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ブログ: 2011年8月

売れ筋となるか?・・・糖度7度台の良食味トマト(2)

IMG_0116.JPG通常栽培と同じ収量を確保して、高糖度良食味トマトを作るにはどの品種を使っても現状では難しい。収量減をなるべく少なくして高糖度を実現する方法があれば消費拡大につながる可能性がある。

作型にもよるが糖度8度以上を目指すフルーツトマトの総収量は通常栽培の50%程度(夏秋で56/反)が目処となる。単純計算すれば、通常栽培の生産者手取り平均単価が250/kg4kg1.000円)とすれば500/kg(同2.000円)となる。しかし、この金額で採算の採れる生産者は、直売を除けば少ない。

糖度や外観検査をすると、フルーツトマトとして秀品販売できるモノは、地域、時期、気候、管理技術により異なるが通期3040%位と推定される。光糖度センサーで8度を割り7度台に落ちると0.7掛け、6度台では0.35掛け程度の価値になる。仮に8UP1.000/kgとすれば7度台が700円、6度台が350円程度となる。6度台は通常のトマトに近いから相場により掛け率が大きく落ちる場合もある。これに物流経費が加わるから店頭価格は、かなり高価になる。従って消費量も限られる。

生産者側からみれば管理に手間がかかり、リスクが大きい割に、秀品歩留まりが良くないから思った程、収益が上がらない。秀品歩留まりが高い生産者は魅力的な作物だが、毎年安定して収益を上げるにはかなりの技術蓄積が必要となる。

フルーツトマトの道に嵌ると、上手に出来た時の満足感と秀品の高単価が頭にこびり付き、チャレンジ意欲が湧く。継続的に失敗しない限り普通のトマトに戻れなくなる。気候、圃場条件の良い土地で技術を磨いた生産者は残れるが、一般人にはリスクの高い世界である。大規模養液栽培でチャレンジしている生産者もいるが、日本の消費者の様に糖度、酸度、食味、外観、サイズ、棚持ちなど・・・要求が厳しい国では品質競争力は限定的と思われる。

フルーツトマトは気温が低く晴天が続く冬期は比較的安定生産が可能である。埼玉、群馬、栃木など北関東、静岡、愛知、三重など東?、高知など南四国、塩害を利用した熊本などに産地がある。それぞれ糖度、食味を競い、価格は高い。しかし、品質と価格のバランスが良ければ「買う」消費者が増えており、機能性食品としての追い風もあり、消費拡大が期待できる。

フルーツトマトと普通のトマトの中間、即ち、糖度7度台で収量をある程度確保して再生産価格を下げ、固定客を掴めないか・・・5年前から取り組んでいる。

 

【北海道後志の事例】

画像はベテラントマト生産者Aさんが取り組んでいる圃場である。(714日撮影)

品種は「麗夏」、4段採り2期作。単条植え、畝間は広く取っているので栽植本数は通常より20%位少ない。ご覧の様に葉は少なく、小葉、果実がビッシリ付いている。「こんな少ない葉で収量が上がるの?」と疑問を持つ生産者がいると思うが、これが理想に近い草勢である。つまり、果実に養分が転流し、葉が大きくならないから、受光効率がよい。以前訪ねた、高糖度、反収20㌧採りを実現した埼玉のSさん(冬トマト)の草勢は更にコンパクトで、大袈裟な言い方だが果実ばかりで葉は驚くほど少なかった。見学に来た人が一様に首をかしげて帰ると言っていた。

Aさんはこのハウスは大作りの農家には見せないと笑いながら、下記の話しをしてくれた。

「糖度と収量の両立を目指した結果、この草勢になった。特に夏は葉を大きくすると、水分蒸散量が多くなり、潅水しないと萎れやすい。コンパクトな葉で必要最小限度の水分を与えて正常に光合成を行わせるのがポイント。通常葉サイズで水を絞るとコントロールが難しい。初期生育の根張りを重視し、草勢も途中までは強めに作る。土台がしっかり出来たら、摘葉しながらコンパクトな草勢に仕上げて行く。定植時期のずれやその後の天候も草勢に大きく影響するので、経験を積まないと難しい。なるべく草勢が変動しない様に、土作りは「スーパーランド673」反当9袋と微生物堆肥少々だけ。たまにミネラルPKを少量入れる程度。気温が高くなると蒸散量が増すから、天井にストレートファンをハウス1棟(100坪)当たり2基取り付け昼夜、回している。室温は45℃下がる。特に昼間、土に蓄熱された熱の輻射熱の影響を少なくして夜温を下げる効果が大きい。風を送っていると昼間は、光合成が活発になり、夜は湿度による病気の発生が防げる。根が深く張っているので、前作は殆ど潅水いない」

