ナッツ類】

果実は、柑橘、リンゴ類が多く、キューイ、メロン、マンゴーなどトロピカルフルーツなど日本で売られているモノと殆ど変わらない。濃厚な味を好み、ドライフルーツにしてデザートやパンなどに用いる。ナッツ類も多い。

20110218-13.jpg 20110218-14.jpgのサムネール画像 20110218-15.jpg 20110218-16.jpgのサムネール画像 20110218-17.jpg

【飲料】

ワイン、ビール、珈琲、紅茶など格別高級なモノを除いて殆ど揃う。日本に珍しいビネガー(酢)の専門店があり、果実酢を中心に数十種類がタンクで用意されている。注文に応じて、計り売りしてくれる。

20110218-18.jpg 20110218-19.jpg 20110218-20.jpg

【食堂】

朝市にはレストランと言うより「食堂」という言葉が似合う。お腹が空いたら国際色豊かな食堂街で手軽に食事が出来る。
ドイツ料理はもとより、日本の寿司、タイ、イタリアン、中華・・・などの店が並んでいる。日本人を見ると「こんにちは」と愛想の良い言葉が飛んでくる。

20110218-21.jpg

日本食(寿司屋)

20110218-22.jpg

タイ料理・・・スタッフは中国人で商売熱心。ヌードル入りタイ風スープは絶品!

20110218-23.jpg
20110218-24.jpg 20110218-25.jpg

市場で売られている商品と食堂街を見ると、古都ウィーンでもグローバル化が進んでいることを実感する。

美食と農業大国フランス(14)食材の宝庫・バスク⑩お菓子

お菓子・ガトーバスク1■フランス人の「甘党」ぶりは筋金入りだ。
バスクにも老舗のお菓子屋さんが多数ある。サン・ジャンの街にはパリ店を持つ人気のお菓子屋さんがあった。
お菓子・ガトーバスク2■店内には所狭しとケーキや焼き菓子、チョコレートなどが並べられ、甘い香りが漂う。クリスマスやバカンス時期になると身動きが出来ない程、お客が訪れるという。
バスク菓子は色々あるらしく、名前を教えてもらったが、フランス語では全く覚えられない・・・
お菓子・ガトーバスク3■バスクの伝統的お菓子はガトーバスクである。
このことは以前から知っていたが、本場モノにお目にかかるのは今回が初めてである。
作り方はシンプル。小麦粉、バター、砂糖、卵、ミルクを混合してタルト生地を作る。ここでラム酒を加えることがポイントらしい。
冷蔵庫で1時間くらい寝かせ、オーブン皿で丸く生地を成形してくり抜く。その上に黒サクランボのジャムを乗せて、更に生地を乗せて成形し、フォークなどで模様を付けて30分くらい焼き上げる。各店でバスクの豊かな食材をアレンジしてオリジナルを競っている。
お菓子・ガトーバスク4 ■フランスチョコレート発祥の地
バイヨンヌという小さな都市がある。ここがフランスチョコレート発祥の地だとは知らなかったが、沢山のチョコレート屋さんがある。本によればチョコレートは元来、スペイン王室の健康飲料として飲まれていた。迫害を受けたユダヤ人がバイヨンヌに移住し、特産品として進化して現在のチョコレートの原形が出来たという。この店の売りは表面の微細な芸術的文様細工で、誇り高きバスク民族の文様が描かれている。

美食と農業大国フランス(13)食材の宝庫・バスク⑨バスク豚

バスク豚1

フランス人は牛、豚、鶏、羊は勿論、鴨、鳩、鹿、野ウサギなど色々な肉を食べる。
牛肉は日本人が好むサシ(脂肪)入りより、堅い食感で味のしっかりした肉を好む。堅い肉は我々には安物のイメージがあるが、慣れると美味しい。牛肉は食べ飽きているのか彼らには高級品ではない。むしろ、こだわり豚や地鶏、鹿、鳩、野ウサギなど野生動物が珍重される。
バスクは山間に草地や落葉樹林が多く家畜が飼育され、食用に使われる野生動物も住んでいる。その中でとりわけ美食家に珍重されているのがバスク豚である。

