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ブログ: 2012年8月

再び有機農業を考える(4)酵素堆肥の作り方

 

P6222652.JPG

(3)で記した家畜に酵素を飲用させる方法は省力的だが、近隣に家畜がいることが前提になる。本格的に有機農業に取り組むには家畜を飼育してその排泄物で農産物を育てるのがベストである。小規模なら可能だが、ある程度の規模で飼育するとなると人手もかかり。予期せぬトラブルも覚悟しなくてはならない。次善の策として直ぐに使える完熟に近い堆肥を購入するか、未熟堆肥(厩肥)を購入して再発酵させる。下記に厩肥の効率的再発酵で良質な酵素堆肥を作る方法を紹介する。

 

(注意)JAS認証有機を取得す場合は堆肥原料に化学物資が含まれていないことを十分確認するる

 

 

   仕込み

 

●堆肥原料は牛フン・鶏フン・豚フン・キノコ廃床・野菜クズ等地域の有機素材を利用する。

(酸化・腐敗の無い状態ですぐに仕込む)

●水分調整(55~60%)をする。

●固化した部分をほぐし、形状の適粒化を施す。

バイオ酵素Tを1?当り12?を適量に希釈して全体に噴霧する。

 (腐敗の状況により散布量を調整)
●可能であれば7日~10日エアレーションを実施する。

 

 

②1回目切り返し(710日後)

 

●堆肥コンディション(アンモニア臭気等)の確認をする。
●バイオ酵素Tの50~100倍希釈水の噴霧
●エアレーションの停止

 

 

③2回目切り返し(1530日後)

 

●堆肥コンディション(アンモニア臭気等)の確認をする。
●バイオ酵素Tの50~100倍希釈水の噴霧

 

 

④3回目以降切り返し

 

●堆肥コンディションの確認を実施しながら様子で切り返しを実施
●およそ2~3ヶ月で完成

 

 

 

 

 

 

再び有機農業を考える(3)低コスト土作り

P6222657.JPGのサムネール画像

(画像)NPOの酵素堆肥作り研修会

 

日本の様に高温多湿の気象条件で有機農業を組み立てるのは机上の計算通りには進まず、困難が多い。有機を指向する消費者は美味しい、栄養素が多い、環境の為とか言うよりも、安心、安全、つまり化学肥料や農薬を使わずに育てた完全有機栽培を望む。化学肥料や農薬のすべてが人体の健康に影響するか否かは論議が分かれるが、非合成で自然界の紫外線や微生物などで、短期分解、無害化する物質であれば人体や環境に殆ど影響しないと考えられる。

 

国内で法律的に有機が担保されているのはJAS有機認証を取得した農産物に限られる。

この規格を取得するには最低3年間の有機移行期間を必要とする。しかし、実際には土と地上に自然循環が戻り、農薬を使わず栽培できる様になるには5~10年かかる。この自然循環ができても数々のトラブルが待ち受けており一筋縄では行かない。しかし、有機指向消費者の多くがJAS認証有機を求めている以上、目指す事に異論はない。但しリスクの多い「勇気農業」となる点は覚悟がいる。

先ずは化学肥料、化学農薬不使用栽培から始め、3年間「特別栽培基準農産物」として販売する。いずれにしても、この期間に徹底的に土作りをして、農薬に依存しない栽培環境を作らねばならない。JAS有機認証は費用がかかるから、3年間経過した時点で採算性を検討して判断すれば良いが、栽培履歴は詳細に記録し、保存しておくことが重要である。

 

有機栽培を成功させるポイントは言うまでもなく「土作り」であり、種々の方法がある。基本的には良質堆肥作りである。畜産糞尿を堆肥化する方法は従来から行われているが、「良質堆肥」作りとなると『言うは易し行うは難し』である。畜産自体が大規模化し、特定地域に集中、移動が進んでいるため、近隣地域で厩肥の入手は昔ほど楽ではない。飼料の輸送コスト上昇や悪臭、蝿害、糞尿処理場など環境コストが嵩み、前途は厳しさが漂う。散在する畜産農家の悪臭、蝿害などを解決し、出てくる厩肥を効率的に堆肥化できれば、有機農業の低コスト化が実現出来、身近な存在になる可能性がある。

 

