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売れ筋となるか?・・・糖度7度台の良食味トマト(3)

IMG_0072.JPG時期にもよるが、量販店で販売されている一般的なトマトは56度、ちょっとこだわっている商品で6.5度程度、高級店で7度台か8度以上のフルーツトマトが一般的である。大玉で、通期7度台を維持し、収量減をなるべく少なくするには、かなり高度な技術が必要である。相場次第のレギュラー品から、再生産価格維持、安定経営への道筋を付けるには、消費者の糖度要求が切り上がっているから、技術向上が求められる。

 

大玉の作り方は各人各様である。レギュラー品では、品種改良が進んで普通に作ればあまり糖度格差は出ない。しかし、高糖度トマトでは、同じ条件のハウスで同じ管理をしても糖度は相当バラつく。交配種と言えどもストレスを与えると、樹による糖度バラツキが大きくなる。全体のレベルを嵩上げして7度台をクリアーするにはどの様な点に注意したら良いか高糖度生産者や指導者に意見を聞いてみた。

 

(品種)

ストレスを与えて糖度を上げる栽培では、市販高糖度品種ならば、管理技術のウェートが高いため品種優劣は付け難いという意見が多い。むしろ、品種の特性を徹底的に勉強して、その能力を引き出す事が大切と言う。糖度以外に酸度や食味、肉質、果形、サイズ、日持ち、耐病性、収量なども重要な要素であるが、消費者に価値を認めてもらうには、(糖度+酸度+食味)=美味しい事が最優先である。

高糖度、良食味、収量性を同時実現するために試みられているのが、大玉系と中玉系の交配であるが、地域ブランド産地は点在するが、今の所、決め手になる品種は見当たらない。

その中で、D社が家庭菜園用として苗販売している「ぜいたくトマト」(画像)は、作り慣れれば将来性がある。出荷用としてはまだ僅かの実績しかない様だが、黄化葉巻病感染リスクの低い地域では普及の可能性がある。北海道では直売場を中心に徐々に増えている。青果販売用として大規模に取り組んでいるのは後志のF社(1㌶超)だけだ。同社は数年前から試作を始めたが、今年は引き合いが急増し、数量対応ができていない。管理の経験不足で、まだ収量=採算性に課題が多い。通常の品種と比較して、耐病性などは特別問題は無い。水分が不足すると尻腐れがでる点は従来品種と同様であるから、水は余り絞れない。苗代が高価なので、黄化葉巻病(シルバーリーフ)多発地帯は経営リスクが高い。育苗時から徹底防除が必須である(後述)

関東以西では抵抗性品種への切り替えが進んでおり、従来の良食味品種は減少傾向にあり、防除をクリアー出来れば大きなチャンスがある。

 

(栽培環境)

定石通り、日当たり、風通し、水捌けの良い、雨水等が染み込まないハウスに限定する。泥炭地や肥沃な土壌は避け、堆厩肥、植物系資材も避ける。C/N比を整えるには、米糠(反当2000kg)を収穫後に入れる。

シルバーリーフ多発地帯は、夏期にハウスを密閉して、徹底防除する。

ハウス天井部分に循環ファンを設置して上部空気を循環し、冬期は省エネルギー、夏期は異常高温を抑制する。着果や糖度安定上昇、病気の抑制などの対策として是非お奨め。

高糖度栽培は植物体の生育限界近くで栽培することになるから、事前に栽培中のトラブルをチェックして抜かりなく対策を打っておくことが必須。通常の栽培と異なり、一旦トラブルと立て直しが難しい

 

(土作り)

 一般的には初期生育の旺盛な品種は施肥量を控える。定植初期から発根が活発になる様に、動物アミノ酸を主体とした有機100%肥料(例えばバランス684やエキスパート684)を施用する。窒素分は肉骨粉、乾血、魚粉、蒸製骨粉などすべて動物性有機で構成し、穏やかな肥効に徹する。化成窒素や植物由来有機、堆厩肥は使わない。トマトの糖度を上げるには石灰と硅酸が重要な働きをすると言われているので「根づくり名人」などを併用する。色々入れたくなるが、多く入れるとバランスを崩す原因となるので土壌分析で不足な要素のみに止める。

 

(管理)

■育苗

ミネラルバランスなどを潅水して、軸太、発根に徹する。育苗初期には十分水を与え、中盤以降徐々に控えて行く。スタートの育苗で失敗すると、後に響くから手を抜かない様に管理する。

 

■定植

土地条件にもよるが、一般的には平畝にマルチして定植する。点滴潅水は生育ムラが起きやすいので不可。

 

■草勢管理

長段取りは品種や栽培環境にもよるが、定植後から潅水を控えて草勢を抑え気味にし、根張りを良くすると言うのが一般的な考え方である。しかし、この方法では高糖度、高収量の両立が難しいと指摘するベテラン指導者(肥料販売店)Tさんがいる。

「まさか・・・」と思いつつ、彼の経験と持論を聞いてみた。理に適っている面もあるので記しておく。要約すれば、植物生理から考えると草勢を作る栄養成長期に養分や水分を制限すると、根と葉がバランス良く発達しないため、収穫期に入るとスタミナ切れになる。この状態では本来持っている種の能力が十分発揮出来ず、糖度も収量も限定的となるという。草勢=根張りが最高になる23段目収穫までは十分に潅水して草勢を作り、糖度上昇期の水切りストレスに備えるべきと主張する。

もっとも、最近の高糖度品種の中には、水分の絞りに耐える様に初期から根張り、草勢を強くした品種が出ている。いずれにしても成長最盛期の2段目収穫までは高糖度を狙わず、栄養成長が一段落する3段目頃から水を絞って生殖成長に傾けて行く。この時期になると、水を絞ってもガッチリ根が張っているから肥効は落ちない。肥大急減速は勿論、着果不良や尻腐れの発生リスクも抑えられる。

但し、初期から水管理=草勢管理を失敗しないためには、土作りの項で書いた緩効性動物性有機肥料を施用し、堆厩肥、植物由来有機の使用は控える事がポイントと指摘している。

追肥は元肥と同じ(バランス684かエキスパート684の穴肥または潅水近くのマルチ下バラ撒きで良い。

草勢管理は品種や栽培環境により大きく異なるため、3年間位観察して自分なりの流儀を確立することが大切である。最初から草勢を抑えて作り、小玉、芯止まり、生理障害の発生などで収量がイマイチの生産者は、Tさんの考え方は参考になるかも知れない。

 

■防除

最も頭を悩ますのは、シルバーリーフ、オンシツコナジラミ対策である。防虫ネットが一般的であるが、防除の仕方にもポイントがある。愛媛県のあるグループは、農薬の耐性回避のためA.B2種類の農薬を用意し、A剤→B剤→植物エキス(ソフトパオ1500倍)のローテーションを組んで成功している。重要なのは展着剤で、マクピカを混用すると効き目が高いという。地域により、それずれの防除基準があるから参考にされたい。

 

 

 

 

 

 

 

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