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ブログ: 2011年12月

2011年の総括(津軽、北海道編)

今年も世界的に色々な事件や異変が起こり、波乱に満ちた1年であった。国内では大震災、津波、原発事故、記録的大雨、日照不足、気温変動など、人間の知恵や力が及ばない自然の猛威に翻弄された。考えてみれば毎年、大なり小なりこの繰り返しである。近年、地球温暖化が気候変動の原因とする共通認識が定着したがCOP17の結末が示す様に人間のエゴ、目先の利益追求は容易に止まらない。

日米欧先進国の財政危機も、国内外の利害が複雑に絡み合って、的確な対応策は打てず、世界経済の先行きは未だ不透明である。

日本の経済が良くならなければ消費は停滞し、農業も盛り上がらない。農家も世界経済の動向に関心を持ち、グローバルな視点で未来を考えて行きたい。

 

11月下旬から青森(津軽)、北海道方面を歩いてきた。これらの地域は国内でも経営規模が大きく、基本的に稲作、畑作中心の農業だが、減反政策で、トマト、メロン、スイカなどの果菜類や大根、人参、長ネギなど露地野菜が増えた。現地で聞いた話しを書く。

 

(果菜類)

トマト、メロン、スイカなど果菜類は、春先の天候不順で生育出遅れが目立ち、一部大雨などの被害もあって切り上がりも早かった。従って通期で品薄傾向となり、例年の様に盆前の暴落場面もなく、全体的に高値で推移、総じて生産者の顔は明るかった。高騰したトマトなどは、天候異変で品質が低下した産地は市場で買い叩かれたという話しも聞いたが、今年の様な品不足の年は、品質は二の次、出荷した者勝ちの様相は否めない。

 

メロンはギフト需要の低迷が懸念されたが、出荷量が限定的だったため、まずまずの価格で推移した。スイカも高気温に支えられて好調だった。

この所、余り元気の無かった胡瓜やピーマン、茄子の産地も息を吹き返した。全国的な収量減と東北主力産地(福島、岩手)の出荷減で需給が締まり、堅調相場が続いた。但し、需要が伸びている訳ではないので、来年もこの状態が続くか否かは定かではない。

 

果菜類は管理に手間がかかり、ハウス用パイプや被覆資材が値上がりしているため、新規投資して規模拡大する生産者は余り見かけない。今後の栽培面積は現状維持か暫減傾向。高齢化で減反、廃耕する生産者もじりじり増えているが、品種改良や栽培技術の向上で、面積減分をカバーしている。出荷減は頻発している気象災害の影響が大きい。

 

経営規模としては、家族労働中心でトマト50㌃、メロン1.5㌶、スイカ2.5㌶、パート雇用でトマト1㌶、メロン3㌶、スイカ4㌶が目処である。一時増えた大規模企業化農業は、収量や価格変動が大きい上、収穫期間の短い北国では採算的に難しい。特に有利販売を目指すトマトは、安定した高品質が求められるため、大規模栽培すると管理が行き届かず、ロスが多発して、収益が伴わない事例が多い。

 

メロンは品種改良が進んで春から秋まで栽培できるが、大規模栽培すると適期管理と労働力の配分が難しい。ブランドメロン産地夕張市のKさんは4㌶のメロンを作っているが、2月頃から11月迄外国人労働者を雇用するため、メロンの後作として、ホウレン草を作り、収入を確保している。

富良野でスイカを主力に経営している農業会社T社は、パートでは微妙な管理が行き届かないと、正社員を年間雇用し、プロの農業人育成に取り組んでいる。4~5年前、スイカ15㌶に挑戦したが、まだ管理技術が伴わず、病害が大発生して一旦縮小、メロンやアスパラガス、スイートコーンなど多角化に取り組んだ。 しかし、品目を多くすると労働力が分散して効率が悪く、販売も思っていたほど簡単ではなく、忙しいばかりで収益は上がらなかった。スイカのプロが育ってきたので来年は再び15㌶に挑戦する。品質については市場から高く評価されており、特に品薄になる9月出荷を要請されており、勝負をかける。接ぎ木ロボットの導入を含めて、徹底的な省力、低コスト化を図る。スイカは作柄、需要とも天候に大きく左右されるが、夏から秋にかけての高温化が定着し、この時期はライバル産地が限られるため成功する確率は高まっている。 

 

(南瓜)

定植遅れと日照不足、大雨などが影響して全体的に品質不良、大幅減収の地域が多い。病害も多かったため貯蔵や輸送中の腐れが目立ち、特に道北産地では苦戦した。数年前より果皮にイボ状の突起がでる病気が増えており、出荷歩留まりに影響している。ボルドー液などの散布で対応出来るという話しもあるが、元来、防除回数は1~2回が限度。今後は防除対策を再検討する必要がある。

南瓜は5~6玉中心に仕上げないと農家は収益が上がらない。今年は品種にもよるが栗系は7玉中心の産地が多い。不作の割に相場は低迷し、一部のブランド南瓜を除いて厳しい年であった。九州で抑制、貯蔵南瓜がジリジリ増えており、今後、道産、西南暖地、輸入品の棲み分けが課題となりそうだ。

量販店は11月以降の道産品は傷みが早いので、今年度は早めに見切りを付けて、輸入品にシフトしたという情報もあった。

また、今年度の小玉傾向と、店頭価格を大幅に下げるため、7・8玉サイズを主力に販売する量販店が増えているという(産地業者の話)

 

(玉葱)

主産地空知、富良野は定植遅れと大雨の被害で大幅減収、北見、斜網地区は雹の被害が懸念されたが平年作に近いという。不作の割に相場は上がらず生産者の表情は厳しい。

JA担当者の話では「昨年は異常な高値、今年は昨年に比べると安いが、平年並みの値段です」と話していた。玉葱は納入価格がある程度決まっている加工向けが多いため、昨年の様に暴騰すると業者は赤字となる。その為加工用として、産地と数量と価格を事前に決めて、毎年、国産品を一定量供給、輸入品の突出流入を防ぐシステムが構築されている。しかし、昨年の様に極端な減収、市況暴騰があると、取り仕切っているJAに対し生産者の不満が強まり、安定集荷が難しくなるという。

加工業者は昨年の暴騰に懲りて、一部輸入品を増やした様だ。

 

 (馬鈴薯)

昨年に引き続き不作だが、青果用は販売不振で相場は低迷している。量販店売り場では、馬鈴薯は惣菜に使う業務用が拡大している。「買い」の問い合わせは殆ど業務用で、価格の安いSサイズやB、C品。青果販売用の馬鈴薯はブランド品を別にして苦戦が続いている。

 

(人参、大根、牛蒡)

青果需要は長期低落トレンド。伝統的な野菜であるから、業務用に活路を見出すチャンスはあるが、単価的には厳しい。いずれにしても大規模低コスト栽培か、小規模こだわり栽培が基本となっている。

天候不順で作柄、相場とも不安定で、技術のある生産者は契約栽培の道筋を付けたい。

 

サイト管理者|日本マックランド株式会社
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