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競争力高まるトルコの農業(1)

P1081424.JPGのサムネール画像ヨーロッパ、アジア、アフリカ、中東文化が混在しているトルコは、一度は訪ねたい国の一つである。

1月にイスタンブールを訪ねる機会があり、現地ガイドTさんから最近の農業事情についてインタビューした。

トルコは日本の約2倍の国土を持ち、世界有数の農産物輸出国である。特に近年、伸長が目立ち50億㌦(2010年)を超えた。人口増加と経済発展で国内消費が伸び輸入も急増している。軍事的にはNATO(北大西洋条約機構)に加盟しているが、EUには加わっていない。GDP(国内総生産)7.344億㌦、世界18位、G20(先進20ヶ国)に入る大国である。数々の部族や王侯が盛衰を繰り返し、オスマン帝国時代には周辺地域に強大な勢力を誇り、ユネスコ世界文化遺産が各地にある。江戸時代から日本と友好関係にあり親日的、訪れる日本人観光客も多い

■何故、EUに加盟していない?

通貨はトルコリラですが、店によってはユーロもOKです。EU加盟は検討中と言えますが、一説によればヨーロッパのキリスト教に対し、トルコはイスラム教という宗教的異質感が障害と言われています。トルコ側の事情としては、豊富な若年労働者が高賃金のEU圏に流出し、農業や伝統産業(トルコ絨毯など)が打撃を受ける懸念があるからと言われています。一時はトルコからドイツなどにに移民した時代がありましたが・・・

元来、遊牧民が多く、大家族主義で子育て環境に恵まれ、出生率が高い反面、肉食民族で平均寿命は日本より10歳低く、労働者の平均年齢が若い。日本と全く逆ですね・・・。安価で豊富な労働力に目を付けた欧州や日系自動車メーカーが相次いで進出し、売り上げ規模としては既に農業生産額を抜いてトップです。EUに金融危機が襲ってユーロが急落し、国民の多くは加盟しなくて良かったと思っています。将来の事は解りませんが・・・EU諸国に比べればまだ、産業競争力が弱いので時期尚早と言う慎重な意見も多いです。

 

■人口は・・・

7300万人。土着遊牧民、ヨーロッパ、中東、アフリカ、アジア系などの混血です。首都はアンカラですが、最大の都市はイスタンブールで約1130万人が住んでいます。湾を挟んで西がヨーロッパ系、東がアジア、中東、アフリカ系が住んでいます。朝夕は両岸を行き来する車で渋滞し、混雑は東京に負けません。

農林水産人口は約1450万人で日本169万人に比べて8.6倍。人口比率にすると20%、日本が2.1%ですから10倍の人達が農林水産業で生活しています。、GDP(国民総生産)に占める割合はトルコ8.4%、(日本は1.4%)ですから、農業は主要産業です。

農民1人当たりの年間農業収入は2002年に1000㌦でしたが、2010年には3565㌦と3.5倍に伸びています。

 

■作物は・・・

国土の約40%が耕土で、小麦、大麦、豆類、菜種、甜菜、果樹、野菜、切り花・・・。畜産は家禽、乳牛、肉牛です。イスラム社会ですから豚は飼育されていません。

世界生産量第1位の農産物が3品目あります。ヘーゼルナッツ、アプリコット、チェーリーです。

その他キュウリ、イチゴ、スイカが各2位、リンゴ、唐辛子が各3位、トマト、ホウレン草、玉葱、オリーブが各4位、マンダリン系オレンジ、桃、葡萄、レモンライム、梨が各6位など多種類の作物が世界上位を占めています。この他、干しイチジク、メロン、蜂蜜、タバスコ、などもあります。ワインも作られており美味しいですよ。

魚の豊富な地中海、エーゲ海に面し、漁業も盛んです。

 