 

この5年間の経過を書くと、当初は610日頃~7月上旬まで収穫の一回戦(促成)で糖度78度台、(9月上旬~10月上旬迄の二回戦(抑制)で12段目6度台、34段目で7度台であった。しかし、一昨年辺りから天候が狂い、昨年も今年も糖度は0.5~1度程度下回り、7度は微妙なラインになった。「通常のトマトより糖度が高いから」と買ってくれた量販店に申し訳ないので出荷を見合わせている。Aさんは「これまでは9月の暑い時期は別にして、7度台は自信があったが・・・」と首をひねる。近くの漁港に揚がる魚の時期や種類も微妙に変化してきていると言うから、温暖化の影響が忍び寄っているのだろう。

 

【北海道空知の事例】

Tさんは5年前からフルーツトマトを目指していたが、フルーツの収量が時期により大きくブレ、販売先にも迷惑をかけ、経営が安定しないので3年前から売り方を含めて7度台トマトに転向した。糖度がぶれる原因はハウスの土層にバラツキが有り水分管理が一様に行えない事にあっが、土木工事をしてまでフルーツに拘るメリットは無いと判断した。

品種は当初から良食味品種「T-93」、施肥は「バランス684」反当10袋、ミネラルPK3袋を継続している。場所による土壌水分のバラツキは対策が難しいので、なるべくバラツキの少ないハウスに移した。3年目の今年は、こつこつ売ってきた顧客から食味と価格のバランスが評価されて、想定価格でキチンと売れる様になってきた。真夏は6度台も出るが、8度台はフルーツトマト価格で売れるので平均単価は通期では影響を受けない。収穫終了後、収益性を検証するが、固定客(量販店)が付いてきた様で、将来に希望が持てる。

 

【冬トマト】

冬トマト(高糖度大玉)の取り組みは45年前から始めているが、現状では難しい。大産地は熊本県八代海沿岸だが、7度以上のトマトが出来るのは2月からの塩トマトで、通期では厳しい。地元に密着している業者が、大潮の塩害で糖度が上がるハウスを事前に探し、契約している以外、大量には出てこない。通常のハウスで高糖度を作ることは採算的に非常に厳しい。原因は、冬期で日照量が限られるため、根本的に難しい。高糖度を求める生産者は、中玉系品種を作っているが、収量は限定的で高単価になる。

 

(コメント)

販売ルートもいろいろチャレンジしているが、今の所、7度台トマトは中途半端な位置付けで、販売側はフルーツトマトか一般トマトか二者択一の感がある。消費者層が、はっきり別れている様だ。昨年、今年とトマトの相場は堅調で、味はあまり問われず、売れている。しかし、このデフレ時代にはしっかりした品質の商品を消費者が買える価格、しかも再生産価格で作らねばならない。需給関係で右往左往している関係者の体質は変わらないだろうが、全く白紙から組み立て直せば、次世代の答は見えてくる筈だ。

 

売れ筋となるか?・・・糖度7度台の良食味トマト(1)

IMG_0110.JPGのサムネール画像トマトの記事ばかり書いて恐縮だが、量販店バイヤーが最も関心を示すのは「美味しリーズナブル価格のトマトである。消費者の舌が肥えて、次第にハードルが切り上がっている。一方、価格に見合う価値があれば売れるという時代背景もある。今夏の様に品薄の年は糖度が低くても売るのには苦労しない。しかし、平年作であれば需給関係が狂うと買い叩かれる。特に最近出た黄化葉巻病抵抗性品種は食味が落ちるモノが多いと言われている。

