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ブログ: 2011年10月

TPP論議、再び始まる(3)

私は都市部に住み仕事柄、農村を歩いてきた。長年、農業の繁栄と衰退の現場を見てきた。衰退は地域により原因が異なるが、率直に言えば元気のない人は、自分の考えを持たず、主張せず、動かず、貴方任せの傾向が強く、時代の波に飲み込まれたと言いたい。地理的、自然条件が不利な地域はともかく、国、行政、組織に頼り切り、自分が経営者という自覚も欠如していた。「TTP?海外から安い農産物が入ってきて大変だ~どうしよう・・・」となる。しかし、現在は淘汰が進み、先見性のある農業人は既にこれをチャンスと見て「攻め」の体制に入っている。「今まで通り、何も考えない、行動しない」消極的な人達から、国際競争に勝てる農業人に視点を移さねばならない。

 

軸足を成長分野に置いて、先ず世界競争に勝ち、財源を確保することから始めないと何も出来ない。「俺たちも一生懸命働くから、競争力のある分野に稼いでもらい、もし天災や暴落で赤字が出た時は助けて下さい」という農業人もいる。歯を食いしばって働き、納税しているサラリーマンの中には優遇し過ぎるとの異論もあるが、食い物を心配している様では働けない。「お互い様・・・」保険と割り切って容認しお互いに頑張ろう。

 

販売サポートを始めてから、いつも気になるのは消費減である。消費減は都市部から始まっているから、昨年、あれこれ調べて書いた。この2年、農産物は相対的に不作で相場は高いが需要が伸びているという話しは聞かない。多くの仲卸は高すぎてモノが動かないとあきらめ顔だ。先日、デパートで対面販売している野菜ソムリエが、「4人に3人は価格優先」と話していた。デパート客がこんな調子だから量販店客は殆どが価格次第だろう。超円高が加わって企業は更に人件費を切り詰めている。消費環境の改善はいまのところ先が見えない。

 

大手輸出企業は国内生産に見切りを付けて再び海外移転が活発化している。周囲のサラリーマンの中には中国や東南アジア方面に海外勤務を命じられたという話しはよく聞く。先進国の大部分は内需が衰退トレンドにあり、今後も生き残りを賭けて成長市場への参入が続く。米国は先週、韓国とのFTAを批准し、5年後に両国はほぼ完全自由貿易となる。交渉が出遅れている日本は、主戦場米国、EUで関税、物流のハンディーを背負い、競合する産業は黄信号が点灯する。韓国内では日本と同様に大きな影響を受ける分野も多い。農業団体やバックとする野党の反対運動が盛り上がっている。失業率は上がり、貧富格差は日本とは比べものにならない位、広がっている。韓国は半導体や液晶テレビで世界を制覇し、今週のニュースでは高機能携帯電話でも米国アップル社を抜いたという。日本の看板だった電子産業は世界中で影が薄れ、欧米では忘れかけている。日本のドル箱的存在である自動車産業もFTA発効を機に、韓国車の切り崩しに直面する。

 

国際競争力が落ちれば日本の消費は更に縮み、安価な農産物しか売れなくなる。日本の農家は世界でも上位の生活レベルにあるが、消費者が弱っては維持も危ない。

 

TPP、FTA、EPAなど自由貿易は自分達の将来にとって毒にも薬にもなる。慎重姿勢も否定できないが、現状を考えれば、自由貿易で副作用は解毒しつつ、起死回生の薬効を期待したい。

 

TPP論議、再び始まる(2)

重要なのは成熟期に入った日本で、新規を含めてどの産業に重点を置いて「財政」を立て直し、増大する社会保障などの出費に備えるかである。戦後の産業発展で国や企業、国民の資産は確かに増えたが、バブル崩壊で縮小してしまった。年金、医療、雇用保険などの積立金、埋蔵金も減少しており、一部の企業年金、健康保険組合は破綻して政府管掌保険に編入されている。収支バランスを取るため、毎年大量の国債を発行し、低金利で国内販売し約90%が日本国民、企業が持っている。しかし、国内の預貯金残高は減少に転じており、あと数年で買い付け余力が無くなるという。その後は海外の投資家に引き受けてもらうしかないが、高金利になると金額が大きいので、借金は雪だるま式に増えて行くと専門化は警告している。

 

直近で深刻なのは雇用が縮小していることである。雇用されても正社員ではなく契約社員が多く、収入は限られ、公的年金、社会保険の納付額は大幅に低下する。契約社員の約9割が年収200万円以下という。生活保護世帯204万に急増、年金支給年齢68歳に引き上げ、増税の検討着手など、国の財政危機は目前に迫っている。この様な社会到来で、農家が作った農産物がまともな価格で売れる保障は何処にも無い・・・・

 

この難局を乗り切るには先ず、ライバルが増えている従来型産業から未来型ハイテクに変えなければならない。人口減で内需では成長できないから、従来型はこれから成長する国々の需要を掘り起こし、取り込まねばならない。そのためには相互互恵の自由貿易で海外に出て行くしかない。しかし、農業の海外進出には食の安全保障を懸念して反対論が根強い。

 