先日、長野県にあるNPO主催の「うんこツアー」なるものに参加した。まさしく「うんこ」糞尿処理の現場を巡るツアーである。参加者は臭気、蝿、糞尿処理問題に悩む養鶏、養豚、牛など家畜飼育農家、その厩肥を堆肥化して使っている農家、堆肥で栽培した米や野菜、果実を販売している業者など20数人。7月の開催で100回を数え、累計参加人数は3000人を超えたと言う。

最初、汚水処理場に行き、糞がプカプカ浮いて流れている地下室に案内された。通常なら悪臭で息もつけずアンモニアの刺激で目も明けていられない世界である。6年前に取り替えたという水路を塞ぐ鉄板製踏み板は全く腐食していない。糞尿発酵現場は何回か見学しているが、アンモニアが鉄と反応して腐食が激しいのが普通だ。N氏の説明によれば、自然界に膨大な数が存在する土着菌を酵素で活性化しているだけで、従来の様な特別な菌体は使用していないという。

次に酪農家、養鶏家を訪ねたが臭気は軽微で、驚いた事に蝿が殆どいなかった。腐敗菌が優勢になるとアンモニアが発生して悪臭源となり蝿のような昆虫が発生する。発酵土着菌が活性化すると腐敗しないで発酵分解が進むらしい。

素晴らしいのは飲用水または飼料に投与し、家畜体内から効率的な発酵が始まり、堆肥化が早く進む点である。この酵素を使えば、品質や飼料効率向上も期待できるから飼育農家と連携して低コストで効率的に良質堆肥を作る事が可能である。

家畜投与のほか、厩肥に混合したり、土壌に散布して発酵を促進する酵素もある。

 

この酵素は、有機農業を安価に展開する目的で設立されたNPO法人活動の一環として行われている。当社もこの主旨に賛同して、普及に協力している。

下記に、概略を記すので、詳細はお問い合わせ下さい。

 

『バイオ酵素の概略』

 

土作りの基本が良質な堆肥作りにある事は誰もが知っています。しかし、いざ作るとなると数々のハードルが待ち受け、質、量共に中途半端な取り組みになってしまいます。

競争力のある農産物の安定生産を目指すには、循環型有機農業への移行が求められています。身近にある有機資源を活用し、省力、効率的に堆肥化する目的で開発されたのが「バイオ酵素」です。

 

【バイオ酵素の特長】

■アルプスの天然水をベースに、植物の葉(松、笹、梅、枇杷、イチジク、栗、桃、柿)から抽出した酵素原液に糖蜜、おから、米糠などを混合、複合発酵技術で生成した有機100%の酵素です。

■従来の微生物発酵資材と基本的に異なるのは、人工的に培養した菌体を増殖するのではなく、住み着いている土着微生物を酵素で活性化させることです。土着微生物は環境に順応しており、他から持ち込まれた微生物より圧倒的に強く優勢で、菌体同士の拮抗作用が起こりにくく、効率的に発酵、分解が進みます。

■家畜飼料に添加する方法と、一般的な土壌散布の2種類があります。

 

バイオ酵素K

家畜飼育家と連携すると最も省力、効率的に良質堆肥を作ることができます。

特に悪臭や蝿害、排泄物処理に困っている飼育家との連携は、双方のコスト対効果を高め、大きなメリットがあります。

【使用方法】

■配合飼料1㌧当たり最初の3ヶ月はバイオ酵素K400cc、以降200ccを適宜希釈して与えます。

(コスト)最初の3ヶ月円/㌧、以降200/㌧程度

■養鶏(採卵)の場合は3ヶ月迄1万羽当たり400cc/日、以降200cc/日を飲料水に添加する。

(1万羽当たり本体コスト)最初の3ヶ月458/日、以降229/日程度)

 

【包装・価格】 20㍑入り22.890円(送料・税込み)

 

バイオ酵素T

圃場で堆肥化促進を行います。

【使用方法】

■堆肥や有機肥料を散布した後、バイオ酵素T原液反当20㍑を約500に希釈して散布し、直ちにロータリーをかけ土と混和します。生育途中の場合、反当原液20㍑を500倍で潅水します。

■連作障害が見受けられる場合は反当50100㍑に「いそしおにがり」20kgを併用し潅水します。

 

【包装・価格】 20㍑入り7.875円(送料・税込み)

 

 

再び有機農業を考える(2)潮目が変わった!