豚が現在の様に肥育される前は、世界中に野豚(原種)が住んでいた。養豚が盛んになると、肥育効率を重視した交配が繰り返され、ローカルで飼われていた非効率な野豚の類は姿を消した。
20数年前、マレーシアを旅した時、一番美味しかったのは田舎の食堂で食べた野豚であった。歯応えがあり噛めば噛む程味が出て、感動したものだ。スペイン西部(グラナダ)山奥で食べたイベリコ豚の美味も印象深い。イベリコ豚は豚コレラが終息し、日本でも輸入が解禁され、レストランや通販で食べられる様になった。しかし、バスク豚は極希少品でまだ気軽には食べられない。1kg一万数千円もするから敷居が相当高い・・・
「バスク豚」はバスク山中標高800メートル位の高地でこだわりを持って飼われている。離乳後、12~14ヶ月になるまで放牧され、栗やどんぐり、ブナの実、牧草などを食べて育つ。品種は黒豚系で同じような環境で育てられるイベリコ豚と似ている。
特徴的なのは柔らかい肉質と脂肪部分の美味しい事で、まさに絶品である。そのまま調理しても美味しいが、極めつけは1~1.5年くらい熟成させた生ハム。世界の美食家をうならせるが日本で食べると値段の高さにうなる・・・

バスク豚2肉屋さんでは色々な種類が揃っていて、日本の様にパック売りは少ない。部位を指定すればその都度、切り売りしてくれる。生ハムやソーセージ、サラミなどは店のオリジナルが多く、それぞれの好みで顧客が付いている。殆どが工業製品化され、大手企業の寡占化が進んでいる日本とは大きく異なる。オーブンで焼いたり油で揚げて食べる中間総菜も豊富。味重視だから、日本の様に電子レンジで温めて食べる総菜は限られる。数種類買ってオーブンで焼いて試食したが、レストラン顔負けの味であった。日本と異なり味にうるさい調理人が健在である。

美食と農業大国フランス(12)食材の宝庫・バスク⑧魚介類

バスク魚介1■バスク北方は大西洋に面し、豊かな漁場が広がる。魚介類が豊富でアンチョビや鱈料理が有名である。近くにある漁港には直売場があり、水揚げされたピカピカの魚が売られている。市場では丸ごと一匹売り限定で解体して売ってはいけない規則があるそうで、漁民と流通双方の共存共栄が図られている。如何にもワークシェアリングのヨーロッパ的取り決めである。早速、朝揚がった魚を買い、マルシェにも足をのばして牡蠣を買いに行った。
バスク魚介2■大雪が降ったため水揚げされた魚は少なく、2種類だけ・・・
直売場ではバスク人の娘さんが計り売りしてくれた。
バスク魚介3■調理はバスク料理に手慣れたYさんにお任せ・・・
バスク魚介4■調理場にはバスクの食を演出する独特な調理器具が掛けてある。魚ボイル専用の長方形鍋に、内臓を取り除いた魚とハーブを入れ、コトコト煮込んで魚の臭みを抜くのがバスク流・・・
フランス人は大勢集まってワイワイ飲むパーティーが大好き!
庭でバーベキューしながら呑むのが定番だが、仕上げは米と魚介類を入れて炊くスペイン名物「パエリア」がご馳走。用意さえしておけばお腹が空いたら火を付けて簡単に作れる。ここの別荘には何と50人分が炊ける大鍋が壁に掛けてあった。それ程、大勢の呑兵衛が集まると言うことらしい・・・
バスク魚介5■伝統模様のバスク織りテーブルクロスを用意して雰囲気を盛り上げる。
レモンや塩、ピマンデスペレット、黒胡椒、バルサミコ、オリーブオイル、マヨネーズ・・・各自の好みで食べる。新鮮で身が締まり非常に美味!ペロリと平らげた。
バスク魚介6■フランス人は大の生牡蠣好き。マルシェには十種類近くもの牡蠣がコンテナに入れられ売られている。日本の様に殻を外した身だけの牡蠣は無い。生食が基本だから生きたまま殻を外し、レモンを搾って食べる。
バスク魚介7■殻の分厚い岩牡蠣を買ったが、旅の途中で生食は自信がなく、暖炉の炭火で軽く火を通して食べた。甘みがあって久しぶりに内容の濃い牡蠣を食べた。流石、バスクの牡蠣だ!
牡蠣は森が育てると言われている。広大な落葉樹林で堆積した腐葉土層を通り有機物を含んだ川水が海に注ぎ、大量のプランクトンを育て、丸々太った極上の牡蠣を育てる。
バスク魚介8