おいしい大玉トマトの目安とされる糖度は、従来、6.5度位だったが、近頃は7度台にハードルが上がりつつある。このレベルを安定して保つには、品種選択、栽培環境、土作り、管理技術が伴わないと難しい。温暖化傾向が定着し、ゲリラ豪雨などが多発する環境では、栽培地はかなり限定される。日照があり、水捌けが良く、昼夜の寒暖差の大きい産地となれば、冬春はともかく、夏秋では冷涼な海風の吹く日本海、太平洋沿岸(北海道)か内陸の高冷地になる。水切りや塩分ストレスを与えて糖度を上げる方法もあるが、既に一般的に行われており、収量などを加味するとそれ程大きなメリットは期待できない。異常気象で天候の振れが大きい近頃は、水切りなどによる尻腐れの多発など減収リスクが高い。

 

糖度8度以上のフルーツトマトは、確かに1000/kg以上の単価になり魅力的だが、管理に手間が掛かり、収量が限定的となる。土耕は当然として、遮根、養液土耕、樽、バック、塩水など色々試されているが、面積拡大には採算性などハードルが高い。

 

北海道西部にある農業会社F社は、昨年までフルーツトマトの大規模生産を目指し、試行錯誤してきた。いろいろ試してきたが尻腐れとの戦いに決着が付かず、「7度台良食味トマトの量産」に方針を切り替えた。美味しさは糖度だけでは決まらないが、最低7度台無いと競争力は劣る。味にコクを出すため酸味の強い品種を採用し、肥料は菌体入り100%動物有機「バランス684」を反当200kg施用している。昨年の試験結果から、従来の「麗夏」「りんか」を縮小し、一気に勝負に出た。苗代(接ぎ木)だけで反当50万円近くかかるが、7人でリスク分散して1.4㌶超植え付けた。A社長は、「普通の農家はこんな高い苗代かけて冒険しない。チョコチョコ作って様子を見ながら増やすと思う・・・。そこが狙い目!誰も怖くて出来ないから、チャンスがある。今の販売はある程度の数量を持っていないと認知インパクトに欠ける。欲しい時に出荷してあげないと、いつの間にか注文が消える。農家が「良さそうだな・・・」と気が付いて出荷量が多くなれば価格が下がり、先駆者の魅力が無くなる。ある年数がきたらそれより進歩した商品を出さないと収益は向上しない・・・」と話している。彼は新品種や新方式に飛び付き、リスクを取っても自分で試し、常に上昇指向だ!

このトマトの栽培指針はは「潅水は通常通りで糖度7度以上」。尻腐れを出したら負け」・・・従来の常識では無理である。収穫始め6月下旬に試食品を送ってもらったが平均糖度8.7度、最低8度、最高10.2度。7月中旬に訪ねて検査、平均7.5度、最低7.2度。8月に入っても最低7度は切っていないという。涼しくなる8月下旬から再び糖度は8度台上がる。

着果数は房あたり5果程度、果重は100120㌘程度で1パック当たりの売れ筋価格が組みやすい。最も引き合いが強い玉サイズは32玉以下で、一般品の約2倍、1000/kgの高値で取引されている。今年はおいしいトマトが少ないので想定以上の高単価で売れているが、育種元の話しでは収量は従来品種と比べて2030%少ないが、市場価値は50%高を想定していると言う。収穫が終了しないと収益性は解らないが、品質が高く評価され、売りやすいサイズも将来に期待が持てる。西南暖地とのリレーで年間供給への検討も始めている。

 

夏秋トマト、盆前は高値に湧く!

IMG_0133ニセコリンカ.JPG今年も夏秋トマト相場が高値で始まり、北海道や岐阜高冷地など主要産地は元気が良い。特に促成で初期に加温した生産者は日照不足でも、そこそこの収量を上げており顔は明るい。スタートが遅れた生産者は着色が進まず、高値を横目に困惑している。

ミニトマトは例年なら、夏休みに入ると給食需要が落ち込み、7月下旬からお盆にかけて暴落する。今年は1箱(3kg)東京で3.000円近くの高値に張り付いており、お盆を控えていても暴落の気配は今の所無い。原因はいろいろ言われているが、需要が特段拡大している様子もないから、単なる供給減だろう。