日本ではオーガニックに対する考えや取り組みは様々だが、最近、ワイン、チーズ、珈琲、ドライフルーツ、香辛料・・・など様々なオーガニック加工食品が輸入され定着が進んでいる。しかし、国産オーガニック生鮮野菜では生産、販売とも元気があるとは言い難い。原因は供給面では気候変動で安定生産が難しくなり、販売面では低価格指向が定着し、有機は高いという意識が定着しているためだ

大手有機農産物宅配関係者の話では、販売のネット化で徐々に中小が整理され、寡占化の傾向が進み、強者同士の競合が激化、独自の安定供給産地の確保に迫られている。

オーガニック先進国米国では安全性や内容表示に関する規制が強化され、規格をクリヤー、維持するために多額の費用がかかり、小規模生産、流通では採算を取るのが難しくなっている。しかも大手量販店ではGAP(農業生産工程管理認証)を取得していない生産者の農産物は、事故が発生すると訴訟リスクが伴うため敬遠される。日本の一部量販店でもGAP取得を奨励しているから流れは米国と変わらない。

つまり、オーガニックにしろGAPにしろ、規模拡大してコスト削減を図らないと生き残れない状況が静かに進んでいる。日本のオーガニックは殆ど小規模から出発し、輪作や換金の都合もあり多品目栽培が多い。流通を含めてコスト高は解消できず、市場も限定的で拡大は難しい状況だ。但し、高級レストランや特定売り場を対象にしている農園は現状維持で良いだろう。

オーガニック売り場の統合、寡占化が進むと大きな変化が起こる可能性がある。資本力のある企業が収穫物を値決め一括買い付けが多くなると、生産者は作ることに専念でき、技術を磨き、規模拡大、コスト削減が期待できる。買い上げた企業は自社の人材、技術、インフラ、販売網を生かして生鮮から加工品まで低コストで消費者に提供する。ニーズにあった商品開発も可能である。国の助成金を利用して生産者が独自に加工品を作ろうという流れがあるが、残念ながら企業と密接に連携している一部を除いて人材力や経済変動に対応出来る資金力には限りがあり、困難が伴うだろう。

モノにもよるが生産者は加工などリスクのある設備投資をしないで、安定生産、低コスト生産の技術を磨けば良い。現在、慣行栽培ではその流れが出来つつあるが、何処にでもある農産物では、所詮、相場に流され、安定収益は期待できない。オーガニックでは加工という分野を含めて考えれば、全く別の展開が可能になり、マーケットは拡大する。

先日、夕張メロンの生産者を訪ねた折り、聞いた話しを紹介する。

「今年は天気に恵まれ大玉傾向で大豊作。相場は下がったが、今まで買いたくても買えなかった地方の消費者を開拓し、大変喜ばれた。通常、大玉は安いが納得の行く価格で売り切ったから農家は喜んでいる。自分は過去最高!(笑い)」「今までしがらみの中で限られた販売をしてきたが、消費者が買える価格に設定すればこんなに裾野を広がるとは思ってもいなかった。得意な大玉を安心して作れるから、来年も楽しみだよ・・・」

 

再び有機農業を考える(1)

I■mg_0074.jpg今更、有機農業を否定する人はいないと思うが、日本の実情はあまり活気がない。

722日(日)の日経新聞に「稼ぐ農業、中国で改革」と題した特集が出ていた。上海市浦東国際空港近くに3年間の歳月と約32億円の資金を投じ、有機栽培農場約100㌶を整備、2009年から営業を始めた企業の例が紹介されていた。近隣に住む富裕層を対象に季節ごとに約30種類の有機野菜を宅配している。上海市以外にも顧客が広がり、現在、1万件を超え、同様のビジネスが北京市などにも進出が予定されているという。有機野菜100㌶・・・日本的感覚では?が付くが、中国の現状から考えれば生産も需要も現実の話しである。

