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これからのトレンド(8)社会変化と売り方①

消費者の生活は国際化やIT化で次々と変化している。農業も変化に合わせて品目、作り方、売り方を変えなければならない。価格を優先するか付加価値を優先するか・・・消費者の選択は二極化しているが、自分も旗幟鮮明にしなければならない。

最近、注目すべきは、買い物の利便性がより重視され始めた点である。ネット、TV、ラジオ、カタログなどメディアを活用した宅配販売の伸長や身近で買い物が出来るコンビニなど小規模店の復活などである。10数年前、量販店はコンビニに奪われたシェアを回復するため、売れ筋の弁当、惣菜類を充実し、小分け、低価格、特売、営業時間延長など次々と対抗策を打ち出した。一方、コンビニも負けじと商品構成を見直し青果物などを置く様になり、価格差も以前より縮小した。商品の種類は限られるものの両者の垣根は格段に低くなっている。

 

コンビニの店舗数は量販店より圧倒的に多く、消費者に身近な距離にある。足腰の弱った高齢者は、距離的に近いコンビニを利用する傾向が強まる。視力低下で大規模店での買い物もままならず、レジで並ぶのも苦痛となる。高齢者が多い都市部周辺は、大規模店から小規模店にし、より、身近な距離で買い物が出来る作戦に転換している。十数年前、大規模な駐車場と広大な売り場を構えた地方商業施設は、客層の高齢化と共に衰退が始まっている。

 

もう一つの変化は、高齢者を問わず一人暮らしが増え、人間的な触れあいを求めて小規模店に向かう傾向だ。大震災以降、日本人の考え方に大きな変化が起きている。スタッフの少ない小規模店は顔見知りになりやすく、気軽に声をかけ、商品の説明などをしてもらえる。大規模店では、リストラが極度に進み、店によっては店員の姿はあまり見かけない。

 

効率的な買い物が出来る量販店も必要だが、身近で買い物が楽しめる小規模店の復活が望まれる。

ヨーロッパの街には個人経営の食料品店が沢山残っており、店主がこだわりを持って選んだ食料品が並んでいる。品数や量は少ないが、畜産製品、魚介類、調味料、青果果物など日常的に食べる旬の食品が揃う。店主の商品知識は豊富で、品質の良いモノを置いている。価格は量販店より高いと思うが、様々な価値を認める常連客が付いている様だ。

 

利便性向上に量販店、コンビニの宅配も期待されている。しかし、品物は大量生産、定番商品にならざるを得ない。「食を楽しむ」レベルの品物は限られる。

宅配は競争激化の中で、多分、宅配料はサービス(無料)とならざるを得ない。コストは大量生産、大量物流により吸収することになる。結局、最終的には生産者にツケが回る可能性が大きい。ロットが大きいから安価供給出来なければ海外にシフトする。一部の野菜は、季節によっては輸入品が定着していて、もう違和感はない。それを見越して海外で農産物を作る計画が静かに進んでいる。ただ、規制や輸送リスクのある青果物ではなく、冷凍や調理済み食品として輸入される。

 

先週、繊維商社が集まる新日本橋のビジネス街に行った。昔ながらの八百屋がポツンと残っていた。

友人の話しでは、軽トラの八百屋も毎日現れるという。住人が少ないビジネス街で商売になるのかと尋ねたら、住人は少ないが昔ながらの飲食店は健在で、この分野の需要だけでも大きいと説明してくれた。

夫婦二人で鰻屋を営んでいる店は、4席しか無いが、11時の開店前から予定数終了まで毎日行列ができる。勿論、材料や調理に手抜きはない。客の注文を受けてから捌いて串を打つ伝統は生きている。効率第一主義のビジネス街に、効率とは全く無縁、異次元の価値を持った店があった。世の中の効率化が進む程、これらの店は相対的価値が高まる。客が増えたからと店を広げず、家族の手の回る範囲で「伝統の味」を守り続けているのは素晴らしい。店を出て、ふと後継者は?と考えた時、農業の現実とダブって見えた。

 

昔ほど家庭で料理を作らなくなったのは生活環境の変化も大きい。

一方、画一的大量生産と流通のツケが回り、料理を作って楽しむ意欲を奪った面もある。家庭で調理する人が減れば青果物の販売減は避けられない。野菜を作る農家が元気になるには先ず、家庭で調理する人を増やさねばならない。大量生産、安価販売では農業全体の売り上げ、収益減は避けられない。料理を作る意欲の湧く食材を手軽に買える環境を整備し直す必要がある。退職して暇が出来たシニア層の中には食材にこだわり、自分で買い物に出掛け、調理して「食を楽しむ」人達が増えている。

直売場や物産館、デパートの食品売り場の人気が高いのは、非日常的な美味しいモノ、珍しい食材が入手できることにある。これらの食材は大規模栽培されていないモノが多いから、小規模生産者の出番がある。こだわりモノは手間賃の比率が高いから中山間地高齢者の仕事に向いている。年金の足しや、生き甲斐を提供することが出来る。販路が開ければ、作り手も意欲が湧き、工夫して種類を増やせる。

 

ある会合の懇親会で、料理学校の先生達の話。

「折角調理法を教えても、素材が良くなかったら美味しい料理は作れない。実際問題として美味しい野菜は近所には売っていない。これからは生産者とタイアップして美味しい野菜の供給も考えないとね・・・私達の商売は花嫁修業の生徒がどんどん減っているから危ない(笑い)。本当に美味しい料理を作りたいお客を開拓しないと尻つぼみの業界よ・・・」」

 

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