今こそ大局観を持って小異を捨て大同につく英断が求められる。国際競争力が弱いと言われる農業だが、技術先進国であり、農業生産金額も世界5位の農業大国である。農民が自信を持ち、グローバルな視点で知恵を搾れば再生の芽は充分ある。例えば今まで多額の農業予算を使って育てた技術を国内だけではなく、海外の必要としている地域に提供し、収入源に育てる。技術を海外で生かすことは工業製品では常識である。相手国の経済発展に役立ち、日本製品の新規需要の掘り起こしにも役立つ。以前にも書いたが既に「日本食ビジネス」の海外展開が着々進んでいる。食関連企業はグローバル化を図らなければ、成熟した日本では成長出来ない。今後も投資は続くと思うから連携のチャンスはある。一筋縄ではいかないが、チャレンジ出来る人材の養成から始めなければならない。

 

「今の百姓にそんな事は出来ないよ・・・」という言葉をよく耳にするが、日本が発展できたのは「不可能を可能にした」先人達の情熱と、血の滲む努力があった。もう、ここまで来たら農業人は「甘え」「ぬるま湯」体質を捨て、今まで培った技術をフルに生かして国際競争に挑まなければならない。

先日、世界的指揮者小沢征爾氏が記者会見で「日本の若者はもっと積極的に海外に目を向け、出て行くべきだ。内向きは良くない」と危惧の念を述べた。一時、日本の若手音楽家の国際舞台での活躍は目覚ましかった。最近は中国や韓国など新興勢力に押され気味であることを懸念して述べたのだろう。

 

農業界は自分達の既得権を守るため様々な規制をかけ、新規参入をコントロールしてきた。そのツケが今、廻ってきたと言える。高齢化、過疎化、人材、労働力不足にやっと気が付いて政策が打たれつつあるが、対応の遅れは否めない。外国人労働者に来てもらうだけではなく、自ら相手国に乗り込むくらいの若手農業人を育てなければならない。

 

TPP論議、再び始まる(1)

政権が交代して約2ヶ月、相変わらず課題は山積みである。宿題ばかり増えるが、「財源」や複雑な利害が絡むので、処理が進まない。「どうする、どうする」と言っている間に次の宿題が出る。政治、行政の現場は頑張ってはいるが、調整が遅れ、改善しない状況に国民の苛立ちは募る。戦後長く続いた繁栄は既に峠を越え、将来不安で国民も企業もますます守りに入り、活気が出てこない。米国、EU等先進国も同様で、破竹の勢いを誇った新興国も先進国需要後退では減速である。リーマンショックは大規模な財政出動で少し持ち直したが、今度はそのツケがまわり、米国の巨大な財政赤字、EU内のデフォルト懸念が表面化し、先行きは予断を許さない。世界はリンクしているから、米国、EU、中国、日本などの主要国が連携して手を打たないと景気は回復しない。

 

最近、経済至上主義による格差社会の弊害が指摘され「幸福度指数」なるモノが登場、今までの価値観、生き方を見直そうという気運が一部に出ている。鎖国論とは言わないが自給自足の「内向き論」もある。生き方は各人の自由だから否定しないが、経済規模世界第三位の日本は消極的な道は歩めない。豊かな消費生活に浸り切り、巨額の債務を抱えた国が「内向き」を選択するとしたら、世界経済はパニックになるだろう。確かに身の回りには急激な社会変化に対応できず、精神的にも経済的にも困難な生活を強いられている人達が増えている。その原因の多くは、グルーバル化と過度の自由競争にある。職や人間の絆を失ってしまった人達が増えたのは否定できない。しかし、ここで弱気になり、負け犬になるわけにはいかない。自分達が作った借金は歯を食いしばって返済し、末代に残してはいけない。経済パニックを起こして、世界の何の罪もない人達に迷惑をかけてはいけない。みんなで奮起して頑張り、再生の道を歩まねばならない。特に若い世代には檄を飛ばしたい!

 

以前、日本企業の快進撃によって欧米では自動車や電機産業が大打撃を受けた。仕事を失った労働者が、あちこちで反日デモを繰り返し、日本車やテレビを焼き討ちした事件も起こった。しかし、日米欧政府は自由主義経済を基本とし、摩擦はあったが極端な政策を控え、ITやバイオ、宇宙など最先端産業を育て、危機脱出に成功した。自動車界の雄であったGMは、保守的な労働組合を擁していたため自己改革が遅れ、時代の波に飲み込まれ破綻した。デトロイトの街に大量の失業者が溢れたニュースはまだ頭から消えてはいない。自動車に限らず世界中のすべての業界が凌ぎを削り競争している。我が国も自由主義を標榜して発展してきたからには、今後もこの原則は変えられない。

 

再びTPP論議が高まっている。TPPについては農家の関心が強く、昨年夏から各方面に取材し、ブログで紹介してきた。TPP参加交渉はいよいよ来月、APEC開催迄に、結論を出さねばならない。与党内の一部は「中小企業や農林水産業への影響が大き過ぎる!」と交渉参加に反対している。専門家の中には、米国のTPP参加要請は来年秋の大統領選対策で、日本には殆ど利益は無いと言い切る人もいる。内容が少しずつ明らかになってきたが、米国の狙いは農産物解放要求にあることは論を待たない。日本のメリットは工業製品の関税撤廃であるが、為替操作(円高)で帳消しされる可能性もあると指摘する。米国農業は輸出増加で活気付き、大量の失業者が雇用の受け皿となり、一石二鳥のシナリオが描かれていると指摘する。確かに中国も韓国も参加しないから米国の農産物輸出先は日本に向けられる。これでは韓国が選択した二国間FTAでも良いのではと疑問を呈する。

いずれにしても、TPPだけが問題ではない。各国の経済活性化のためすべての分野に自由競争原理を取り入れてお互いに経済成長を目指そうという流れである。FTA、ATPも自由競争原理は変わらない。

 

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