中国の有機農業については、10数年前に福建省、浙江省、雲南省などの農業公司、昨年4月には黄河中流域河南省鄭州市の記事を書いた。中国の有機農産物基準は日本と若干異なり「無公害野菜」「緑色野菜などと呼ばれている。一般的に有機を看板にした農業公司で作られているものは無公害野菜と呼ばれる化学肥料や農薬の使用をなるべく控えて栽培した農産物が多い。鄭州市周辺では有機肥料として鶏糞を使用し、有機窒素成分率で概ね30%位と言っていた。化学肥料は元肥も追肥(液肥)も価格の安い尿素を主体に使用していた。日照量が多いので硝酸塩の残留、食味の低下は少ない。防除は防虫ネット、植物由来の葉面散布材を使い、高日照で乾燥期が長いため、日本より農薬の使用量は少ない。[中国の野菜は農薬まみれで危ない」という風評が付きまとうが、毒性が強く残効性が長い農薬が使われていたことは確かだ。しかし、次々と立ち上がっている上記の様な新世代経営者が率いる農業公司は、旧来のイメージを払拭し、畜産、農業、バイオマスを組み合わせて完全リサイクル型有機農業が基本である。無公害野菜ではなく「緑色野菜」と呼ばれる日本で言う有機野菜である。但し「緑色野菜」にもAとかAAの格付けがあり、基準はっきりしている様だが、現場で農薬の話になると歯切れが良くない。一般農民は農薬使用の歴史が浅く、知識が不足している事もある。しかし新世代経営者は知識レベルが高く、残留農薬検査もしているから、安全性は以前より高まっていると言える。

■画像・・・ハウスも露地も防虫ネットが普及、殺虫剤の使用は少ない(福建省で撮影)

 

日本でも一時期、同様な畜産、農業、リサイクルを一体化した有機農業が各地で立ち上がったが、残念ながら数は限定的。単純に言えば従来型の畜産も農業も現状では利益が上げにくく、まして有機となれば除草などの管理に人件費が嵩み、病害虫リスクも高いので採算的に厳しい。長年続しているデフレ経済が農産物価格を抑え、収益性の低い農業の動きを鈍くしている。大規模化できる地域は限られ、大規模化しても手作業が多く人件費削減は限られ経営が難しい。中小が統合してもメリットが出しにくい。

現在成功しているのは、地道に直売客を育ててきた生産者である。マスメディアに乗った商品や産地は一時的、短命である。

先日、ある講演会の懇親会で安全で特別美味しい牛乳やヨーグルトを生産販売している北海道の酪農家(250頭飼育)Tさんにお会いした。口コミやマスコミで有名になりデパート、通販、生協、量販店・・・などから注文が殺到したが、お断りしているという。理由は食べ物はどんなに美味しくても飽きが来るから、従来の固定客を大切にし、食べたい時に食べたい量だけ買って頂くのが長続きの秘訣だと話していた。こんなに売れるからと設備投資をした時がピークになると笑っていた。

彼は、飲料水に酵素を添加し、糞尿は殆ど無臭、バイオマスでメタンガスを採取し、堆肥は草地に使う完全リサイクル型の酪農を実践している。

 

6月に3回にわたってフランスのオーガニック(有機)農家の訪問記事を書いた。共通しているのは自分達で販路を開拓していることである。顧客作りは地域に合わせて様々だが、特にノルマンディーのハローウィン農場は立派なホームページを作り、パリ商圏で幅広い客層作りに努力している。

http://www.fermedubec.com/

 

しかし、フランスは宅配インフラ構築が遅れており、地域外からの流入が少なく、地産地消型が育て易い。

中国はネット販売が急成長しており、宅配便の整備も着々と進んでいる。富裕層を中心に利便性と安心、安全の担保された有機農業ビジネスが更に勢いを増すかも知れない。

 

日本政府が農産物輸出1兆円のお題目を唱えている間に、ライバル達はサッサと追い抜いて進化している。。政策資金は出ているが、相変わらず規制や紐付きが多く、明確な事業理念を持ったチャレンジャーも育ちにくい・・・

日本は長い間、安全は当たり前、」タダ・・・という認識が続いてきた。有機農業に消費者は賛同するが、それに見合う対価を払う必要がある。普通に販売されている商品でも比較的安全性は高いから、それで十分という消費者が多い事も確かである。しかし、原発事故が教えているように、目先は安いが将来コストを考えると高くつくと言うのが現在の化学農業かもしれない。

 

 

サイト管理者|日本マックランド株式会社
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