イスタンブールは東西南北に通じる十字路と言われ、古くから物流、補給拠点として栄えてきました。周囲に多様な農産物が作られ集まるようになり、農業が発展しました。

しかし、東西南北に通じていることは軍事的には四方から侵略を受けやすいと言うこともあります。1924年国家の独立に際し、戦いの歴史から学んだ食糧の安全保障が最重要課題と考え、嗜好品を除いて完全自給体制を築いてきました。

近年、経済発展に伴い人口が急増し、更に年間3000万人と言われる観光客が加わり、食糧需要が飛躍的に高まりました。輸送事情も改善されて自給自足地域が減り、農村の生活も豊かになり食需要が増えています。

 

農業生産額が伸びた以上に国内消費が伸びたため、食糧の輸入額が輸出額を上回り、輸入超過になってきました。自給する為の耕地はありますが、農民がより豊かな生活を求めて農村を離れ、イスタンブールなどの大都市部に人口が流入しています。農村の人口が減り、残った農民は付加価値の高い農産物を効率よく作った結果、1人当たりの所得が2002年から8年間で3.5倍にも伸びたのです。これは、日本の高度成長期にもみられた現象と同じです。・・・

 

統計で見れば加工食品を除く農産物の輸出額は 2002年の17億㌦から2010年には50 億㌦と8年で約3倍に急伸しています。

葡萄、リンゴ、マンダリン系オレンジ、イチゴなど付加価値の高い果実類、牛乳、鶏肉、牛肉など畜産品の生産量が伸びています。一方、主要穀物の小麦は2005年に2150万㌧でしたが2-2009年には2060万㌧、大麦は930から730万㌧と大幅に減少しています。国民生活が豊になると、果実類や畜産品の消費が伸び、農民も所得の高い作物にシフトしていることを示しています。

 

広大な耕地を持つトルコでも、周辺国に安い農産物があれば、輸入するという構図になってきました。自動車産業などが更に発展すればEU加盟に関わらず、相互に関税を縮小または撤廃して完全自由貿易になるでしょう。

【輸入農産物金額ベース・ベスト5】

   綿花・・・・・・100.3(億㌦)

   小麦・・・・・・・90.2

   ひまわり油・・46.8

   大豆・・・・・・・42.9

   葉たばこ・・・29.0

2009FAO統計)

 

■野菜はどの辺で作られていますか・・・

馬鈴薯や玉葱の多くは機械化大規模農場で作られています。人手のかかる果菜類や葉菜類は冬でも温暖なエーゲ海に面した地域で作られています。種類は様々有り、日本と同じくらい沢山ありますね。

近頃、トルコでも安全性に関心が高まり、オーガニック栽培が増えています。ドイツやフランスなどEUを始め、周辺国の富裕層を中心に輸出が伸びています。手間のかかるオーガニックは、人件費の安いトルコに有望で、今後も増えて行くでしょう。

■課題は・・・

いろいろありますが、一番心配なのは気候変動です。

今年は1月に入っても雪が全く無く、この様な年は初めてで、異常です。通常、この時期には圃場に積雪があり、春に融けて地下土壌に蓄えられます。降雪が少ないと水不足になり、干魃害が懸念されます。異常高温や低温、大雨や干魃など天候の振れが目立っています・・・

農民の貧富格差解消も課題です。

オスマン帝国以来の大地主制度が色濃く残り、小作人だった小規模農家が細々農業を続けている地域が沢山あります。大地主は農地を買収して規模を拡大し、機械化して更にコストを削減し競争力を高めています。その煽りで小規模農家は価格競争について行けず離農し、仕事を求めて大都会に流入しています。国も色々な保障政策を打ってきましたが、財政が破綻状態なので頼りになりません・・・

結局、資金力のある大地主が大規模な農業会社になり、小作人だった小規模農家はサラリーマンとして雇われる事になります。内容は異なりますが形態としては帝国時代に逆戻りした感じです(笑い)

大規模化、企業化で国際競争力が高まり、トルコ農業は益々発展するでしょう。

(画像)イスタンブール市内)

 

 

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