美食と農業大国フランス(11)食材の宝庫・バスク⑦フルーツ

バスクは殆どが山地で果樹類が豊富。店には加工品を含めてリンゴ、栗、クルミ、ナッツ、プラム、イチジク、ブルーベリー、キューイ、西洋梨、葡萄、チェリー、メロン、柑橘類・・・などが並んでいる。メロンや柑橘はスペイン地中海側から運ばれてくる様だが、フルーツ好き国民のためか種類が多い。お菓子作りにも盛んに使われる。
ドライフルーツ、シロップ漬け、ジャムなどの加工品も多く、殆どが手作り。試しに特産だという?ジャムを買ってみた。味はすごく良かったが、小梅の種子大の種が1瓶に3個混じっていた。完璧を要求する日本の消費者ならば、クレームが付く所だがここでは一番大切なのは美味しいこと・・・この種のことはよくあることで意に介さない。。

バスクフルーツ1■木箱や段ボール箱に並べて売られており、出店者は多い。
バスクフルーツ2■リンゴは種類が多く、日本とくらべて小玉傾向。雨が少ないため果肉の締まりが良く、酸味が強く味が濃厚なものが多い。色も日本の品種の様に真っ赤なモノは見かけない。西洋絵画に描かれている薄赤と少し緑がかった特有の色彩のモノが多い。黄色や青リンゴもある。
バスクフルーツ3
バスクフルーツ4■柑橘はスペイン地中海側に世界的有名産地、バレンシアが控えている。種類が豊富で葉付き温州みかんに似た柑橘もあり、日本人が日常食べている柑橘と大差ない。地中海性気候で日照が多く、降雨量が少ないので味は濃厚。
バスクフルーツ5
バスクフルーツ6■メロン・スイカ
メロンは伝統的な赤肉品種があり、生ハムを添えて食べる。糖度よりも香りを楽しむ。
バスクフルーツ7■キューイフルーツはデザートとしてよく食べられている。果肉が黄色いゴールデン品種を程よく熟成させて出荷するため、糖度が高く、食感もいい。
バスクフルーツ8■クルミはパンやケーキ、料理にもよく使う。

美食と農業大国・フランス(10) 食材の宝庫バスク⑥ 野菜4

(トマト)
ミニ、中玉、大玉の3種類が揃っている。アミノ酸が多く低糖度の加熱用が多いので、生食で食べる日本人には少し違和感がある。

IMG_0418.JPGのサムネール画像のサムネール画像
IMG_0427.JPG
IMG_0424.JPG

(南瓜)
長形南瓜のスープが美味しい!

IMG_0124.JPGのサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像
IMG_0342.JPGのサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像

美食と農業大国・フランス(9) 食材の宝庫バスク⑤ 野菜3

(蕪・大根)
黒大根(中央)が美味!肉質が緻密で程よい甘みと辛みのバランスが良く、ナイフで切ってチーズと共に食べると味が引き立つ。

IMG_0110.JPG
IMG_0111.JPGのサムネール画像

(キヌサヤエンドウ)

IMG_0410.JPG

(葉菜類)

IMG_0108.JPG
IMG_0426.JPG
IMG_0139.JPG
サイト管理者|日本マックランド株式会社
メール相談はこちらからどうぞ!|農産物の栽培・生産方法から流通、販売に至るまであなたの真剣なご相談歓迎します。