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ホーム > ブログ > 美食と農業大国・フランス(6) 食材の宝庫バスク②

美食と農業大国・フランス(6) 食材の宝庫バスク②

IMG_0033.JPG緯度の高いバスクの冬は、夜明けが遅く午前9時頃になる。

朝早く、友人に起こされた。ここの一日はパンを買いに行くことから始まるというのだ。街はまだ真っ暗、寝静まっているが、パン屋さんと新聞を売る店は早朝から開く。新聞の宅配は日本だけでここでは無いから買いに行くのは解るが、何故毎朝パンを買いに行くのか?・・・日本人の私は途惑った。友人の話を聞いて美食の原点が理解できた。

パンは主食だから、味にうるさいフランス人は朝から味落ちしたパンなど食べないと言う。日本は早起きしてまで焼き立てのパンを買いに行かないし、そんな店もない。我が家は都心に出た折りにデパ地下でまとめ買いして冷凍庫に保管し、焼いて食べるのが美食の限度である。それでも、「まあまあ美味しいよ」と言ったら、「一晩置いたらどの位、味が落ちるか試して見たら・・・」と言われ実験してみた。買ってきた焼き立てパンは長さ40cm位、日本で言うフランスパンである。食欲をそそる香ばしい香り、切ると皮はパリパリ、内部は程よく緻密で弾力がある。一口食べたら日本のフランスパンとは別物である!焼き立てのパンと入れ立ての珈琲さえあれば・・・とはよく聞く話だが、焼き立ては本当に美味しい。ところが同じパンを翌朝食べてみたら友人が指摘した通り固くなってボソボソ、風味が相当落ちた。パンは生鮮食品で一日以上経ったモノは食べない。捨てるか、スープに入れるか、フライパンにバターを敷いて焼いて食べるという。ヨーロッパ生活が長い日本人の多くは、故国に帰ってパンの美味しくないのに戸惑うらしい。小麦の質の問題もあるが、日本のパンは殆どが工場生産品で、焼いてから口に入るまでの時間が長いから、なるべく固くならない様に、工夫されている。フワフワと言えば聞こえが良いが中身が軽い。表示を見ると小麦粉の他、米粉、植物油(マーガリン)などが使われている。長時間経っても、固くならない事が前提なので、兎に角軟らかいモノが多い。日本人はこのフワフワ系パンに慣れ親しんでいて、多分これが本物、美味しいと感じているのだろう。最近、レストランや個人のパン屋さんでも手作り、焼き立てを売りにする店が多くなったが、好みもあるがやはり本場モノの技にはかなわない。

 

パン職人Rさん(画像)の基本は小麦粉、バター、卵、天然酵母。釜で前日からじっくり発酵、熟成させて深夜焼き上げ早朝から販売する。種類は多彩で木の実、穀物粒、ドライフルーツ、ハム、サラミ、ソーセージ、チーズ、ハーブなど数十種類のアイテムが、店頭に並ぶ。午后を過ぎると客が減り、店を閉めるが並んでいたパンは殆ど売り切れるという。まさにその日限りの生鮮食品である。コンビニやスーパーは見当たらないから、パンはパン屋さんで「焼き立てを買う」という長年の習慣が定着しているのだろう。

 

思い出せば昔の日本は、朝起きて先ず米を研ぎ、炊きたてご飯を食べていた。冷や飯や温め直したご飯は美味しくないから朝夕炊くのが常識だった。しかし、主婦がパートに出るなど生活が変わり、炊飯器の技術向上もあって時間が経っても味の変化が少なくなり、今や常温パック品を電子レンジで「チン」して食べられる時代になった。すっかり利便性優先の生活に慣れてしまった。

パリ住宅地では伝統的なパン屋さんが低価格路線の製パン企業の進出で廃業に追い込まれていると書いたが、全仏を見ればまだまだ利便性よりも味本意の伝統が受け継がれており、それを支える職人達も健在である。

 

 

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