九州(熊本、宮崎)が台風や大雨の被害で早めに切り上がり、日照不足で夏秋産地北海道の立ち上がりが大幅に遅れたことが主因と思われる。震災を受けた南東北の出荷減も考えられるが、全国的に果菜類の結果は良くない。

7月末、浜松市内の集まりで、直売場売りや家庭菜園のトマト、茄子が全く成らないと話題になった。露地栽培や家庭菜園は、7月中旬~8月中旬頃まで収穫最盛期。供給過剰で相場の下押し要因となる。今年はこれらの兼業やアマチュア的生産者の収量が減った事も供給減の一つとして考えられる。集まりの中に唯一の専業農家Tさんがやお立ち上がり「こういう年でも、収量を上げるのがプロの腕さ!」と胸を張っていた。

収穫が遅れていた分がこれから一気に出荷され、盆を挟んで市場に集中、その後は成り疲れで急減、急騰という昨年同様のパターンが予想される。

 

先日、飛騨に行ってきたが、JAでは出荷量の半分を再生産価格と思われる4kg1.250円(売り立)で先物契約し、生産者の安定経営を目指している様だ。品種は従来のエイトから堅玉で収量の上がる409等が徐々に増えている(地元生産者の話)

8画像)北海道ニセコ町リンカトマトの選果

 

 

フランス原産の香りと風味、食感を楽しむ青トマト

IMG_0334.JPGトマトは世界中で食べられているが、未熟果は無色素グリーン、熟すと品種により赤、オレンジ、黄色、紫色などに変わる。熟す段階で香り、風味、食味(酸度、糖度)、食感が微妙に変化し、調理人はそれぞれの特徴を生かして色々な用途に使う。

フランスワインの名産地、ボルドー地区南東部マルマンド市周辺を原産地とする青トマトがあると種苗会社から聞いて、早速、昨年秋から試作を始めた。栽培は原産地の地中海性気候に近い、愛媛県宇和島市のNさんにお願いし、種子を送った。残念ながら3株しか発芽しなかったが脇芽を摘んで100株近くに増やした。この青トマトの特徴は下記の通りであるが、ある程度熟してから食べる日本のトマトとは異なり、いわば未熟果の青臭さとガリガリ感を楽しむマニアックトマトである。

イタリアンやフレンチシェフの間では知られた存在らしく、興味を示す調理人も少なくない。

【特徴】

   果形は比較的大型でリブ(凹凸の筋)があり、果形は不揃い。

   果肉は肉厚で香りが良いのが特長。果実内の種子量が少なく、サラダの他、加熱調理用にも好適。オリジナルなソースやジャムなどにも適す。

   ヨーロッパではスペイン、フランス、イタリアの地中海沿岸部で栽培されており、スペイン、イタリア料理には無くてはならない食材である。

   果実が未熟な時期に収穫して食べることで、マルマンディートマトの香りと風味、食感が楽しめる。

   この特徴的な香りと風味はクロロフィルに由来するもので、熟してしまうと失われてしまう。

   食べ方は薄切りして、モツァレラチーズなどと一緒に食べるのが一般的。

 

秋に播種したが、株を増やすために日数がかかり、4月末から収穫できるようになった。しかし、どの熟度で収穫したら良いのか解らないので熟度を3段階に分けて送ってもらった。専門家の意見を聞いてみたが、どの熟度も全く特徴が無く不評であった。原因はミニトマトを栽培しているハウスの片隅に植えたため、水分コントロールが出来ず栄養成長気味になり、水っぽい普通のトマトになってしまった。やはり、地中海性気候のようにサンサンと太陽が照り、乾燥していないと香り豊かな本来のマルマンディートマトは出来ない様だ。種苗会社に聞いてみたら、1玉100150㌘程度に仕上げないと特徴が出ないという。気を取り直して一旦、果実や葉を整理して仕立て直した。1果重量120㌘に仕上げるにはフルーツトマト並みの水分管理が要求されるが、Nさんは諦めずに再チャレンジしている。

お盆過ぎには見通しが付いてくると思うが、どんなモノが出来るかは全く解らない。

このトマトに興味のある方はご連絡お待ちしております。

 

 

サイト管理者|日本マックランド株式会社
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