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ホーム > ブログ > 自由化でフランスはどう変わった?Dr.F農業大学院教授に聞く(3)

自由化でフランスはどう変わった?Dr.F農業大学院教授に聞く(3)

3. 二極化が進むフランスの農業経営スタイル

 

現在フランスに見られる農業経営には2つのタイプが見受けられます。

1つ目は近代型の生産量を重視した合理的、工業的な農業。テクノロジーの発展を基軸としたこの農業モデルは基本的にEUや世界の市場をターゲットにした生産を行っており、持続可能な農業発展などの課題に対しても技術的な解決策に委ねる傾向にあります。

基本的に生産効率は良いのですが国際的な市場価格変動に左右され出来高の良い年と悪い年の差が激しいのが難点です。近年ではこのような産業化した農業者達を基準に経営される農協が増えてきています。

 

2つ目は『百姓農業』と言われる小規模零細ながら、品質面で優れた農産物の生産を続けてきた、もしくは地域市場をターゲットとしてきた農家です。農作物の品質や食料の安全安心に対して関心が高まりつつある今日ではこのような近郊都市の消費者を対象とした流通ルート(AMAP、マルシェでの直売)を有効利用してきた生産者達の方が比較的安定した収入効率良く獲得できているという調査結果も出されています。彼らは常に消費者と直接接し、消費者の声に対して敏感に対応してきたということも強みの一つになっているようです。このような近郊農業の発展は新たな雇用機会の創出にも繋がるでしょう。

また市民農園やコミュニティガーデンの利用に対する需要の高まりや、これらを利用した地方自治体の緑地化政策の広まり等も近年の新たな動きとして注目されています。

 

一方では政府側も、AOCAOPBIO(有機農産物)やラベルルージュなど、産地や品質の高さと安全性を保障する認証マークを取得した農産物の生産や有機農家を目指す新規就農者の育成等の推奨を積極的に謳っています。しかし実際これらの動きに割り当てられた予算は需要側からみれば圧倒的に足りておりず、補助金制度等が新たに作られても政策的な制限が多く利用し辛い場合が多いです。近年では、地方自治体等が主となってこのような動きを財政的、政策的に支えているケースが増えてきているようですが、まだまだ現実はかなり厳しい状態にあるようです。

 

私は今年51歳になりましたが、子供の頃、ヴァカンスは必ず祖父母の住んでいた田舎で過ごしました。私だけでなく、フランスの都会で育った私と同年代の者の大半は子供の頃、田舎、農村に滞在してヴァカンスを楽しみました。農村の風景、食べ物や農作業の様子など、私達がそこで見たもの、経験したこと、このような五感を通した記憶がフランス人の農村好き、更には美食家な一面を支えてきたのかもしれません。『食』に対する市民(国民)の姿勢がその地域(または国)の文化形成に対して与える影響は非常に大きいです。そのような点から見ると、『百姓農業』を続ける者たちが産直や地産地消による販売システムを上手く利用してクウォリティーの高い農産物の生産を続けていくのは、非常に重要なことだと思っています。

 

(通訳・編集)服部麻子氏

 

【コメント】

国内でTPP論議が高まってきた。「賛成」、「反対」それぞれの立場から期待と不安が渦巻いている。将来の日本の生き方を決めるテーマであるから、枠組みに入るか入らないかは十分議論して決めればよい。

 

昨夜、農業生産法人の勉強会でF教授の話しを紹介した。生産者達は色々な情報が入り乱れて頭の中が混乱していたが、これで将来の方向性が少し整理できたと話していた。確かに規模や環境、歴史、国民性は異なるが、自由化先輩国フランスで起きたことは、やがて日本にも起こるだろうと言うことは理解できた様だ。

 

彼らは「日本は今の所、技術も信頼性も優れているから、積極的に高付加価値品を作って、海外に打って出よう!」と盛り上がっていた。

TPP論議を契機に、積極的な生産者が各地で雄叫びを上げれば、日本の農はまだまだ活性化する。 

 

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